Column「アグネスの5次元パーラー」

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04/28/2022
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| 第19回: イチゴシロップ

　こないだ久しぶりに豆苗を買ってきて、せっかくだから2回目も食べたいな、と思って育てることに。何回か育てたこともあるので簡単なことを知っていたけど、なんとなく袋に書いてある育てかたを読んだら「ミネラルウォーターをあげる」と書いてあってびっくりしました。え？ミネラルウォーター……？なんだか胸がざわざわする。

　植物に水をあげるときはいつも水道水だったし、今でもそう。畑やベランダで育てている野菜、観葉植物や切花にだって、一度足りともミネラルウォーターをあげたことはない。実際のところ、水田とか、畑とかはどうなんだろう。ミネラルウォーターという言葉のおかげで今まで考えたことなかった疑問が浮かんだけど、豆苗は水耕栽培だから水が大切なのかな。とにかくそう書いてあるし、その通りにしてみようとミネラルウォーターをあげることにしました。
　
　その3日後くらいに豆苗の世話をしている私を見て夫が一言。「育つまで毎回ミネラルウォーターあげてたら買うより高くなるよね」。

　本当だ……。食べられるようになるまで何日かかるかわからないけど、毎日水を換えていたら1回目に買って食べた豆苗よりミネラルウォーター分が加算されて高い豆苗になる。それって本末転倒かもしれない。そこへ追い討ちをかけるように「2回目って味も薄い気がしてそんなにおいしくないよね」と一言。そう言われてしまうと育てる意味さえよくわからなくなっちゃう。そこへさらに一言。「豆苗ってどこまで伸びるんだろうね」。

　というわけで、食用を諦めて観察用に育ててみることになりました。夫は豆ができるんじゃないかと期待していたけど、どんどん伸びるだけの日々。育て始めて2ヶ月半くらい経った頃、伸びすぎて絡んでくるし陽が当たらない部分は元気ないしそろそろダメなのかな、ずっと家で水耕栽培だとうまくいかないのかも、と思いながらいつものように観察していたら、なんと小さな薄紫色のかわいい花をつけているのを発見！そのときの感動といったら。すごくかわいくて今までにないくらいの愛しさを感じて、豆苗を育てていてこんな気持ちになるなんて驚きでした。その数日後、元気がなくなり、愛しい豆苗とはお別れしました。思い出すと今でも胸がキュンとする。

　別れの胸キュン、もうすぐ終わっちゃうイチゴで感じてみてください。