9月に新作『ストレンジャーたち』の上演を含む展示会「バストリオの野性展」を開催し、10月にはSPORTS MEN(中村太紀 + 澤田栄一 + 豊田真之)とコラボレートした最新作『野性の日々』を上演しているパフォーミングアーツ・コレクティヴ「バストリオ」が、10回目の本公演『ストレンジャーたち / 野性の日々』を12月6日(金)から9日(月)にかけて東京・原宿 VACANTにて開催。
2017年の『エモーショナル』以来2年ぶりの本公演となる同作は、『ストレンジャーたち』と『野性の日々』のエクスパンデッド・エディション。両作の参加者に加え、音楽でSKANK / スカンクとタカラマハヤ、俳優として菊沢将憲、田崎小春の参加も新たに決定しています。なお会場には、“出張ご飯とお菓子”「ニャー」のフード出店も予定。6日(金)は批評家・佐々木 敦、7日(土)は小説家・山下澄人を迎えてのアフター・トークも開催されます。
「野性」とは、自分にとって人間、生き物が持っている無意識で意識下で隠したり演じてコーティングしてるもんが剥き出されたり溢れてしまう瞬間みたいな、匂いがするようなところ、矛盾の中間に存在すること、そこに表現における自分にとってのジャッジみたいなもんが揺れながらもあってそこを個々で逃さんようにやるみたいなことで、そのことを「野性」という言葉を使って試行し始めました。
9月の『ストレンジャーたち』においては親密だと思えるものでさえ他者だという距離について思考し、その絶対的な距離に手を伸ばすようなユーモアや身振りについて取り組み、境界線を過剰に表面的に扱うことで意識的にその線上に乗っかっていくような身振りの発見について、そして死と生の対峙についての不可能性にも触れていきました。例えるならビートの上にアバウトな線を引いて、意味を引っ張ってきたり繋がら ないもんを同じテーブルに乗せていくような態度の再発見です。10月、『野性の日々』では前作の逆ともいえる身振りで、SPORTS MENというバンドが持っている歌や詩という物語を内包している線上に、インタビューという構成を用いて椅子を並べ居座り、ただここにいる人間や石やお金や木が句読点を打つことで線に触れることにより、意味を弛緩させ質感を生み出して場に振動を起こす様を観客と共に観察する時間と空間を構築しました。この二作品を経て個々が互いを拡張させていくような瞬間を12月の新作では発見したいと思ってます。これから始まります、終わりは始まりで、もう始まっているし、始まりなんてわからないってことです。
野性二作品の参加者に加えて、新たに音楽でSKANK / スカンクさん、タカラマハヤくん、俳優である菊沢将憲さん、田崎小春さんも参加します。さらに増えるかもしれないですし場はいつだって開かれていて閉じてます。役職はあれどなによりも人間として関わってきてもらうつもりで制作していきます。どうなるかなんてやってみないとわからない、そういったところに表現があります。感覚がすべてで、多様に存在するはずの主観がギリギリのところで自然発生的に踊りだすような、誰も知らないようなところで動き出す何かを圧倒的にやってみようと思ってます。
――今野裕一郎
■ バストリオ #10
『ストレンジャーたち / 野性の日々』
http://busstrio.com/wild3
2019年12月6日(金)-9日(月)
東京 原宿 VACANT
6日(金)20:00- | トーク 佐々木 敦(批評家)
7日(土)15:00- | 19:30- | トーク 山下澄人(小説家)
8日(日)13:00- | 17:30-
9日(月)13:00- | 17:30-
[あらすじ]
ここには人間が住んでいる。ストレンジャーたちは家を建てる、そしてそこから周縁に追いやられた野性を見つめること、時にそれは動物園で眠るライオンの寝息のような、生物のいない衛星のような、祖国から追い出される移民のような、病とたたかっている家族のような、荒野に集まった人間とその他のものたちは生を剥き出しにして、他人のままの優しいからだで真っ赤になって笑うのでした。
[チケット]
一般 予約 3,500円 / 当日 4,000円
U-25 予約 3,000円 / 当日 3,500円
14歳以下無料
ペア割 6,000円
特典付きプレミアチケット 5,000円
作: バストリオ
演出・照明・美術: 今野裕一郎
登場: 橋本和加子 / 坂藤加菜 / 佐藤 駿 / 田崎小春 / kurokimai / タカラマハヤ / 菊沢将憲
音楽: SKANK/スカンク / タカラマハヤ / SPORTS MEN
ペインティング・イラストレーション: kurokimai
美術建築: 秋良美有
衣装: MOC
香り: バンシュウミチヒロ
音響: 岡村陽一
宣伝美術: 嵯峨ふみか
写真: comuramai
FOOD: 出張ご飯とお菓子「ニャー」
制作・WEB: 橋本和加子
協力: 黒瀧保士(VACANT)
企画・主催: バストリオ
※ お問い合わせ: busstrio@gmail.com
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