Column「アグネスの5次元パーラー」


文・撮影 | アグネスパーラー

| 第6回: ハーブティー

 小学校に入学する時、友達を100人作って、しかもその100人と富士山に登っておにぎりを食べないといけないという強迫観念が私にはあって、今だに春が近づくとあの歌のことを思い出しては「友達100人もできなかった。富士山もまだ登ったことない」と落ち込みます。それが私の春です。そして歌います。歌いながら思い出すのはもちろん小学1年生の頃のこと。お母さんが買って来てくれたキティちゃんの傘を「こんな子どもっぽいのは嫌だ」と泣いたこと、クラスでいちばん仲良しだった子がすぐ転校してしまったこと、6年生が優しかったこと、先生がお母さんみたいだったこと。いろんな思い出があります。私にとっての「1年生になったら」はどんなだったのか、理想の1年生になれたのかな?どうだったんだろう。そういえば小学生になったらバケツを持って廊下に立たされるんだというのは思い込みで終わりました。廊下に立たされたのは中学2年生のときでした。

 歌の影響もあるけど、どちらかというと春ってなんだか落ち込みやすいというか、花粉が飛べば涙が出て、思いがけず暖かい日に冬のコートを着ちゃった日にはすっかり自信喪失。つくしが顔を出せば下を向き、うぐいすが上手に歌えるようになればなるほどため息が出る。でも、ミモザが咲いて、沈丁花の香りがして、小さな虫が転がって、木々が新芽を出し、そうやって新しい季節の到来をめいっぱい感じることが多くなるとこちらも嬉しくなるというか、自然のエネルギーに負けそうになりながらもたくさん元気をもらっているなと、やっぱり春を感じるとワクワクしてきますね。嬉しいけど、涙が出る。それが春なのかも。

 そんな春はまさにデトックスに最適だそうです。いつも何気なくやっていることをやめてみたり、過剰になっていることを意識してみたり。季節の変わり目に自分の生活を見直してみる。パーラーも甘いシロップをやめて、やや敏感になっている心や身体に優しいハーブティーをご紹介したいと思います。オリジナルのブレンドなので、好きなハーブを増やしてみたり苦手なハーブを減らしてみたり、ハーブを揃えるのが大変な場合は市販ですでにブレンドされているものでも大丈夫です。今回は花粉症にも効いて、デトックス、リラックスの効果もあるハーブを選んでみました。今の自分に合うハーブは何か調べてみるのもおすすめです。春がもっと楽しくなりますように。

[材料]
| カモミール
| エルダーフラワー
| ペパーミント
| ネトル
| エキナセア
| フィーバーフュー
| ダンデリオン(タンポポの根)
※ 分量はカモミールとエルダーフラワーを3として、残りは1。好みで変えてもOK

[手順]
01 | ハーブを軽く混ぜて、1杯につきティースプーン1杯(約3グラム)を用意する。
02 | ポットに分量のハーブを入れて、90度のお湯(沸騰してから少し置いたくらい)を注ぐ。
03 | 3分ほど蒸らして、カップに注ぐ。
04 | 甘さが欲しいときは蜂蜜を足す。

アグネスパーラー agnesparlour

アグネスの5次元パーラー | illustration: あお木かな
illustration あお木かな
2010年よりオリジナルのシロップなどを使ってドリンクをメインにしたケータリングの活動を開始。ライヴ、展示、パーティ、蚤の市、商店街のお祭りなどに出店。執筆活動として鳥取のベーグル店「森の生活者」発行のジン『森と生活者』に寄稿中。

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