中村照夫が写真家としてのソロ・エキシビション「NY Groove 24」を東京・渋谷 Bankrobber LABOにて開催


 Reggie Workmanに師事し、日野皓正、Roy Haynesらとのコラボレーションで知られるベーシストとしてのみならず、Bob Mintzer、Chick Corea、大橋純子、Steve Grossmanら数多くの作品を手掛けてきたプロデューサーとしても活躍するベテラン・中村照夫が、写真家としてのソロ・エキシビション「NY Groove 24」を7月18日(木)から29日(月)にかけて東京・渋谷 Bankrobber LABO(HMV record shop 渋谷)にて開催。

 同展には、自身によるプロデュース作品のインサート用撮影をきっかけに取り組み始めたという写真作品群を出展。7月19日(金)、20日(土)には、中村がDJとして出演するオープニング・イベントも実施されます。スピーカー・ブランド「KEF」のサポートを得て、現在制作中の音源を含む自身のプロデュース作をスピン予定とのこと。

そこにはいつもビートが息づき、スピリチュアルなメロディが流れ、予測できないスリルに溢れている。こんな紹介さえも陳腐に聞こえてしまう。それが中村照夫という男である。1964年から単身渡米。50年にわたりニューヨークに住み、ジャズファンでなくとも名前を聞けば驚くようなミュージシャンたちとセッションを重ねてきたベーシストであり、およそ40枚のジャズレコードを制作してきたプロデューサーである。加えて、中村氏は変わりゆくニューヨークの街を中心に、生活に密着した視点で捉えた、膨大な数の写真作品を残してきたフォトグラファーとしての顔も持つ。
――川畑 豊 (「ISETAN NEW YORK WEEK」2017)

| 中村照夫という「音楽」
 私が何者かになろうとしてものを書き始めた十代、それでも心に深く突き刺さっていたのはそのころもまだ文学的かつ哲学的巨人だったサルトルが発した一つの反語的疑問文でした――「飢えた子の前で文学は有効か?」
 サルトルは《ル・モンド》紙のインタビューで、傑作とされた自作『嘔吐』は無力だ、と答えたのでした。「作家ならば今飢えている20億の人間の側に立たねばならない。そのためには文学を一旦放棄することも止むを得ない」
 中村照夫がニューヨークに降り立ったのは1964年、ちょうどこのサルトルのインタビューが掲載された年でした。私はそれから10年近くしてからこの命題に出遭うのですが、それからもなんとかもがき書き続けた挙句に辿り着いた私の結論は結局サルトルとは別のところにありました。飢えて死のうとする子どもたちの前で、文学は確かに無効だろう。でもそれを知った上で、それでもやり続ける覚悟がない限り、文学は何に対しても無効だろう、と。
 文学だけじゃありません。絵画だって、音楽だって、写真だって何だって、芸術は医学や料理や建築や介護と違って直接的な力を持たない。でもね、直接的な救済ではないけれど、飢えて死ぬ世界の不条理を語り残すことはできる。いや、語り残してその無念を掬い残すことは、書くことにしかできない。言葉に書き出すこともできない思いは、絵や音楽や写真で残すしか方法はないのです。世界はそんないろんな位相のものが立体パズルのように組み合わさってでできている……。
 だから今から25年ほど前に、中村照夫が「ねえ、エイズのチャリティコンサートをやりたいんだよね。おれの周りにもエイズのジャズ仲間がいてさ」と言ってきたとき、ああ、この人は、音楽をやる以外に自分の道はないんだということを覚悟している人なのだなと思ったのでした。そして今も、中村の周りにはコロナ禍があり、気候変動があり、香港やミャンマーやアフガニスタンやウクライナがあり、それを表現したい音楽と仲間とがいるのでしょう。
 そんな中村照夫の「音楽」という行動に、私は深く共鳴しています。

――北丸雄二 (ジャーナリスト / 作家)

NY Groove 24
Photo by Teruo Nakamura Exhibition
https://www.hmv.co.jp/news/article/230421155/

2024年7月18日(木)-29日(月)
東京 渋谷 Bankrobber LABO (HMV record shop 渋谷)

〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町36-2 ノア渋谷 1F / 2F
11:00-21:00
入場無料

Special Thanks To: Fumihiko Oizumi, Katsumi Masuda, Yoko Saito, kensuke Hidaka, Izumi Okamoto, Yoshiharu Muto, Kenji Hasegawa, Miku Chomaru, Hiroshi Tanaka, Tomohiko Takeuchi…ヒロユキマツヤマ, Mitsunori Sakamoto, KEF, PONYCANYON RECORD, HMV record shop
Frame by Senbi
永福町

 NY Groove 24オープニング・イベント
https://www.hmv.co.jp/news/article/240628118/
2024年7月19日(金)-20日(土)
19日 18:00-20:00
20日 15:00-17:00

最近まで制作して来たアルバムをDJします。
PONY CANYON, SONY, TOSHIBA EMI,Cheetah Records….
新しく制作中の音源もプレイします。
7月18日から28日までHMV record shop Shibuya, Bankrobber LABOで写真展を開催し、D.J.もやります。
ニューヨークに50年生活していた間に私が制作したアルバム音源をベースに、今回はKEF Speakerのスポンサードにより最高の音でプレイいたします。
私がプロデュースをしてきたレコード会社はポニーキャニオン、東芝EMI、エイベックス、ポリドールアメリカ、ソニーレコード、TDKレコード、キティーレコード、チータ・レーベル等です。
特にポニーキャニオンレコードは数々のアルバムを制作致しました。それはポニーキャニオン会長佐藤修氏の音楽に対する理解のもとに実現できました。
これらの会社で制作したアルバムは、ジャケットにも大変に力を入れました。
しかし、ジャケットが良くても中身の音は聴こえません。
今回、私はDJとして、皆さんにニューヨークの音を聴いてほしいのです。

――中村照夫

Gallery

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