曲を完成させるのは、自分自身を前に進めるため
一聴するとやはりSEBADOHやHUSKER DÜのような80〜90年代のUSギターロック / オルタナティヴを想起させるも、絶妙に前例を感じさせない塩梅の痛快な速さと、コーラスを塗したファジーなギターによるリフで、規則性と稚拙美が同時に浮かび上がる彼らの楽曲は、しばしば“シューゲイズ”という言葉で形容されている。その言葉にまつわる論争についてはさておき、現在のシューゲイズという実体のつかめない括りに対する解釈のあるひとつの側面を担うことになってしまったのは、TONERとそのフロントマンであるSamuelito Cruzがたった1人で運営するレーベル「Smoking Room」の周りにいるいくつかのバンドではないだろうか。同じく今年2月の来日が記憶に新しいHOTLINE TNTもそこに含まれるだろう。
しかしなにより、彼らのルーツはハードコア・パンクであり、それが演奏や活動スタンスに表れているのは間違いない。ベイエリアのパンク仕込みのインディペンデント精神、歌詞の大きなテーマのひとつと言える寂しさと向き合い、前を向くこと。Cruzに話を聞いた。
取材・文・翻訳 | Teru (鏡 KAGAMI | Touru Expedition) | 2025年8月
――まず、TONERのジャパン・ツアーが本当に楽しみです。これまで海外でライヴをしたことはありましたか?
「僕らも楽しみ!実現するなんて信じられないよ。今回が僕らにとって初めての海外ツアーでもある」
――それは意外でした。今まで海外でやろうと思ったことは?
「いつか誰かからオファーが来たら、そのときこそがバンドにとって海外でやるのに適切なタイミングなんだろうなって思ってた。だからそうなるのをただ待っていたっていう感じだね。理にかなってない状況ではやらないようにしてた」
――なるほど。なんにせよ、TONER初の海外ツアーが日本で行われることになったというのは光栄です。
「僕らもだよ!」
――さて、バンドの歴史について教えて欲しいです。TONERが始まったきっかけは?Bandcampを見る限りでは、最も古いリリースは2015年とありますが、その頃に始動したのでしょうか。また、TONERが始動した当時は、あなたの他のプロジェクトもまだガッツリ動いてたのでしょうか?
「始まったのは2014年。当時はいくつかのパンク、ハードコアのバンドと、それらと同時期に結成されたHAPPY DIVINGでもまだ活動してたよ。TONERは、走り書きみたいな感じで作った4曲を、母親と住んでいた実家の裏庭にある小屋の中で雑に録音したのが最初。その音源は自分のソロ活動だと思って録ったものだったんだけど、めっちゃ良いとか、特別なものだとかは全然思っていなかったし、録ってネットに上げたあとはしばらく放置してた。2015年の7月に、友達をバンド・メンバーとして集めて、ライヴで演奏するまではね」
――変な話、HAPPY DIVINGがメインで、TONERがサイド・プロジェクトとして進んでいくようなことも想像していましたか?
「とにかく、TONERが僕の人生で重要になるなんて思っていなかった(笑)。そのあとすぐにTony Molinaのバンドのドラムとして何年かツアーに出る期間も挟んだから、なおさらね。『Silk Road』のレコーディングが終わってからは、TONERをひとつのプロジェクトとして追求し始めたし、真剣に取り組んでるよ」
――おお……TONERが現在のように活発になるまでの過程にはTony Molinaでの経験も含まれていたんですね。それらの話を踏まえると、たしかに今ジャパン・ツアーまで繋がっていることは、あなたにとってクレイジーかもしれませんね。
「うん、完全にクレイジーなんだよな(笑)」
――ところで、TONERに影響を与えた音楽といえばどんなものでしょうか? 活動初期でのインタビューで、あなたは「TONERが始まる頃までは、DUSTERをよく聴いていた」というようなことをおっしゃっています。彼らの作品が「Numero Group」から再発されるよりも前のことですね。
「うんうん。17歳くらいの頃、Salっていう友達がDUSTERを教えてくれたのを憶えてる。当時、彼らの曲はYouTubeにもたった数曲しか上げられていなくて、どれも再生回数500回未満みたいなときだった。めちゃくちゃ人気になっちゃう前のことだね。音楽的に影響を受けたものに関しては、いろんなものが浮かんでは消えていくし、今ではそんなに意識してないかな。でも強いていうならCLEANERS FROM VENUS、Martin Newell、THE REPLACEMENTS、あとは親しい友達でもあるWEED、HOTLINE TNTのWill(Anderson)や、Playland、HOOPSのDrew(Auscherman)からは一貫して影響され続けているよ」
――挙げられたすべてのバンドが、TONERの曲を思い浮かべれば納得のいくものばかりですね。Drewとの繋がりについて詳しく聞いてもいいですか?Willについても、もともと聞きたいと思ってたので、このあと詳しくお願いします(笑)
「あぁもちろん!僕とTONERの元ベーシストは、DrewのYouTubeのアカウントをフォローしてた。Drewはそこに、彼の周りの人たちや、HOOPSを含む彼自身が参加していたバンドのローファイな音源を大量に上げまくっていた。僕らはメールのやり取りをちょっとだけして、HOOPSの秘蔵音源みたいなものを送ってくれたりもしたんだよ。HOOPSが初のUSツアーでサンフランシスコに来て、DrewとKevin(Krauter | FEVER BLANKET, HOOPS, MATRIX, WISHY)がうちに泊まりに来てさ、みんなで酔っ払ったまま、なんか……どういうわけだか、ふらふらになった状態で『スポンジ・ボブ』を観てた。徹夜で(笑)。それからはDrewもKevinも、それぞれの今やっているバンドで僕の住んでいる街に来たときにはいつもうちに泊まっていくんだよね。僕は、Playlandの活動が始まった時からずっと彼らのファンでいる。僕は少しの期間だけHOTLINE TNTのメンバーだったんだけど、そこで幸運なことにPlaylandの初ライヴのひとつで共演できたんだよね。それ以来ずっと彼らを追っかけ続けているし、今彼らの作品をリリースできていることが本当に嬉しいよ。今僕が一番好きなバンドかもしれないな」
――なんだか、謎の大きな一部分が解けたような気がしました(笑)。先日「Smoking Room」からリリースされたPlaylandのアルバムは素晴らしかったですね。
「うん、これからレコーディングされる新しいアルバムも本当に待ちきれないよ!」
――関連する話題に続きます。個人的に、私を含めた日本のTONERのファンは、先日ジャパン・ツアーを行ったHOTLINE TNTや、ようやく日本でも話題になり始めているTHEY ARE GUTTING A BODY OF WATER(TAGABOW)などと共にあなた方の作品を聴いている人が多い気がします。彼らとのつながりについても改めて聞かせてもらえますか?いずれも、あなたの運営するSmoking Roomからリリースされているバンドです。
「まず、Smoking Roomのリリース作品へのオーダーが日本から増え始めているのがクレイジーだよ。ベッドルームから始まったことが、こんなに遠くからも注目してもらえるなんて思ってもみなかった。TAGABOWとのことについては、同じくSmoking RoomからリリースしてきたKNIFEPLAYが彼らとツアーしたタイミングで、Doug(Douglas Dulgarian | TAGABOW)が『Destiny XL』(2019)のデータを僕にメールで送ってくれてたみたいなんだけど、その場では音源を聴けていなかったんだよね。そのちょっとあと、当時僕が在籍してたTNTでフィラデルフィアへライヴをしに行ったとき、現地のカレッジラジオの番組に出てスタジオ・ライヴもやったんだけど、そのラジオ局で働いてたうちの1人が、“TAGABOWのメンバーです”って言ってきた。それからそのまま移動の車の中でようやく彼らの音源を聞いたら、もうすっかりハマっちゃった。しばらくしてDougがまた連絡をくれて、『Destiny XL』のLPを出してくれないかって尋ねてきた。それ以来、彼とは友達として一緒にやってきたよ。TNTに関しては、2015、6年あたりに(ヴォーカルのWillがやっていた)WEEDとHAPPY DIVINGは何度も共演していたし、最終的には少しの間だけWillがHAPPY DIVINGのメンバーにもなっていて、その頃から僕らは兄弟っていう感じだよ。僕の音楽活動において最も付き合いの長い友達のひとり。HAPPY DIVINGとWEEDが解散したあと、彼がTNTを始めて『Fireman's Carry』(2019)を出そうっていうときに、ツアーでベースを弾かないかって頼まれた。僕がTNTで断続的にプレイしていたのは2、3年間だったんだけど、その後も時々ヘルプで弾いたり。僕はTNTを抜けたあと、そこでまたTONERでの活動に集中し始めていたんだけど、のちに結局僕はTNTの編集盤『Trilogy』のカセットをリリースすることになったし、彼らのデビューアルバム『Nineteen in Love』もSmoking Roomからのものになった」
――なんか、もともとあったひとつの大きな核(コア)が分裂して生まれたのが、あなたたちの出入りしてきたバンド、みたいな感じですね。そういう話を聞くと、ファミリーツリーの表図を作りたくなってきました(笑)。
「もし根気があれば、絶対にファミリーツリーを作るよ(笑)」
――あなたのレーベル「Smoking Room」について改めて聞かせてください。運営もあなた1人で行われているんでしょうか?
「Smoking Roomは僕1人で始めたし、今も僕1人で運営してる。当初は、過小評価されているベイエリアの友達の音楽を、ダビングからジャケットの組み立てまで手作業で作った各作品100本限定のテープで紹介するショウケースみたいにしてた。軌道に乗ってきたところで、WEEDの最後のアルバム『Born Wrong Love』(2017)を、レーベル初のヴァイナル作品としてリリースしたんだ。その後ちょっとずつなんだけど、リリースしたものがちゃんと売れるようになって、運営資金も賄えるようになってきて、ヴァイナルのリリースも続けられるようになったんだよね。それで今は主にヴァイナルをリリースしてる。最近の何本かのカセットテープ作品を除けば、だけどね」
――リリースするものを決める基準ってありますか?基本的にほとんど、これまで話してもらってきたような友達の作品だけなんでしょうか。「Convulse Records」「Carpark Records」「Julia's War」といった他のレーベルとの共同リリースもありますよね。そして、ヨーロッパからのアーティストの作品もいくつかリリースされています。
「単純に、自分で見つけたり、友達から勧められた良い音楽に、憑かれたように夢中になることがあって。そうなると、そのまま勇気を出して、そのアーティストたちへ僕のほうからリリースのための連絡を取ってみることもできちゃうっていう流れだよ。ずっと友達だった人たちによる作品がほとんどではあるけど、もともと知り合いじゃなかった人たちと連絡を取り合ってリリースが実現したレアなケースもある。例えばMaripool、GOOD FLYING BIRDS、Graham Huntとかね。他のレーベルとの共同リリースも時々あるけど、やっぱり独立した状態で出すほうが僕は好きかなぁ。想像してみてよ、300枚のレコードを売るだけでも十分大変なのに、1,000枚ものレコードを2つのレーベルで折半するとか、頭痛の種でしかないっしょ(笑)」
――Graham Huntがその“レアなケース”に含まれていたとは意外でした。彼もまた、あなたの近場にもともといた方なのかと思ってました。
「たしかに僕らは今近しくなっているけど、実際にはまだ会ったことがないんだよね。彼は関係者にアルバムを聴いてもらうためのストリーミング用リンクが添付されていて、本文がたったの2文で終わるメールを突然送ってきたんだけど、僕はすっかり虜になった」
――か、カッケぇ……。それについていくらでも深掘りしたい気持ちですが、終わらなくなっちゃうのでここでまた話題を変えさせてもらいます(笑)。
「(笑)。何でもどうぞ」
――では、TONERについてもう少し。楽曲の制作過程について聞かせていただききたいです。基本的には毎回同じメンバーが曲を書くのでしょうか?
「全部僕が書いてる。ルームメイトにリフの部分で手伝ってもらったり、元ベーシストのKennan(Sommer)が“Peasant Dreams”(『Passing Glance』収録曲)のベースラインを担当したことくらいはあったかもしれないけど。LP『Silk Road』(2020)と、7"の『Passing Glance』(2016)を除いて、どの作品を出すときも“この作品では誰が何をやったのか”っていうのをほぼ全て記録してきた。僕、長い曲が嫌いなんだよね(笑)。半分にカットされたあとみたいな短い尺の中で、キャッチーなリフから始まって、力強いグッドメロディを入れて、ソロで終わらせるっていうやりかただよ。例えば、20秒間くらいのキャッチーなパートが1箇所しかなくて、その部分を聴くために2分間も待たされるような曲なんて嫌だしね」
――TONERの曲には明確な一貫性が感じられるし、納得です。歌詞に関しては、どんなことについて書かれていますか?曲を作る前か作ったあと、どちらに書かれるのでしょうか。
「ヴォーカルに関してはいつも最後に考えてる。ギター・ソロが最後になることもあるけど、それはごくたまにだね。いろんなことについての歌があるよ。依存との闘い、崩壊した家庭で育つということ、いかにして独りで成長するのかを学ぶこと、終わってしまった恋愛や友情関係を手放すこと、とかかな。暗いテーマばかりなのは認めるし、感傷的ですらあるけど、曲を完成させることが僕自身を前に進めるための手助けになってきたんだよね」
――打ち明けてくれてありがとう。TONERでの制作過程が、あなた自身のセラピーみたいなものにもなってきたんですね。
「大部分がそういうことだよ、だから新しい曲がなかなか出てこないのかも。たぶんね。わはは。元気なときってクリエイティヴになれないんだよな。確信はしていないけど、たぶんそう(笑)」
――いいですね。ファンとしては、常に新しいリリースを待ち侘びていますけど(笑)。それでは、あなたの私生活についてもう少し聞かせてください。今って、お住まいはオークランドなんですよね。そこでの生活はどんな感じなんでしょうか。
「僕は生まれも育ちもベイエリアで、子供~10代の頃の大半を実家からも近かったオークランドへライヴを観に出かけながら過ごしてきた。だから、オークランドへ引っ越してくるっていうのは自然な流れだったんだよね。同じ家にもう12年間住んでるよ。時々この街に嫌気がさすこともあれば、愛おしく感じることもある。車を盗まれたり、窓ガラスを破られたり、顔に銃を向けられる場面に遭遇することもたまにあったりするよ。でも、悪い面よりも良い面の方が勝っている場所だと思う」
――すごいですね……。良い面というのは例えばどんな……?
「家族に友達、ライヴがあって、美しい景色もたくさんあるよ。この街にある悪い面はさておき、これまでアメリカ中を何度もツアーで回ってきたけど、その中で訪れた他のどんな場所でも、僕の住んでいる街を離れたいと思わされたことはなかった。もしかしたら、実際には自分で思い込んでいるほど良い場所ではないのかもしれないけど(笑)、僕にとってはここが故郷でしかないからね」
――では、そんなあなたの地元での少年時代の思い出があれば聞かせてもらえますか?
「ガレージでDIYショウを企画したのは、僕の10代の頃において忘れられない大きな経験だよ。それ以外だと、町中をスケボーで走り回ったり、家の近所の線路沿いにあった、お決まりの場所で酔っ払ったりするくらいしかなかった(笑)」
――素晴らしい。すいません、明らかに海外の人丸出しの雑な質問で恐縮なんですが……ベイエリアでインディペンデントなロックの文化といえば、PINHEAD GUNPOWDERとかCRIMPSHRINEみたいな「Lookout! Records」周辺、所謂イーストベイ・パンクを想像してしまうのですが、あなたの周りでそういったものからの影響を感じたことってありましたか?
「やっぱりそれはあるよ。Lookout! Recordsのそのへんのバンドの全部から、Six Weeksのものまでを聴きながら僕は育ってきた。みんながそういうのを嫌いだって言うのは簡単だし、もしかしたら僕も若い頃に出会っていなかったとしたら、好きになるかはわからない。でも、僕は今でもRANCIDが大好き」
――すごく合点のいく答えでもありました。ちなみに日本では、所謂インディロックとパンク / ハードコアのシーンって、ほぼ完全に離れてると思いますよ。最近はSNSの影響なのか、少しずつ変わってきている気もしますが……。とにかく、TONERがPHYSIQUEやPOISON RUÏNと一緒にライヴするみたいなことは、日本ではかなり稀だと思うんですよね。そういう部分で、Smoking Roomの立ち位置がすごくエポックに感じられます。それって、今おっしゃっていたようなあなた自身のルーツから成るものでもあるんですね。
「そうだね。まぁそういうジャンル毎の分断っていうのは、さっき挙げたレーベルの周りにもあるけども。僕はSmoking RoomからMENTOR、CANDY APPLE、ABUSIVOみたいなハードコア・パンクの作品もリリースしているし、そういうところから、今シューゲイズにハマってるような何も知らない若い子たちがハードコア・パンクのようなジャンルを見つけて、それが彼らの全てを永遠に変えてしまうなんていうことがあり得るんじゃないかって思ってるんだよ。僕がそうであったように。重要なのは、どう工夫してそれらを紹介するのかっていうことだと思っていて。強制的に、押し付けがましくするとかではなくてね。Smoking Roomのようなアーティストのラインナップがあれば、若い子たちはページをめくるような感じで、自分では思いつかなかったような新しい音楽に出会って、聴くことができるっていう」
――そうなる事を強く願っています。間違いなく素晴らしい試みです。というわけで、TONERの何人かは、MENTORやKRETINといったハードコア・パンクのバンドでもプレイしています。TONER以外のところで、ベイエリアにおいて所謂インディロックと、そういったパンク / ハードコア・シーンの繋がりって最近はどんな感じなんでしょうか?
「うーん……でもめっちゃ繋がっているとかではないね。そういうサイド・プロジェクト(MENTOR、KRETINなどTONERメンバーによるハードコア・パンクのバンド)のライヴに、普段はもっと違うところにいるんだろうなっていう感じの若い子たちが来てくれることはある。あとはもう、ここ(ベイエリア)ではそれぞれ自分たちが元から興味のあったものしかサポートしない傾向にある。全員がそうっていうわけではないけど、実際にはそういうことになっちゃってる」
――そういった若い子たちにとっての世界がもっと拡がることを願います。ちなみに、TONERのメンバーはどのようにして集まったのでしょうか。みんなもともと古い友達だったとか?
「そうだね。Max(Maxwell Carver)とSean(Glass)はマジで近所同士で一緒に育ってきたし、Kennanは17、8歳の頃に観に行ったライヴで出会ったから、僕らはみんな古い友達っていうことになる」
――今回のジャパンツアーでのメンバーであるMikey、Armani、Beeについても聞かせてもらえますか?
「あぁ。Mikey(Mike Rivera)と僕もまた近所で一緒に育っていった感じで、いくつかのハードコア・パンク・バンドを少し一緒にやったり、HAPPY DIVINGでもメンバー同士だった。Armaniは、彼が今よりもっと若い頃にTONERのライヴをいち大ファンとして観にくるようになって、その後すぐによく一緒に遊ぶようにもなっていった。去年からついにバンドに参加してるよ。Bee(Right)に関しては、もともとやっていたFAKE FRUITっていうバンドとTanukichanのライヴを観に行くうちに知り合ったよ」
――TONERはライヴでFURTHER「California Bummer」(1994『Grimes Golden』収録曲)をカヴァーしていますよね!個人的にかなりブチ上がったのですが、彼らはあなたにとって、昔から聴いている特別なバンドだったりするんでしょうか。
「ずっと前から彼らのことを知っていたかったんだけど、実際はたしかコロナの時期に、友達のAl DubsがLAから僕ん家に1週間くらい泊まりに来ていて、そこで、なんか…ぐるぐるになりながら、お互いの音楽を聴かせて合ったりしていたんだけど、その流れで彼が“California Bummer”のMVを見せてくれて、そこからハマった。その勢いでその曲を2年間くらいカヴァーし続けるっていう(笑)」
――強烈なエピソードですね(笑)。でもたしかにあのMVにはサイケデリックな雰囲気、ありますね。じゃあ、あのカヴァーはもうやっていないんですか?
「やってないんだよね。いつかまたやれたらとは思うけど」
――リクエストします(笑)!
「あはは、挑戦する!」
――ところで、日本の音楽でフェイヴァリットはありますか?
「GAI、CONFUSE、GAUZEっていうような日本のパンク / ハードコアは、10代の頃の僕にとってかなり特別なものだったと言えるよ。僕の手掛けたアートワークをパンク / ハードコアのバンドへ提供したときとか、僕自身がパンク・バンドで曲を作ったり演奏していたときには、間違いなく彼らの影響があった」
――では日本へ来た際に、ライヴ以外で楽しみにしていることは?
「レコードを買って、ゲームとぬいぐるみも見たい(笑)。小物とか小さいおもちゃが大好きなんだよね。それと、KFCでタバコを吸ってみたい。なんか、そんなことができるっていう話を聞いたんだけど、そうなの?もし本当なら、そうしているところを写真に撮って、次のアルバムの裏ジャケにしたい(笑)……いや、たしかKFCの中に喫煙用のラウンジがあるって聞いたんだったかな?」
――日本のファストフード店とかコンビニの中には、たまに“smoking room(喫煙室)”があるので、それのことかもしれないですね。喫煙室のあるKFCはとりあえず探しておきます(笑)。
「……あ、それと、『ファミリー・ガイ』をテーマにしたバーがあるっていうのも聞いたよ」
――えええ!?『ファミリー・ガイ』って、日本でそんなポピュラーじゃないはずなのに。『ジョジョの奇妙な冒険』のバーしか知らなかったです(笑)。とにかく、そのKFCと、『ファミリー・ガイ』のバーを見つけておくのが僕のミッションっていうことですね(笑)。
「『ファミリー・ガイ』のバーはThe Drunken Clamっていうお店らしいよ(笑)。ジョジョ、マジか。それも見つけなきゃね!」
Smoking Room Instagram | https://www.instagram.com/smoking___room/
11月26日(水)神奈川 横浜 B.B.STREET
11月28日(金)京都 木屋町 UrBANGUILD *
11月29日(土)愛知 名古屋 ブラジルコーヒー *
11月30日(日)東京 調布 Studio REIMEI *
12月1日(月)東京 新代田 FEVER **
* w/ SAGOSAID
** w/ G*U*N*N / SEUDO YOUTH