言ってること違うけど全部、私
進学を機に岡山から東京にやってきた彼は、青山学院大学在学中にアイドルユニット「電影と少年CQ」のメンバーとして活動を開始した。そして修士課程を修了した昨年の春、完全セルフプロデュースによるソロ・プロジェクト「DIVA Project」を始動。自主レーベル「Guilty Kyun Records」を立ち上げてのデビュー・シングル『DIVA ME』は、各方面にフレッシュな衝撃を与えた。
やりすぎなほどにギラギラのダンス・ポップから即座に連想されるのは、浜崎あゆみをはじめとする90年代末~2000年代に売れまくったJ-POPの女性歌手や、海外のディスコクイーン的シンガーといったDIVA = 歌姫たち。ただし、そこには2022年現在を生きている彼の、優しくも鋭い視点が確かにある。DIVAたちのきらびやかな外観だけにとどまらず、「ありのままの自分を肯定し、心の中だけでも不遜に誇り高く生きたい」という「精神性としてのDIVA」を打ち出しているのだ。
こうした音楽活動の他にも、『キネマ旬報』『ユリイカ』などさまざまな媒体への寄稿、映画や演劇への出演など、幅広い領域で才能を発揮。この先、ますます大きく羽ばたいてゆくことが期待されるが、とりあえずは今年3月に満を持してリリースされたアルバム『DIVA YOU』をじっくり味わうとしよう。そのぴかぴかのサウンドとヴィジョンがリアルな生活の息吹と共存するクリエイションは、いかにして実現されたのだろうか。
取材・文 | 野中モモ (Tigerlilyland) | 2022年3月
取材協力 | IPMatter
撮影 | 久保田千史
――ゆっきゅんさんは今のところ芸能事務所には所属せずに活動していますよね。主にライヴハウスでパフォーマンスをして、チェキの撮影やトークイベントなどファンと近い距離でコミュニケーションを取れる場もたくさん用意して。とはいえ、ソロでもユニットでも、一般にイメージされるアイドル像には収まらない、むしろアイドルを拡張するような表現でファンを獲得しています。
「2016年から電影と少年CQっていうルアンちゃんと2人組のユニットで活動していて、それは一応アイドル・ユニットだからアイドルのライヴに出ていることが多いです。でも、ユニット的にも、ルアンちゃん的にも、私的にも、やっぱりカルチャー的な幅が広いので、いろいろなライヴに出させてもらっているっていう感じですね」
――まず男女2人組という編成からアイドル界では珍しい。曲間を演技で繋いで虚構の世界を作り上げる物語仕立てのパフォーマンスもかっこいいです。その一方で、ソロではなんてことない日常の一場面をイケイケなポップソングに仕立てていて、こんな手もあるのかと驚きました。2020年春以降、ライヴハウスを主な活動の場としていたアイドルのかたがたもパンデミックで難しい局面に立たされたと思うのですが、それでも工夫してクオリティを上げてきていて感服します。
「今のアイドル・シーン全体がどうなのかとかは、私は全然わからないです。ワンマン・ライヴをやると思うのは、CQのファンはどこから来たのかわからないような人がたくさんいる。対バンのライヴだと、いわゆるいろんなアイドルが好きなアイドル・オタクの人とかも観てくれるんだけど、ワンマンになると“よし、やっと行けるぞ!”とか“チェキとか撮るのはじめてです!”みたいな人がすごく多かったり。そこから今では通ってくれてる人もたくさんいるんですけど。もともとあるシーンの中で何か立ち位置を獲得するというよりも、新しいシーン、というほどではなくても新しい空間というか……。なんかみんなひとりでそれぞれたまたまどうしても集まってきた、みたいなのが嬉しくて。それはソロでも電少でもありますね」
――どちらも既存のフォーマットに倣うのではなくて、スタイルやプラットフォームから見たことのないものを作っていく、みたいな気概がありますよね。
「気概っていうか、たまたまっていうか、そうなるしかなかった感じですかね。おもしろいことやろうとするとそうなるっていうか」
――ソロの歌詞は全曲自作なんですよね。そこから作曲・編曲にしろ衣装などのヴィジュアル面にしろ、お願いするクリエイターをどうやって見つけてくるのかに興味があります。
「それはもうなんか私のDIVAメーターみたいな(笑)」
――DIVAセンサー、レーダーみたいなものが反応する。
「“DIVA ME”は電影と少年CQで“Bubble Ballet”(2020, 『クロニックデジャヴのピクチャーショウ』収録)を作曲してくれた幕須介人さんにお願いしました。“歌姫”もそうだし、“NG”の編曲もですね。私のイメージをガシッと汲んでくださって“DIVA ME”がけっこうすんなりできたというか、最初からしっくりくるものを作ってくださいました。“好きかも思念体”の野有玄佑さんは、よく共演するTRASH-UP!! RECORDSのSAKA-SAMAさんの曲を作っていて。ディスコっぽいサウンドを作ってほしいと思ってお願いしたりとか。浜崎容子さんも、私がソロやるって言ったら、絶対作りたいみたいなことを言ってくださっていて」
――浜崎容子さんは今回の「DANCESELF」で、自身のバンド(アーバンギャルド)とも、過去に電少に提供した曲ともがらりと違ったバリバリのユーロビートを披露していますね。
「浜崎さんは“DANCESELF”みたいなサウンドが大好きらしいんですが、アーバンギャルドやご自身のソロではここまでのユーロビートを出す場所がなかったみたいで。“では、やりたいようにやってください、ここで!”って言ってお願いしました。ヴォーカル・ディレクションも含めて、完璧な仕事をしてくださいましたね」
――適材適所ですね。それぞれのソングライターの魅力を発見できるのも刺激的なところだと思います。
「“BAG IN BAG”のyellowsuburbさんは電少の曲を何曲も作ってくださっていて、“DIVA ME”が出たときに向こうから声を掛けてくださって、ですね。だからお願いしてる人は電少とあまり変わらないけど、私のディレクションと長田左右吉さん(電影と少年CQプロデューサー)のディレクションが全然違うから、違うものにはなっていると思います。これからはまたいろんなかたに頼みたいと思っています。いつかご一緒したいと思っている憧れの音楽家さんが何人もいます」
――自分は「好きかも思念体」が好きすぎて。卒論の執筆と恋の予感が重なるのは、実際に大学で映画についての論文の執筆に取り組んでいたゆっきゅんさんらしいシチュエーションで、説得力がありますね。
「あの歌はほんと自分の中で“なんでできたんだろう”みたいなところがあります(笑)。野有さんから“こんな感じでどうですかね”ってメロディが来たときに、良すぎて踊って動画を送ったんです。コロナ病み上がりで寝て過ごしていたんだけど、すぐ感動を伝えたくて。数時間で仮の歌詞が書けました。最初の歌い出しとか、もうそうとしか思えない、これは“バイト嫌んなって染めたよ金髪 ツヤツヤしてるじゃん”ってメロディに書き込んである!みたいに思って。“そんなことはないです”って言われたけど(笑)。作詞がとにかく楽しいって気づいたのが、ソロ・デビューしてからのいろんな変化でいちばん大きいかもしれないですね。もちろん歌と踊りもあるけど、これが自分のやっていきたいこと、できることなんだなって。楽しいし、向いてるな~みたいな」
――私が仕事で書いているような文章はある程度一直線に進んで、論理的な整合性を求められるから、歌はそうでない表現ができてすごくいいなあと思います。矛盾もありの脳内を生々しく伝えられて、しかも踊れて楽しいなんて。
「そう、それがめっちゃ楽っていうとあれだけど、しっくりくるんですよね。なんか文章ってやっぱり読者を置いてけぼりにしちゃいけないし、丁寧に説明しなくちゃいけないから。“DIVA ME”を作詞する直前まで数万字の理路整然とした修士論文を書いていて、それは全くしっくりきていなくて。やってみて組み立てかたもわかったけど、私、論理的な文章はそんなに向いてないな、みたいな。作詞は自分が思っているのと同じくらいのスピード感で感情とか思考とかを進める感じがしっくりくるっていうか。自分は普通にしゃべっていても、考えていても、注意が散逸しがちなところがあるので、それでたぶんちょっとグループ・アイドルっぽい詞になっているんだと思います。一行ごとに言ってること違うけど全部私、みたいな」
――脳内でいろんな自分が会議しているような。「好きかも思念体」のバイト嫌んなって掃除して論文書いて恋して……と、次から次へといろんなことが意識に上って忙しい感覚の表現、素晴らしいです。この主人公は恋にうつつを抜かしているようでいて、できることなら卒論もいいものにしたいと思っていそうなところが愛おしい。
「そうそう、“全部大事にしたい!”みたいな感じ」
――全部つながっていて、最終的に「本当のことだけ知りたい」。
「あそこは歌詞すごく悩みました。ああいう一音一音が長いフレーズに憧れがあったというか、作詞家の人も作詞をするときに気持ちいいだろうな、ああいうメロディに歌詞をつけたいな、と思っていたから、“来たぞ……”って。最後まですごく迷って、全然思いつかなくて、でも最終的に何かを思いつくって信じていたら、あの主人公は自分とは違う人なんですけど、結局いつも通りの自分の叫びみたいなのになりました」
――「DIVA ME」で「DIVAS DIVAS Don’t Cry」と言っていたのが、田島ハルコさんの曲に客演した「KING DIVA feat.ゆっきゅん」では「DIVAS DIVAS Let’s Cry」になるのも、両方「そうだな」と思えます。「泣かないで」も「泣いていいよ」も言いたいですよね。
「そうなんですよ、だから私だいぶ逆のこと言ってて。“DIVA ME”の中でいちばん好きな歌詞かもしれないですね、“DIVAS DIVAS Don’t Cry”っていうところが。あれ浮かんだときに“来たな!”って思って。でも別に“Don’t Cry”っていうのは泣いちゃだめだって言いたかったわけじゃなくて、なんかがんばるぞ、みたいな気持ちで言っていて、意味としては“Let’s Cry”とほぼ変わらないから。そうしたら田島ハルコさんから“KING DIVA”のお話をいただいて。“体調悪い時にDIVA MEを聴いて秒で歌詞を書いて録ったデモバージョン”を送ってきてくれたんです。もちろん快諾して、しばらくしたら改めて田島さんのバースが録音されたトラックが送られてきて。“このあいだにラップっぽいラップでもいいし歌メロっぽいのでもいいし自由に入れてください”って言われて。それもたしかアルバム曲の作詞が行き詰まって“できね~よ~”みたいになっていたときだったので、逆にほんと1時間くらいで“あ、書けた!”みたいになりましたね。“DIVAs DIVAs Let’s Cry”のフレーズはいつか言いたいな、ってあたためていたから。田島さんもともと好きだから嬉しかったですね。自分の表現が人にこういう刺激を与えて、しかも影響とかではなくて、やっぱ田島さんじゃないとできない解釈で返ってきた感じというか。“仲間みたいなの増えるの早!”と思って」
――「DANCESELF」の「変身なんて必要ないって見ればわかるでしょ CAN’T STOP DIVA」も印象的です。
「“DIVA ME”っていう曲が、なんか“DIVAになりたい”とか“DIVAに変身”みたいな言いかたをされたことがあって、“え、ちげーし”みたいな(笑)。“言ってんじゃん、もともとそうだから”みたいなことを思って。そこのところをもっと誤解されないようなかたちで言いたかったんですよね。だから“今日も1日私は私のまま踊れるわ”と力強く歌っています。たぶん真逆みたいに感じる人もいるんだろうけど、同じことを言っているつもり」
――映像についてはどうですか?ミュージックビデオも下手なメジャーのアーティストよりゴージャスな仕上がりです。
「それも、作曲家のかたとかもそうなんですけど、まず私が“こういうことやりたい”っていうのをクリエイターのかたに理解してもらう必要があるので、毎回イメージの共有っていうのは全力でやりますね。自分はこういうサウンドがやりたくて、こういうものが好きで、って。“DIVA ME”が出てからはもう楽っていうか“これで”って感じなんだけど。“あまり(既存のアーティストの)再現みたいなことはしないでください”って言うんだけど、“こういう感じで、こういうのがやりたい”っていう情景とかを伝えたりします。写真でも映像でも作曲でも、お願いするときはちゃんと自分のイメージを伝えるというか、まず明確に持っておかないといけない。自分ができることは歌とか歌詞くらいなので、お願いするときに“こういう感じ”っていうだけじゃなくて“こういう意味でこうです”っていうのを言葉にして送るようにしてますね。自分の解釈は人と違うことがあるっていうのも重々自覚しているので。最初の“DIVA ME”のときはジャケット写真をやってくれた須藤絢乃さんにMVも撮影してもらって、一応監督は自分だったんですけど」
――そうでしたね、自分で監督もしている。
「そうなんです、発狂しながら。ふふふ。自分で監督するのはね、自分が出ないときならいいけど、出るとなるともう1日意味わかんないことになるんでキツいですね……。もっとスタッフがいればできるのかもしれないけど。今回“DANCESELF”の監督をお願いした今原電気さんは、BEYOOOOONDSとか乃木坂46とかのどメジャーな仕事をしているすごい人なんですけど、もともと知り合いで。2014年に私が上京して1、2ヶ月後に、でんぱ組.incの初めての武道館ライヴがあって、そこで隣の席にいた人なんです」
――どういうことですか!?
「高校生のときにでんぱ組.incの“W.W.D”をひとりで歌って踊っている動画をアップしたら、でんぱ組のファンの間でちょっと話題になって。ほんとに一部の人が知ってくれていたっていう感じだと思うんですけど。そのときはセーラー服着て行ったら、隣の今原さんが“ゆっきゅんさんですか?”って声を掛けてくれたんです。今原さんは当時は美大生で。それから6、7年後、かたやDIVAとなり、かたや立派な映像監督になって……」
――いい話ですね。
「ずっとTwitterで相互フォローではあったんですけど、特に会ったりすることもなく。それで去年、『LIPPS』(株式会社レスプリ)っていうヘアオイルのCMを見てめっちゃいいと思って」
――Hello! Projectのアイドルを起用した、ハロプロとしては珍しくスタイリッシュな見せかたで評判になったやつ(LIPPS x HELLO! PROJECT DANCE TEAM)ですね。
「“え!今原さんが撮ったんだ!”って。活躍しているのを知ってはいたんですけど、いいと思ったやつを知り合いが撮っていたのは嬉しくて、“いつか自分もお願いできたらいいな、でも規模が違うかな……”と思いつつ相談してみたら、“ぜひやりましょう”と言ってくださって。年末に打ち合わせをしたんですけど、十分に準備ができてなくて。もっとあたためてから行けばよかったんだけど、イメージが頭にしかなくて、打ち合わせが終わった後に“こんなんじゃだめだ!”と反省して。マクドナルドで3時間くらいかけてYouTubeで見られる映像を49本セレクトして解説を書いて、その夜に送ったんです。MVだけじゃなくて『TSUBAKI』(株式会社資生堂)のCMとかケネス・アンガーとかも入ってるけど(笑)。“DIVAっていうのはこういうことを言っています”っていうのを理解してもらうために。須藤さんとかは普段から方向性をわかってくれてて、“ゆっきゅんのDIVA観はこう”って共有できてる文化があるけど、今原さんはそういうわけじゃないから説明が必要だったんです。そうしたら全部見てくれて。次に向こうから企画書が来たときには、今原さんが完全にDIVAになってた。“これ、私以外の人がこんなことやろうとする!?”みたいな。そういうクライアントワークをする能力、意図を汲み取る能力もすごく高いんだと思うんですけど、とにかくノリノリっていうことも伝わってきて感激しました」
――DIVAの夢が詰まったMVですよね。狭い廊下をダンサー引き連れて歩いたりボンデージっぽい衣装でピンスポットで照らされたり、最終的には宇宙に飛び立って。
「宇宙のところは、企画書を渡された時点では私は何を言っているのかわからなかったんだけど、これは監督には完全に “視えて” いるんだな、って信頼していたらああなりました。“ゆっきゅんがジュエルの星座の中に”とか書いてあって“何!?”って。スタジオで“じゃあそのままだんだん上を向いていってください”とか“あ、飛んでる飛んでる!”とか言われながら撮影して。“これどうなるんだろう!?”と思っていたら最終的に飛んでいて(笑)。おもしろかったですね」
――それはまさに自分ひとりでは出てこない、共同作業だからこその成果ですね。
「自分はこうしたいというのをいろいろいろいろ言って、でも企画書を作ってくれたのは監督っていう感じですね、今回は。細かいところまでこだわってやってくださって、良かったと思います」
――インディーズでやっているとは思えないきらびやかさと、生活感あふれる歌詞の融合が個性だと思います。「DANCESELF」の歌い出しも「適当な傘 出先で買ってメトロに忘れて何なん?今夜」。あれは地下鉄で大学に通うゆっきゅんさんの姿が目に浮かびますね。等身大のシケた状況なんだけど、青学だと最寄り駅は表参道や渋谷だし、華やかな都会の雰囲気もうっすら漂っているような……。
「電車めっちゃ出てくるんですよね、私の歌詞。気をつけろよっていうくらい出てくる」
――地元の岡山では地下鉄って乗ってましたか?
「地元では一切。一切っていうか、高校も自転車かバスかだったし、車で移動することが多かったから、ほんと電車は東京で乗ってるって感じで。でも、自分の音楽を聴く経験として、一番“音楽があってよかった”って思うのは電車に乗っているときかな、みたいなのがあって。移動中とかに、帰り道でも行きでもいいんですけど、なんかやっぱ音楽がなかったらキツかったな、っていう場面がたくさんあって。つらかった思い出というか、音楽があったから普通に大丈夫だった、みたいな。ずっと移動中は好きな歌を聴いて日々がんばっているから、そういう場面で聴かれることを最初から想像していました。日常の中で、自分はひとりで音楽を聴くので、そのイメージもあって生活とかを描くときに電車がよく出てくるのかもしれないですね。交通手段、やっぱり人によるんですよね。やたら歌詞にタクシーが出てくる人とかいるんですよ。解散しちゃったんですけど、アカシックていうバンドがすごい好きで。理姫ちゃんっていうヴォーカルの人が作詞していて、天才なんですよね。その人はね、たぶん日記のように歌詞を書いていたような人で、酒飲んでタクシー乗って帰るみたいな、タクシーが頻繁に出てくるんですよ。それはきっと、日常的に乗っているからなんですよね。私の歌詞に電車がよく出てくるのは電車に乗っているから。自分のことを書いてるわけじゃなくてもそこに出ちゃう。何を描くにしてもリアリティがあるものにしようと思うと、自然にそうなるんだと思いますね」
――「DIVA ME」の「クラブは行かないカラオケ行きたい Let’s go! ひとりでパーティールーム」も実生活の反映なんですよね。
「なに比べてるんだっていう感じですよね。踊れる感じの曲がすごく好きだけど、それを家でひとりで聴いていたみたいな感じなので。クラブ・イベント出ましたけどね、こないだ(笑)。“DIVA ME”への裏切り的な(笑)。それで歌えてなんか嬉しかったですね。みんな盛り上がっていて」
――私もクラブにはめったに行かないんですけど、そういう場が常に賑わっていてほしいという思いが強くあります。なのにパンデミックの影響もあって、夜遊びがますますやりにくい世の中になってしまって。自分も含め、みんなもっと気軽にクラブとかに行ける生活ができたらいいのにな、と思うんですよ。時間とお金と体力に余裕があって、翌朝のこと気にしないで出かける意欲を持てる生活を……。見る側 / 見られる側の関係が固定化された、観客がステージ上の演者を見上げるコンサートやライヴとは別の良さがクラブにはあると思うんです。
「それはなんかイベントに出ても思いましたね。“WASABITCHcream”っていうイベントだったんですけど。クラブだと“なんかおもしろい音楽ないかな?”とか、新しいものを求めてる人がたぶん多いから、私のことをみんな知ってたわけでは全然ないと思うんですけど、ものすごく盛り上がってくれて。後でフロアに戻ると、馴れ馴れしく褒めてくれるんですよね(笑)。それがすごく嬉しくて。私クラブとかほぼ行かないんですけど、なんかじーんときちゃうんですよ」
――今、どうやって音楽アーティストをやって生きていけばいいのか誰もわからない時代だと思います。メジャーになって大きなことができたらいいけど、それで食べさせなきゃいけないスタッフが増えてつまんないことになっていった人もいっぱい見てきたわけで。お手本にできる人もそんなにいないところで、メジャーだろうとインディだろうと、それぞれの最適ルートを切り拓いていかないといけない。この先の展開にはいろいろな可能性があると思いますが、どうなるにせよ大活躍を楽しみにしています。
「今のところ、インディペンデントのままどこまで規模を広げられるのかっていう感じですね。自分が音楽を聴いたりするようになった頃、っていうと 5歳くらいになっちゃうけど、好きになった音楽ってその歌手がやっぱりメジャー・レーベルにいてくれたから知れたものが多いので、早く届けるべきところに届けたい、もっと遠くとか奥とか隅とかに届けたいっていう気持ちがすごくあって。自分でできる人、セルフプロデュースやりたい人だと思われてるのか、“事務所入りませんか?”とか誰からも言われたことがないんです。今の自分のやりかただとまだ全然、なんか情報強者の人にしか届いていない感じがするので、もっと規模を広げたいですね。がんばります」
■ 2022年3月30日(水)発売
ゆっきゅん
『DIVA YOU』
GUILTY KYUN RECORDS 2,200円 + 税
https://instagram.thebase.in/items/60795737
[収録曲]
01. DIVA ME & YOU (Introduction)
作曲・編曲 幕須介人
02. DIVA ME
作曲・編曲 幕須介人 | 作詞 ゆっきゅん
03. 好きかも思念体
作曲・編曲 野有玄佑 | 作詞 ゆっきゅん
04. BAG IN BAG
作曲・編曲 yellowsuburb | 作詞 ゆっきゅん
05. 歌姫
作曲・編曲 幕須介人 | 作詞 ゆっきゅん
06. DANCESELF
作曲・編曲 浜崎容子 | 作詞 ゆっきゅん
07. NG
作曲 木足利根曽 | 編曲 幕須介人 | 作詞 ゆっきゅん
08. DIVA ME (ウ山あまね reMEx)
09. DIVA ME (RYOKO2000 reMEx)
10. DIVA ME (田島ハルコ R@VE DiVA reMEx)
Rap詞 田島ハルコ
■ 祝狂生祭vol.12
ゆっきゅん編
2022年6月29日(水)
東京 六本木 BIGHOUSE
開場 18:30 / 開演 19:00
前売 4,444円(税込 / 別途ドリンク代600円)
e+
[出演]
MAPA / ゆっきゅん
■ ゆっきゅん1stワンマンLIVE追加公演
自由が始まるDIVA DIVA Your Stage
2022年7月16日(土)
東京 高円寺 HIGH
| 昼の部 | 開場 13:30 / 開演 14:00
| 夜の部 | 開場 18:30 / 開演 19:00
前売 3,000円(税込 / 別途ドリンク代600円)
e+
[Guest DIVA]
| 昼の部 | 幕須介人 (key)
| 夜の部 | ルアン / 幕須介人 (key)