kiss the gamblerが岩出拓十郎 (本日休演) プロデュースのニュー・シングル『台風のあとで』をリリース カヴァー・アートはあきさんぽ


 昨年8月に1stフル・アルバム『黙想』を発表し、今年4月には本 秀康主宰「雷音レコード」より同作のヴァイナル・エディションも発売されて話題となったkiss the gamblerが、ニュー・シングル『台風のあとで』を「ミロクレコーズ」と自主レーベル「City Bike Records」のダブルネームでリリース。5月14日(土)からの配信開始に先駆け、MVが公開されています。

 シングルとしては4作目にあたる『台風のあとで』は、岩出拓十郎(本日休演)をプロデューサーに迎えて同氏のホームスタジオ「仏間サウンズ」にて録音。岩出(eg)に加え、河村勇之介(key | THE ROMANS)、小池 茅(per)、樋口拓美(dr | 本日休演)、櫻木勇人(b)、屋敷(ag)が演奏に参加しています。マスタリングはBlack Boboi、柴田聡子らの作品も手がける風間 萌(studio Chatri)。カヴァー・アートは、過去の全シングル作品のアートワークも手がけたイラストレーター・あきさんぽによるもの。MVは、加納エミリ、ラッキーオールドサン、寿々木ここね、豊田道倫らの映像でも知られる小池が前作『サマーサンライズ』に引き続き監督を務めています。

 この曲を聴くと、ふとした言葉で初めて友達を傷つけてしまった幼少時の記憶を掘り起こされた気分になる。はたまた長く付き合った恋人との同居を解消する光景も浮かんできた。いや、人生を共にしたパートナーとの永遠の別れかもしれない。お互いずっと仲良しでいたいと思っていたはずなのにね。そんな心が離れてしまった出来事のあとの「なんで?なんで?」と折り合いがついていない、あの感情。台風一過なんか来ることはないと嘆く心の振る舞いにkiss the gamblerこと、かなふぁんは名前をつけた。“台風のあとで”と。
 しかしドラマチックな悲愴感は一切ない。率直なメロディに乗せて、かなふぁんの愛くるしい歌が今感じていることをのんびりと並べていく。バンドは見守るように演奏している。歌い終わったあとに続く、岩出拓十郎の静かにむせび泣くスライドギターが全ての感情を請け負っているみたいだ。
 kiss the gamblerはその人を大事に思っていたことの証として、ただ真っすぐ喪失を歌っている。

――峯 大貴(『ANTENNA』誌副編集長)

kiss the gambler '台風のあとで'■ 2022年5月14日(土)発売
kiss the gambler
『台風のあとで』

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