短歌・撮影・音響 | UNCIVILIZED GIRLS MEMORY (玉野勇希, dotphob)
「灰が降り」
てふの翅ちぎれるときぞ計りけりアルゴリズムは不可視なれども
暴風に骨奪はれつ蝙蝠はヴィニルの躰震わせ唄ふ
あぢさゐの腐りて首を垂れるやうのののゐゐゐずずずぎたあに俯ひてをり
『生き延びるためのラカン』に火を灯し焼死するまで生き延びるため
汗なればスマホもわが指を主とは認めざりては暗証番号求む震る
「タヒね」と云ふ字列に欠けた横棒でをまへのあたまをつよく搏つ「一ね」
世界とふくそでか主語はくそせまの居酒屋でこそ世界たりゑし
てえてえと打鍵するたび『偶像の黄昏』に熱き灰が降りゆき
コンビニでしはらひできるやさしさを電子マネーではらつてあげる
コンビニでしはらひできるやさしさは現金でしかはらへず、悲し
実存をナイフで切つて計り売る 実存売りの少女 立つ街
UNCIVILIZED GIRLS MEMORY Bandcamp | https://uncivilizedgirlsmemory.bandcamp.com/