Column「アグネスの5次元パーラー」


文・撮影 | アグネスパーラー

| 第23回: ラッシー

 ある友人が「外食をするときには、いつもなら選ばないメニューを注文すると世界が広がる」という話をしてくれたことがあります。たしかになんとなく好きなものや慣れたものを注文しがちだし、行ったことあるお店ならなおさら、どうしても過去に食べておいしかったものを選びがち。個人的には食べ物以外のことでも変化やいつもと違うことが苦手で、そこを打破できたら生活がもっと楽しくなるのかなぁと思いました。でもやっぱり、いつもと違うことを選ぶってエネルギーもいるしな、と思ってどうしたらいいかなと考えたときに浮かんだのが“全制覇”。“違うものを選ぶ”から“経験値を上げる”に思考を変えただけで一気にストレスがなくなって、楽しさが倍増しました。ベクトルをどの方向に向けるかは、自分次第。

 とは言っても、ある程度歳を重ねるとだいたいの味の想像ができてしまうし、どうしたって好みがあるから日常の中で新しいものに出会える機会って少ないような気がして、なぜかと考えるとだいたい行くお店が決まっているから……。なんて狭い世界で生きているんだろう、ってそんな大袈裟なことでもないけど。

 この夏、日常から飛び出し、広い広い北海道に行きました。北海道は空気もきれいだし真夏でも風が涼しくて過ごしやすいし、何より食べ物が何もかもおいしくて最高。その北海道で今まで食べたことがなかった物をいただき、私の世界は広がったのです。ひとつは食用のほおずき。観賞用とは違って小さくて、味はトマトに近いような、でも初めて食べる味。とてもおいしかったな。もうひとつはスープカレー。スープカレーってずっと不思議な存在で、生活圏にお店もないし、食べる機会がなかったけれど、地元のお店に連れて行ってもらって食べたら、そのおいしさと身体がかなり温まる感覚に、北海道で広がった理由が少し分かったような気します。お野菜たっぷりだし、お肉もおいしいし、北海道の全てが凝縮されていて。あとはウニ。食べたことはあって、そこまでおいしいと思えたことはなかったけど、新鮮なウニはおいしいとわかって嬉しい。あとはもう、乳製品が全ておいしくて感動です。地元のコンビニ・オリジナルのヨーグルトさえ余計なものが何も入っていなくておいしかった。北海道って本当に豊か。

 スパイシーなスープカレーとおいしい乳製品を思い出しながら、簡単ラッシーを作ってみました。味変はお好みで。

[材料]
| 牛乳 100ml
| 無糖ヨーグルト(あれば生乳100%) 100g
| レモン果汁 大さじ1
| はちみつ(なければ砂糖) 大さじ1
※ 甘さは好みで調整してください

[手順]
01 | ボウルに全ての材料を入れて混ぜる。
02 | 好みの量の氷を入れたグラスに注ぐ。
※ アレンジとして、はちみつを他のシロップやジャムに変えると、いろいろな味が楽しめます(今回はパイナップルのシロップを入れてみました)。
※ 果物を入れたい場合はボウルではなく、ミキサーなどに材料を全て入れて攪拌してください。

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アグネスパーラー agnesparlour

アグネスの5次元パーラー | illustration: あお木かな
illustration あお木かな
2010年よりオリジナルのシロップなどを使ってドリンクをメインにしたケータリングの活動を開始。ライヴ、展示、パーティ、蚤の市、商店街のお祭りなどに出店。執筆活動として鳥取のベーグル店「森の生活者」発行のジン『森と生活者』に寄稿中。

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