Interview | ANJI + COMPUMA


心の底から音を楽しんでいる音楽

 滋賀県に住む14歳、盲学校中学部3年生のANJIさんは、独自の音楽世界を築き上げているビートメイカー。1歳から楽器に触れるようになり、現在はDTMを駆使して多彩な楽曲を制作しています。今回のインタビューでは、父の棡葉昌大さん(以下 M)、母の棡葉のぞみさん(以下 N)と初のフル・アルバム『わたしのすき』のプロデュースを手掛けたCOMPUMA氏(以下 C)を交えて、ANJIさん(以下 A)の音楽的成長の軌跡とアルバム制作の舞台裏について詳しくお話をうかがいました。日常の音を音楽に変換する独特な感性と、音への並々ならぬ探究心が生み出す創作の秘密に迫ります。

取材・文 | 小野田 雄 | 2026年7月
写真 | 森野ゆう

ANJI | Photo ©森野ゆう

――まず、ANJIさんの生い立ちについて教えてください。どのような音楽的環境で育ったんでしょうか?
M 「ANJIは小さい頃から音の出るものに興味があって、最初は押すと音が出るおもちゃで遊んだり、太鼓を叩いたりしていました。ただ、出る音の種類が限られていたので、もっといろいろな音に触れられるように、小さなピアノを渡したんです。すると、ピアノの音色やリズムを使って遊ぶようになりました。通っていた療育施設にもピアノが常設されていて、先生に勧めていただいたこともあり、1歳頃から触るようになりました。それと、僕自身が楽器好きだったので、家の中にいろいろな楽器があって、ANJIが自然に触れられる環境だったことも大きかったと思います。ギターをジャーンと鳴らしてみたり、ドラムセットに座って叩いてみたり、レコードが乗ったターンテーブルの速度を変えたり、スクラッチしてみたり。そうやって遊んでいるうちに、音そのものにどんどん興味を持つようになっていきました。小さい頃から、いろいろな楽器や機材を触りながら、自分で音を出して試してみることが自然になっていったんだと思います」

――ご自宅にそのような楽器が備えられていたということは、お父さまは音楽に深く関わってこられた経験をお持ちだったんですか?
M 「めちゃめちゃ深く音楽を知っていたかというと、そういう感じではなくて、まあ広く浅くというか(笑)。高校時代にニューヨーク・スタイルのハードコアに影響を受けてバンドを始めて、音楽専門学校のPAエンジニア科を出たあと、ライヴハウスで働く中で、エレクトロやトランス、アンダーグラウンド・ヒップホップ、民族音楽など、いろいろな音楽に出会いました。自分でもトラックを作ったりしていたので、家にはいろいろな楽器や機材があって、ANJIもそれをおもちゃのように触っていました。その中でも一番ハマったのが鍵盤でした。自分が耳で聴いた音楽を再現しようとして鍵盤を触っているうちに、音階だけじゃなくて、“この音はどうやって作っているんだろう”と、音色そのものにも興味を持つようになって。そこからシンセサイザーにも触るようになりました。もっといろいろな音を出せるようになればと、6歳からピアノも習い始めました。すると、ANJIが聴いて“弾いてみたい”と思った音やフレーズが、少しずつ弾けるようになっていったんです。そこから今度はDTMの機材に興味を持つようになって。自分で弾いた音を録音して、後から重ねたり加工したりできることを知って、鍵盤を弾きながらパッドでドラムを叩いたり、いろいろ試しているうちに、少しずつ自分で曲を作るようになっていきました」

――通常、DTMは画面を見ながら扱う機材ですが、視覚障害を持つANJIさんはどのように扱われているんでしょうか?
M 「視覚に頼らず、ハードウェアだけで操作できる機材を探していたときに、視覚障害のある人も使えるように開発されたNative InstrumentsのMaschineに出会いました。実際に触ってみると、ハードウェアのボタンやパッドを使って操作できるので、これならANJIも使えるんじゃないかと思って。ANJIはもともとゲームの操作に慣れていたこともあって、ゲームで遊ぶような感覚ですぐに使いこなせるようになりました。鍵盤を弾いたり、パッドでドラムを叩いたりしながら、自分で音を選んで、録音して、重ねていく。そうやって、どんどん曲を作るようになっていきました。もちろん、たまにソフトの動作が思うようにいかなかったり、自分だけでは解決できないことがあると、“パパ、助けて”って呼ばれることもあります。でも、大抵のことは自分でやってしまいますね。親が横に付いてひとつひとつ教えるというより、自分で触って、試して、わからないところだけ聞いてくる。そうやって、自分のやりかたで音楽を作っています。小学5年生の頃に、滋賀で活動しているDJのかたから声をかけていただいて、初めてステージで演奏しました。そこからライヴに出る機会も少しずつ増えていって、いろいろな現場で音楽を聴いたり、人と一緒に演奏したりするようになっていきました」

――音遊びや曲作りを含めた日々の生活において、ANJIさんの音に対する独特なセンスを感じるのはどういうときですか?
N 「小さい頃は、池に石を放って、その石の大きさや投げかたによって音が変わるのをおもしろがって、ひたすら石を投げて遊んでいたり、長靴を履いて水たまりに何度も何度も踏み込んだりしていました」
M 「車に乗っているときも、センターラインに触れたときの“ガガガガッ”という音だったり、車がトンネルに入っただけで走行音が変わったりするじゃないですか。そういう、普段だったら聞き流してしまうような音にすごく敏感に反応するんです。それがツボに入るのか、突然大笑いしたりすることもあります。最近は、そういう音を連想ゲームみたいに、別の何かに例えることも増えてきました。関東に遊びに行ったときには、“横須賀の花火はシューティングゲーム”とか、“厚木の信号は謎解きクイズゲーム”と言ったり。高校サッカーを観に行ったときには、両サイドから交互に応援しているのを聞いて、“DJみたい”と言っていました。自分でもいろいろな音を鳴らして、その違いを確かめたり楽しんだりしますし、とにかく音に対するこだわりが強いんです。自分が作りたい音が見つかると、それを作り終えるまで3時間くらい、平気でパソコンの前に向かっていることもあります。そういうふうに、普段の生活の中でも音をよく聴いて、おもしろがって、そこからいろいろなものを想像している。その感覚が、ANJIの音楽にも繋がっているんじゃないかと思います」

――曲はどうやって作られているんですか?
M 「自由に好きなように作った曲もあれば、前日に聴いた音楽を“自分なりにやってみよう”というところから始まる曲もあったりします。基本的には本人に任せていますね」
N 「曲は何から作ってるの?」
A 「音色から作ってますね」
N 「音色。その次は何する?」
A 「ベース」
N 「なんでベースから作ると曲が作りやすいの?」
A 「リズムを考えられるから」
M 「端から見ていると、最初からビートを作っているというより、まず音色を作って、そこからベースを入れていくんです。ドラムを入れるのはむしろ一番最後ですね。それから、ANJIは今のところ、録音したパートの間違った部分だけを修正することが難しいので、ベースを録るなら最初から最後まで、メロディを録るなら最初から最後まで、それぞれのパートを一発で録っていきます。そうやって曲を作り続けているうちに、使う音色もどんどん増えていって。そういうふうに、曲を作りながら自分の音の世界が少しずつ広がっていくのを見ているのもおもしろいですね」

ANJI | Photo ©森野ゆう

――ANJIさんは音楽のどういうところが楽しい?
A 「うーん、そこは難しい……」
N 「はははは。アンちゃん、なんで音楽がおもしろいと思う?」
A 「自分が作りたいものを再現できるから」
M 「どういう音楽が好き?」
A 「自分で作りたい、ゲーム音楽!」
M 「普段からずっとゲームを触っているので、ゲーム音楽の影響は大きいみたいですね。今のゲームって、いろんなスタイルの音楽が使われているじゃないですか。そういう音楽を聴いて、“自分でも作ってみたい”と思うことが多いんだと思います」
N 「最近はどんなゲームの音が好きなの?」
A 「Nintendo Classicsのゲームかな」

――レトロゲームの音楽は使える音に限りがありますよね。
M 「そうなんです。“Nintendo 64の音って、どうやって出すの?”とか、“メガドライブの音ってどうやって出すの?”とか、しょっちゅう聞いてくるんですよ。僕もさすがにわからないので、YouTubeでゲーム音の作りかたを解説している動画を探して、聴かせてあげたりします。気になった音があると、“これってどうやって作るの?”って聞いてくることが多いんです。レイヴを聴きに行ったらトランスっぽい曲を作ったり、野外フェスで聴いたレゲエやヒップホップなど、いろんな音楽を自分なりに形にしようとしたり。特に“橋の下世界音楽祭”は、ANJIが生まれて初めて行った野外フェスで、それ以来毎年のように家族で行っています。そこで出会ったいろいろな音楽から受けた影響は大きいと思います。音楽を聴いた翌日には、もうパソコンに向かって再現しようとするんです。習っているピアノの先生も、“とりあえず真似してみなさい。真似から派生していったらいいんじゃない”と言ってくださっていて。実際、ANJIはまず真似してみて、そこから自分なりの音や曲にしていくことが多いですね」

ANJI | Photo ©森野ゆう

――素晴らしい教えですね。
M 「親がひとつの方向性を決めるんじゃなくて、いろいろな選択肢があることを知った上で、ANJIがこれから生きていく中で、自分なりに好きなものを選択できたらいいなと思っています。そのために、いろんな経験をさせたいし、さまざまなことに挑戦してもらいたくて、毎週末、できる限りいろいろな現場に行くようにしています。場所によって音楽の聴こえかたも全然違いますし、風や匂いを感じたり、新しい楽器と出会ったりすることもありますからね。ライヴでは、家で曲を作るときとは違って、その場で音を変えたり、エフェクターをかけたりすること自体を楽しんでいると思います。いろんな人と一緒に演奏することも、ANJIにとって大きな刺激になっているんじゃないかなと思います。 それこそ、COMPUMAさんのワンマン・ライヴ(2025年3月 東京・渋谷 WWW)にオープニング・アクトとして参加させていただいた翌々日、家に帰ってから、ライヴで感じたものを即興的に音にしていたんです。そういう経験が、すぐにANJIの音楽に繋がっていくんだなと感じることがあります」

――COMPUMAさんがANJIさんのことを知った経緯を教えてください。
C 「長年に亘り親交がある脱線3のM.C. BOOさんから、2024年の9月に“松永さん好きかなと思って”というメッセージとともにANJIさんのInstagramやYouTubeの動画リンクを送っていただいて、そこでANJIさんの存在を初めて知りました。BOOさんは現在、知的障害のある作家のアート作品を生かした新たな文化の創造を目指す事業を行っているヘラルボニーに所属されていて、そのお仕事で滋賀県甲賀市にある福祉施設 / アートセンターのやまなみ工房に行かれて。そこで所長さんと話をされる中で、働かれているスタッフの娘さんで、ビートメイクをしているお子さんがいると。そこでBOOさんはANJIさんのお父様を紹介されて、そこから、BOOさんから僕のところに伝わった次第です」

――初めてANJIさんの音楽を聴いたときの印象はいかがでしたか?
C 「最初に見た動画が、“レゲエUFO”の動画で、恐らく、滋賀の野外レゲエ・イベントでのライヴ映像だと思うんですが、ステージにANJIさんがポツンと立っていて、イントロからいきなりスペーシーなシンセから始まったんです。宇宙感のあるイントロダクションに、まず、“えっ!?”となって、何が始まるのかと思ったら、今度はレゲエで、しかもインスト、なかなかに渋いレゲエが展開していって、“え?えええ!?なんだこれは!?”と、どこか勝手ながら、『ILL-CENTRIK FUNK Vol.1』(File Records, 1998)に収録された脱線3“ディスコマン”にも通じる宇宙観というか、そのステージでの佇まいも含めて衝撃を受けました。その後、“雨の日の散歩”の映像を見たら、今度はローファイ・ヒップホップ的というか、なんともセンチメンタルなインスト・ヒップホップのトラックで、ANJIさんとお母さんが琵琶湖のほとりを散歩している映像と併せて、とても心を揺さぶられて、グッときたんですよね。そもそも、現在の自分にとって、中学生が作る音楽を身近に聴く機会はなかなかなくて、ANJIさんがこういったジャンルの音楽を表現していることにもびっくりしたんです」

――その衝撃が、COMPUMAさんのアルバム『horizons』リリース・ワンマン・ライヴのオープニング・アクト起用に繋がった?
C 「BOOさんからは“彼女の活動を応援できれば。何か一緒にできたら”とお話をいただいていたので、何かできないかな?どうしたらご一緒できるかな。と考え始めました。とはいえ、自分の活動はDJが中心で、しかも夜中のイベントやパーティがほとんどなので、ANJIさんと何かご一緒できるような時間帯の企画はなかなか浮かばなくて。どうしようかなと思っていたところに、ちょうど渋谷WWWでアルバム『horizons』のリリース・ワンマン・ライヴをできる機会をいただきまして、そこで、なんとか“オープニング・アクトとして、ANJIさんとご一緒できないかと強く思いました。自分の中では、WWWの劇場型のあの会場空間の中で、PAブースの内田直之さんとステージ上のANJIさんが対峙する絵がバーンと目に浮かびまして、なんとかこれを実現したい。ぜひともこの光景を観たい!そして来場されたみなさんにもぜひとも観ていただきたい!と強く思ったんですね。そこからWWWスタッフさん、BOOさんを通じてやりとりしていただき、ありがたくオープニング・アクトとしてのANJIさんの出演が実現することができました」

――その直接的な出会いが、今回、COMPUMAさんがプロデュースを手掛けたANJIさんのアルバム『わたしのすき』制作へと発展していったんですね。
C 「まず出演が決まったタイミングで、せっかくなので当日はANJIさんの名刺代りとしても何か物販があったほうがいいんじゃないかという話になりまして、いろいろアイディアが出る中で、最終的にデビューEPとして7"レコードを作ってみませんか?という話になりました。そこから、膨大にあるANJIさんの楽曲のストックから厳選して7" EPを作ったんです。ミックスとマスタリングは、自分の制作でもお世話になっているhacchi(UrbanVolcano Sounds | Deavid Soul)さんにお願いしつつ、かなりギリギリのスケジュールでしたが、いろいろなみなさんのご尽力によってなんとか完成できて無事に間に合うことができました」
M 「ありがとうございました。そのやりとりを通じて、COMPUMAさんがANJIのことを本当に大切にしてくださっているんだなと感じましたし、COMPUMAさんと出会ったことは、ANJIにとって大きな転機になりました。EPのあとも、“アルバムもどこかのタイミングで出しましょう”とお話ししていたんですが、2026年5月に“日比谷音楽祭 2026”に出演することが決まって、そのタイミングでアルバムをリリースできたらと思うようになりました。そこでCOMPUMAさんに相談させてもらって、そこから14曲入りのフル・アルバムを作ることになりました。EPのときもかなりタイトなスケジュールだったんですが、今回も本当にギリギリで(笑)。それでも、協力していただいて、なんとか間に合わせることができました」
C 「EPのときもなかなかタイトでしたけど、今回は14曲収録のフルアルバム。かなりギリギリではあったんですが、CDだったらなんとかなるかなって。EP同様にご両親のご協力があって、なんとかギリギリ間に合って良かったです」

――アルバムのプロデュースに際して、どんなことを心がけましたか?
C 「自分の作品以外でプロデュースという役割も自分でも初めてのことですし、おこがましくも、こういった出会いとご縁の中で、これまで自分が体験、経験したり、培ってきたことで、それが何かお役に立てればという思いでお手伝いさせていただいただきました。ANJIさんの現在の魅力を過剰に演出することなく、自然な形でまとめられたらなと。そこからお父様から送っていただいたANJIさんの曲、60、70曲以上あったかな。膨大にある曲を聴きまくって、それと、ANJIさんとご一緒するようになってから体験したライヴ・パフォーマンス、そこで表現されている曲の流れとか、そういったことを考慮する中で、アルバムの起承転結、ストーリーみたいなものがなんとなく見えてきたんです。そこから何度も何度も組み直し、それをお父さんにも確認していただきながら磨いていって着地させていきました」

――「わたしのすき」や「森」では自作の文章、「雨の日の散歩」では詩人である金子みすゞの詩「私と小鳥と鈴」のANJIさんによる朗読もフィーチャーされていますよね。
M 「月に一度、絵本を読んでくださるボランティアのかたがいて、いろいろな絵本と出会う中で、妻がANJIに“この言葉はこういう意味なんやで”と説明したり、ANJI自身が自分なりに文章を作ってみたりして、言葉の楽しさも少しずつ学んできました。それで、せっかくなら自分で作った言葉を音楽に乗せて歌ってみようということになったんですけど……」
N 「アンちゃん、歌うのあんま好きちゃう(笑)」
M 「そうなんですよ(笑)。それなら、歌うんじゃなくて音楽に合わせて朗読してみようかって。調べてみると、ダブ・ポエトリーのように、音楽に対して言葉を乗せていくジャンルもあることを知って。そういう流れから、朗読に挑戦してみたんです。そこから、音楽に朗読を重ねるスタイルも少しずつ自分たちの中でかたちになっていって、今のビート・ポエトリーに繋がっていきました。今は、朗読を交えたビート・ポエトリーや、音楽を中心としたビート・ライヴなど、そのときどきでいろいろなかたちでライヴをしています」
N 「“雨の日の散歩”で朗読している金子みすゞの『私と小鳥と鈴』は、アンちゃん、どんなところが好きなの?」
A 「“私が両手をひろげても、お空はちっとも飛べないが”というところが好きです」
N 「こんな感じでやりとりしながら、詩を勉強したり、言葉を作ったりしていて。“みんなちがって、みんないい”という一節についても、アンちゃんといろいろ話したんですよね」

ANJI | Photo ©森野ゆう

――詩といえば、今回のアルバムにはラッパーのRITTOさんをフィーチャーした「雨の日の散歩」の別ヴァージョンも収録されていますよね。
M 「きっかけになったのは、滋賀のレゲエサウンド・クルーが京都のOCTAVEで主催したイベントでした。そこで、出演されていた韻シストBANDとRITTOさんのセッションに、急遽ANJIも参加させてもらって、即興で演奏したんです。それを見ていた主催のかたから、“ぜひ『雨の日の散歩』にRITTOさんのラップを入れて、曲を作ってほしい”と声をかけていただいて、それがきっかけで実現した曲です。この曲だけはアルバム収録に加えて、シングルとしてもリリースしています」

――そういった折々の楽曲をアルバムとしてまとめる上で、ミックス、マスタリングに関しては、どういったことを意識されましたか?
C 「hacchiさんと相談しながら進めていったんですけど、ANJIさんの曲が持つ、いい意味での荒々しさ、元気の良さを残しつつ、あまり専門的なジャンルの本格的な音像、音圧にはならないように、とはいえ、あまりローファイにもならないように、聴き疲れしないような、押しつけがましくならないようなバランスを意識しました」

――COMPUMAさんにとって今回のアルバム『わたしのすき』はどんな作品になりましたか?
C 「滋賀県に住むANJIさんが琵琶湖のほとりで、人や街、自然と共に過ごす日々の中から生まれた音や感情、景色をそのまま音楽として封じ込めた作品ということはもちろんなんですが、なかなか適切な言葉が浮かばないのですが、ANJIさんは、今現在14歳という年齢でもあって、まさにチャイルズ・ビューな音楽でもあると思いますし、ピュアでイノセントな音楽、このアルバムには、ANJIさんが心の底から音を楽しんでいる音楽が詰まっていると思うんですね。個人的に大好きなStevie Wonderのアルバム『Journey Through The Secret Life Of Plants』を久々に引っ張り出して聴いてみて、ふと思ったのが、ANJIさんの作る音楽世界は、Stevie Wonderのこのアルバム同様に、日々の暮らしや生活、自然の中で、自由な生命力に満ち溢れながら未来に向けて美しく広がる叙情詩という点においては、世代や時代、国や環境は違えど、しかしながら、どこか通じるものがある作品になったのではないかと、個人的には思っております」

ANJI | Photo ©森野ゆう

――ご両親はこの作品をどう聴いていらっしゃいますか?
M 「今までのANJIがギュッと詰まった作品だと思っています。ただ、これはゴールではなくて、このアルバムをきっかけに、ANJIがさらにたくさんの人や、いろんな音楽と出会って、新しい世界を見ていけたらいいなと思える、最初のアルバムだと感じています。ANJIが安心して笑顔で過ごしていけるように、大好きな仲間たちと人生を歩んでいける環境を、親としてしっかり作っていきたいと思っています」
N 「やっぱり本人は言葉足らずなことも多かったりするし、同世代の子と出会うこともなかなかなかったりするんですよ。でも、音楽を通してできる関係や繋がりがあって、最近は同世代の子とも少しずつ出会えるようになってきて。人と関わるって、こんなに楽しいんやと思ってほしいですね。自分で音楽を作るのも楽しい、人と音楽をやるのも楽しい。もうなんだろう、楽しいことでいっぱいになってほしいです。アンちゃんはどうだった?」
A 「めっちゃ車で聴いてた」
N 「どう思ったの?」
A 「めっちゃいいミックスだと思いました」

――ANJIさんはこの先どんな音楽を作ってみたい?
A 「私はゲーム、ゲーム音楽を作ってみたいです」
N 「どんなゲーム?」
A 「どんなゲームかというと、連打ゲーム。それでどんどんレベルアップしていくねん」
M 「ゴールは?」
A 「ゴールはね、ひたすら連打して、もうこれ以上レベルが上がらんくなったらクリア。自分のペースでいいよってことなんですよ。だからがんばらなあかんなって」

ANJI『わたしのすき』■ 2026年7月1日(水)発売
ANJI
『わたしのすき』

BLIND BEATS SOUND
CD BBS002 2,400円 + 税

[収録曲]
01. わたしのすき
02. REGGAE UFO
03. ゆったりカフェ
04. 森
05. オリーブアンジ
06. おしゃべり鳥
07. アントロ
08. 母の日
09. アフロ
10. みえるみえるよ
11. 雨の日の散歩
12. レイヴで聴いた曲
13. audioanji
14. 雨の日の散歩 feat. RITTO

ELECTRIC DELAY LAND Vol.2ELECTRIC DELAY LAND Vol.2

| 2026年11月7日(土)
東京 恵比寿 LIQUIDROOM

15:00-
前売 1日券 5,500円 / 通し券 8,500円(税込 / 別途ドリンク代600円)
e+

※未就学児童入場可 / 高校生以上チケット必要

Live
ANJI / CHUDAHYE CHAGIS (from Korea) / FLYING RHYTHMS / LITTLE TEMPO

DJ
E.O.U / 大石 始

Mixing
内田直之

Mixing
大山輝満

| 2026年11月8日(日)
東京 恵比寿 LIQUIDROOM

15:00-
前売 1日券 5,500円 / 通し券 8,500円(税込 / 別途ドリンク代600円)
e+

Live
CHUDAHYE CHAGIS (from Korea) / んoon / OKI DUB AINU BAND / TURTLE ISLAND

DJ
COMPUMA / George Williams

Mixing
内田直之

Mixing
大山輝満