映画作家・波田野州平が初の写真作品集『Before Us』をDOOKSから刊行


Photo ©波田野州平

 『旅のあとの記録』の「東京ドキュメンタリー映画祭2019」“短編部門”入選以降、近年は記録コレクティヴ「現時点プロジェクト」の一員として制作する『私はおぼえている』が各地の上映で好評を博している映画作家・波田野州平が、初の写真作品集『Before Us』(3,000円 + 税 | 25.7 x 18.2cm | 112ページ | コデックス装 | オフセット印刷)をグラフィックデザイナー / 写真家・相島大地が主宰するアートブック・レーベル「DOOKS」より刊行。併せて告知映像も公開されています。

 変貌しゆく東京駅周辺を2019年に1年かけて撮影した作品群を収め、2020年を経た現在には当初の意図とは異なる様相を帯びたという同作は、限定500部。1月6日から波田野のオフィシャル・サイトでの販売が開始されているほか、1月24日(日)まで東京・西荻窪 FALLにて開催されているDOOKSのポップアップ・ショップでも購入可能。

写真はおそろしい。私の狙いや意図など全く無視し、ある現実をまざまざと記録してしまう。
2019年の1年間、私は再開発真っ只中の東京駅周辺で、変容する街の姿を記録に残すために撮影をしていた。しかし2020年がやって来て、その目論見は全くの的外れだったことに気づく。記録に残されていたのは失われた街の姿などではなく、直後にやって来た「新しい日常」という言葉により切断され、古い日常へと追いやられた在りし日の私たちの姿だった。私は痛感した。自分が撮った写真に写っているものが、何ひとつとして見えていなかったことを。そして何を撮影するのかなど、自分では何ひとつとして決められないことを。
本当に写真はおそろしい。写真になった人々は時が経てば経つほど遠ざかり、以前の人々へと変容していく。目前にいる人々を撮ったつもりでいても、そんなものは写っていないのだ。ここに記録され辛うじて焼き付けることができたのは、その不在の徴だけだった。

――波田野州平

■ 2020年12月発売
波田野州平
『Before Us』

DOOKS | 3,000円 + 税
25.7 x 18.2cm | 112ページ | コデックス装 | オフセット印刷 | 500部
http://shuheihatano.com/portfolio/before-us

DOOKS POP UP SHOP
2021年1月6日(水)-24日(日)
東京 西荻窪 FALL
13:00-19:00

Gallery

波田野州平 Official Site | http://shuheihatano.com/
DOOKS Official Site | http://www.dooks.info/