文・撮影 | SAI
みなさんお元気でしょうか!私はだんだんと元気を取り戻してきました。
早いもので、もう年末ですね。今年も去年に引き続き大変なことはあったのに、過ぎてしまうと、なんだかとっても過去のことに感じる不思議……。来年は、コロナウイルスに惑わされない1年にしたいですね~。
さて、今月のレビューはTommy february⁶ / Tommy heavenly⁶について。
秋頃、気持ちが落ち込み過ぎたときに、2009年に発売されたTommy february⁶のベスト盤『Strawberry Cream Soda Pop "Daydream"』(トップ写真左)を購入しちゃいました。「je t’aime ☆ je t’aime」シングルCDと比べると本当にヴォリュームがすごい……!大き過ぎて画角に入りきらなかったです(笑)。フィジカルでこんなに豪華なセットを手にして、本当にワクワク & キラキラに触れてる気持ちを思い出しました。私は今、新作を制作中なので、「リスナーがワクワクするような良い作品つくるぞ~!」という気持ちを高めてくれる作品を手に取れて良かったです。
歳下のお友達と話したところ、Tommyを知らず、「ガーン!ジェネレーション・ギャップ……」となったのでご説明を……。Tommy february⁶は、the brilliant greenというバンドでヴォーカリストを務めている川瀬智子さんのソロ・プロジェクト。キキララとコラボレートしたり、MVも本当に可愛くて、大好きで大好きでず~っと観ていました。
そしてTommy heavenly⁶は、Tommy february⁶のダークサイド版。優等生キャラのfebruary⁶がお酒を飲むとheavenly⁶に変わってしまうという設定なのです。heavenly⁶のデビュー・シングル『Wait till I can dream』のMVはfebruary⁶のMV『Love is forever』と連続性があって、他では見たことのないキャラクター設定やストーリー性に感動した気持ちや、衣装や内装の可愛さの衝撃を、今でも思い出します。
Ms.Machine初期の頃は、好きな女性アーティストが活動し始めた年齢を調べて、自分と重ねていました。Tommy february⁶はソロ・プロジェクトを始めたのが26歳で、当時にしては意外と遅めだったんですよね(意識していませんでしたが、そう考えると私もソロ・プロジェクトを始めたのが26歳でした……)。
そして、指折り数えながら……大好きなheavenly⁶のデビューが28歳だと考えると、全然、まだまだいけるじゃん!とめちゃくちゃ希望もらいました。日本の価値観で年齢に押し込められず、30代もKawaiiを体現していた川瀬智子さん。本当にリスペクトです。
今年の10月にSony公式YouTubeチャンネルでMV公開されたのです!とっても嬉しい。
海外だと、SAVAGESのヴォーカリスト・Jehnny Bethはバンドを組んだのが28歳。Kim GordonがSONIC YOUTHを結成したのも28歳なんですよね。Wikipediaを読んでいたら、Kim Gordonは27歳まで楽器を触ったことがなかったと書いてあって。でも60代になる今でも現役で活動しているし、やっぱりすごいな、って思います。そう考えるとBIKINI KILLのKathleen Hannaもですね……!
これを読んでいて「活動し始めるの、もう遅いかも……」なんて思っている子がいたら「全然まだまだだよ~」と言いたいし、16歳の頃に「この年齢でデビューできなかったらもう終わり」なんて思ってた自分に、今の自分を見せてあげたい……!
年齢というプチ呪いのようなものを、自分でかけてしまってることから解かれる方法のひとつは、活動し続けることなのかな、って思います。Ms.Machineのメンバーは、あまり気にしないタイプなので一緒にいて気持ちが楽になったりしますね。
それでは、今年もみなさん本当にありがとうございました!来年もMs.MachineとSAIをよろしくお願いいたします。
■ 2021年8月6日(金)発売
Ms.Machine
『Vår』
BHR-030
https://linkco.re/AhvAxQTq | Bandcamp
[収録曲]
01. Vår
02. Sommer
03. Vår (Haven Remix by Golpe Mortal)
04. Vår (Storm Remix by ermhoi)
05. Vår (Burn Remix by Golpe Mortal) *
06. Vår (Rain Remix by ermhoi) *
* Bonus Track for Bandcamp / Vinyl
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現在東京を拠点に活動するヴォーカリスト / リリシスト / ライター。
2015年にバンドMs.Machineを東京にて結成。近年では坂本龍一 / 後藤正文主催イベント「D2021」に出演。また、アメリカのメディア・コレクティヴ「8ball」やシンガポール拠点のCNA制作番組「Deciphering Japan」が日本の女性にフォーカスした回に出演するなど、ワールドワイドに活動している。2020年末にUMMMI.監督のMV『Girls don’t cry, too』、2021年には待望の1stアルバム『Ms.Machine』を発表し、「FUJI ROCK FESTIVAL ’21」“ROOKIE-A GO-GO”に選出される。
ソロでの音楽活動は2019年夏にスタート。『音楽と人』誌への掲載や、InterFMのラジオ番組「sensor」への出演など、大きな話題となっている。2021年はシングル『記憶喪失』『Sonatine』や、ex-TAWINGSのヴォーカリスト・KANAEとの楽曲『Myway Highway』をリリース。9月には、野中モモ、奥浜レイラとの“私たちのシスターフッドミュージック”についての鼎談記事が『Numéro TOKYO』に掲載された。
また、音楽活動以外にライター/インタビュアーとしての側面も持つ。ウェブマガジン「AVE | CORNER PRINTING」では音楽や映画などについての記事を連載しており、これまでにICEAGE、野中モモ、Elle Teresa、そしてSAIが特に関心を寄せるスウェーデンの男女平等社会について友人のVeraとNellaにインタビューした記事もある。