短歌・撮影・音響 | UNCIVILIZED GIRLS MEMORY (玉野勇希, dotphob)
「慈雨月」
十月の朝のつめたき碧に百舌鳥 舗路にひとらの群生を見ゆ
寝る前にシャワーを浴びる社会性 吾身は常に社会を纏ひつ
詩つてつまり言語を用いたデザインとか云ふやつに詩は出来ないんだつて
言葉にも生死がありて死後、死語は「花の名前に生まれ変わりたひ」
タギングのインク垂る夜、首都は雨 吾は現存在なりと思ひき
花は散る時を選ばず散る友よ他者に期待をするなと告げり
明日死ぬ、必ず死ぬから選挙には行かざりと云ふけふの告解
冷血の脈打つは音にならざりてオルガノイドの奏ぐオルガン
ビルビルビルのあはひの路地に未熟児のキメラ淋しく唄ふ夜はも
神経が化膿するとき銀色の膿たれ流すキメラのセクス
理由などなく確信す、XXXTENTACION は静寂とひかりのなかで死にき
最後にはきつと誰もが救はれる十月の慈雨に濡るるししむら
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