現状への反抗、間違ったルールへの抵抗
取材・文・翻訳 | SHV (KLONNS, 珠鬼 TAMAKI | NEW REALM FEST) | 2026年1月
Photo ©Piotr Królikiewicz
――インタビューを受けてくれてありがとう!まず、どのようにGOLPEというプロジェクトが始まったのか教えてくれる?音源では全ての楽器を君自身が演奏しているんだよね?
「SHV、こんにちは!このインタビューのために時間と機会を作ってくれて本当にありがとう!GOLPEは2019年に、友人のLuca Calafati(KOBRA, SKALP, SPIRITO DI LUPO)と一緒にジャムしていたときに始まったプロジェクトなんだ。最初のデモを録ったあとに彼が抜けて、そこからはソロ・プロジェクトとして曲を書いて録音し続けて、ライヴは友達に手伝ってもらっていたんだ」
――ショウやツアーの度に違うメンバーが演奏するって聞いたんだけど、サポート・メンバーは何人くらいいるの?今回の日本ツアーに来るメンバーについて教えて!
「過去6年間で、このしょうもない音楽を一緒に演奏してくれて、曲を覚えてくれる友達がたくさんいて本当に恵まれていたと思う。たぶんこれまでに30人くらいの人がGOLPEとしてステージに立ってくれてるよ! どのショウやツアーかによってメンバーは変わるよ。というのも、僕と同じくらいのペースでライヴをやってくれる固定メンバーを見つけるのはほぼ不可能だからね。今回の日本ツアーでは、ギターがOlly(ASTIO, SLOI)とPilli(Filippo Colombo | CONTRA, LABRADORS)、ドラムがLuoca(Luca Orzi | DADAR, SHITTY LIFE)、ベースがChris(Francesco Lampredi | M!R!M)だよ。みんな友達で、ここ数年のライヴをいろんな編成でやってきた中でも特によく一緒に演奏してきたメンバーだ」
――GOLPEの作曲において、主な影響元は何かな?どんな風に曲を作っている?よくスウェディッシュDビートやイタリアのハードコア・パンクが引き合いに出されるけど、個人的には2010年以降のNYのバンドの雰囲気も感じる。
「君が説明してくれたジャンル全部が僕の作曲に影響していると思うよ。スカンジ・ビートや、あの時代のアメリカ東海岸のハードコア・パンクも本当に好き(気付いてくれてありがとう、わかってくれて嬉しいよ!)。でも僕のアイディアとしては、それら全部を“古いイタリアン・ハードコア + 政治的メッセージ”と混ぜることだったんだ。普段は、まず頭に浮かんだリフをギターで弾いて、その上にドラムを乗せて、最後にヴォーカルを録る。歌詞を書く作業が一番難しいね。自分の納得する歌詞が書けるまで、永遠のように長い時間がかかるんだ」
――歌詞はどんなことを歌っているの?全部イタリア語だよね。
「うん、歌詞は全部イタリア語だよ。英語で歌うのはちょっと変というか、不自然に感じてしまって僕にはできない。イタリア語で歌うけど、スウェーデン語やフィンランド語っぽく聞こえるようにアクセントを置くというアイディアをとても気に入っていて、何曲かではそういう歌いかたをしているよ。ヴォーカルの乗せかたとしてはスカンディナヴィアのパンクが一番の参照元だからね。読む人の感情を揺り動かすような、何かのきっかけになる歌詞を書こうとしているよ。パンクのレコードの中で過去50年の間に語られ続けてきたテーマについて書くのが好きなんだけど、かといって陳腐な言い回しになるのも嫌で……。ありきたりな言葉にはしたくないんだ。言いたいことをシンプルに表現するための言葉を見つけるのがとても難しいんだよね」
――最近のミラノや他のイタリアの都市のパンク・シーンについて教えて!
「ミラノにはとても健全で活発なパンクシーンがあるよ。コロナ後は若い世代の新しいバンドがたくさん出てきていて素晴らしいね。APOPTOSI、NARKAN、CRANIAL PUTREFACTION、 TORMENTO、ZIPPERなどが今のミラノでのお気に入り。イタリア全体だと、SLOI、SHITTY LIFE、 ASTIO、ROGO、ETERNO RITORNO、LUCTA(ミラノ)、ANF、DISCOMOSTRO(ミラノ)などが好き」
――自分がGOLPEを知ったきっかけは1st LPの『La Colpa É Solo Tua』(2021, Sorry State)だったんだけど、赤と黒のアートワークが強烈で、すごく印象に残った。どんなメッセージが込められてる?
「GOLPEを始めたとき、サウンドにおいてもグラフィックにおいても、バンドとしての独自性を追求しようとがんばったんだ。シンプルで、無駄がなく、見た人がすぐに理解できるデザインにしたかった。“僕たちの行動によって世界を食い潰している”というアイディアが、あのLPの全ての歌詞に込められている。それを象徴するために“地球が挟まれたハンバーガーが、今まさに食べられようとしている”というイメージを思いついたんだ。“La colpa è solo tua” は“責任はおまえだけにある”という意味。このタイトルで伝えたいのは、リスナーに自分の行動に対する責任を感じてもらうことなんだ。行動せずに文句を言うだけでは意味がないと思う。もし未来が壊れていくなら、それはおまえの行動の結果でもある。だから“責任はおまえだけにある”なんだ」
――音楽の話から少し逸れるけど、最近はイタリアでの生活はどう?日本はとにかく円安等に起因する物価高がひどいし、格差は広がってる。それだけじゃなく外国人嫌悪を煽って金儲けをしようとしてる連中が蔓延っていて、毎日最低を更新しているような状況なんだけど……。
「君が日本について説明した状況は、そのままイタリアにも当てはまるよ!今の政府はこの100年で一番ファシスト的だし、経済は崩壊してる。政治家たちはレイシズムや外国人嫌悪を利用して票を集めていて、貧困も日に日に深刻になっている。こうした流れはヨーロッパの多くの国、そして世界全体に広がっている。少しマシだと感じるのはスペインくらいかな。最低限の権利や低所得層を守る政策があるからね。アメリカを見ていると、基本的な権利がどんどん黙殺される、世界規模の抑圧プログラムの次のチャプターに突入するんじゃないかと恐れている。もし未来があるとしても、それは恐ろしいものだと思うよ」
――君はヴィーガンのシェフとしても知られているけど、いつ、どのようなきっかけでヴィーガンになったの?ヴィーガンであることとパンクスであることに関係はあると思う?
「料理を仕事にできているのは本当に恵まれていると思う。僕にとって料理はひとつのアクティヴィズムなんだ。プラントベースの食事をヴィーガンではない人たちに届けられることはすごく嬉しいんだよ。ヴィーガニズムこそ最も誰にでも開かれていて、最も様々な問題に繋がっていて、そして最も倫理的な選択だということを示していると思うから。僕は2004年にヴィーガンになってから21年間ヴィーガン。苦しんでいる生き物の肉を食べるという考えに耐えられなくなったんだ。豚や牛を食べていいとされているのは、社会がそう教えているだけで、本質的には猫や犬を食べるのと変わらない。どんな動物も痛みを感じ、苦しみ、そして幸福や喜びも感じる。2026年の今、僕たち全員に肉や乳製品をやめるための手段が揃っていると思う。動物倫理のためだけじゃなく、肉の生産は環境汚染の原因の第3位でもある。食肉産業は邪悪だよ。僕がパンクにのめり込んだ頃は、多くのバンドが動物の権利について歌っていた。でもここ10年ほど、パンク・シーンではそういったテーマが忘れられてしまったように感じる。僕にとってパンクとは“現状への反抗”であり、間違っているルールに抗うこと。なのに、なぜ毎日何百万もの動物がカプチーノやハンバーガーやピザを食べたいという理由だけで虐殺されていることに抗わないのか?と思ってしまう。今はプラントベースの代替食品がたくさんある。読んでくれているみんなに、ぜひ一度試してみてほしい。思っているより手軽で、おいしくて、そして健康的なんだ」
――残念ながらGOLPEはこの日本ツアーの後に活動休止するって聞いたんだけど、君個人として今後の展望や予定はある?
「新しいレコードを書きたいと思っているから、しばらくはライヴを最小限にして曲作りに集中したいんだよね。新しい作品を出して、またできるだけ多くライヴをやる生活に戻りたいね」
――最後に、日本のパンクスに向けて何かメッセージがあればお願い!
「ここまで読んでくれて本当にありがとう!日本に行くのが待ちきれないよ!」
Tadzio Pederzolli Instagram | https://www.instagram.com/tadzio.pederzolli
■ GOLPE Japan Tour 2026
https://blackholekuroiana.blogspot.com/2026/01/golpe-from-milanitalykorea-japan-tour.html
| 2026年2月10日(火)
神奈川 西横浜 EL PUENTE
開場 19:30 / 開演 20:00
当日 3,000円(税込 / 別途ドリンク代)
[出演]
DISASTER PREPARATIONS / geji / GOLPE
| 2026年2月11日(水)
東京 新大久保 EARTHDOM
開場 18:30 / 開演 18:30
前売 3,000円 / 当日 3,500円(税込 / 別途ドリンク代)
[出演]
GOLPE / KALTBRUCHING ACIDEATH / LACUNA SONORA / WIPES / ZENOCIDE
| 2026年2月12日(木)
愛知 名古屋 HUCKFINN
開場 19:30 / 開演 20:00
前売 3,000円 / 当日 3,500円(税込 / 別途ドリンク代)
[出演]
GOLPE / Killerpass / ROTARY BEGINNERS
| 2026年2月13日(金)
大阪 難波 BEARS
開場 19:00 / 開演 19:30
当日 3,000円 / U23 1,000円(税込)
[出演]
AFTER / GOLPE / KLONNS / WRONG STATE
| 2026年2月14日(土)
京都 神宮丸太町 Pop! Pizza
開場 18:30 / 開演 19:00
前売 3,000円 / 当日 3,500円(税込 / 別途ドリンク代)
[出演]
GOLPE / KLONNS / TONE DEAF / WAVE
| 2026年2月15日(日)
東京 幡ヶ谷 CLUB HEAVY SICK
開場 18:00 / 開演 18:30
前売 3,000円 / 当日 3,500円(税込 / 別途ドリンク代)
[出演]
ACTUAL FEAR / BLACK AND WHITE / ENCROACHED / GOLPE / KLONNS









