短歌・撮影・音響 | UNCIVILIZED GIRLS MEMORY (玉野勇希, dotphob)
「(最初に戻る)」
反復 きれいに削除してねでも五月の雨がふるたびにまた
幼子の柔き足指 ささくれのヒトサシユビで幾度か触れ
長雨見ゆ猫の白黒境界線上にあぷりおりなる十全があり
新宿の縦横中央まんなかに巨大な虚が聳ゑ立ちおり
あや波を受けて倫理の揺るぎゆき泡立ちやまぬ吾妹の皮膚
滑やかな裸身 許されざる罪に半熟卵を崩し食む夜
ちりぢりに離散してゆくぱれゑどはそれぞれの街で弔われゆく
密葬はしづかにきみとふたりだけ光の海に舟を溶かして
熾天使の腕舐めゆる白刃の上 ほんたうの「さよなら」を知る
反復 記憶の底触る指先にざらつき覚え(最初に戻る)
UNCIVILIZED GIRLS MEMORY Bandcamp | https://uncivilizedgirlsmemory.bandcamp.com/