Interview Petite | ブルー + KYΔWΔ


大人でもできる、大丈夫なんや!

 高校生の時分より友人関係にあるという大阪出身のブルーKYΔWΔは、スタジオにおけるベースとドラムでのコピー演奏の模様を撮影し、Instagaramにアップロードするという行為を数年に亘って不定期に継続しています。選曲のラインナップに脈絡なし。演奏は楽曲の一部抜粋。自己顕示、利他等の態度も、インプレッションを欲する様子もなし。ただしプレイは楽しげであり、真剣そのものでもある。この2人の行為には、いったいどんな意味があるというのでしょうか。しかし、友人同士が共有する時間に意味を求めるという行いこそ野暮なのかもしれません。

 近年はハードコア・パンク・バンドZENOCIDEの新ドラマーとして注目を浴びるKYΔWΔ(以下 K)と、盟友・ブルー(以下 B)に、このライフワークへと至った経緯についてお話を伺いました。


取材・文 | 久保田千史 | 2026年1月


――まずはお2人の名前のことから。お2人とも、最初に説明しておかないとイタい子認定されちゃう可能性が否めない名前だし……。

B + K 「(笑)」

――特にKYΔWΔさんはキャワイイ自認のキビしい子って思われるシチュエーションありそうじゃん。
K 「たしかに……(笑)。“なんでキャワなんですか?”ってよく聞かれるんですけど、本名は前川で、マエカワがマエキャワになって。中学生のときにみんながそう呼び始めたんですよ。後輩ができて“マエキャワ先輩とかって長いですよね?”っていうことになって、マエがどんどんなくなっていき、気付いたらマエキャワなんて呼ぶ人おらへんわみたいな(笑)。最初はこのあだ名で呼ばれるのめっちゃ嫌やったんですよ」
B 「へえ」
K 「呼ばんといて!ってめっちゃ思ってたけど、知らん間にすごいスピードで浸透してしまったから」
B 「みんなしっくりきちゃったんだ」
K 「呼びやすいっていうのはたぶんあるけど」

――ブルーさんはなんでブルー?
B 「青が好きだからですね」

――ブルー自認っていうこと?
B 「そうです。自認ブルーです」

――それはなかなかの……(笑)。
B 「(笑)。これも広がりが、自分で言い出したにもかかわらず、なんか定着が早くてびっくりした」

KYΔWΔ + ブルー | Photo ©久保田千史
L to R | KYΔWΔ, ブルー

――(笑)。ではでは、お2人の出会いについて聞かせて!高校生のときから一緒なんでしょ?
K 「そうです」
B 「高校でたまたま一緒になって」

――同じクラス?
B 「全然、違うクラス。中高一貫校で、わたしは内部進学っていって中学からそのまま上がったタイプ。きゃわちゃんは受験して高校から入ったタイプ」
K 「わたしは勉強して、高校入試を受けて入って。内部進学の子たちってすでに仲が良いんですよね。コミュニティができあがっているんですよ」
B 「3年間一緒だった子たちがそのままいる感じだったんで」
K 「わたしのほうは、クラみんな全然知らん人ばっかり。普通やったらいきなり内部生と外部から入ってきた人で仲良くなることってなかったと思う」
B 「見えない壁があったな(笑)」

――そっか(笑)。クラスは別で、見えない壁もあり、どうやって仲良くなったの?
B 「部活やな。要は軽音部なんですけど、軽音部っていう名前じゃなくて」
K 「フォークソング部」
B 「そこで初めて出会って」
K 「でも入ってすぐに意気投合というわけではなく」

――じゃあフォークソング部にはそれぞれ別々に入部を決めたんだ。
K 「そう。一緒に行こう!とかじゃなくて、各々で」
B 「音楽やりたいな、じゃあ軽音部っぽいところに入ろうってなって、たまたま出会った感じです」
K 「わたしはシキブっていう……後々わたしたちのバンドでヴォーカルをやってくれた子なんですけど、その子と一緒に行きました」

――シキブはあだ名?紫式部の式部?
B 「そうです。本名はモトムラだよね。モトムラサキシキブからの式部みたいな」
K 「そういうしょーもないあだ名です。本名で呼び合うことなんかなかったよね。わたしも本名の原形ほとんどないし」
B 「ブルーは完全に原形留めてないしね」

――(笑)。
K 「それで式部と一緒に行ってみたら、ブルーがいて。やりたい楽器とかはまだ何も決まっていない状態だったけど、ブルーはベースを選んだんだよね」
B 「中学のときからバンドをやりたいとは思っていたんですけど、なんでベースを選んだんだろう……よく覚えていないんですけど。ベースが少ない代だったのかな」

――特定のパートが少ない代とかあるんだ。
B 「わかんないですけど(笑)」
K 「でもやっぱり偏りはあると思う」

――ドラムは少ないイメージあるけど。
K 「ドラムは逆に多かったよね?」
B 「多かったかな。枯渇はしてなかったね」

――へえ、珍しい。
K 「でも、ガチで真剣にやっていたのはわたしだけやったと自負している」
B 「ああ……うん、たしかに」

KYΔWΔ + ブルー | Photo ©久保田千史

――キャワさんは高校に入る前からドラムは叩いていたんだよね?
K 「そうですね……。昔からドラムをずっとやっていたっていうわけでもないんですけど。中学生のときに吹奏楽部でパーカッションをやっていたんですよ。わたしも中学生の頃、バンドをやりたいって思っていて。でもわたしの中学は軽音部がなかったんです。だから最初は軽音部を作ろう!と思って、小学校から一緒やった友達を呼んで、作ろうとしたんですよ。別に楽器ができる人たちじゃないけど、わたしがやりたいから、ちょっと楽器やってみよ!みたいな感じで無理矢理引っ張ってきて。でも顧問の先生が全然見つからなくて、部活を作るっていうのは結局断念したんです。やっぱ、先生がいないと部活としてやるのはあかんかったから。でもピアノを習ってたし、お父さんもドラムをやっていて、そういうのを見ていたから、気付いたら音楽はやりたいって思っていて。だから部活を作られへんかったからってやめるのもなんかちょっとな……っていう感じで吹奏楽部に入りました」

――いきなりアツいっすね……。
K 「それで、なんでかわかんないけど副部長までなりました」
B 「おお、そうなんや」
K 「入ってみると、吹奏楽ってけっこう厳しい部活やったんですよね。めっちゃしんど!って思って。休みの日も練習があったりとか。朝練がキツかったりとか。ガチの部活やったんで、わたしドラムやりたかっただけやのに、なんでこんなことやってるのやろ……って」
B 「ティンパニとか運ばないといけないもんね」
K 「そうそう(笑)。朝、吹く人たちが、肺活量のトレーニングをやるんですね、毎日。牛乳パックにストローを挿して、膨らませたり凹ませたりを繰り返すみたいな」
B 「へえー!」
K 「それをパーカッションのわたしらもやらされていて」
B 「なんで(笑)」
K 「それをやっているとき、なんでやろ……ってずっと思ってた(笑)。パーカッションは楽器がめっちゃいろいろあって、やっぱり花形はスネアなんですよ」

――そうなんだ、スネアが花形なんだ。
K 「うん、一番輝く場面が多い」

――逆に一番地味なのは?
K 「う~ん、小物系?」

――小物。ウィンドチャイムとか?
K 「ああ、まあそうですね。めっちゃあるんですよ。カーーーッ!っていうやつとか」

――ビブラスラップか。
K 「でも、あれも一発勝負やし、1個しかないから、カーーーッ!ってなったらそっちに目は行くから、目立つっちゃ目立つけど……一番地味なのってなんやろ……バスドラとか?」

――へえ~。目立ちそうなのに。
K 「ミスってもあんまわからないじゃないですか」
B 「いやいやいや!わかるやろさすがに(笑)」
K 「(笑)。だから花形のスネアをやりたいなあと思ったんですけど、あまり向いてなかったのか、なんなのか、顧問の先生に“前川はシンバルやれ”って言われて」
B 「そうなんや(笑)」
K 「それでシンバルをずっとやらされていたんですね。ほんまにひとりだけ、朝は筋トレみたいな。シンバルやるために」

――ああ~、やっぱり筋力必要なんだ。
K 「重いんですよめっちゃ。ひとりでめっちゃ筋トレして。ほんまにパーーーン!ってやるときもあれば、めっちゃ小さくやるときもあったり、すごく奥の深い楽器ではあったんですけど。結局はティンパニも任されることになって。でも吹奏楽って、クラシックをコンクールとかでやるけど、たまに定期演奏会とか、学校の行事とかで、普通にポップスとかをやったりするときもあるから、そのときはドラムが叩けるんですね」
B 「おお!」
K 「でも、わたしの代の子3人 + 先輩たちで、ドラムの取り合いみたいになるんですよ。だからオーディションみたいなのをやらされるんですよね。“今回はおまえや”みたいな。そういうのでけっこう精神力は鍛えられたかもしれない」

――でもドラムキットで叩くのはそれが初めてだったわけではないんでしょ?
K 「そうですね。電子ドラムが家にありました。それ買ってもらえたのも中学生のときやったかな。お父さんもやりたいからっていう理由で買ってもらえて、ラッキーではあったんですけど」

――お父さんはそれまでスタジオで練習してたの?
K 「そうですね。でも、わたしが小学校とかの間は、たぶん叩けていなかったと思います。そんなに時間もないし、仕事もけっこう忙しそうやったから、家にあんまりいてない感じで」

――ブルーさんはきゃわさんのお父さんお会いしたことある?
K 「何回かあるよな?」
B 「あるある。文化祭のときにスネアとかシンバルとかを学校に持ってきていて、重いからってお父さんが車で取りに来てくれていたことがあって」

――優しいね。
K 「理解はめっちゃあるんで、それはありがたかった」
B 「音楽やってるお父さんいいよね」

KYΔWΔ + ブルー | Photo ©久保田千史

――ねえ。羨ましいよね。ブルーさんは、きゃわさんのそういう、吹奏楽とかの身の上話を聞いたことなかったの?
B 「ドラムのオーディションとかは初めて聞いた(笑)。そんなのやってたんやと思って」
K 「ざっくりはちょいちょい話してたんですけど」
B 「“中学のときにドラムをちょっとやってました”くらいしか聞いてなかったんで」
K 「中学生のときはそんなにドラムうまくなかったと思うんです。今も全然うまくはないんですけど」

――2人が出会ってから練習し始めたっていう感じ?
K 「そうですね。高校生のときはやっぱり一番練習してた」

――ブルーさんはベース未経験だったんでしょ?
B 「そうですね。ふたつ上に、音楽に詳しいベーシストの先輩がいたんですよ。その人からいろいろ教えてもらいつつ、梅田の楽器屋さんとかを回ったりして」

――大阪で楽器を探しに行くとなると梅田なんだ。
B 「梅田か心斎橋か、そこらへん。学校が電車1本で梅田に出られるところだったんで。それで1本目は青いかわいいベースを買って。この子だ!って」

――青だ!
B 「機材のことは何もわからなかったんで、ヴィジュアルで選ぶしかないっていう感じだった」

――それを買ったことによってブルーになったの?その前からブルーだったの?
B 「その前ですね。すでに心が青かった」
K 「かっこええな(笑)」

――(笑)。式部と一緒にやってきたきゃわさんは、ブルーさんから見てどんな印象だった?
B 「きゃわちゃんは、めっちゃドラム叩ける人に見えたんですよ。この女、うまいぞ……みたいな。でもわたしはベースを持ったこともなかったんで。でも部活内で“バンドを組みましょう”っていうタイミングになったときに、わりとすんなり、“やろうぜ”みたいな感じになったんですよ」
K 「それはなぜかと言うと、バンドを組む前の、まだ関係性も何もできあがっていない、誰と喋ろ?みたいな感じのときに、ブルーがひとりで練習しているのを見て。教室で」
B 「ほんまに?」

――絵面だけでも青春すね。
B 「イヤーーー!なんか恥ずかしいかもしれん……(笑)」
K 「今でもすごく覚えてるけど、ひとり教室でベースを、青いベースを弾いていて、バリバリ初心者って聞いていたのに、なんかめっちゃ弾けてたんですよ」
B 「うそっ、なんで?」

――人知れず練習していたんすね。
B 「たしかに最初はがんばっていた記憶があります」
K 「ほんまに初心者?めっちゃ弾けてるやん、うまいやん、みたいな。わたしは、バンドをやるならちゃんとやりたいし、中途半端な人とバンドやるのもな……って思っていたから、弾ける!こいつは……!って思ったんですよね」

――なんかそういう、こいつ……できる……みたいな発想がもうアツいわ。僕も軽音部だったけど、なんというか……テキトーだったもん。
K 「たぶん、真面目に何かをやる、みたいなのが吹奏楽で沁み込みすぎていて。本当はもうちょっと、なんかこう、不良とかになりたかった」

――(笑)。
B 「でもわたしもそっち寄りやったと思う、たぶん(笑)」
K 「学校も、自称進学校みたいな。だから、なんやろ……」
B 「意識高い?」
K 「意識高いな。そういうところに謎に行っちゃったから、もうちょっとはっちゃけたかったのに、あまりできひんかったみたいなところはあって。だからバンドも真剣にやるぞ!って思っていたけど、もっとテキトーでもよかったなあって今になってすごく思う」

――今なんだ、それもアツいね(笑)。でもさ、そうやって、こいつ……できる……って見られちゃったらプレッシャーじゃない?
B 「それがプレッシャーはあまり感じていなくて、楽しかった記憶しかないんですよ。高校のときは。メタルとか、けっこうテクニックを要するような音楽が好きだったんで、ヘタクソだったら好きな音楽ができないと思っていて。うまくならなきゃ始まらないみたいな。ゼロからのスタートで、向上心だけはめちゃくちゃあったんですよ。とにかくうまくなりたい、みたいな」
K 「根が真面目すぎて、つまらん感じっていうか、もうちょっとこう、ハメを外してみたりとかしてみたかった」
B 「そうですなあ」

KYΔWΔ + ブルー | Photo ©久保田千史

――メタルはテクニカルなやつが好きだったの?
B 「メタルを好きになったきっかけは中3くらいのときに出会ったかわいいBABYMETALだったんですけど。“ド・キ・ド・キ☆モーニング”とか出たくらいの頃で」

――さくら学院の部活だった頃ね!
B 「そうです!それ関連でMETALLICA、MEGADETHとかのスラッシュメタルから」

――四天王系ね。
B 「ですね。そこからどんどん派生していった感じです」

――でもその頃のメタルって、BABYMETAL自体がそうだし、もっとメタルコアとかのほうが全盛だったすよね?古いメタルが好きっていうこと?
B 「メタルを勉強するにあたって、歴史を遡るじゃないですけど、インターネットで調べたらいくらでも出てくる感じだったんで、過去を漁ってインプットするっていうのがわたしの音楽の聴きかたの主流だったんですよ」
K 「中学のときからネットサーフィンしてメタルを聴いていたっていうこと?」
B 「そうそう、YouTubeで関連動画漁りする中学3年生。だからそういうのをやりたい!って思っていたんですけど、高校に入ったら、けっこうそっちがサブジャンルだったっていうか。ロキノン系って言うんですかね?」
K 「邦ロック?」
B 「そう、邦ロックがめちゃくちゃ流行っていた時期だったんですよ」
K 「今ってTVとかを観ていても、あまりバンドがTVに出てきたりしなくなってきたけど、わたしたちが高校生のときはめっちゃ流行ってたよ、まじで」
B 「Mステでも、“今大人気のあのバンドが!”みたいな感じで」
K 「そうそう。メディアにも出てくるし、普通にみんな聴いてたし」
B 「アニメの主題歌にもめっちゃ使われていて」
K 「まじ全盛期やったと思う」

――お2人が高校生の頃の邦ロックってなんだろ?かまってちゃんとか?
K 「たしかにかまってちゃんも全盛期やったと思う」
B 「KANA-BOONの全盛期」
K 「せやな、KANA-BOONの全盛期やな」

――KANA-BOON!
K 「フェスとかもよく行ってたんですよ。大阪でやってる“RADIO CRAZY”とか。ラジオもめっちゃ聴いてて」
B 「FM802の“ROCK KIDS 802”っていうやつ」
K 「そうそう、オチケンのな」
B 「落合健太郎っていう人がMCで」
K 「わたしらだけじゃなくて、フォークソング部の子はみんな聴いていて。テスト前とか」
B 「流しながら勉強するみたいな」
K 「ほんで誰かが、メール読まれて」
B 「お便り来てます的な」
K 「みんなえっ!ってなってLINEでウワー!みたいな」

――あーそっか、その頃もうLINEはあったのか。
K 「ありましたね。あとTwitter。Twitterが一番流行ってたかも」

――そうかもね、Twitter全盛期だったかも。
B 「Instagramは全然っていう感じだった。Twitter強かったな」
K 「Twitter大好きで、学校から帰ってもTwitterでずっと喋ってるみたいな」

――それも青春っぽい……。ブルーさんはメタルのバックグランドがあって邦ロックに移行したみたいだけど、きゃわさんはどうなの?
K 「わたしは、ずっと、今も好きなのが椎名林檎なんですよ。でも椎名林檎からっていうわけじゃなくて、小学校6年生のときに東京事変を聴いて」

――そうなんだ。小学6年生で東京事変とか聴く?
K 「たしかに周りに聴いてる人はいなかったんですけど、ほんまに、めっちゃかっこいいと思ってずっと聴いていて」

――どういう導入で聴くようになるわけ?
K 「お父さんが教えてくれたんですよ。TSUTAYAとかでCDを借りるような時代やったから、お父さんが借りてきたCDを、わたしもiPodに入れて聴いたり、車でも聴いてたりとか。そういうので初めて知って。ライヴDVDとかもお父さんが観させてくれて、そこからめっちゃ好きになって。でも解散しちゃうんですよ、東京事変が」

――あー、そうですよね。
K 「それが中3のときで、解散ライヴと吹奏楽の定期演奏会の日程がカブっていて」
B 「やば(笑)」

――エモいっすね。
K 「わたしは副部長やったんで、さすがに抜けられなくて、すごく悔しい思いをしました。まじでめっちゃ悔しかった。最後は武道館やったんですけど。でも復活したんですよ」

――よかったね!復活したのはわりと最近の話っすよね?
K 「そうですね、2020年かな。でもわたし結局、東京事変のライヴに行けたことってないんですよ。1回も」

――えー、そっか。そんなに好きなのに。切ないね。
B 「あはは(笑)」
K 「めっちゃ切ないんですよ……。椎名林檎のライヴは何回か行ってるんですけど」

――わかんないじゃん!そのうち対バンするかもしれないじゃん!
K 「いやいやいやいや(笑)」

――でもさ、いろんな人と話すと、椎名林檎さんも意外と近しいところにいるんだなって感じるし、本当にわかんないよ。
K 「東京に出てきてから、そういうのすごく感じるかも。そこで繋がってんのや……みたいなことが多すぎて。人脈がすごい人が東京って桁違いに多い」

KYΔWΔ + ブルー | Photo ©久保田千史

――良いことあるといいね!でもまあ、それまでのバックグラウンドがお互い違っても、その頃に流行っていた邦ロックが2人を繋いでくれたっていう感じなんだ。音楽的には。
B 「そうなのかな」
K 「メタルが好きやから、椎名林檎が好きやからそれをやろう!っていう感じにはならんかったよな。例えば、式部にメタルを歌えって言っても、無理なんですよ」
B 「うん、無理無理。やりたい曲とできる曲は違うなあっていう」

――なるほどね、バンドあるあるっすね~。
K 「やっぱりヴォーカルありきっていうか」
B 「基本コピーだしね」
K 「1曲だけオリジナルも作ったけど……」
B 「作ったな、伝説の1曲は(笑)。ギターの子ときゃわちゃんが作ったんですけど」

――フォークソング部のバンドって、1年生で結成したら3年生まで不動のメンバーなの?
B 「メンバー・チェンジはありました(笑)」
K 「あったけど、1回だけかな」
B 「ギターの女の子が2人いて。右近と左近」

――またそういうあだ名な。
B 「いつも一緒にいる2人組だったんですよ(笑)。でもわたしときゃわちゃんのやる気が満ち溢れすぎていて、たぶん右近と左近はあまりやる気がなかった感じ。熱量がちょっと違って」
K 「ソッコー退部したんですよ」
B 「それでギターを募集して」
K 「1人、わたしと同じクラスにギターをちょっとかじっていた子がいて、それはとりあえず引っ張ってきて、もう1人がブルーと同じクラス」
B 「邦ロックめっちゃ好きな子がいて」
K 「熱量はある奴やったけど、そいつがイマイチっていうか……」

――2人がアツすぎたんじゃないの?
B 「あ~、どうなんだろ、今思うと……」
K 「でもたしかに、わがままにやっていた感じはあるかも(笑)。わたしら2人のわがまま、もしくはわたし1人のわがままなのかもしれないけど」
B 「うん、やる気ない奴は去りな!みたいな感じだったかもしれない(笑)」

――怖っ。
K 「いやいや、そこまでじゃないけど(笑)」
B 「(笑)」

――しかし、そこまで熱を注げるほど邦ロックって流行ってたのね。
K 「流行ってたよな」
B 「海外に行く前くらいのONE OK ROCKとか」
K 「RADWIMPSとか、BUMP OF CHICKENとか」
B 「あとうちらユニゾン好きやったな」
K 「ユニゾンやな」

――UNISON SQUARE GARDENね!
B 「“オリオンをなぞる”のちょっとあとくらいからハマり始めたよな」
K 「うん。ブルーは最初、ユニゾン好きなドラムの先輩と2人で練習してたやん」
B 「うんうん。バンドを組む前に、ほどほどの難易度で初心者ががんばれる曲っていうことで、ユニゾンの曲で1曲練習して」
K 「バンド組んでからもユニゾンは何回かコピーしたよな」

――他はどんなのをコピーしてたの?
B 「バンプもやってた」
K 「KEYTALK」
B 「KEYTALKやったな。あとグッドモーニングアメリカ」

――グドモか~。
B 「SHISHAMOもちょっとやったな。“僕に彼女ができたんだ”あたりの」

――ひと括りに邦ロックとは言えど、いろいろ幅広くやっていたのね。
K 「今も変わっていないんですけど、曲はなんでもやろう、みたいな。メンバーが5人いたから、5人それぞれに好きな音楽があったし、満遍なくそれをやっていた結果、ジャンルとか関係ない感じになって」

――たしかに、今のインスタを見ていても、1本こういうのやるぞ!っていう感じじゃないっすもんね。
K 「でも、1本何かを設定するみたいなのもやってみたかった」
B 「そうやな……。たぶん、みんながみんな“やりたい曲やれてないな”って思ってたよな」

――でもさ、そうやってそれぞれが好きなものを持ち寄ってOKだったなら、MEGADETHやってもよかったんじゃないの?
B 「MEGADETHは技術的にキビしくて」
K 「高校生のときのブルーは、たいぶメタラー色は抑えていたんですよ(笑)。みんなの前でそういう話せんかったよな?」
B 「なんか話せなかった。邦ロックもいいね!みたいな(笑)」

――なんで?
B 「話せる人がいなかった。ここの展開がこうでどうのこうの、ここのギター・ソロがどうのこうの、ハァハァ、みたいな感じにはなれなかった」
K 「(笑)」

――その当時の現行のメタルとかの話はしなかったの?BRING ME THE HORIZONとか全盛期だったでしょ?
B 「そうですね。coldrainとか好きな人はいたし、SLIPKNOTみたいなニューメタルとかをかいつまんで聴いたりはしていたんですけど、周りにそういうのを聴いている人がいないし、話せないし、環境のせいで邦ロックばかり聴くようになって」
K 「自然とそうなってる感じだったよな」
B 「心の中では全然、好きだったんですけど。アウトプットする場所が当時はなかったかもしれない」

――同調圧力か……。
B 「うわ……」

――でも当時のバンドだと9mmとかはちょっとメタルっぽかったんじゃない?
B 「あっ、9mmはめっちゃ好きでした」
K 「好きやな。9mmもやったな。ひとつ上に、えげつなくうまい先輩がいたんですよ。わたしが尊敬しているドラムの先輩が2人いて、ひとり(岡田優佑)は今プロで、あいみょんとかのレコーディングで叩いたり、NO BUSESのサポートもやっていたり、BROTHER SUN SISTER MOONっていう自分のバンドもやっている人なんですけど、その人たちも9mmとかをやっていたような気がする」
B 「やってたな、かっこよかったな」

――そういう先輩がいるんすね!
K 「かなりやばかったよな」
B 「やばかった!かっけえ」

――総合的にアツい部活っすね。
B 「良い刺激はあったのかな」
K 「でも学校の中では、“フォークソング部はクソ”みたいな風潮はあって」
B 「年に1人は退学者が出たりとか」

KYΔWΔ + ブルー | Photo ©久保田千史

――まあまあ、それも軽音部らしくてええじゃないですか(笑)。それで、その後2人は別々の大学に行ったんだよね。きゃわさんは美大でしょ?
K 「そうです」
B 「わたしはそのまま進学して、総合情報学部っていう学部に入りました。パソコンを触る学部っていうか(笑)。でも学部はあまりわたしの人生には影響していなくて」

――そうお?意外とあるかもよ。大学でも音楽は続けたの?
B 「1年生のときに、とりあえず軽音部に入って。同時に体育会のゴルフ部にも入ったんですよ」

――ゴルフ!?!? どしたの??
B 「親がゴルフ好きだったんで(笑)」
K 「大学のゴルフ部って、〇〇サークルとかだとけっこうユルいけど、体育会系の〇〇部ってけっこうガチガチ系なんですよ」

――あー、大学直轄みたいな。
B 「そうですそうです」

――じゃあ練習とかもキツいんだ。
B 「そうなんですよ。夏とか倒れそうになりながらやってました。まあそれは全然音楽ともメタルとも関係ないんですけど(笑)。1年生のときは、軽音をやりながらゴルフもやりたかったんですよ。いろんな種類の軽音部がある大学だったんですけど、民謡研究会っていう、メタルが好きな人たちが集まるサークルに入って」
K 「民研な」

――民研。やっとメタルができるじゃん。
B 「自分よりもメタルとかハードロックに詳しい人がたくさんいるサークルで。でも入ってみたら、なんというか、あかん先輩しかいなくて……」
K 「(笑)」

――どうあかんの(笑)?
B 「う~ん、人間としてよろしくないというか……酒、タバコ、ギャンブル、留年っていう感じで。真面目な人も数人はいたんですけど」

――数人か(笑)。
B 「(笑)。1年生のときの新歓とか、1発目のライヴは出た記憶があって、ガンズとかVAN HALENとか王道のハードロックをやって楽しかったんですけど、だんだんちょっと、こいつらと一緒におったら人生ヤバい気がするな……みたいになって」
K 「あはは(笑)」
B 「それでフェイドアウトする感じでゆっくり音楽と距離ができてしまって」

――そうなんだ……。
B 「いやっ、やりたい心はあったんですけど、その人たちと一緒にいても良いことないな、みたいな」

――ガチで悪いっていうか、怠惰っていう感じ?
B 「そうですね、怠惰」

――それならまだよかったじゃないですか。ひと安心。
B 「民研の人たちとゴルフ部の人たちの、生きている世界が違いすぎて」

――ゴルフ部の人たちはどんな感じなの?
B 「お金持ちのお坊ちゃん、お嬢様がけっこうたくさんいて。親の車を乗り回して、淡路島行こうぜ!みたいな」

――えっ、そういう感じ?なんかゴルフがんばる子って、成り上がり系なのかと思ってた。打ちっぱなしでボール拾いのバイトするとか。
B 「そうやってプロになった子もいるんですけど、小学生の頃からゴルフやってますとか、そういう人たちもたくさんいて。お金持ち7割、普通の家庭3割みたいな感じでした」
K 「ゴルフってお金がかかるもんな」
B 「そうそう。わたしはゴルフ部と民研の間で、どっちでもないな、みたいな。どっちにもなんかビミョーに属せていないみたいな……」

――なんかツラいっすね……。
B 「なんか青がそんなに好きじゃなくなってきて……あんなに青が好きだったのに」
K 「濁っちゃった……(笑)」

――青って正義感を強調する色なんですよ。だから『ロボコップ』ではシルバーだったのが、『ロボコップ2』ではちょっと青みがかった塗装になっているんですね。だからブルーさんはたぶん、多少闇堕ちしたんですね。
B 「いやっ、心の底は青いんですけど、なんかフツーに、無難な黒が好きかな、みたいな」

――大人になっちゃったんだ……。
K 「ああ……でも好きな色って変わるよな」
B 「それで結局、ゴルフのほうに行く感じになって」
K 「そっちなんや……(泣)」
B 「うん(笑)。どっちも気になってはいたんですよ。でも、軽音部には全く違う高校から入ってきた人たちがたくさんいたんですけど、イタくないか?こいつ?みたいな奴が多くて。斜に構えていたのかもしれないです」

――まあまあ、そういうお年頃ですからね。大学デビューみたいな。
B 「こいつイケてるな!みたいな、高校時代にきゃわちゃんと出会ったときみたいに、こいつかっけーな、っていう人がいなかったからかもしれないです」

――あ~~、きゃわさんだいぶ影響デカいっすよ。
K 「あはは(笑)」
B 「いや本当に」

――ブルーさんが闇落ちしたのはきゃわさんのせいじゃん(笑)!
B 「離れちゃったからね。若干疎遠になって」
K 「それぞれのコミュニティで忙しくしていたこともあって、あまり会わなくなっちゃったんですよ。そのときまじで全然連絡も取っていなくて」

KYΔWΔ + ブルー | Photo ©久保田千史

――そもそもきゃわさんはなんで美大に行こうと思ったの?
K 「音楽がすごく好きやったから、やっぱり音楽関係の仕事をやりたかったんですよ、最初は。でも音楽関係の仕事といってもパッと思い浮かばなくて」

――たしかにいろんな職種があるし、漠然としちゃうよね。
K 「吹奏楽をやっていたときとかは、楽器をガチでめっちゃ練習して、プロになろうかなとか思ったし、それこそバンドで食っていくじゃないけど、生業的な感じでやるのにめっちゃ憧れてたけど、リアルなヴィジョンが全然見えなくて。ムリや、食っていけるわけないわ、って思って。高校生くらいのときに」

――なんでそう思ったの?
K 「それこそひとつ上の先輩とか、めちゃくちゃうまい人がいて、そういうのを見たりとか、音楽の仕事がしたいとかっていうのを親に話したときに、キビしいでぇ~って言われたりとか。そりゃそう言うよなって感じやけど。そうやんな~って。それで、音楽じゃないなら、何か物を作る仕事がしたいって思って。子供の頃から音楽と図工が好きやったんですよ。だから物を作るのは好きで。じゃあデザイナーとか、そういうことかなーって考えたら、美大かなみたいな」

――すごいね……高校生のときからそういうことちゃんと考えてたんだ。
B 「きゃわちゃんは高校生のときからファッションリーダーだったんですよ。だから服飾系の学科に行ったんだよね」
K 「テキスタイル系やったんですけど、勉強してたのは」
B 「だから服作るデザイナーになるんかな?みたいな。ネクスト川久保 玲になるんじゃないかみたいに勝手に思っていて」
K 「んなわけないじゃん(笑)」
B 「おしゃれなところに行くんだ、がんばれよ!みたいな感じで見送った思い出があります」
K 「(笑)。その大学は美術学部と音楽学部があって、親は謎にその音楽学部のほうにわたしが小さいときから行かせたがってたんですよ。だからその大学の存在自体はずっと知っていて、でも音楽はさすがにムリちゃう?ってなって、じゃあ美術で入ろかな、みたいな感じになったっていうのもあった」
B 「大学の音楽ってめっちゃクラシックよな」
K 「そう。ガチのアレ。本当はわたしもブルーと同じ大学に行く可能性があったんですよ。美大やからデッサンとかの試験やったんですけど、絶対落ちたと思ったらなんか受かっていて。結局、離れ離れっていう感じになりました」

――寂しかったべ……。
B 「超寂しかったべ……」
K 「(笑)」
B 「でもそれぞれ忙しくなってくると、寂しいとかじゃなくなってきちゃう」
K 「お互いいろいろ必死やったんかなと思うけど、最初は。たまーに会ったりとかはあったんですけど」
B 「成人式とか」

――あー、それくらいの感じになっちゃったんだ……。
B 「うん」
K 「たまーに会うと、真っ黒みたいな。ゴルフのせいで」
B 「日焼けです」

――左手だけ焼けてないみたいな。
B 「それです(笑)」
K 「それを見て、ブルーはゴルフに行ってしまった!って思って(笑)」

――ゴルフに行ってしまった(笑)!
K 「(笑)。ゴルフなんてわたし全然知らんから、なんか、ゴルフやんのや……ってちょっとだけそれも寂しかった」
B 「そうだったんや」
K 「その前に、めっちゃ高いベースを買ったよな?」
B 「そうそう。大学生になって、土日にゴルフ場でアルバイトしてたんですよ」

――えっ!そうなんだ!
B 「キャディやってました」

――わっ、それはめっちゃゴルフに行っちゃったね(笑)!
K 「本当そう(笑)」
B 「けっこうアルバイト代が良くて、そのお金でRickenbackerを買いました。憧れのベースだったんで」

――まあね、Lemmy Kilmisterの。
B 「そうです。絶対欲しい!絶対買う!絶対弾く!みたいなやつ。1年生の夏くらいかな、買ったぞ~!うおー!ってなって」
K 「高校生のときからずっと欲しいって言ってたんですよ。わたしも絶対買ったほうがいいって言っていて」
B 「でもいざ手に入っても、一緒にバンドでやりたい人がいないぞ、やれないぞ……?みたいな」
K 「それがちょうどゴルフ部と民研の間で揺れてるときやんな。それで結果めっちゃゴルフに行っちゃったから……」
B 「Rickenbackerはインテリアになってしまいました(笑)」

――あー、それはゴルフに行っちゃった(泣)って思うわ!
B 「うわ~、そうですよね……(泣)。ちょっと埃かぶっちゃうくらい触らなくなっちゃって……」

――Rickenbackerをゲットするところまでは音楽への情熱が冷めてなかったんだ。
B 「そうですね、憧れを手にするくらいなんで」

KYΔWΔ + ブルー | Photo ©久保田千史

――そっか~、なんだか人生を感じますねえ。
B + K 「あはは(笑)」
B 「めっちゃもったいないことしたって今は思うけど」
K 「いやでも、ゴルフも良かったんちゃう?」

――ゴルフは実際どうだったの?楽しかった?
B 「めっちゃ楽しかったです」

――じゃあ良かったじゃん。
K 「だから大学時代は全部ゴルフに捧げたんよな」
B 「うん、大半を占めていたかもしれない」

――ゴルフもかなり好きではあったんだ。
B 「そうですね、楽しかったです。しんどかったところもあったんですけど、それも良い人生経験になりました。ちゃんとした上下関係とか、礼儀とか、マナー的なものとか。きゃわちゃんは学祭とかでちょこちょこドラム叩いたりしてたよな」
K 「わたしは逆に、スポーツとかできなくて。運動神経が悪すぎるから。だから音楽とかだけをずっとやってきて、それ意外のことは何もやってこなかったんで。音楽は何かしらずっとやりたいと思っていたから、ドラムを叩くことはやめないでおこうって。だからちょこちょこ練習したり。あと、大学には軽音部があったんですね。ただ、うちの大学は学生が1学年に100人ちょいとかしかいない超小さい芸術大学で、京都市がやってるから、お金もあまりなくて、設備がとにかく全部ボロいんですよ。軽音部の部室も一応あったんですけど、グラウンドの真横にあって」

――軽音部の部室がグラウンド真横はなかなかだね(笑)。
K 「そうなんですよ。砂入りまくりで。ドラムも、ほんまにもうムリやろみたいなやつなんですよ。チューニングとかもできないような。ジャンク・ギターみたいなのが散らばってたり。誰にも管理されてないような環境で。それでも学祭とかで軽音部のライヴはあったから、そういうところで叩いたり。大学のときはずっと一緒のバンドというよりは、その都度の企画バンドみたいな感じでやってました。ブルーの大学のほうにも行ってた。違う大学やったけど、大学同士の繋がりもあったから」
B 「式部とかはわたしと同じ大学だったんですけど、式部が入ってる軽音サークルにきゃわちゃんが遊びに来たり」
K 「ちょいちょい遊びに行って、何回かライヴに出たりしてた。そこでも、自分が聴かないような音楽とかで“ドラム叩いてくれへん?”みたいに誘われて」

――きゃわさんが聴かないようなやつってどんなの?
K 「なんやろ、BAND-MAIDとか。聴いたことなかったけど、やっていてすごく楽しかった。あまり知らない先輩とかから“やらへん?”みたいなのがちょくちょく来ていたんですよ。あれもけっこう良い経験ではあったんですけど」

――そういうの、ブルーさんは観に行ってなかったの?
B 「行ってなかったな」

――ええ~!切ねえ……(泣)。
B 「あはは(笑)」
K 「なんかあまり来たくなさそうやったっていうか」
B 「そんなことはないよ」

――まあまあ、いろいろあるんですよね。
B 「次の日早いとか、夜は練習とか。すれ違ってたよな」
K 「わたしはなんで来うへんの?って思ってたもん」

――思ってたんだ……(泣)。
B 「(泣)」

KYΔWΔ + ブルー | Photo ©久保田千史

――いや~、めちゃくちゃ青春っすね……。大学を卒業してからは何をしてたの?
K 「一旦働いた」
B 「わたしは堅めの営業の仕事をしていました。家と職場を往復する暮らし」
K 「その頃はまだ2人とも関西にいて、その間もけっこういろいろあったよな。わたしはアパレルの会社で。でも、接客とかは向いていないということを就活的なことをして面接とかで実感したから、ECサイトのデザインを作るみたいな仕事でした。学生のときに紙物中心のデザイン会社でバイトしてたんですよ。その経験があったから」
B 「わたしは病院回りをする仕事だったんですよ」

――製薬とか医療機器系っていうこと?
B 「そうですね、近いです。ちょうどコロナがまだ全然蔓延ってたくらいだから病院がすごい厳戒態勢で、営業来るな!みたいな」

――その頃うちは子供が小さくて、よく熱を出したりしていたから、しょっちゅう病院に行ってたんだけど、営業の人は大変そうだなあ……って思ってた。
K 「一番大変なときに入ったよな(笑)」
B 「なんで入ったんやろ(笑)。全然営業できなくて、めっちゃヒマでした」
K 「“今営業車で出てんねんけど、来うへん?”とか言われて、仕事中やのにショッピングモールのフードコートで一緒にハンバーガー食べたりしてた(笑)」
B 「眼鏡買おうぜ!とか」
K 「“眼鏡欲しいんやけどさあ、一緒に選んでくれへん?”って言うから、車ですぐ行って、一緒2時間くらいテキトーに遊んで、“じゃあ仕事戻るわ”みたいな」

――よかった(泣)、ストーリー的に。2人がまた仲良くなって。
B 「なんか退屈やな、って思って。その仕事と家の往復が。大人になってからの遊びかたをまだ全然わかっていなかったのかもしれないですけど。そのときに、きゃわちゃんが“音楽続けたいね”っていう話をしてくれて」
K 「やっぱり、そんな高いベースを買っておいて何もやらないなんていうことは許されない!と思って。何かやらんとあかん!って言ったんですよ」

――あ、アツい……。
B 「わたしからしたら、待ってたぜ!に近いかもしれない」

――待ってたんだね(泣)。
B 「バンド作るぞ、メンバー集めるぞっていうのが苦手だったのかもしれないです。一緒にやってくれる人がいたら、自分のモチベが上がるのかもしれない。高1のときも、強い奴がいるんだったらそれ以上に強くなってやる!くらいの感じだったし」
K 「あはは(笑)」

――ベジータかよ(笑)。でもそうだよね、一緒にがんばる人がいると全然違うよね。
B 「それは大人になっても変わらず、やろうぜ!って言われたら、やってやるぜ!みたいな」

――くぅ~、友達って感じだね(泣)。
K 「でもなんか基本的に、高校生のときからずっとそうやけど、わたしがこうや!って言ったことに対して反論はあまりしてこないんですよ。“そうかもしらんなあ”って言って付いて来てくれる。わたしに対してイエスマンっていうか(笑)。わたしがめっちゃわがまま言ってるみたいになっちゃう」
B 「思考が止まってるかもしれない……(笑)」

――(笑)。そんなとき、内心思っていることとかないの?
K 「絶対違うやろ!とか(笑)」
B 「きゃわちゃんは人たらしなところがあるんですよ。大好きな人間のひとりだし、なんかニコニコしてるから、いいかな~みたいな」

――完全に詐欺師のムーブじゃん(笑)。
K 「あはは(笑)」
B 「きゃわちゃんが悪い子だったら、一生悪いことしてるかもしれない。良い子でよかった」

――インスタに上げるのはその頃に始めたの?
K 「そうだと思います。別にライヴに出るとか、音源を作るとか、そういう目的もなくやっているのもちょっとモチベーション?的にアレなんで」
B 「動画を回さないと、スタジオに入ってもふわふわ~っとしちゃう」
K 「楽器を前にして1時間喋って終わるみたいな(笑)」
B 「スタジオって鏡張りじゃないですか。だからなんか踊ってみたりとか。高校生のときと比べると、集中力が全然なくなっちゃってる」
K 「せやな(笑)。やっぱり高校生のときは、バンドっていうかたちでやっていたから、ちゃんと練習しておかないとわかりやすく足を引っ張るし。ガチで練習しないから、せめて動画を撮ろうっていうことで。撮った動画を何もせえへんというのもちょっとアレやしっていうので、インスタに上げるようになりました(笑)」
B 「そうそう。だから観てください!っていうよりは、自己満足」

――万バズを狙っているとかそういうのじゃないわけね。
K 「そうそうまじで。狙っているとかは一切なく。スタジオのあとにご飯食べに行くのがメインみたいなところもあるな」
B 「あるな(笑)」

――でもいいじゃん。遊びかたとして。
B 「うん(笑)」
K 「わたしたち2人ともミスドが好きなんですけど、スタジオ終わりにミスドに行くためにスタジオ行くみたいな(笑)」

――めちゃくちゃいいじゃん。
B 「自己満で1分くらい動画撮って」
K 「でも動画に撮ったらやっぱり、記録としては残せるから」

――あとから観ても楽しいしね。
B 「うわ~、めっちゃヘタやな……みたいな(笑)」
K 「そういうのも込みで楽しい」
B 「スタジオに入る度に、高校のときよりヘタになってね?って言ってます(笑)。高校の頃が一番うまかったよな」

――その後2人はなんで東京に出てきたの?
K 「わたしはCORNER PRINTINGで働こうと思って」

――えっ!CORNER PRINTINGで働きたくて東京に出てきたの!?
K 「転職を考え始めた段階ではどこがいいかな?っていう感じやったんですけど、大学生のときからCORNERのことは知っていたんですよ。個人的に注文して、友達とTシャツを作ったり。CORNERが求人していたのを覚えていたから、大学卒業してすぐにCORNERで働こうかなあ、東京に出てもいいかって一度考えたんですけど、そのときは独り暮らしをしたことがなかったし、いきなりひとりで関東に出るっていうのが不安で。めっちゃ寝坊するし、ご飯とか作れる気せえへんわって思って。いきなりはちょっと無理かもなっていうことで関西で働いていたんですけど、その間に実家を出て独り暮らしを始めたんですよ。1年くらいだったんですけど、やってみて前よりはなんとなく自信がついたっていうか。ひとりでも生活はしていけるって思って。じゃあ関東とか行っちゃってもいいんじゃない?っていうことで、パッと思い浮かんだCORNERに。めっちゃ思い付きですね」

――へえ~!ブルーさんは?
B 「わたしは1年半か2年くらいで1社目を辞めてしまって、次は何しようかな?って漠然と考えたときに、制作会社?とか、作る系の仕事がしたいと思って。これまで日々ルーティン業務で、病院に行って帰ってっていうのを繰り返して、あまり動きがない業界でもあったんで、本当に退屈すぎて死んでまう!ってなって」

――でもお給料は良かったでしょう?
K 「めっちゃもらってたよな」
B 「うん」

――えっ、ヒマで金いっぱいもらえるほうがいいじゃん。
K 「あはは(笑)」
B 「一応営業なんで、ノルマとかもあったりはしたんですけどね。でも、このままだとなんか違うかもってなって、次を決めずに辞めちゃったんですよ。それで職業訓練校みたいなところに通って、Adobe系のソフトを一通り勉強して」
K 「わたしがやっているデザイン系の話をしていたのもあって、そういうことをやってみたいって」
B 「最初は関西のほうで探していたんですけど、探してる業界は未経験の転職者をあまり採ってないような業界で。いくつか受けてたんですけど、けっこう落ちていて、ムズいかも……っていうときに、きゃわちゃんが関東に行こうって言い出して」

――きゃわ節が出た(笑)!
K 「わたしはめちゃくちゃ関東に行きたいって思っていたから、めっちゃゴリ押ししたんですよ。関東にはもっと仕事がある!みたいな(笑)」
B 「イエスマンなんで、まあ、そうかあ……ってなって、関西に絞っていたのを、関東で探すようになって。でもたしかに、関東で探すとたくさん求人が出てくるわけですよ。会社の数自体がもう全然違うと思いました」
K 「全然違うと思うで。リアルに」
B 「それで1、2社関東のほうで受けて、一番最初に決まったところに転職したんですけど、わたし東京行きが決まってしまった!と思って」
K 「ブルーのほうが先に東京行ったもんな(笑)」
B 「内定していたのはきゃわちゃんのほうが先だったんですけど、わたしはそのとき無職だったから、すぐにでも働けますっていうことで。きゃわちゃんが新幹線に乗ってCORNERさんに日帰りで面接に行ったとき、どやった?バンドの話した?みたいなこと聞いたよな」
K 「大塚さん(大塚智史 | SOLVENT COBALT)と矢満田さん(矢満田一輝 aka Kazquiz aka MangaOgre | 絶感馬)が面接官だったんですけど」

――その2人か!濃いっすね(笑)。
K 「大塚さんやから、音楽をやっているっていう話をちょっとしたら、“バンドやってるんですか?”みたいに聞かれて、友達と遊び程度でやってるくらいなんで……って話したんですよ。そうしたら大塚さんが、“うちの会社に入ったら、その友達と離れ離れになっちゃうけど大丈夫?”みたいなことを言って」

――大塚さん!優しい(泣)。
K 「無理矢理ブルーを関東行きに引き込んだあとやったんで、大丈夫です!みたいな」
B 「その話を聞いて、えー!めっちゃ良い会社やん!って思いました」

KYΔWΔ + ブルー | Photo ©久保田千史

――(笑)。そんなこんなで2人とも東京にやってきて。
B 「こっちでもスタジオ入ろう~!みたいな感じでちょこちょこ入りつつ、それでいつだっけな?きゃわちゃんが仕事中、社長に呼ばれたんだよね?」
K 「そうなんですよ。POISON RUÏN、BAD BREEDINGとのツアーのあとに、前任ドラマーのナオさんがZENOCIDEをやめちゃうことになって、前田さん(ZENOCIDE | CORNER PRINTING社長)が“ずっとドラムやってますよね?”って声をかけてくれて」

――それは社長がインスタの動画を観てくれていたっていうこと?
K 「そうですそうです」

――それでZENOCIDEのドラマーになったんだ。
K 「わたしらが自己満足で記録として上げていたインスタを見てくれていたから、たまたま誘っていただけたというか」
B 「これをCORNERの社長が観てるんだ!って思った(笑)」

――たしかに!そうなるよね(笑)。
K 「続けないと!って無理矢理でも何かしなきゃっていう感じでやっていたものが、ちょっと実を結んだじゃないけど、繋がったんやなって考えたら、やっぱり続けないとあかんって、改めてそのときに思いましたね」

――そうだよね。続けているといろんなことがあるもんね。
K 「ですよね、どんなかたちであれ」
B 「それで、どういうバンドなん?って聴かせてもらったら、めっちゃハードコア・パンク(笑)」
K 「あはは(笑)」
B 「今まで高校大学でやってこなかったジャンルを、今やろうとしているっていう。輝かしい」
K 「激しめの音楽をわたしは全然知らんかったから、全部ブルーから教えてもらっていて。MEGADETHとか」

――一緒にグランキューブ大阪(2023)観に行ったんだもんね(笑)。
K 「そうそう(笑)。とにかくいろんな音楽をブルーから教えてもらっていたから、前田さんから声を掛けられたときも、やってみようって思えて。基本ずっとそうなんですけど、どんな音楽でもやってみたいっていうのがあったから、そんなことはめったにないなあって思って」

――なかなか訪れないチャンスだよね。それまでZENOCIDEのライヴを観たり、音源を聴いたりしたことはあったの?
K 「いやいやいや、CORNERに入ってから、ちょっとインスタの動画とかで見るようになった程度」

――そうなんだ(笑)。
K 「だから、こんななんも知らん奴で大丈夫かな?っていう気持ちで、去年くらいからスタジオに入り始めて」

――ブルーさんはそういう話を聞いてどう思ってたの?
B 「社長とバンド組むの!? みたいな(笑)」

――たしかに、働いている会社の社長のバンドに入るって、話としてはあまり聞かないっすよね(笑)。
B 「聞いたことない。やば!って思って」
K 「こんなイベントはなかなかないよな(笑)」
B 「前々から、“うちの会社のライヴあるけど観に来る?”みたいなことはあって、戸田公園には行っていたんですけど。ハードコアはそんなに聴いてはいなかったんですけど、激しい音楽は好きだから」
K 「そう、ZENOCIDEとか、THE SPITとかね。ライヴも勉強やし観に行こ!みたいな。ハードコアの勉強や!って誘ったりしてた。その頃はまさか自分がハードコア・パンクのバンドをやるなんて思ってもいなかったけど(笑)」
B 「楽しかった。自分よりも全然歳上の大人が、こんなアツい音楽をやっているなんて知らなかった!みたいな」
K 「大人でもできる、大丈夫なんや!って思ったよな」
B 「大人になっても音楽を続けている人がたくさんいるんだっていうことを、CORNERが教えてくれた」

――(笑)。そっかそっか、そういう視点なんだね。でもそうだよね、きっかけがないと気付かないことがあるのかも。
B 「東京に出てきて入った会社は、ヒップホップ好きな人が多かったんですよ。それも、自分から作って発信しているとかそういう人じゃなくて、ちょっと……スカしてるタイプの人が多くて(笑)。イケイケIT企業みたいな感じだったんで。逆にCORNERのイベントは、“あの人は〇〇部署の人だよ”みたいな。お客さんで来てるのほとんどCORNERの人じゃん!って思って」

――それがイベントとして良いのか悪いのかはわからないすけどね(笑)。
K 「あはは(笑)!」
B 「いやでも、土日なのにみんなで集まるって、めちゃくちゃ仲良いし、そういうコミュニティが好きでみんないるのかな?って思って。しかも、それが着飾ってなくてかっこいいんですよ。外部から見ると」
K 「純粋に好きやから来てるだけみたいな感じなんかな」
B 「そういうのを会社の中でできているのがすごい。最初はけっこう不思議に思いました」
K 「普通は休みの日にわざわざ会社の人と会わんよな(笑)」

――たしかに、一般的には会いたくないっていうケースが多いのかもね。CORNERだったら、土日に大塚さんに会えたら嬉しくなっちゃうけど(笑)。
B 「あと、CORNERの人はわたしたちの動画を“観たよ”ってちらほら言ってくれるんですよ。動画を撮ると、ヘタすぎてヤバい!っていうときがあって、ヘっタやな~って観てるんやろな~って思っていたんですけど、CORNERの人たちはうまいとかヘタとかで見ていない。やっているかやっていないかで人を見ているんですよ。だからヘタでも気にすることないねん」
K 「(笑)」
B 「CORNERの中の誰々がかっこいいっていうのもあるけど、会社全体がっこいいのかも。わたしも、社長がスタジオ作るような会社がよかったなあ~」
K 「おお~」
B 「そんな会社を作り上げた人とバンドやっているきゃわちゃんがヤベエみたいな」
K 「あはは(笑)!」

KYΔWΔ + ブルー | Photo ©久保田千史

――なんかCORNER PRINTINGのパブ記事みたいになってない?大丈夫(笑)?でもさ、きゃわさんがZENOCIDEに入ったことによって、2人でスタジオに入る頻度は減っちゃったんじゃない?
B 「減ってるか」
K 「まあ減ってるけど、絶対にやめないです。絶対にやめることはない」

――それを聞いて安心しました。
B 「細々とでも絶対に続けたい」

――ZENOCIDEのツアーにも一緒に行けばいいのに。
B 「ああ、ヨーロッパ!」
K 「いや、ほんまに来てほしいんですよ。さすがにちょっと心配なんで、いろいろ。自分がその、旅に耐え切れるかどうか。けっこうスケジュールもアレなんで。そんな旅行したことないし、大丈夫かなあ?って。自分どこまでやれんのかっていう心配があるし、英語も全然ムリやし」

――こないだ、きゃわさんがツアーで海外に行っちゃうの寂しいって言ってたじゃないすか。
B 「行きたいけどさあ……昼は観光、夜はZENOCIDEみたいなね(笑)。でもヨーロッパ旅行はお金がないよ……」

――そうだよね、なかなか難しいよね……。
K 「前からずっと言ってるんですけど、ヨーロッパ旅行とかって行きたいやん、人生で一度くらいは」
B 「行きたいな」
K 「行きたくても、あっ行こう!って突然ならないじゃないですか。だからそういう、バンドで行くからとか、きっかけ大事やろ。これをきっかけとして今行っちゃえば!みたいな」
B 「めっちゃゴリ押しされてるんですよ……(笑)」
K 「いつもこんな感じ(笑)」
B 「さすがのイエスマンもヨーロッパ旅行はさすがに考えちゃう」

――最終的には行くことになっちゃうんじゃない(笑)?
B + K 「あはは(笑)」

――ヨーロッパの前に韓国ツアーもあるじゃん。行っちゃいなよ。めっちゃ無責任に言ってるけど(笑)。
B 「韓国、行っちゃうかもしれないなあ(笑)」
K 「近いし、気軽やろ(笑)」
B 「たしかに現実的ではある」

――きゃわさんは、さっき面接官として登場した矢満田氏が主催するジンフェス「絶感馬」に美術作品の出品もしてたじゃん。あれは美大で勉強したことが反映されているんだと思ったんだけど、なんかすごいよね……。どういう発想なの?
K 「大学ではシルクスクリーンで作品を作ったりしていたんですけど、自分の作りたいものを平面的に表現するのが、なんかあまりしっくりこなくて。立体のほうが作るのが楽しかったんですね。最近作ったあれとかは、矢満田さんに何か作らへん?って言われたからちょっと作っただけのやつなんですけど」

――ちょっと作っただけにしては凝ってない??
B 「かわいいよね」
K 「(笑)。一貫して好きなモチーフとかテーマっていうのは、“骨”なんですよ。恐竜の骨とか、まあ人間の骨もそう。もっと突き詰めると、左右対称のものが好きだったり、なんか抽象的な話なんですけど。ワードで言うとレントゲン、骨、恐竜、左右対称、無機質とか、そういう自分の好きな要素を、空間とか立体で作るっていうのが大学のときにやっていたことで。最近作ったやつに関しては、宇宙と恐竜が大好きなんですよ、とにかく。だからそういう系譜の玩具とか、なにかしらのコンテンツが好きで。あと『たまごっち』みたいな、持ち運ぶ系の、手の中だけで完結する系の物もやりてーって思ったから、まじでなんとなくを作ったっていう感じです」

――なんとなくであれ作れるのやばいでしょ。取扱説明書とかもめっちゃ凝ってたよ。
K 「うまく言葉で伝えるのがめっちゃヘタクソなんですけど、あれは恐竜のレントゲンを撮るゲームなんですよ。なんでそれをやるのかって聞かれると、どう言ったらいいかわからないんですけど……。大学生のときはもっと具体的に言えたのかもしれないですけど、今は制作する機会も減っちゃってるから」

――玩具はブルーさんも好きなんでしょ?
K 「玩具、ゲームとかは2人とも好きなコンテンツで」
B 「玩具っていうかガンプラですね」

――2人とも『ガンダム』好き?
B 「高校の軽音部で、ガンダムおじさんみたいな同級生に出会って」

――同級生なのにおじさん……(笑)。
B 「(笑)。そこからちょこちょこ観るようになって」
K 「ブルーはわたしより先に『ガンダム』を知っていて、アニメとか漫画も全部わたしより先にチェックしていたんですよ。だから知識量がハンパなくて。1聞くと100返ってきて、なんか観たくなるみたいな。その影響でいろいろ観て、ガンプラも作るようになて」

――きゃわさんの好きなワードの中に『ガンダム』も入ってる感じ?
K 「そうです。『ガンダム』とか、ロボットとか、宇宙人とか、マヤ文明とか、オカルト的な要素とか。それもけっこうお父さんの影響があるんですけど」

――お父さんそういう人なんだ(笑)。
B 「ゆっくりの話しなよ」
K 「あー。お父さん、仕事の都合で昼夜逆転しちゃって、夜中ずっと起きているんですよ。それでYouTubeを観ているんですけど、何観てるんやろな~と思って音だけ聞いてたら、ゆっくり解説を観ていたんですよ(笑)」
B 「宇宙の秘密について解説していくぜ」
K 「一生観てるし(笑)。わたしが小さい頃と比べたら自由な時間ができて、YouTubeで時間を潰しているんだと思うんですけど」

――お父さんについて考察していくぜ。
K 「(笑)」
B 「良いパパだなあ」
K 「でもまあ、そういう、ロマンがあるものが好き。骨もロマンですよね。見えないじゃないですか。見えないものにすごく惹かれるっていう感じ」

――なるほど、ロマンなのか……。モビルスーツは何が好き?
B 「クシャトリヤ」

――でっかいのが好きなんだ。
B 「そうですね、ゴツい系のが好きですね。『ガンダム』は『UC』から入ったんですよ」

――えっ、『UC』のとき高校生だったのか……時間の流れの速さを感じる……。
B 「高3のときに『鉄血』がリアルタイムで始まった感じです」

――きゃわさん「阿頼耶識システム」好きでしょ?
K 「大好きです。ロマンです、あれは。“阿頼耶識”ってなんやって感じやもんね(笑)」
B 「『ガンダム』的にそれまでなかったような設定だしね」
K 「強いマシンを動かすために人体に負荷がかかるっていう設定が好きすぎる、わたしは」

――サイコミュとはまた違うっすもんね。
B 「物理的に繋がっているのが好きなんでしょ?きゃわちゃんもともと『エヴァンゲリオン』が好きだったんで」
K 「だからエアリアルも好き」
B 「『彗星』か。たしかに最後のほうしんどそうだったもんね」

――じゃあシャイニングガンダムいいじゃん。
B 「『Gガン』ですか」
K 「観てないな」
B 「『Gガン』はけっこうキビしい。わたしけっこう重い系の話が好きなんで」

――そっか(笑)。
K 「『Z』やんね」
B 「『Z』も好きやし、『サンダーボルト』がけっこう好きで。それこそ身体に負荷がかかるやつだったら『サンダーボルト』おすすめ」
K 「そうなんや」

――きゃわさんはヴィジュアル的にはモビルスーツ何が好きなの?
B 「ヴァーチェのガンプラ買ってたよな」
K 「ヴァーチェ好きやね。細すぎるやつはあんま好きじゃないかも。それで言うと、基本的にジオンのデザインのほうが好みではあるんですけど」
B 「何がお好きなんですか?」

――うーん……デンドロビウム。
B 「うわーーー!!! 『STARDUST MEMORY』はまだきゃわちゃんにおすすめしてなかった」
K 「わたしは開拓してる途中なんですよ。今はまだ『Z』を観ていて」
B 「『ハサウェイ』を観てもらうための前フリで」

――今どのへん?
K 「シャアとアムロが出会って、あっ、サイコガンダムが出てきて」

――ムラサメ研究所だ。
K 「“あんな戦い、見てられないからな!”って。アムロが」
B 「あはは(笑)。次は『逆襲のシャア』観ないとな」

――『ZZ』は?
B 「パスして『ハサウェイ』を観てからでもいいよって言ってある(笑)」

――(笑)。
B 「きゃわちゃんは何も知らない状態で観られるの羨ましい。全部忘れて最初から観たい(笑)」

――大好きすぎだろ(笑)!『ガンダム』が2人の音楽活動に影響するっていうことはある?
K 「『ガンダム』はないかな……。それで言ったら『ジョジョ』のほうが繋がっている気がする。めっちゃ単純ですけど、スタンド名からバンドとか曲を知って、とか」
B 「そういう人多いと思う」
K 「あと“空耳アワー”?」

――「空耳アワー」知ってる世代?
B 「YouTubeでガビガビの画質のやつをみんなで観てギャーギャー言うみたいな(笑)」
K 「RAGE AGAINST THE MACHINEとSYSTEM OF A DOWNは完全に“空耳アワー”で知ったよな(笑)」

――一部のパートだけ練習して動画撮るとか、“空耳”っぽいのかもね(笑)。
K 「あはは(笑)!そうかも!めっちゃ抜粋して」
B 「そうかもしれない(笑)」

――でもたしかに、いろんな音楽聴けるっすもんね。2人でバンドやる予定とかはないの?
K 「やりたいけど……」
B 「やりたいとは言いつつ……ZENOCIDEとTHE SPITを観ていて、やっぱヴォーカルがデカいなって話していて。2人でどんな曲をやりたいかを考えると、なんか難しい」

――インストでベースとドラムのデュオとかかっこいいじゃん。
K 「うん……目指すべき何かが見えたらできるのかもしれないけど……。やれる音楽は全部やってみたいですけどね。それにはもっと、音楽の勉強をいっぱいしないといけないなって思って。ZENOCIDEをやらせてもらっているとめっちゃ思う。話していると、みんな知識がすごいから」

――そうね、たしかに。
K 「だからやっぱり音楽を勉強し続けないといけないなあって」

――好きだから、自然に付いてくるんじゃないすか?しかしあれですね、ZENOCIDEもZENOCIDEで、KANA-BOONのコピーをやっていた人がいきなり加入するとかすごいよね(笑)。
B 「本当に(笑)」
K 「今も心配はしてます。これイケてる?? 大丈夫?? みたいな」

――今のところ良い反応しか聞いたことないよ。実際、すごい派手というか、華のあるドラミングでかっこいいよね。ナオさんのドラムも独特すぎるシブさがあってめちゃくちゃかっこよかったけど、きゃわさんも全然違うかっこよさがあるよ。
K 「最初の頃は、ナオさんにしか出せないものがあるなあ、ってめっちゃ痛感したんですよ。何曲か練習してから初めてのスタジオに入ったんですけど、やっぱり全然違う感じになっちゃって。そのとき、これまでの曲をこの感じでやってもいいけど、やっぱり新しい曲作ろうって玉野さん(Yuki TAMANO | 6LVCK H3RXN, UNCIVILIZED GIRLS MEMORY, ZENOCIDE)がめっちゃ言ってくれたんですよ」

――優しい!ZENOCIDEって、そういう変化を厭わないところがすごいよね。
K 「ありがたすぎますよね。それでいろいろ曲を作った結果が去年出したEP(『GASpels』2025, No Sanctuary)なんですけど」

――ブルーさんはEP聴きました?
B 「聴きました。もちろん。わたしSpotifyなんですけど、出たばかりのころはまだSpotifyでは配信されていなくて、最初はApple Musicで頭15秒くらいだけ(笑)。あとからちゃんと全部聴いて、これきゃわちゃんが叩いてんのー!? ってなった」
K 「(笑)。みんなにめっちゃ言われるんですけど、ドラムがなんかめっちゃ聴こえるじゃないですか。あれはレコーディングする前の日に、タケシさん(CORNER RECORDING | SUPER STRUCTURE)とドラムだけ先に音作りをやった結果なんです」

――たしかにドラムめっちゃ目立ってるよね!
K 「でも、大丈夫そ?ってめっちゃ思って(笑)」

――なんで?めっちゃかっこいいよ!
K 「うん……。曲を作るのとかも、ちゃんとやるのは初めてだったから、すごくありがたくて。ライヴもやけど。大人になってからこんなにライヴをやるなんて思っていなかったから」

――そっかそっか。
K 「音楽を仕事にしたいと思っていた中学時代があって、一度は現実的じゃないと思って大人になったけど、今はこんな感じでZENOCIDEでも、ブルーとも音楽ができているから、なんか意外とイケるんすね、みたいな感じ(笑)」

――ZENOCIDEもだけど、2人のもずっと続けていてほしいな。
K 「やらんくなったとしたら、あかん!ってなるんで。わたしが。今までもそうやったけど、これはあかんで!って説得タイムになるんですよ」
B 「はい!わかります(笑)!」

――逆に、きゃわさんはブルーさんとの演奏がないと、けっこうツラいっていうことですよね。
K 「それはあります。だから大学のときサークルでいろんな人とやっていたときも、なんか、う~ん……みたいな感じだったから」
B 「嬉しい(泣)」

――なんか、いいね。インディペンデント・ミュージックの真髄を見た感じがするわ(泣)じゃあ唐突に、今後の抱負を!
B 「とりあえず続けていくっていうのは確定で」
K 「絶対にやめない!」

――当方の希望としては、ずっと仲良しでいてほしいな。
K 「おばあちゃんになっても(笑)」
B 「そうだね、おばあちゃんになっても続けよう(笑)!」

ZENOCIDE 'GASpels'■ 2024年11月26日(水)発売
ZENOCIDE
『GASpels』

https://linkco.re/Y3EsqSXN | Bandcamp

[予約]
01. Affectus to Sacrilege
02. The Force from Hatred
03. Outsideness
04. Primary Love
05. Self-Crucifixion

ZENOCIDE Live In Seoul 2026ZENOCIDE Live In Seoul 2026

| 2026年3月7日(土)
韓国 ソウル Baby Doll

開場 17:00 / 開演 18:30

[出演]
CHASM / DISMAL AGONY / 흑염소 / 화 / ISHER / NAIITE / ZENOCIDE

| 2026年3月8日(日)
韓国 ソウル ACS

開場 17:00 / 開演 18:30

[出演]
두근두근 노이즈 베이커리 / GAWTHROP / Hirikari / K특급모텔 / SUTEGORO / 완/파/김/치/찌/개/정/글/해/체/기 / ZENOCIDE

BAD BREEDING / KLONNS / ZENOCIDEBAD BREEDING / KLONNS / ZENOCIDE

2026年5月1日(金)ベルギー アントワープ "Weemoed"
2026年5月2日(土)オランダ フローニンゲン "DIY Fest"
2026年5月3日(日)ドイツ ベルリン Cassiopeia
2026年5月4日(月)ドイツ ミュンヘン Kafe Kult
2026年5月5日(火)ドイツ ケルン Sonic Ballroom
2026年5月6日(水)オランダ アムステルダム OCCII
2026年5月7日(木)ベルギー ブリュッセル MAGASIN 4
2026年5月8日(金)フランス パリ Le Sample
2026年5月9日(土)イギリス ロンドン BLONDIES
2026年5月10日(日)イギリス ブリストル THE GOLDEN LION