推計61万3千人が抱える“8050問題”に挑むルポ『8050問題 中高年ひきこもり、7つの家族の再生物語』刊行


 ノンフィクション作家・黒川祥子が、80代の親が50代の引きこもりの子を抱える家庭が社会から孤立する状況を指す“8050問題”を扱う単著『8050問題 中高年ひきこもり、7つの家族の再生物語』(集英社 | 四六判 | 1,500円 + 税)を上梓。11月26日から販売が開始されています。

 1990年代後半から顕在化してきた若者の引きこもりの長期化によって親は高齢者、当事者は中高年に達し、深刻な社会問題となっている“8050問題”。内閣府は、自宅に半年以上閉じこもり、外出したとしても社会との接点がない“ひきこもり”の40歳〜64歳が全国に推計61万3千人との調査結果を今年3月に発表しています。

 同書では、多くの当事者や家族、支援者に密着取材し、「ひきこもりというものは家族のあり方と切っても切れない関係にあると考えるに至った」という黒川が、当事者と家族に焦点を絞ったルポルタージュ。7つの家族の現状や心理を丁寧に描写した“生きたドラマ”から、“家族とは何か”を考えさせられる内容です。なお、6年間の引きこもり経験を持つ山田ルイ53世(髭男爵)が、帯にコメントを寄せています。

本書で描かれるのは、7つの家族の物語。皆一様に、“普通”から滑落した人々だ。そこからの再生、“ルネッサンス”の物語でもあるが、その歩みはあまりに弱々しく、輝かしいものではない。しかし、長い間「社会と関係ない人間」だった筆者には、痛いほどわかる。踏み出した一歩の偉大さも、それが半ば奇跡だということも。
彼らを知れば、「8050問題」はすべての家族に起こりえるリアルな“将来”の1つであり、にもかかわらず差し伸べられる手の少なさに愕然とする。
かつて“当事者”だったことを盾にとり、不謹慎な物言いをお許しいただこう。
本書は「面白い読み物」。
絶妙な距離感で取材対象と接し続けた著者が、丁寧かつ情熱的に書き上げた一冊……「ひきこもって」一息に読み終えることをお勧めする。

――山田ルイ53世(髭男爵 『8050問題 中高年ひきこもり、7つの家族の再生物語』帯より)

■ 2019年11月26日(火)発売
黒川祥子
8050問題 中高年ひきこもり、7つの家族の再生物語

集英社 | 四六判 | 1,500円 + 税
ISBN 978-4-08-781682-2

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黒川祥子 Twitter | https://twitter.com/yuhosyo/