文・撮影 | アグネスパーラー
| 第9回: コーヒーフロート
人にはそれぞれ、いろんなルールやこだわりがあると思うのですが、先日、「コーヒーフロートはアイスをぜんぶ溶かしてから飲む」という話を聞いてびっくりしたことがありました。想像してみてもなかなか理解できないというか、いったいどういうことなのか。
コーヒーフロートの飲みかたなんて今まで考えたこともなかったのに、突然やってきたアイスを全部溶かすという高度な技がなんだかとても気になる。このまま考え続けても仕方がないし、まずは自分で試してみようということで、喫茶店に行ってはコーヒーフロートを飲む日々が始まりました。
実際にコーヒーフロートを目の前にしたところで、アイスを一気に溶かすなんてやっぱりもったいないような気がしてしまって、勇気が出ない。いつも通りスプーンでアイスを食べながらストローでアイスコーヒーを飲んで、を繰り返し、最後にアイスがすくえないレベルになったところでようやく全体を混ぜて飲む、そうすることしか私にはできませんでした。ときどきアイスに氷が当たってちょっとシャリシャリするところが胸キュンポイントなのに、これを無視して一気に溶かすなんて行為は私には永遠に理解できないかもしれない。謎は深まるばかり。でもここまできたら人それぞれ嗜好があるのでわからなくてもいい、私は私の飲みかたでコーヒーフロートを楽しんだらいいな、ということで心は落ち着きました。
もうコーヒーフロートは頼まなくてもいいよという境地に来たけれど、せっかくだからいろんなお店のコーヒーフロートを飲んでみようかな、と喫茶店に行くたびにコーヒーフロートを今も楽しんでいます。普通のコーヒーよりは高くて、ケーキセットよりは少しだけ安い、そんな飲み物とデザートの中間のようなコーヒーフロート。ちょっと甘いの食べたいな、という小さな心の揺れを知らぬ間にキャッチしてくれていたんだな、と意識して飲むことで見えてくる世界がありました。ありがとう、コーヒーフロート。そして他にもいろんなフロートが待っている、そのことを考えるとまだまだ開拓の余地がある気がして今年の夏、これからが楽しみです。
というわけで今回はコーヒーフロートです。もはやレシピなんてあってないようなものかもしれないけど、お家で少し特別なことをしてみる楽しみや夏休みの研究にどうぞ。アイスは好きなものを。アイスコーヒーも気軽に市販の物でもいいと思います。好きな飲み方で好きにアレンジしてみてください。自分のルールでぜひ。
[材料(1人分)]
| アイスコーヒー(豆から抽出する場合はコーヒー豆20gで仕上がりは180ccになるように、少し濃い目に淹れる)
| 好みのアイスクリーム
| 氷
[手順]
01 | グラスいっぱいに氷を入れる。
02 | 01に氷が少し出るくらいまでアイスコーヒーを注ぐ。
03 | 02の上にアイスクリームをのせる。
※ 氷がグラスから少し出ていることでアイスが沈まず安定して乗る。
※ アイス用のディッシャーがない場合は大きめのスプーンでも可。
※ アイスコーヒーのシロップはお好みで。
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