Postponed | Saul WilliamsとAnisia Uzeymanが東京・南青山 BAROOM「DEEP Listening」に出演 Fumitake Tamuraとのコラボレーションも


※ 本公演は台風7号の影響により延期となりました。

 1990年代より活動し、「Big Dada Recordings」「Fader Label」「Ozone Music」「Impulse!」等からの作品発表やBLACKALICIOUS、Denzel Curry、DJ Spooky、HO99O9、NINE INCH NAILS、Sage Francis、Tinariwenらとのコラボレーションなどても知られる詩⼈ / ラッパー / 俳優 / 映画監督・Saul Williamsと、そのパートナーでもある俳優 / 映画監督・Anisia Uzeymanが、8月16日(金) Postponedに東京・南青山 BAROOMにて開催されるイベント「DEEP Listening」に出演。

 同公演では、WilliamsとUzeymanによるトークや、Williamsの即興パフォーマンス、Fumitake Tamura、Masaya Katoのライヴを実施。WilliamsとTamuraでのコラボレート・パフォーマンスも予定されています。終演後は、Tamuraが日本でのレジデントを務めるパーティ「Scenario」も会場併設のバーにて開催されます。

 なお、遠藤麻衣子監督『自在』の日本初公開に合わせた東京・渋谷 シアター・イメージフォーラムでの特集上映「人機の情動 / MAN MACHINE EMOTION」では、Williams + Uzeymanが監督を務めた映画『ネプチューン・フロスト』を併映。8月12日(月・祝)には両者による質疑応答の実施も予定されています。

Short Interview | Saul Williams
取材: Fumitake Tamura

――私は『Elohim エロイム』(1972, Big Dada)のレコードで初めてあなたの言葉を聞きました。英語も分からず、あなたの言葉をサウンドとして聞いていましたが、あなたの声とレコードから情熱を感じ、すぐにレコードを購入しました。あなたの今までの創作した、詩や音楽、映画、またあなたの社会運動の活動について、なぜ今あなたはその場所に立っているのか、なぜそこに立つことが重要なのか教えてほしいです。
 「私が育った音楽の多くは、私の政治に影響を与えました。サウンドの独自性というものは政治的なものでもあり、興味深いことに政治的な強い意見を持った私が尊敬するアーティストの多くは、新しいジャンルの確立に貢献したと言われることが多いです。アフロビートのFela Kuti、レゲエのBob Marley、ヒップホップのPUBLIC ENEMY、グランジのKurt Cobain、ジャンルに囚われないことが多かったNina Simoneのようなアーティストもそうですね。だから、私のサウンドを発展させるということは、私の政治的思想を進化させることと密接に関係しています。私は音楽で実験したり探求したりすることが好きで、そういったことは社会的にも必要なことだと思っています。私にとって音楽とは、常にリズムを探求し、新しいリズムを追い求めることでもあり、そのために私は早くからドラムンベースや他のポリリズムのフォーマットを実験をしてきました」

――音楽、詩やあなたとAnisiaが監督している映画と、あなたのアクティヴィズムはどのような関連があるのでしょうか。 あなたは自分の言葉を強く、より遠い場所へと届けるために、あなたの持っている多くの表現手段をどのように組み合わせていますか。
 「まず、私のアクティヴィズムは、私のアートに組み込まれています。アートが持つ最も大きな可能性とその影響力は、人間の文化において発揮されるものだと私は信じています。アートは、私たちが持っている思考、恐怖、感情を自分自身で理解する手助けをしてくれますし、私たちが孤独ではないということをアートを通して実感することで私たちに勇気を与えてくれます。また単に様々なことから逃避することの手助けもしてくれます。また、私は自分のことを活動家だとは思っていません。私はただ、自分が持っている創造的な力を使い、自分にとって美しく、必要であり、重要だと思うものに自分自身を同調させているだけです。クリエイターとして、私たちが書くことを選択した題材や、私たちが学びに注いだエネルギー、そして私達がこの広い世界の現実と築き上げているつながりが、私の芸術の糧となっています。Anisiaと私は、互いに情報を与え合い、刺激し合い、また補い合うような感覚を持っています。人と繋がりのあるアートを作りたい、という共通の思いや、情熱のないプロジェクトやストーリーにはエネルギーを注げない、などということも同じようにお互いがそれぞれ持っているものです。どのように自身の言葉を遠い場所に届けているのか、という点についてですが、どうしても反対しなければいけないことには関わらないようにする、ということを私たちが選択したいと考えているので、届けたいと思っているメッセージ、イメージ、アイディアなども慎重に吟味して選ばなければならないと思っています」

――あなたと以前メールで話していたとき、カリール・ジブランの詩の一節を書き記してくれました。私はそこから彼の『預言者 The Prophet』(1923)の邦訳を手に取り、読んでいます。あなたにとって、詩を読んだり書いたりすることはどんな意味を持つのでしょうか。またあなたの人生についてどのような部分を担っているのでしょうか。
 「詩は、私の感情、観察、思考を理解する場所のようなものを私に与えてくれます。私の詩は複雑な数学の問題のようで、自分の考えの根底にあるものを探し出すようなものです。詩は、自分の考えや価値観に問いかけ、それらを調和させ、そしておそらく最も重要なこととしては、私に美しさを表現するということを後押ししてくれます」

――あなたにとって音楽とは何でしょうか。音楽を生み出すということはあなたにとってどのような意味を持っていますか。
 「音楽は私のインスピレーションの原動力 / 土台となるものです。私が最初に音楽の素晴らしさを知ったきっかけは、音楽におけるソングライターと呼ばれる人々でした。その中のひとりであるFela Kutiは、音楽は未来に繋がる武器だと語っていました。我々は彼が言っていたその未来にいると、私は信じています。また、資本主義、軍国主義、そして企業の支配を超えて、私たちが世界を理想に近づけるために戦うとき、私達を前へと押し進める……歌とリズム = 未来への武器……が常に私たちには必要です。音楽は鍵のようなもの。その鍵を使って人々の心を開き、人々の心を癒すこともできます。私は日々、音楽を作り、詩を書いています。それらは水、食料、空気と同じくらい私には重要なことです。その音楽がパンク・ロックで、たとえ怒りに満ちていたとしても、最も純粋な表現である音楽は、純粋な愛と同じものです」

DEEP ListeningDEEP Listening

2024年8月16日(金) Postponed
東京 南青山 BAROOM

開場 18:00 / 開演 19:00 / 終演 21:00
前売 5,000円 / 当日 5,500円(税込 / 1ドリンク込)
https://baroom.tokyo/240816-2/

出演
Saul Williams / Anisia Uzeyman / Fumitake Tamura / Masaya Kato

共催: 株式会社フェイス / Fumitake Tamura

特集上映
自在 人機の情動 / MAN MACHINE EMOTION
https://www.imageforum.co.jp/theatre/movies/7639/

2024年8月3日(土)-16日(金)
東京・渋谷 シアター・イメージフォーラム

〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-10-2
21:00-
前売券 | https://www.imageforum.co.jp/theatre/
一般 1,900円(税込)
大学・専門学生 1,400円(税込 / 要学生証)
シニア(60歳以上) 1,400円(税込)
会員 1,300円(税込 / 要会員証 / 同伴1名まで同額割引)
障がい者割引 1,300円(税込 / 要手帳 / 付添い1名まで同額割引)
毎月1日映画サービスデー 一律1,300円(税込)
毎週月曜日サービスデー 一律1,300円(税込)

上映作品

『自在』| 『自在』
制作・監督・脚本・編集: 遠藤麻衣子 Maiko Endo
出演: 遠藤陽太郎 / シュミット真綾 / 早川天麻 ほか
監修: 稲見昌彦|

2024 | 日本 | 14分 | DCP | 白黒・カラー | 1.33:1 | 5.1ch | 英題: JIZAI
製作: JST ERATO稲見自在化身体プロジェクト / トモ・スズキ・ジャパン
制作: 3 EYES FILMS / A FOOL
協力: JIZAIE / Art & Science Communication Lab
© 3 EYES FILMS, JST ERATO 稲見自在化身体プロジェクト

『ハックト・サーキット』© Courtesy of Deborah Stratman and LUX, London| 『ハックト・サーキット』
監督: デボラ・ストラットマン Deborah Stratman
2014 | アメリカ | 15分 | DCP | カラー | 16:9 | ステレオ
© Courtesy of Deborah Stratman and LUX, London

『アーティフィシャル・ユーモア』| 『アーティフィシャル・ユーモア』
監督: ガブリエル・アブランテス Gabriel Abrantes
2016年 | ポルトガル・ブラジル・スペイン | 29分 | DCP | カラー | 2.39:1 | 15.1ch

『ネプチューン・フロスト』| 『ネプチューン・フロスト』
監督・音楽: ソウル・ウィリアムズ Saul Williams
監督: アニシア・ユゼイマン Anisia Uzeyman

2021年 | ルワンダ・アメリカ | 105分 | DCP | カラー | 1.66:1 | 5.1ch

| 8月3日(土)
Aプログラム
: 『自在』 + アフタートーク
ゲスト: 樋口泰人(映画評論家・爆音映画祭ディレクター) × 遠藤麻衣子(映画監督)

| 8月4日(日)-9日(金)
Bプログラム
: 『ハックト・サーキット』『アーティフィシャル・ユーモア』『自在』

| 8月10日(土), 11(日), 14日(水), 15日(木)
Cプログラム
: 『ネプチューン・フロスト』『自在』

| 8月12日(月・祝)
Dプログラム
: 『ネプチューン・フロスト』
ソウル・ウィリアムズ、アニシア・ユゼイマン監督 Q & A

| 8月16日(金)
Aプログラム
: 『自在』 + アフタートーク
ゲスト: 稲見昌彦(東京大学教授) × 遠藤麻衣子(映画監督)

Gallery

Saul Williams Official Site | https://saulwilliams.com/