Yuri Iwamotoがソロ・エキシビション「Fruits」を東京・中目黒 COMPLEXBOOSTにて開催


 ガラス作家・Yuri Iwamotoが、3月の「The cutest evil in my room」(東京・学芸大学 保護猫喫茶 necoma)に続くソロ・エキシビション「Fruits」を5月31日(金)から6月9日(日)まで東京・中目黒 COMPLEXBOOSTにて開催。

 近年では「野生のジュース」(2022, 東京・馬喰町 minä perhonen elävä I)、「body―内からわたしを見ているひと」(2023, 京都・ワコールスタディーホール京都)、「MISTERY CIRCLE」(2023, 富山・Atelier ANORM)など精力的な展示活動を行っているIwamotoは、武蔵野美術大学在学中にフィンランド・ヘルシンキ アアルト大学大学院に留学。卒業後は富山ガラス造形研究所で学び、現在は富山県を拠点にホットワークの成形技法で作品を制作しています。

 温かいガラスはゆらゆら、ひらひらと絶えず動いていて、生き物のようです。その柔らかさや“意思”を留めたい。そう思いながらガラスを吹いていますと語るIwamoto。「Fruits」には、複雑な色彩や多様な形状を持つ新作約80点を出展。作品は一部を除いて購入可能となっています。フライヤー・デザインは、井上貴裕(SHUT YOUR MOUTH)によるもの。

「朝日が綺麗だった、まるで大きなオレンジのようだった」
早朝の散歩を日課とする祖父から送られてきた、何気ないメッセージが目に止まった。「ああいう色のことをオレンジ色って呼ぶんだから、そう見えるのは当然だろう」なんて屁理屈が一瞬頭をよぎったけれど、成り立ちの順番が逆だったんだとすぐに思い直した。太陽が、まあるくて元気なオレンジに見えるからそう呼ぶんだ。
太陽の光をたっぷり吸って育つオレンジは、それ自体が小さな太陽のようなものなのかもしれない。他のフルーツもきっとそうで、その実が形作られるまでの間に宿したであろう光の量を思うと、手のひらにずっしりと返ってくる重さがある。
わたしも「小さな太陽」を日々扱っていると思っている。
ガラスの坩堝の中では、さまざまな鉱物が混ざり合い、ひとつに溶け合っている。炎に包まれた海からひと掬い分を巻き取ると、吹き竿の先には強烈な熱を放つかたまりがあって、ほのかに光り、ゆらゆら、ひらひらと動いている。
このかたまりに最初の一息が入るとき、太陽が動くような、命の素が弾けるようなイメージが起こる。そうやって、どの作品もはじまってゆく。やがてガラスはのびのびとわたしの手を離れて、それぞれのなりたいように形になっていく。そこに流れていた時間、意思、このあとの動きの予感、作り手とのやりとりの履歴、そういったものを体に閉じ込めて。こうして振り返ってみると、実は制作も収穫行為だったことに気がつく。

――Yuri Iwamoto

Yuri Iwamoto Exhibition
Fruits

2024年5月31日(金)-6月9日(日)
東京 中目黒 COMPLEXBOOST

12:00-19:00 | 最終日 12:00-17:00

Gallery

Yuri Iwamoto Instagram | https://www.instagram.com/gan_gannmo/