Interview | カジヒデキ


やっぱりずっと夢を見続けるんだ

 思いきりジャンプしたくなるような高揚感とたまらなく愛おしいポップ・チューン。カジさんのデビュー・シングル『LA BOUM〜MY BOOM IS ME〜 / ラ・ブーム〜だってMY BOOM IS ME〜』がリリースされたときの衝撃を今でも覚えている。その数週間後にリリースされた1stアルバム『MINI SKIRT』で完全にノックアウト。胸の奥が疼くようなギター・サウンドと青春のひとコマのような甘酸っぱい歌詞はまるで1本のカミング・オブ・エイジ・ムーヴィーを観ているようだった。いきなり永遠のマスターピースに出会ってしまった中学生の私は授業中も上の空。部活なんて何のその、ダッシュで直帰して『MINI SKIRT』を聴きまくるという空前の“セミ・チャーム・ライフ”が到来した。

 以後カジさんの作品を追い続けて27年経つが、リリースされるごとにデビュー当時と変わらないときめきで胸がいっぱいになる。この4月に発売された19枚目のアルバム『BEING PURE AT HEART〜ありのままでいいんじゃない』は、『GOTH ROMANCE』に引き続き共同プロデュースとして堀江博久氏を迎え、自身の音楽的ルーツであるネオアコースティックやギターポップに原点回帰。全体を通してギター・サウンドがすがすがしく、世界が瑞々しく輝いて見えるような12曲が収録されている。


 インタビューを通して改めて伝わってきたのは、好きなものに対するカジさんの強い気持ちと探究心、その根底にある反骨精神。ルーツとなった音楽に対する揺るぎない想いと少年のような眼差しに、思わずグッとくる瞬間が何度もあった。デビュー当時から変わらずピュアな音楽を作り続ける原動力はどこから来るのか。今作を通してカジさんの原点に迫った。


取材・文 | 田口杏奈 | 2024年4月
写真 | 渡邉光平 (schuwa schuwa)

――アルバム『BEING PURE AT HEART〜ありのままでいいんじゃない』は四季の彩りを描いたカレンダー・アルバムであることもコンセプトのひとつになっていますが、「LA BOUM〜MY BOOM IS ME〜 / ラ・ブーム〜だってMY BOOM IS ME〜」「HERE IS OUR STREET!! / 夏物語」「GREEN ROAD / グリーン・ロード」「SUDDENLY, SIBYLLA / シヴィラはある日突然に」など、実はカジさんの楽曲には初期の頃から季節を感じるワードが数多く登場していますよね。
 「そうですね。書いているときの気温の感じだったり風景だったりを入れたくなるので、自ずと季節感というのが入るんだと思います。特に最初の頃の作品はスウェーデンで歌詞を書くことも多かったんですけど、スウェーデンにも四季があるのでそういうものを意識していたんだと思います。いずれにしても堀江(博久)くんに“とにかく夏の曲が多すぎる”と言われていて(笑)。やっぱりサマー・ソングって華やかで、夏は歌詞にしたくなるような題材が多い気もする。夏の曲を書くのが好きでこれまでたくさん書いてきて、サマー・ソングばかりの『ICE CREAM MAN』というアルバムまであったり。でも、さすがに堀江くんも“なんか真冬なのにサマー・ソングばっかりやってるのはおかしいよ”みたいな話をしてきて(笑)。堀江くんとNARIくん(SCAFULL KING)の3人で定期的にやっている“IVORY CAFE”というライヴのときに、いつも同じような選曲じゃなくて季節感を出したような曲をセットリストに入れたんですけど、そのタイミングで今までやっていなかった昔の曲をもう1回聴き返してみて、自分でもこういう冬の曲もあったんだとか、気付きがありました。今回カレンダー・アルバムになったのは、そういうことに刺激されたところもあったんだと思います」

――最初からカレンダー・アルバムを作ろうとしたのではなく、近年制作された楽曲を集めてみたら自ずとそういうコンセプトになっていったのですね。
 「まさにそうですね。収録曲のうち、7曲は2021年から今年にかけて配信シングルとして出したもの(* 1)で、(リリースした季節が)ばらけていたというか。春の曲も夏の曲も冬の曲もあったので、アルバム全体像を考えたときに四季がちゃんと出るようなアルバムにするのがいいと思いました。昔、Louis Philippeがソロになる前にやっていたTHE ARCADIANSというバンドの“From Season To Season”という曲を、ロリポップ・ソニックがカヴァーしていたのかな。季節が変わっていくみたいなその曲が昔から大好きだったので、それこそ今回のアルバムのタイトル案のひとつとして『From Season To Season』というのもありました」
* 1 『Dreams Never End / ドリームズ・ネヴァー・エンド』『Naked Coffee Affogato / 裸のコーヒー・アフォガート』『Claire’s Knee / クレールの膝』(2021)、『April Fool / エイプリル・フール』『Summer Sunday Smile / サマー・サンデー・スマイル』『A Room Without You / きみのいない部屋』(2022)、『Being Pure At Heart / ありのままでいいんじゃない』(2024)

――季節ごとのイメージが鮮やかに映し出されているところにエリック・ロメールの映画と重なる印象を受けたのですが、実際に今回のアルバムにはロメールの映画『クレールの膝』と同じタイトルのシングル曲も収録されています。以前、楽曲制作において映画からインスパイアされることがあるとお話されていましたが、最近見た中で影響を受けた映画はありますか?
 「『クレールの膝』はこれまでずっと観たいと思っていたんですけど、リヴァイヴァル上映で初めて観て。ロメールの映画ってわりと何も起こらなくて、大袈裟な展開があるわけでもないし、ものすごくドラマチックなシーンがあるわけでもない。『クレールの膝』はあるヴァカンスの数ヶ月が日記みたいな感じで綴られていて、でもああいうすごく淡々としたというか、まるで絵画の名作がずっと2時間流れているような、そういう美しさはすごいと思って。“クレールの膝”という曲は別に映画の内容とは全然関係ないんですけど、『クレールの膝』ってすごくいいタイトルだし、(映画の内容は)女の子の膝に恋しているとか、ものすごくエロティックだと思うんだけど、なんかそれが上品に描かれているところがロメールの良さというか、下世話にならないという(笑)。膝が好きっていうことがさも素晴らしいことのように描かれていたり、ああいう感じがすごくいい。他の作品もそうですよね、ロメールはそういう感じがすごくあるというか。“ロメールっぽさ”みたいなものはずっと自分も音楽を作っていて影響を受けていると思いますね。あと、ちょうど制作していた頃にピエール・エテックスの映画も観ましたが、彼のコミカルと哀愁が漂う感じというのはもしかしたら“エイプリル・フール”の歌詞にちょっと影響があったかもしれないです」

――ちなみにカジさんの最も好きな映画は何ですか?
 「確実に1位というのは、(ジャン=リュック)ゴダールの『気狂いピエロ』。何十年も昔からそれはずっと変わらないですね。やっぱりあの映画が持っている破壊力というか、すごくパンクな映画だと思うんですよ。それまでの概念を覆していろんなものに反発した映画というか、新しいものを生み出した。そういうところにおいてもパンクだし、あとは映像のカラフルな色味だったり、ひとつひとつの台詞から音楽から全てにおいて。もちろんアンナ・カリーナの可愛さと凶暴さみたいなところだったり、ジャン=ポール・ベルモンドの情けない感じも。自分はときどき(ジャン=ポール・ベルモンド扮する)フェルディナンなんじゃないかなと思ったりすることもあったり(笑)。あのアヴァンギャルドさとポップさが同居している感じはすごいと思う。この作品を観るとやっぱり映画って総合芸術だと思います。ファッションもすごいし、ちょっとした音楽だったり、いろんな引用が入った台詞ももちろん。僕は高校1年生の頃にオリジナル公開以来初めてのリヴァイヴァル上映で観たんですけど、ちょうど音楽的にもパンクを聴き出した頃だったので、なんかものすごくこの映画はパンクだ!って思ってゴダールにのめり込んでいきました。同時に(フランソワ)トリュフォーやロメールの映画を観て、ヌーヴェルヴァーグというものを知りました」

――高校生の頃に観て好きになったということはなおさら、趣味嗜好への影響力は大きかったですよね。
 「そうですね。それはものすごく大きかったです。やっぱり自分の原点だと思います」

――カジさんの原点といえば、今回のアルバムは原点回帰ということでネオアコ色の強い作品にもなっています。ルーツになった音楽との出会いについて教えてください。
 「例えばAZTEC CAMERAは高1の頃に初めて聴いたんですけど、その頃はまだネオアコという言葉はなかったと思うし、こういうものがネオアコという定義もあまりなかった。だからなんとなくすごく素敵な音楽だなって感じでAZTEC CAMERAも聴いていたし、その頃はEVERYTHING BUT THE GIRLも聴いていたんですけど、どっちかというとその頃はパンクだったり、いわゆるポジティヴ・パンクという、ゴスと言われるような退廃的な音楽がものすごく好きだった時代なので、そういう音楽とネオアコは最初なんとなくニュー・ウェイヴというかポスト・パンクみたいな括りで聴いてた。でもゴスみたいな音楽があまり好きじゃなくなった時期があって、20歳になる直前にやっぱり自分はポップなものが好きなんじゃないかと思ったので、もうゴスはやらないと決めて。例えばTHE SMITHSだったりAZTEC CAMERAだったり、そういうものが自分はけっこう好きなんじゃないかと思ったんですね。ちょうどその頃にロリポップ・ソニックという、フリッパーズ・ギターの前身となるバンドのデビュー・ライヴをたまたま観て。その頃は井上由紀子さんと小山田(圭吾)くんのふたりだけだったんですよ。彼らはもともとPee Wee 60’sという名前で活動していて、でもメンバーが抜けちゃったのでふたりだけになって、今日からロリポップ・ソニックという名前で活動しますというタイミングでライヴをたまたま観たんだけど、とのときにこれだ!と思って。自分はこの音楽がすごく好きだし、こういう音楽を自分はやりたいと思ったんです。それからロリポップ・ソニックのライヴを観に行くようになって、彼らが好きだって言っていたものをとにかく聴くようになった。僕の中のギター・ポップとかネオ・アコースティックって、ロリポップ・ソニックなんだと思う。小山田くんの好きなものが全部ネオアコなんじゃないかって。結成からちょっとして、井上さんから“今度、小山田くんの友達で、ものすごくギターの上手い東大のギタリストが入るから楽しみにしていて”と言われたのが小沢(健二)くんだったんです。だからやっぱり小山田くんと小沢くんが好きだと言っているものが、僕の中のネオアコというかルーツだと思います。やっぱり彼らに影響力があったんですよね。あの頃、日本でネオアコのバンドのレコードをあんなにみんなが買っていたのは、彼らがすごくかわいくてかっこよくて才能もすごくあったからだと昔も思っていたけど、どんどん歳を重ねる毎にそれはもう確実にそうだと思っていて。誰がなんと言おうとそうなんで!仮に誰かがそれに文句を言っても、自分は全然いや、そうじゃないよって言えるくらい本当にそうだと思っています。彼らがいなかったらネオアコっていう言葉は定着しなかったと思うし、多くの人が聴かなかったと思う」

――当時のふたりは発言なども尖っていて、ものすごい反骨精神が感じられますよね。
 「すごいですよ。あんなに捻くれたというか、あそこまで(はっきりと物事を)言える人はいなかったと思う。この人たちが一番パンクだなって。あそこまではっきりと嫌いなものは嫌いって言えないよね。みんなもたぶんそう思っていたと思うけど、なんか代弁してくれているみたいな感じ。やっぱりかっこいいよね、ほんとに」

カジヒデキ | Photo ©渡邉光平

――めっちゃかっこいいですよね。今はそれぞれの音楽性やスタイルがあるところも。
 「でも根っこはネオアコとかギターポップとか、そういうのがすごく好きというのをいろんなところで感じられるのもいいですね」

――ネオアコを好きになったのは音楽的な部分はもちろん、その成り立ちであるパンクの反骨精神に共感を得たからで、優しいだけの音楽だったらたぶん飽きていたんじゃないかと過去におっしゃっていたのがすごく印象的だったのですが、まさに今のお話と重なります。
 「本当にそうですね。例えば、EVERYTHING BUT THE GIRLのTracey ThornにしてもBen Wattにしてもソロでも活動して、TraceyはMARINE GIRLSも組んでいて、ふたりはものすごくパンクスだった。きっとその前の世代の人たちがやってるパンクのスタイルを普通にやっても、それは別にパンクじゃないって思ったんじゃないかな。それを敢えてアコースティック・ギターに変えて、例えばボサノヴァやジャズを取り込んで、でも歌詞はやっぱりパンクで青春のもどかしさを歌っていたりして、ネオアコ本来のスピリットがすごくある。ORANGE JUICEにしても、SEX PISTOLSを好きだった人がディスコとかソウル・ミュージックを取り入れてやってみるというのはものすごくアヴァンギャルドだし、実験的なことだったと思う。AZTEC CAMERAにしてもそうだし、やっぱりオリジネイターの人たちは何かを変えようという強い気持ちがすごくあった。それこそがネオアコだと思う。別にジャンルもないんだけどね。本人たちがみんなネオアコって言ってるわけでもないし、難しいけど。でも、ネオアコースティックというもののスピリットを考えるとすればそういうところだと思います。みんなやっぱりパンク。それはフリッパーズ・ギターもそうだし」

――さっき出てきた『気狂いピエロ』もそうですよね。従来の概念を覆すところに同じスピリットを感じます。
 「そうですね、ほんとに。今ちょっと思い浮かんだんですけど、寺山修司の『田園に死す』もすごく好きな映画で、ほんとに既成概念を打ち破るような作品。寺山さんがやっていた演劇とかもまさにそういう感じがあるよね。そういうものにもやっぱりすごく影響を受けたと思います」

――やはりそこにもパンク的精神があるというか、ジャンルを越えてカジさんの揺るぎない一貫性を感じます。ちなみに今回のマスタリングは、THE MOPEDSのベーシストであるDavid Carlssonさんが担当されています。1stアルバム『MINI SKIRT』の頃からスウェーデンにあるTHE MOPEDSのスタジオを使用されていたり、1997年には彼らと一緒にツアーをされていましたが、今回Davidさんにマスタリングを依頼されたのも原点に立ち返るという意図によるものでしょうか?
 「全部できあがった時点で堀江くんが“スウェーデンの人に(マスタリングを)お願いするのがいいんじゃない?”という話をしてくれたんです。やっぱり今回は自分の中でもネオアコとギターポップを意識したというのがあったのできっとそういう原点回帰じゃないけど、昔から付き合いのある人でやっぱりスウェーデンというものをどっかに取り入れたいというのもあって。最後にスウェーデンで締めるのはこの作品にすごくぴったりだなと思った。それでTHE MOPEDSのJens(Lindgård)に、スウェーデン人で好きなマスタリング・エンジニアいないかな?ってメールを送ったら“Davidはすごくマスタリングが上手だから彼にやってもらったらいいんじゃない?”という返事が来たの。それでDavidに依頼をして何度かやり取りをしたんだけど、最初からほんとにすごくいいマスタリングをしてくれました。すごくマイルドなというか、優しい感じというんですかね。日本ではあまりない感じで、スウェーデンの人が参加することによってやっぱり原点もすごく反映された内容になったと思います」

――今回のアルバムはそうした原点に回帰しつつも、今だからこそ到達できるところにしっかりと着地していてフレッシュな印象も受けました。例えば今回ギタリストやコーラスに新旧幅広いアーティストが多数参加されていますが、特に新世代のアーティストについてはリスナーとして純粋に音楽を聴き続けているカジさんのインプットが色濃く影響していますよね。
 「そうですね。例えばSNSとかSpotifyをやっていると自ずと新しいアーティストをどんどん知る機会があったりするし、今新しい人を知る機会というのはライヴハウスに通わなくてもたくさんある。逆にこれはライヴで観てみたいなと思うことももちろんあったりするし。邦楽でも洋楽でも、昔からそういう新しい人を知ることが好きなのかもしれないです。この何年かは特に20代前半ですごく才能のある人もたくさん出てきていて、その中で例えばkiss the gamblerさんは、1年前に彼女が2ndアルバムをリリースしたときにSNSでいろんな人がポストしていて、聴いたらめちゃくちゃ良くて。それで実際にライヴを観に行ったらライヴもすごい!と思って。そこから交流が始まったし、参加してもらいたいと思っていました。Nagakumoもまさにそうで、ちょうど2年ほど前に東京でMagic, Drums & Loveと対バンのライヴ(* 2)があって、彼らが投稿していたのを見てめちゃくちゃかっこいいと思ってCDを買ったりして。すぐに自分の大阪のライヴで一緒に共演してもらって、今回は1曲ギターを弾いてもらいました。新しい人とやるのはすごく楽しいです。この楽曲にはこの人がいいんじゃない?ということをしっかり考えてオファーをさせてもらいました。みらんさんとかもね」
* 2 2022年3月20日に東京・下北沢 BASEMENT BARにて開催された「Nagakumo “EXPO” release party」。Nagakumo、Magic, Drums & Loveのほか、えんぷてい、yEANが出演。

――カヴァー・アートはこれまでにないようなテイストでありながら、江口寿史さんのイラストはカジさんの歌詞や世界観にもマッチしていて最高だと思いました。アイスクリームを持った女の子はカジさんのアイディアですか?
 「まさにそうですね。自分の中でジャケットのヴィジュアル・イメージが最初から強くあって。“ガール・ライク・ユー”の歌詞の中でアイスクリームを食べている女の子が、その女の子に恋をしている男の子に向けてアイスクリームを投げつける歌詞があるんだけど、そのシーンが一番このアルバムのイメージだったので、アイスクリームを持っている女の子のシーンを描いてほしいと依頼しました。自分のイメージを伝えたけど、もちろん自分が思っていた以上のものができてきて、本当にすごいと思いました」

――ちなみに、江口寿史さんには今回どのような経緯で依頼されたのでしょうか?
 「江口さんの漫画はもともと小中学校の頃からすごく好きでした。『ストップ!! ひばりくん!』とかまさにリアルタイムで大好きで。もちろんその後の江口さんの、例えば広告のイラストだったり、銀杏BOYZさんをはじめいろんなかたのジャケットも好きだったし、2010年代になってから個展も観に行ったりしていて、いつか江口さんにやっていただきたいと思っていました。今回のジャケットについては制作中にときどき考えていたんですけど、漠然と江口さんにやってほしいと思っていて。最終的に全曲が完成したときにすごく自信作ができて、とてもポップなアルバムだとも思うし青春の煌めき感みたいなものもたくさんあって、今回こそ江口さんにお願いするのがピッタリなんじゃないかと強く思ったので依頼をしたんです。自分の中では見えていたというか、もう他は考えられなかったですね」

――歌詞についても聞かせて下さい。以前、『MINI SKIRT』アナログ早期予約特典のDVD(『MINI SKIRT』のレコーディングにまつわるドキュメンタリー)のディレクションを担当させていただいた際、90年代に撮影された映像をたくさん拝見しましたが、その中でも特に印象的だったのがレコーディングの直前まで歌詞に奮闘し続けるカジさんの姿でした。今でもサウンドやアレンジが決まった後に歌詞を入れていくという工程は変わっていないですか?
 「堀江くんと一緒にやるようになったから、それは全く許されないことになったので(笑)」

――え!
 「前作の『GOTH ROMANCE』からは、デモテープを作る段階で曲と歌詞が両方ともできてないと聴いてもらえないという(笑)。でもやっぱり歌詞は曲があってこその歌詞なので。堀江くんから言われた、曲だけがあってもイメージができない、曲と歌詞を同時に見せてくれないとプロデュースしたくてもできない、というのはすごく理に適っていて、本当にその通りだから、前みたいにギリギリに書くことはなくなりました。今回のアルバムの曲は全部デモテープの時点で歌詞まで完成させたものをまず聴いてもらって、その中で直した曲もある。ボツも多いんですよ。歌詞も書いたけどボツになった曲もあるし、歌詞まで行かずにボツになった曲もあるし。けっこうアウトテイクはありますね」

――当時のレコーディング風景の中で「カジくん歌詞まだ?」みたいなやり取りが印象的だったので、今でもそのイメージでいました!
 「歌詞ができないとデモテープを聴かせられないので、そういう意味ではデモを完成した状態のものがレコーディングに入っているという。『GOTH ROMANCE』と今作に関してはそういう感じです。だから『GOTH ROMANCE』以前の作品よりもイメージがしっかりと固まっている感じで。前のやりかただとホームランを打つこともあるかもしれないけど、たまに三振もあったりするので(笑)」

――今作には2021年以降にリリースされたシングル曲も数多く収録されていますが、緊急事態宣言中に「ドリームズ・ネヴァー・エンド」がリリースされたとき、まさにこの曲を待っていたと思えるほど心に響く歌詞にとても元気づけられました。そのあと「裸のコーヒー・アフォガート」「クレールの膝」と続きますが、全体を通してメッセージ性の強いフレーズが目に留まります。コロナ禍の暮らしはソングライティングにどのような影響を与えましたか?
 「最初の非常事態宣言が終わって2020年の6月に一応無観客でライヴ活動はできるようになったんですけど、最初の1年で自分はどういう音楽を作ったらいいんだろうという気持ちにさせられた。今回は堀江くんに前作同様に共同プロデュースというかたちで参加してもらっているんですけど、実際は堀江くんと共同プロデュースと言うのもおこがましいくらい、楽曲もそうですけど、普段の生活のことも含めて堀江くんにいろいろ相談したりアドヴァイスもしてもらっていて。きっとそういう中で、メッセージをストレートに伝えるのがいいという気持ちになったんだと思います。歌詞も書いたら堀江くんに送って毎回チェックしてもらって、より1曲1曲にちゃんと人の心に届くような強さみたいなもの、メッセージを入れたいという気持ちが自ずと出てきた気がします。コロナ禍のこの5年間というのはきっとみんなそうだと思うんだけど、こんなに苦しい時代がやってくるのかという。50何年も生きてきて、こういうパンデミックみたいなことを初めて経験して、こんなに先の見えない世の中が存在するんだと思いました。最初の2年は特にそういう感じだったので、だからやっぱり夢を諦めちゃいけない、やっぱりずっと夢を見続けるんだという気持ち、“Dreams Never End”というメッセージを出さなきゃいけない!という気持ちだった。それで自分を奮い立たせたり、聴いた人もきっとそういう風に思ってくれたらいいなって。その次にリリースした“裸のコーヒー・アフォガート”は比較的ヴァカンス・ソングっぽい感じもありますけど、最後に出てくる“夏が終わろうとしても僕らは踊り続けよう”というのは何かが終わりかけても、それをもっともっと楽しんでいこうよみたいな気持ちだったり、パーティを続けていこうというような。やっとその次の“クレールの膝”になってからはもう少し気持ちが柔らかくなれたというか、ちょっとはっちゃけてもいいかなという気持ちになれたかもしれないです」

カジヒデキ Official Site | https://hidekikaji.net/

カジヒデキ『BEING PURE AT HEART~ありのままでいいんじゃない』■ 2024年4月26日(金)発売
カジヒデキ
『BEING PURE AT HEART〜ありのままでいいんじゃない』

BBC017
https://ssm.lnk.to/BEINGPUREATHEART

[収録曲]
01. Being Pure At Heart / ありのままでいいんじゃない
02. We Are The Borders / ウィー・アー・ザ・ボーダーズ
03. April Fool / エイプリル・フール
04. Preppy Peach / 先のトガったアイスクリーム
05. Naked Coffee Affotato / 裸のコーヒー・アフォガート
06. Looking For A Girl Like You / ガール・ライク・ユー
07. Don’t Wanna Wake Up!! / 起きたくないよ
08. Summer Sunday Smile / サマー・サンデー・スマイル
09. Claire’s Knee / クレールの膝
10. Walkin’ After Dinner / 手をつないで歩こう
11. A Room Without You / きみのいない部屋
12. Dreams Never End / ドリームズ・ネヴァー・エンド

「BLUE BOYS CLUB -HIDEKI HAPPY BIRTHDAY & NEW ALBUM  RELEASE SPECIAL!!-」BLUE BOYS CLUB
HIDEKI HAPPY BIRTHDAY & NEW ALBUM RELEASE SPECIAL!!

2024年5月12日(日)
東京 下北沢 Flowers Loft

開場 / 開演 18:00
[学生 / people from overseas]前売 2,500円 / 当日 3,000円(税込 / 別途ドリンク代 / 要学生証またはパスポート)
[一般]前売 4,000円 / 当日 4,500円(税込 / 別途ドリンク代)
e+

[Live]
カジヒデキ / 野宮真貴 / Magic, Drums & Love

[DJ]
HIDEKI KAJI / KINK

[LOUNGE FLOOR DJ]
Bend It! (Melime / ヤマダユウコ / Nutty Nuts / キャロル・アイ)

「HIDEKI KAJIBEING PURE AT HEART TOUR MAY」HIDEKI KAJI
BEING PURE AT HEART TOUR MAY

| 2024年5月18日(土) Sold Out
北海道 札幌 KINO CAFE
開場 14:30 / 開演 15:00
予約 4,000円(税込 / 別途ドリンク代)
予約キャンセル待ちを受付中
fikarast96@gmail.com
件名に5/18、本文に人数、氏名(全員分)、電話番号(代表者)をご記入の上、メールをお送りください。
※ 予約確認メールを返信しますので、必ず上記アドレスを受信可能にしてください。
※ 複数当選のキャンセル、公演3日前からのキャンセルはキャンセル料が発生しますのでご注意ください。

| 2024年5月19日(日)
宮城 仙台 SENDAI KOFFEE
開場 18:00 / 開演 18:30
予約 4,000円(税込 / 別途ドリンク代)
予約
fikarast96@gmail.com
件名に5/19、本文に人数、氏名(全員分)、電話番号(代表者)をご記入の上、メールをお送りください。
※ 予約確認メールを返信しますので、必ず上記アドレスを受信可能にしてください。
※ 複数当選のキャンセル、公演3日前からのキャンセルはキャンセル料が発生しますのでご注意ください。

[出演]
カジヒデキ(Vo, Ag) / 堀江博久(Key, Cho)

「BEING PURE AT HEART TOUR JUNE」HIDEKI KAJI
BEING PURE AT HEART TOUR JUNE

| 2024年6月7日(金)
長野 松本 珈琲茶房かめのや
開場 18:30 / 開演 19:00
予約 4,000円(税込 / 別途ドリンク代)
予約
fikarast96@gmail.com
件名に6/7、本文に人数、氏名(全員分)、電話番号(代表者)をご記入の上、メールをお送りください。
※ 予約確認メールを返信しますので、必ず上記アドレスを受信可能にしてください。
※ 複数当選のキャンセル、公演3日前からのキャンセルはキャンセル料が発生しますのでご注意ください。

| 2024年6月8日(土)
京都 SONGBIRD COFFEE
開場 16:00 / 開演 17:00
予約 4,000円(税込 / 別途ドリンク代)
予約
fikarast96@gmail.com
件名に6/8、本文に人数、氏名(全員分)、電話番号(代表者)をご記入の上、メールをお送りください。
※ 予約確認メールを返信しますので、必ず上記アドレスを受信可能にしてください。
※ 複数当選のキャンセル、公演3日前からのキャンセルはキャンセル料が発生しますのでご注意ください。

| 2024年6月9日(日)
富山 BiBiBi & JURULi
開場 18:00 / 開演 18:30
予約 4,000円(税込 / 別途ドリンク代)
予約
lovebuzzmail@gmail.com
件名に6/9、本文に人数、氏名(全員分)、電話番号(代表者)をご記入の上、メールをお送りください。
※ 予約確認メールを返信しますので、必ず上記アドレスを受信可能にしてください。
※ 複数当選のキャンセル、公演3日前からのキャンセルはキャンセル料が発生しますのでご注意ください。

[出演]
カジヒデキ(Vo, Ag) / ASH(Ag)

「カジヒデキの気持ち2024 BEING PURE AT HEART TOUR 東京」「カジヒデキの気持ち2024 BEING PURE AT HEART TOUR 京都」カジヒデキの気持ち2024
BEING PURE AT HEART TOUR

| 2024年7月12日(金)
東京 新代田 FEVER
開場 19:00 / 開演 19:30
前売 5,000円(税込 / 別途ドリンク代)
e+

[Live]
カジヒデキ
バンド・メンバー: 堀江博久 / 牛尾健太 / 原 GEN 秀樹 / 勝原大策 / 真城めぐみ

| 2024年9月13日(金)
京都 磔磔
開場 18:30 / 開演 19:00
前売 5,000円(税込 / 別途ドリンク代)
e+

[Live]
カジヒデキ
バンド・メンバー: 堀江博久 / 永井聖一 / 原 GEN 秀樹 / 勝原大策 / やなぎさわまちこ

カジヒデキバースデー特別先行
2024年5月8日(水)12:00-15日(水)23:59
http://eplus.jp/ynks/