見落としがちな別角度の美しさや崇高な瞬間
進行・文・撮影 | 仁田さやか | 2021年12月
――どついたるねんの3人と沖さんが知り合ったきっかけは?
う 「関根(慎)さんだよね」
沖 「僕はASOKOっていう昔高円寺にあったスペースのメンバーだったんですけど 、当時吉祥寺のバサラブックスという古本屋で店長をやっていた関根さんもASOKOのメンバーで」
先 「関根さんて真空ジェシカに似てますよね」
沖 「わからない」
う 「チェックします」
沖 「その頃、関根さんはアイディアを出していろんな人にデザインをお願いして、どついたるねんのグッズをフィクサー的にいろいろ作っていたんですよ。僕も、その一環で何か描いてって言われて。それで花瓶のコーチジャケットを作ったのが最初。でもその頃はバンド自体との絡みはなかった」
う 「8年くらい前かな」
全国ツアーの物販でコーチジャケットの再販の要望が多かったので、受注生産します。
どついたるねん 花瓶コーチジャケット です。
※発送が2月12日以降になります。 https://t.co/k0HjGx9Tzt pic.twitter.com/NJ31zLjZv4— どついたるねん (@dotuitarunen) February 2, 2016
――どついたるねんと関根さんがタッグを組んだきっかけは?
先 「関根さんが急にグッズを作ろうと提案してくれて、Tシャツが売れて、それがきっかけでバンド活動が活性化されて、という感じです。トレンドセッターな人で、常に新しいものを提案してくれて。関根さん、今はラーメンがマイブームらしいです。今はもうないんですけど、自由が丘にハイサウンズっていう伝説のレコード屋があって、俺もワトソンも大学生のときにそこのバイトに応募してお互い落ちたんですけど、その頃そこで沖さんが働いていたっていうのが後でわかって。だから沖さんには絶大な信頼がある(笑)」
沖 「ふたりが大学生のとき、ちょうどそこで働いていて」
う 「ふたりを落として沖さんを雇ったってこと(笑)?」
沖 「たぶんそうなんじゃない?」
う 「コーチジャケットを作ってもらってから、きっかけが何だったかは覚えていないけど、いつの間にか(仲良くなった)っていう感じですよね」
先 「鮮烈に覚えているのは、全国ツアー中、鳥取砂丘に沖さんが現れたとき(笑)」
う 「関西サイケみたいな格好をしてた」
ワ 「割礼期じゃない?」
沖 「ああ、そうそう」
う 「眉毛が全くない状態で沖さんがアポなしで現れて」
ワ 「前髪がぱっつんで」
先 「パンタロンを履いていて」
沖 「全国ツアーの鳥取公演に行こうと思って、やっぱり鳥取に着いたからには砂丘に行こうと思って行ったら、ちょうどどつのメンバーがいて。もちろん会うなんて想像してなかった」
う 「メンバーで砂丘行こうかって話して行ってみたら……」
先 「真秀やんけ!」
う 「めちゃくちゃ笑ったな」
沖 「そのときもまだあまり仲良くないよね」
う 「そのときはミステリアスなイメージを持っていたから、余計におもしろかった。あと単純に47都道府県回っているところで疲れすぎて、新鮮な人がいたから笑っちゃった、みたいな」
沖 「がっつり関わった最初は、シングル『緊張の糸 / 本気で好きな人』(2016)のジャケット周りなどを諸々やったとき」
先 「沖さんに頼むときは特殊ジャケのときが多い。特殊なことをしたいときは沖さんに連絡するという」
――沖さんがどついたるねんのカヴァー・アートを手がけるときは、どういう過程を経ているんですか?
沖 「ワトソンくんから“今度アルバム作るんでジャケやってください”っていう連絡が来て、まず曲を聴かせてもらってから勝手に描く。どつ側からはイメージとかを特に提示されないから、基本的には自由にやらせてもらっています」
う 「ほぼ100と言っていいくらい沖さんのアイディアなんで」
沖 「今回のアルバム(『珍古今馬歌集』)に関しては、話はもらっていたけど、いつになるかわからないという感じで。結局、年内に出したいみたいなことを言われたけど、ジャケをプレスに出すとなると明後日入稿しないといけないタイミングで。普通に無理やろ、って言って」
う 「なめんなって感じですよね(笑)」
沖 「本当は普通にプレスして普通のパッケージのCDを出すつもりだったんだけど、まあ無理だから、手作りでやったらギリギリ間に合ったという。結果的には良かったと思う」
――今回のアルバムは手作りということですが、竹の皮は誰が巻いたんですか?
う 「自分たちで。3人で集まって、家で」
ワ 「昨日寝る前に沖さんのInstagramを見たら、ジャケットを(マヒトゥ・ザ・)ピーポーさんが絶賛してた」
沖 「“良ジャケ”とのコメントをもらいました」
う 「ありがとうございます」
先 「一番伝わってほしい人に伝わった!」
沖 「マヒトくんから普段そんなにコメントってこないから、けっこう響いたんじゃない?」
ワ 「スッと入ったのかな。疲れてるし、師走だし。 この時期に作品を見て、良いって思うことってあまりないじゃない。忙しいしさ」
う 「全部がなし崩し的に進んでいくみたいな」
ワ 「そんなときに良いって思ったということは、相当……」
う 「竹の皮でふんどし作ってプレゼントしたいね」
先 「赤いふんどし?」
――2021年中に出したかった理由は?
先 「ワトソンの病気ですね」
ワ 「え、俺?」
う 「浜(公氣)が辞めて正式に3人になったし、アルバム作りたいと思ったときに年を跨ぐよりも2021年内で、っていう病気が発動して」
沖 「基本せっかちだよね。思いついたらすぐやる」
う 「年々増してる気がするよね。俺自身もせっかちになってきたような気がする」
沖 「今回は特に、俺も年内に出したほうがいいとは思ったから、乗ったという感じです。良くも悪くも作ったらすぐ出すって言うのは、どついたるねんの特徴のひとつでもあるから」
う 「遅めに出したことはないね。ちょっと空けるか、みたいなのは」
先 「毎回ドタバタで流通の人に電話して」
ワ 「竹の皮を包みながら先輩が電話したもんね、流通の人に」
沖 「めちゃくちゃ忙しい人じゃん」
先 「わらじ編んでるのに電話もしなきゃいけないし」
う 「流通の締切をもう1回伸ばしたいっていう、ギリギリのときで。100枚の梱包をするのに3人で3時間くらいかかって。300個をすぐに作るのは無理だと思って、延ばしてもらった」
沖 「あーでもそれくらいでできるんだ」
ワ 「だんだんペースが上がってきて。先輩はトイレしながら電話してたじゃん(笑)」
沖 「伝わるよね、切羽詰まってるっていうことは」
う 「普通に失礼だけどね」
沖 「めちゃくちゃ失礼だよ」
う 「自分たちの間でもそんなことしないじゃん」
先 「友達にもやらないことやるってヒドい。流通の人って5年くらい会ってないよね。電話はするけど。会わないでこれが毎回進行してるんだからすごいよね」
――今回のアルバムは、日本のCDパッケージ史上でも初めて使用されるであろう、竹の皮を使用した作品ですが、コンセプトは?
沖 「9月に出したミニ・アルバム『Tune Up The D2』は、今回のアルバムと被っている曲もあるんですけど、『Tune Up The D2』も特殊ジャケットで、使い捨てのお弁当箱の中にDLコード付きのバランが入った仕様。お弁当箱にジャケット代わりのシールを貼って。ジャケットはグラフィティっぽい感じで横にキャラクターが配置されているんですけど、そのキャラクターは一応、F-1レーサーの片山右京がモチーフ。今回は原点回帰的な意味も含めて、お弁当箱よりさらに原始的な、おにぎりを竹の皮で包むという、お弁当の始まりをヒントに、CDを竹の皮に包んだ特殊ジャケットを考えて。まあ、これは後付けなんですけどね。それで前回は片山右京を描いたから、今回は鈴木亜久里だと思って描きました。それに関しては、どついたるねんには確認を取らずに勝手にやったんですけど」
う 「小学生の頃の記憶が……」
先 「『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』でしょ」
う 「生ダラだね」
沖 「特殊ジャケットの原体験的にはCorneliusの存在が大きくて。初めてジャケ買いしたCDが『FANTASMA』(1997)の初回盤だったんですけど。ネタバレすると、Corneliusのリミックス・アルバム『96/69 -地球あやうし!!-』(1996)のジャケが、怪奇図鑑系タッチのイラストのおじさんが慄いているようなイラストで。おじさんはシールで貼ってある仕様だったと思うんだけど、アナログのほうがサイズが大きくなるから、おじさんひとりだとちょっと物足りないということでサイズ違いをコピペで3人くらい配置したっていうエピソードを覚えていて。それで亜久里をいっぱいコピペで配置したっていう。何重にもなっているコンセプトです」
先 「そのコンセプトは知らなかったけど、沖さんもワトソンもCorneliusが好きなんで、そういうちょっと毒々しさを入れてるんだなって」
沖 「海外のタバコに“タバコを吸ったらこんな肺になりますよ”っていう注意喚起でグロい写真が載っているんだけど」
う 「知らなかった。日本以外でそうなっている?」
沖 「そう。そのイメージで、竹の皮に包まれたおにぎりのパッケージにグロい画像が貼ってあるみたいなノリでジャケは作った」
――『珍古今馬歌集』を制作することになった経緯は?
う 「弁当箱(『Tune Up The D2』)のときに、高橋(翔)さんに3曲くらい作ったのを聴いてもらったら、“今までにない感じがしていいじゃん”みたいなこと言ってくれて。弁当箱は、昔の俺らの既存の曲のリミックスなんですけど、“そういう感じでもっと昔の曲のリミックスで曲を増やしてアルバムで出しちゃえば”って言ってくれたんですよ。それで10月から11月くらいにかけて作りました」
ワ 「バンドじゃないので、うがい(うーちゃん)が全部打ち込みで作って。俺が歌を入れて、先輩はションベンしながら流通の人に電話するくらいですかね。今回やったことは」
う 「テンション的にはアルバムを作るぞ!っていう勢いでは作っていなかった。気がついたらアルバムになっていたから、いろいろ話が二転三転して、最終的にやっぱり年内に出そう、っていうことになって。軽い感じでできたのがいいなって思っています」
――沖さんは『珍古今馬歌集』を聴いてどう思いましたか?
沖 「8月にスタジオ・ライヴを3人ともつおくんでやっていたのを観て。このアルバムに入っている曲も何曲かやっていたんだけど、それが映像込みで、新鮮な感じですごく良かった。映像がガビガビでモザイクアートみたいになっていて、でも動きはある程度スムーズで、音もちゃんと聞こえる。かっこいいな、と思って。その印象がやっぱり強かったので、改めて音源聴いての感想はないっすね」
う 「ヴィジュアル込みの」
沖 「プレーン、良い意味で」
う 「プレーン・ロック」
先 「寸前までうーちゃんの携帯でやる予定だったんだけど、地下だったから全然繋がらなくて。俺の携帯でやってみたら繋がったけど、電波が最悪で。 Wi-Fiで繋ぐとダメだから俺のモバイルデータでやったら基本ガビガビだった(笑)」
――前回のインタビューで、3人はミルクボーイに倣って週2くらいで会っているという話があったと思うんですけど、そのペースは変わってないんですか?
先 「むしろ増えた。週3とか」
沖 「すごいな」
う 「スタジオに入らなくなった代わりに、酒代に消えるっていう」
ワ 「CD300枚を手詰め作業するのに週2くらいで集まったりっていうのもあるし。全ての作業を3人でやっているから。3人になってから話が早すぎて。毎日グループLINEがすごい速度で進んでいく。決定が早すぎて、やることもいっぱい出てくる」
――1月からはツアーが始まりますが、またすぐに作品ができそうな勢いですよね。
先 「いくらでも出します!」
――どついたるねんの物販で売っているアイテムは、CORNER PRINTINGで制作されているものも多いと聞きました。初期からグッズが充実しているという印象でしたが。
う 「それは、さっき話した関根さんがいろいろ提案してくれて」
先 「たしかに周りのバンドよりも早かったかもしれない。自分たちがイラストを描いたりできないし、そのセンスはないから、お願いして良いものができたらそれがいいかなって」
う 「要望はほぼ伝えたことないよね」
――anccoさんデザインの、メンバーを犬になぞらえたデザインの“犬トレーナー”は、aikoさんが着用写真をSNSで公開して、当時すごく話題になりましたよね。
う 「犬の脇にメンバーのイニシャルを入れるアイディアも関根さん。それをanccoちゃんに伝えてくれて」
先 「某ブランドにパクられたんすよ」
――大川久志さんが描かれたCD-R作品『ドツノポリスBEST』(2013)のカヴァー・イラストも、勝手にタペストリーになって海外で売られていたんですよね。
沖 「タペストリーってすごいね」
先 「タペストリーをオフィシャルの商品だと思って買った男の子がいて、“買ってしまったんですけど、どうしたらいいですか?”って相談されて。楽しんでくださいって」
う 「それしか言えないじゃん」
先 「写真送ってくれたら嬉しいです、って伝えた。ベトナムに行った友達から突然写メ送られてきて、“ぜんぜん知らないベトナム人が『ドツノポリス』のTシャツ着てるぞ”って」
う 「外国のブランドが勝手に作っていて」
ワ 「タペストリーだけじゃない」
沖 「俺がやったデザインのものは、そういうのないよね。けっこうな数をやっているんだけど」
う 「でも花瓶のイラストのイメージがけっこう強いのか、言われる機会は多い気がする」
沖 「最初の頃に出したっていうのがあるからかな」
う 「でもまあ『珍古今馬歌集』が“良ジャケ”って言われているし」
先 「このアルバムのグッズは何を作ったらいいですかね?」
沖 「総柄シャツとかいいんじゃない?それか総柄のMA-1。(『はやとちり』のオーナーの)ごっちゃんが総柄のMA-1を作ってたんだけど、良かった」
う 「F-1の人のMA-1」
ワ 「ややこしい」
先 「受注生産で作ろうか」
う 「決まり」
ワ 「ツアーで売ろう」
う 「亜久里のMA-1が出ますって」
――みなさんは制作時以外で、プライベートで集まることもあるんですか?
う 「タコパやったよね」
ワ 「俺の誕生日に、沖さんの家でたこ焼きパーティをしてもらいました。餃子超おいしかった」
沖 「買って帰ったもんね」
ワ 「2021年、一番うまかったものは餃子。沖さんの家にSoF’BoYのでかい人形が置いてあるんですけど、マーシー(真島昌利 / ザ・クロマニヨンズ)の新しいアーティスト写真のTシャツがSoF’BoYだった」
沖 「マーシーはSoF’BoYが好きなんだよね」
先 「あのキャラは誰が作っているんですか?」
沖 「THE SEA AND CAKEっていうバンドのArcher Prewitt」
ワ 「マジで?ただのアメコミだと思ってた」
先 「沖さんは、こうやっていろいろカルチャーを教えてくれる先生です。憧れのテニサーの先輩って感じです」
――どついたるねんのみなさんは、今回改めて沖さんに聞きたいことってありますか?
ワ 「沖さんに聞きたいこと。イエモン(THE YELLOW MONKEY)で好きな曲は何ですか?
沖 「“SPARK”かな。何?」
ワ 「俺、3日くらい前に“追憶のマーメイド”の映像を起き抜けに観て、かっこよすぎちゃって。今頭の中がロビンソンに埋め尽くされてる」
沖 「“追憶のマーメイド”ってどういう曲だっけ?」
ワ 「(歌う) 」
沖 「あーそれだ」
ワ 「“太陽が燃えている”のひとつ前。めっちゃかっこいい」
沖 「“SPARK”はめっちゃダサい曲で」
ワ 「その辺りからJ-POP化が」
沖 「たしかに」
ワ 「“追憶のマーメイド”とか“JAM”と比べると“SPARK”はちょっと迎合しすぎていて、初期のグラム感がもうないって思う」
先 「イエモンで思い出したんですけど、BiSHの解散についてどう思いますか」
沖 「ビジネスがうまいなって思った。2023年だから、2022年稼ぎまくる。最後だからっていうことでファンはなんでも買いたくなるでしょ」
先 「ためになります」
う 「沖さんは眉毛はどれくらいの間隔で手入れしてますか?」
沖 「眉毛は、髭剃るのと同じ間隔で」
ワ 「眉毛細っ」
先 「森田 剛みたい」
沖 「細くするときと、ちょっと伸ばすときとある」
う 「会うたびに印象が違うんすよね」
沖 「その時々の気分もあって」
う 「髭のデザインくらい変えてますよね」
沖 「家でもそこまでちゃんとやってない。髭剃りで髭剃ったついでにやっていて」
う 「毎日?」
沖 「ほぼ毎日」
う 「剃らないと太いんですか?」
沖 「太くはないけど濃い」
先 「俺、最近眉毛のはじっこがすごい生えてきて、写真を撮ると、目尻と眉毛が繋がってるみたいに見える(笑)」
沖 「眉毛で印象ってけっこう変わるからね」
う 「最初に眉毛を剃り始めたのって高校生くらいですか?」
沖 「高校ではわりとボサボサだった。でも俺の高校とか大学の頃って、細眉が流行ってた。当時はなんか、太眉はイケてないみたいな感じで」
先 「森田 剛みたいな?」
沖 「どんだけ森田 剛って言うの」
う 「イメージあるよ、細眉と言えばの」
先 「GATSBYのクシがついてるハサミ」
沖 「あったね、それ」
先 「あとGERAIDの鹿の角みたいなクシ」
沖 「あったね、そういうの。その時代です。眉毛手入れしてる?」
う 「剃ってます。俺めちゃくちゃ太いから」
ワ 「マジどうでもいい話だな」
う 「週1くらいで剃ってる」
沖 「すごくきれいだよ」
先 「櫻井 翔みたいな眉毛」
う 「あまり思い浮かばないけど(笑)」
沖 「なんで全部ジャニーズで例えるの(笑)。でも昔の動画とか見るとけっこう太いよね 。 キンブラ(キングブラザーズ)のマーヤも初期めっちゃ太い。両さんみたいな。だからすごく印象が違う」
う 「ワトソンは眉毛なんかやってる?」
ワ 「ほぼやったことない。高校生くらいの時にお母さんにちょっと整えてもらったくらいで。自分でやったことない」
沖 「なんでお母さんにやってもらうの」
ワ 「俺、器用じゃないからうまくできない。でも今日は久々に人に会うから、自分で鼻毛をすごい切った。ボーボーだったから」
う 「ワトソンは不器用だから、アルバムをパッケージするとき、竹の皮を包んでから竹の紐を結ぶんだけど、それがぜんぜんできなくて」
ワ 「けっこう難しいんですよ。もろい」
う 「最初は先輩しかできなかったもんね」
――先輩は器用なんですね。どついたるねんの3人と沖さんは絶大な信頼関係があるように見えるんですが、どうやってそういう関係が形成されていったんでしょう?
沖 「僕は、人の大まかなタイプとしてけっこう合った、フィットしたっていうのがまずあって。最初はむしろ嫌いな感じだった。あまり知らなくて、曲もそんなにちゃんと聴いたことがなくて、勝手なイメージでコミックバンド的なわちゃわちゃしてる中央線のサブカルの嫌な、あれだろ?って思っていたんだけど、グッズを作る過程で喋るようになったら、すげー暗いし」
ワ 「そうなんだ(笑)?」
沖 「全然喋らないし、ちょっと喋ってみたら、単純に音楽好きだし真面目だなぁ、と思って。そういうところでウマが合った」
う 「真面目で暗いってことっすね 」
先 「そうっすね。世界が100人の村なら、近くにいた」
う 「例えがよくわかんない(笑)」
先 「前世は親子だった。 スピリチュアルの話になっちゃって申し訳ないんですけど」
沖 「スピリチュアルな話でもねーし(笑)」
先 「スピリチュアル話なんでちょっと載せられるかどうかわかんないんですけど……」
沖 「(先輩の発言を無視して)あとは、表現の上でこちらがハッとする瞬間を定期的に与えてくれる存在であり、現役のいちアーティストとしてリスペクトしているのが大きな理由です。世の中には非常に先鋭的で素晴らしい表現をするアーティストのかたが多くいて、そういう人たちからももちろん刺激を受けるけど、どつはそういったアーティストたちとはかなり様子が違って、先鋭や洗練からは見落としがちな別角度の美しさや崇高な瞬間を、本人たちが純粋に楽しむ姿をもってフレッシュに垣間見せてくれる、稀有な存在だと思っています」
先 「そんな風に思っているとは思いませんでした!」
――“純粋に楽しむ姿をもって”って本当にそうだと思います。
沖 「なかなかできそうでできないことだと思うんですよね。刹那的には可能かもしれないけど、これだけ長いこと続けているのがまたすごくて」
先 「ただの持病みたいなもん。早く人間になりたい!」
沖 真秀 Official Site | https://mashuoki.blogspot.com/
■ 2021年12月31日(金)発売
どついたるねん
『珍古今馬歌集』
CD TTR-08 税込1,650円
https://linkco.re/bFhgZVyz
[収録曲]
01. Shallows Room -KENZO forever mix
02. KAZU DANCE -1998 road to france mix
03. English Man
04. Greatest Now -Du bist der Gewinner mix
05. YOYO Chan feat.ONI
06. Sunset RISA Chan -Tempo-9.1 mix
07. Believe Me
08. Mr.August
09. September
10. Majunior -Going out of my onanie mix feat. Hikaru Yamashita
11. Shonen ACB -RINGO mix
12. 080 -Slash Dot Dotsu mix
13. My Best Friends REQUIEM
14. IQ7 -viagra 100ml mix
15. Nineteen
16. Summer Hands -ugai on the beach mix
17. Bushu Bushu Ondo
| 東京編
2022年1月27日(木)
東京 吉祥寺 アップリンク吉祥寺 |開演 20:30
VJ: TENNENPOOL
2,500円(税込 / ドリンク代別途)
| 大阪編
2022年2月5日(土)
大阪 難波 BEARS | 開場 18:30 / 開演 19:00
GUEST: オニ (あふりらんぽ) / Kiima Kariis
3,000円(税込 / ドリンク代別途)
2022年1月22日(土)-2月6日(日)
大阪 粉浜 art gallery opaltimes
〒559-0001 大阪市住之江区粉浜1-12-1
月火木金 13:00-17:00
土日祝 13:00-19:00
水曜定休
[参加作家(順不同)]
廣島新吉 / 不吉霊ニ / 沖 真秀 / 松浦美桜香 / urisakachinatsu / komowear
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