Column「実録・KLONNS米国紀行」


文 | SHV (KLONNS)
写真 | KLONNS

サンディエゴ / ロサンゼルス編

Day 5: サンディエゴ

 健やかに起床。予定より少し早めに起きれたのでモーテルの付近を歩き回ってみたのですが、ガソリンスタンドくらいしかない荒涼としたエリアでした。侘しい。ちなみに泊まったのは「Motel 6」というこれまた定番っぽいモーテル。そこそこ快適でした。

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プール付きなんてあたりまえ。
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Motel 6
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モーテル周辺の風景。

 この日から小坂さん(BLACK HOLE)も合流し、ツアーバンとJeff号の二手に分かれ、カリフォルニア最南部のサンディエゴを目指します。サンディエゴといえばAMERICAN NIGHTMAREやSWING KIDSといった高速カオティック・ハードコアやTHE LOCUSTのような変則 / 変態的なバンドのイメージですが、いったいどんな街 / シーンなのでしょうか。

 今日は6時間ほどのやや長めのドライブ。カリフォルニアを南下すればするほど映画『トレマーズ』(1990, ロン・アンダーウッド監督)のような荒野が広がっていました。うーん、アメリカ。こんな景色が撮れれば、いくらでもB級スリラー映画を大量生産できそうですね。アメリカのガソリンスタンドには基本的にコンビニ等が併設されているのですが、我々が休憩で寄った場所はスーパーマーケットが一緒になっており、こちらでついでに昼食も調達することに。しかもWalmartとかではない、ローカル度マックスな感じのスーパーで最高。ちょっとしたフードコートもあって、なかなかいい場所でした。ここでもやはりテクス・メクス!タコスはだいたいどの店で食べてもおいしい気がしますね。Caseyチョイスのなんだかよくわからないお菓子も、見た目の通りなんだかよくわからない味で趣がありました。

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グラボイズ100匹くらい出てきそう。
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メキシカンみのあるスーパー。
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スパイシーなドライフルーツ。
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OTAKUの足元。

 さらに車を走らせると徐々に海岸なんかが見え始めてきて、より一層カリフォルニアという雰囲気に。Adamが海岸に暮れなずむ夕陽を指さして「これがカリフォルニア・サンセットだ……Beautiful」とか言っていて喰らいました。車内BGMはなぜかLINKIN PARKとかP.O.D.とか、あの頃すぎるニューメタル・メドレーに(笑)。このへんはキッズ時代をアメリカで過ごした人ならみんな歌えるのかもしれません。ってかP.O.D.って日本だとわりと地味なイメージなんですが、こっちだと完全にスターなんですね。あとGODSMACKとかも……。

 どうでもいい話は脇に置いておいて、本日のヴェニューは「The Ché Café」!!! こちらもかなりプレイするのが楽しみだった場所で、おそらく1980年代初頭くらいから続くDIYハードコア・パンク・ヴェニュー!先ほども名前が出たAMERICAN NIGHTMAREやSWING KIDSはもちろん、CROSSED OUTとかUNBROKENといった90sレジェンドたちがプレイした映像もYouTubeを漁れば出てくる古の場所です。IRON LUNGのJensenも激推ししていました。壁にプリントされているフライヤーも錚々たるメンツばかり……。気合が入りますね。

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The Ché Café入口
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The Ché Café外観
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ちょっとしたお祭りのようだ。
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The Ché Café中庭
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The Ché Café中庭
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がっつり大学のキャンパス。
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錚々たるフライヤーたち。

 ロケーションもユニークで、カリフォルニア大学サンディエゴ校のキャンパス内にあります。ちょっと西部講堂みたいですが、完全な自治で運営されているようでした。近くに他の建物もなく、木々に囲まれている環境が独特で、ちょっと山小屋感。中庭スペースもあってのびのびとした雰囲気で最高でした。普段はヴィーガン・フードとかが食べられる学食的なのもあるみたいですが、この日は営業していませんでした。看板にも書いてあるように、いわゆるライヴハウスとは違って、“コミュニティ・スペース”っていう感じの佇まいなのが魅力的だと感じました。このいうノリは日本ではなかなか運営しにくいと思うので、こういった場所に触れられるのが海外ツアーの醍醐味のひとつだと思います。

Flyer for San Diego Show
安定の複数フライヤー。

 さて、到着が少し遅くなってしまい、すでに日没の時刻。イベントもスタートしており、急いで搬入開始。そんなドタバタだったので最初の2バンド、PHILISTINEとGRUNT WORKはほとんど観られず仕舞いでした。まあしょうがない。チラッと聴いた感じ猛烈系のDビートだった気がします。GAGのみんなは搬入後にUber的なアプリでタイ料理をオーダーしていましたが、昼間に食べたタコスが腹に残っていたため遠慮しておきました。今思えばアメリカン・タイ料理の具合を確かめておきたかった気もしますね……。

 お客さんもそこそこ増えてきたところで3バンド目のINTERMISSIONの出番。実はこのバンド、本ツアーで共演するバンドの中でも特に注目していたバンドなのです。インディロック・バンドTONERのメンバーが運営するレーベル「Smoking Room」からLPをリリースしたサンディエゴ出身のバンドで、基本的にはインディロック風味のあるポストパンクという感じのサウンド。ICEAGEとかCOMMUNIONSとかが好きな人もハマりそうなヒンヤリしたソリッドな感じもありつつ、やはり西海岸というか独特のユルい抜け感バイブスが同居していて、あまりにも絶妙な危ういバランス……。ボーカルが吐き捨て系なのもいいですね。小坂さんとも以前から交流があるそうで、LPリリースをきっかけにたまたま自分のアンテナに引っかかったのですが、狙い通り共演できて嬉しかったです。サンディエゴ行きたい!ってリクエストして正解でした。

 ついに気になる彼らのライヴが観られる!演奏が全然上手くなくて最高(笑)!オルタナ / ポストパンクもどきにありがちな小賢しさが一切なくて素晴らしい……。そしてめちゃくちゃモッシュ起きてる!!! HIGH VISとかを観ていても思いますが、このタイプの音楽性のバンドでモッシュ起きるの、最高以外の何物でもないですよね。日本でポストパンク好きな人はあまりモッシュとかしないと思うので……。ぜひたくさんのリスナーに見つかってほしいです。

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INTERMISSION

 そんなこんなでINTERMISSIONの余韻に浸っているうちに我々の出番に。気付けば残り2本しかないのかーと少し寂しい気もしつつ臨みました。ひたすらフルパワーで沸かせました。ありがとう。

Photo ©@heartshapedshotgunnn
Photo by @heartshapedshotgunnn
Photo ©Daniel Arteaga
Photo by Daniel Arteaga

 トリはGAG。彼らのライヴが観られるのもあと2本……なんて浸っているうちにAdam流血(笑)。なかなか血が止まらなそうで少し焦りましたが、無事にフロア爆裂盛り上がりで終了。流石です。若干閲覧注意なので載せませんが、Instagramに血まみれ写真がアップされているので気になる人はサーチしてみてください。

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ギリ流血前のGAG。

 物販もありがたいことにサイズ枯れまくり。レコードも無事に売り切れて、日本に持ち帰らずにすみそうで一安心。ちなみにこの日はKRIEGSHÖG・マサキさんの高校時代からの友達だという、サンディエゴ在住のダイキさんが観に来てくれました。異国の地で日本語を聞くと不思議な気分になりますね。あと今回の企画にも関わっている「Tone Apart Media」というコレクティヴがレコードやテープをディストロしていたのですが、その中にメキシコのVIOLENCIAを発見!それもそのはず、サンディエゴとティファナは目と鼻の先……。この時すでに彼らの日本ツアーで共演する話をいただいていたので「今度日本で対バンするよ」と伝えておきました。世界は狭い。

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わしらの物販。

 終演後にツアー・バンで小坂さん、Adamと、誰かがどこかから買ってきたビールで乾杯!アメリカは6缶セットとかでしかビールが売っていないのが少し不便ですね。まあどうせ飲むからいいけど。Budweiserの軽めの味が疲れに染み渡りました。INTERMISSIONから「このあとみんなでハンバーガーでも食べないかい?」という嬉しいお誘いもあったのですが(誘い文句も最高)団体行動のため断念……。またどこかで会いましょう。

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サンディエゴの夜は深い。

 今夜はロサンゼルスにあるJeffとその友人たちが住むシェアハウスに泊まることになっていました。というわけでサンディエゴの街並みを見ることなく、ロサンゼルスへトンボ帰り!2時間ほどのドライブで無事にロスに帰還。流石に腹が減っていたので近所のセブンイレブンに駆け込み、ホットスナックのピザスライスをオーダー。味は可もなく不可もなくという感じですが、手軽に買えるという点ではけっこういいかも。日本でも売ってくれないかなーと思ってたら最近販売開始したらしいですね。あと気付いてしまったのですが、ゲータレードよりもエレクトロニック?みたいな名前のスポーツ・ドリンクのほうがおいしいかも……。異国のコンビニでスポーツ・ドリンクとかエナジー・ドリンクを漁るのは楽しいですね。

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ブンイレのピザも悪くない。

 明日はいよいよロサンゼルスにてツアー・ファイナル……!!! 安らかに就寝……。

Day 6: ロサンゼルス

 いよいよツアー最終日。Jeff宅の部屋のひとつで雑魚寝だったのですが、何やら物が落ちたような音で目が覚めました。なんと机に置いてあったドラム・ペダル(我々の機材ではない)が落下、そして岡本さんの脳天に直撃……(笑)!!! 思わぬトラップに面喰いましたが、大きな怪我にならずよかったです……。我々のために急いで部屋を片づけてくれたんだねということで万事OK……。岡本さんの額に傷ができて、Adamと「お揃いだね」ってなっていてウケました。

 この家はJeff含め3人ほどでシェアしてるとのことで、他の住人たちも続々と登場。リビングに懐かしすぎるNINTENDO 64があったので、自然発生的にみんなでスマブラ大会開始(笑)。誰も特に強くなくてリアルでした。

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誰がナンバーワンだ?

 イベントは夜。かなり時間に余裕があるため、ロサンゼルスを観光することに。まずはカフェイン摂取が必要ということで、Jeff行きつけの近所のコーヒースタンドへ。Joseがここに来ると必ずオーダーするというライム入りのコールドブリュー・コーヒー的なやつを飲んでみたのですが、今まで飲んだことのない感じの味で興味深かったです。なんか抹茶とかもメニューにあった気がします。

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ロスの街並み。
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洒落たコーヒースタンドが近所にあるのいいね。
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ライムがいい仕事してる。

 続いて、腹ごしらえということで地域の人気店「Villa's Tacos」へ!!! インスタに上げたらけっこういろんな人から反応があったので、地元の人はみんな知っている店みたいです。開店前に到着したのですが、すでに軽く列ができ始めていました。その後、どんどん長蛇の列と化していったので、あまり並ばず食べられたのはけっこうラッキーだったのかもしれません。筆者はアボカドを食べると著しく体調を崩す悲しい体質なのでアボカド抜きでオーダー。しかし出来上がった品には思いっきりアボカドが(笑)。でも言ったら無料で作り直してくれた上に、アボカド入りのやつも「友達にあげて」ってくれたので無問題。そして、ここのタコス、まじで絶品です。間違いなく現時点で人生のベストタコス……。また行きたいな~。ちなみにシアトルで共演し、今夜も再び共演するKEVLAR UPPERのみんなから合流してランチしようって連絡が来ていたけど、結局このときは合流できませんでした。またの機会に……。

 お次はストリートをぶらつこうということで“リトル・トーキョー”へ。その名の通りロスのダウンタウンにある日本人街。なぜそんなところに用があったのかというと、我々の友人であるTony(G*U*N*N, SEUDO YOUTH)とKiana(SEUDO YOUTH)がスタッフとして勤めているレコード屋「Going Underground」があるからです。「Going Underground」はレコード販売だけでなく、SEUDO YOUTHやG*U*N*Nはもちろん、2023年にBLACK HOLE招聘で来日したHOT LOADなど、地元の名バンドを中心にリリースを続ける重要レーベルでもあります。お店に到着すると2人が温かく迎え入れてくれました。そして筆者は散財に次ぐ散財……。日本だとバカ高い輸入レコードが日本のコロナ禍以前くらいの値段で買えるのでついウキウキしてしまい、吉村 弘の再発盤をアメリカで買うという奇行に走ってしまいました。やれやれ。

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Villa's Tacos
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ベスト・タコス・イン・マイ・ライフ。
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チェンソーが刺さっちゃってます。
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Going Underground Records
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Tony & Kiana夫妻。

 この通りでは他に、BOOKOFFとスニーカーショップに立ち寄りました。特にBOOKOFFはほぼオタク向けフィギュア専門店で、ほとんどブックの要素なしでヤバかったです(笑)。Caseyがちゃっかり『ONE PIECE』のフィギュアをゲトっていてさすがでした。

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OTAKUカップルがイチャついてた。

 さらに奥地へと歩みを進め、“リトル・アキハバラ”へ……。これはリトル・トーキョー内にあるビルの半地下通りで、どんな場所かは名前からお察しの通りです。CaseyとJeffが特に活き活きしていて微笑ましかったですネ。

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さらなる秘境へ……。
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アナザーアギトは渋い。
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今度いらないゲーム持って行って売ろうかな。
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ここは本当にアメリカですか?
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リトル・トーキョーは奥が深い。

 さらに観光タイムは続く……。かの有名なハリウッド・サインを一応見ておこうということで、グリフィス天文台へ向かいました。ド平日の木曜日だというのに観光客で激混み!駐車するのも一苦労でしたが、なんとかイン。ハリウッド・サインはもちろん、ロサンゼルスの街が一望できるほど見晴らしの良いナイスなスポットでした。1935年に建設された由緒正しい歴史スポットでもあるそうです。

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グリフィス天文台。
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見晴らし良すぎ。
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お約束の
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お茶目なCasey。
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Landonは天使。

 ひとしきり記念撮影などを終え、ライヴ会場へ向かう前に一旦荷物を取りにJeff宅へ。と、その前にもう1カフェインほしいということで、再び街のコーヒー・スタンドへ……。朝行ったお店とは違うところで、どんな味か気になりましたが、ややカフェイン中毒気味だったので遠慮しておきました。この店で、LAでフォトグラファーとして活躍しているKatさんとハングアウト。いやはや本当にGAGは顔が広い……。

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こっちでもストゼロ?
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SCOWLプロップス高いのね。

 今夜のヴェニューは「Hollywood Underground」。その名の通りハリウッドにあるらしいのですが、検索してもあまり情報が出てこない。どうやら最近使われるようになった場所のようです。着いてみるとビックリ。PA設備とスケート・ランプだけはあるものの、まじでただの地下室(笑)。ハリウッド・ダンジョンとも呼ばれているそうです。いや~、こういうのアガりますね。トイレすらないのにはさすがに面喰いましたが……。どうするの?って聞いたら、「駐車場とかでこっそり済ませて」と言われてブチ上がりました。施設として運営されているとかそういう感じではないみたいです。ちょっとスクワットみたいでしたね。摘発とかされないのかな(笑)。

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Hollywood Underground。
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Hollywood Undergroundの入口。
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しょんべん駐車場。

 ツアー・ファイナルの仕切りはロサンゼルス拠点の名ブッキングチーム「SOS BOOKING」。ハードコアの有名どころから我々のような海外ツアー・バンドまで、手広くショウをオーガナイズしているかたがた!共演もすでに友達のKEVLAR UPPERや、HOT LOADやSMUTのメンバー擁するDEATH RITESなど縁が深い面々。非常に楽しみです。

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Flyer for LA Show

 安定のサウンド・チェックなしなので、スタート時間までハリウッド散策開始!道路にレジェンド俳優の名前とかが刻まれていました。レストランやバー、古着屋など様々なお店が立ち並んでいましたが、それほどセレブリティ感はなかったかも?そういうブロックだっただけかもしれませんが。会場のすぐそばに「Nivessa Vinyl Records」というレコード屋があってトイレを貸し出してくれたのですが、イベント主催者が話を通していたのでしょうか?イベントのお客さんも遠慮なく使っていました。ちなみにイベント中にそのレコード屋に入ったら、ライヴの音が思いっきり地鳴りのように響いていて、完全に営業妨害レベルでした(笑)。懐が深い……。

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ハリウッドの街並み。
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もはや何の集団なのかわからない人たち。
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妙なマシンが野菜売っていてやばかった。
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愚かなのでまたブンイレのピザを買ってしまった。
 
 そんな感じで適当にフラフラしているうちにイベントのスタート時間に。トッパーはDEATH RITES!先述しましたがHOT LOADのメンバーらによるドス黒いメタルパンク!ひたすらリフがスラッシーかつ邪悪でかっこいいのですが、会場はコンクリート張りのただの地下室、音響もクソもないような環境なので、音がヤバいレベルで反響しまくってる(笑)。まあ、ロウ過ぎる環境故にイーヴィル度は逆に増し増しだったかもしれません。続くKEVLAR UPPERも相変わらずの土石流サウンド!!! 地元LAで観る彼らのパフォーマンスは格別です。またジャパン・ツアーやってほしいですね。

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DEATH RITES
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KEVLAR UPPER

 夜も更けるにつれお客さんも増え、環境も環境なのであまり対バンをちゃんと観られないようなカオスな状況に。まあ大盛況ということで。以前東京で対バンしたWRATHのメンバーや、TonyをはじめとするSEUDO YOUTH軍団も遊びに来てくれて大団円感ありました。そんなこんなでガヤガヤしていたため、3番手のGRAVERUSTと次のGRUDGEPACKERはちゃんと観られず……。前者はグラインド気味なダーク・ハードコア、後者はちょっとG.L.O.S.S.感のあるハードコア・パンクでした。ロスのシーンは深い。

 そしていよいよ我々のアメリカ西海岸ツアー・ラスト・ショウ……。ギュウギュウの地下室は半端ない熱気で、モッシュもイカつすぎました。おかげで着用していたTIVEの白シャツが真っ黒に(笑)。人間もビールも飛んでくる……。最前でCaseyが我々の演奏に支障が出ないようにいろいろサポートしてくれて泣けました。永遠にモッシュピットの熱が冷めないすごいライヴとなりました。小坂さんがほぼフルセットで撮影してくれたのでこの機会に公開します。ボロボロの演奏ですが是非観てみてください!

Photo ©@nate_phot0s
Photo by @nate_phot0s
Photo ©@nate_phot0s
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 トリのGAGは筆者もモッシュしすぎてほぼ記憶がありません(笑)。岡本さんも暴れ狂っていました。アメリカン・モッシュがハード過ぎて死ぬかと思いました。言うことなしの素晴らしいツアー・ファイナル!終演後、機材を片付けているとニコニコしたCaseyが機材ボックスの蓋の裏側を見せてきました。そこには……!!! あとは想像にお任せします……(笑)。最後までOTAKUの魂で魅せてくれました。ちなみに毎週アプリでジャンプラ読んでいるそうです。漫画も現行をディグっていて偉い。

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ツアーやばすぎて仮面ライダーになってしまった三浦くんとAdam。

 しばらく路上で和気あいあいとしていたのですが、我々は翌日朝早めのフライトで東京に帰還する予定。名残惜しくも宿に帰らなければならない時間に。ロスのみんなありがとう……。もっと遊びたかったぜ。

 帰りにチェーン店の「Raising Cane's」でフライド・チキン50人前くらいをテイクアウトし、Jeff宅で最後の晩餐……にしてはジャンキー過ぎる(笑)。最後の最後までアメリカンな感じで締めました。帰ったら野菜を山盛りで食べよう……。

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ささみのフライドチキンらしい。
Day 7: ロサンゼルス~東京

 軽く睡眠を取ってGAGの皆んなと別れのハグ……。寂しいけどまたすぐ日本で会えるね(2025年7月にGAG Japan Tourは無事完遂。「Brightside Booking」のヒデタくん本当にお疲れ様です!)。

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さらばAdam……。

 Jeffに空港までの直通バスが出ている駅まで送ってもらい、ガチのお別れ……。彼には最初から最後までマジで世話になりまくりました。この場を借りて、改めて大感謝!!! GAGはこのあと、シアトルに帰らずそのままfish narcとの1ヶ月近いツアーを開始するとのことで、スタミナすごすぎます。怪物だ……。なんなら少しだけでもそっちのツアーにも参加したかったですね。俺たちGothBoiClique育ちなので(大嘘)。

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Jeff兄貴……。

 無事ロサンゼルス空港に到着し、チェックイン。ここで筆者がお土産のレコード買いすぎ問題のため重量制限に引っ掛かるというお約束のプチ・ハプニングがありましたが、恐れることはありません。ゴネまくったらなぜか許されました(笑)。たまたま飛行機が空いてたから許されたっぽいので、良い子は絶対真似しないように。普通なら間違いなく追加料金取られます故……。

 フライトまで少し余裕があったため、朝兼昼ご飯を食べることに。みんなそれぞれ思い思いのショップで買い食いしたのですが、筆者は味覚が完全にバグってしまったため再びハンバーガーをオーダー。しかしポテトとドリンクのセットで3,000円くらい取られた上に、全然おいしくなかったです。悲しみ。あとZieさんが買った「PANDA EXPRESS」のチャーハンみたいなものを味見させてもらったのですが、なんとも言い難い旨味の薄い味でした。これも3,000円近くしたらしい。空港でお金を使うべきではないですね、わかってはいましたが……。

 帰りはZIPAIRの直行便で成田までひとっ飛び。いや〜乗り換えないの、楽過ぎて泣ける……。なぜかほとんど乗客がおらず、ガラガラでめちゃくちゃ快適でした。毎回こうだといいんだけど。寝たり寝なかったりしているうちに、成田に到着。無事、バンド初のアメリカ西海岸ツアーは幕を閉じました。

 このツアーを通じてたくさんの人たちと繋がりができましたが、GAGもIRON LUNGもほんの数ヶ月後に再会できましたし、他のみんなともバンドを続けていたらきっとどこかで再び相まみえるはず。小さな繋がりの連鎖からおもしろいことやいろいろなきっかけが生まれてくるから音楽はなかなかやめられないですね。

 ツアー・レポはこれにて閉幕。それではまたどこかで!!!

NEW REALM FEST 2025NEW REALM FEST 2025

2025年12月13日(土)
東京 渋谷 Spotify O-nest

開場 12:00 / 開演 12:30
前売 5,000円 / 当日 6,000円(税込 / 別途ドリンク代600円)
https://newrealmfest-jphc.stores.jp/items/68b111cb3fed3c53461a667f

Live
BIB / THE BREATH / Bruo / DESTINY BOND / DIKTATOR / DOLDREY / G*U*N*N / HONG! / House Of The Blood Choir / 鏡 KAGAMI / KLONNS / MASSPRESS / MurakuMo / MYSTIQUE / nervous light of sunday / SANOA / SEUDO YOUTH / SHUT YOUR MOUTH / THE SPIT / UNDERSCREEN / ZETTON

Food
豚富

Flyer
Kaya Nanba