Interview | HiiT FACTORY


やることはひとつ

 2023年の現在に突如降臨したtrfスタイルのTKサウンド。昭和 / 平成~Y2Kの扱いがリヴァイヴァルを超越して一般化した令和の世にあっても再構築ではなく、もはやトラッドや古楽の再現として継承する方法論で話題沸騰中のグループがHiiT FACTORY。かつて共に「つばさレコーズ」に在籍し、Especiaを送り出したディレクター・横山佑輝(吉本興業 音楽事業部)とStereo Tokyoを手がけたマネージメント・水江文人(BANKU)が再びタッグを組み、若き時分より小室哲哉に師事してTKサウンドの秘伝を知り尽くした石坂翔太(よしもとミュージックパブリッシング)をメイン・コンポーザーに迎えた同グループは、いかにして生まれ、なぜ今世に放たれるのか。TKサウンド吹き荒れる往年には生を享けてもいなかったメンバーたちは何を感じているのか……。メンバー・Ai(vo | 以下 A)、Reyuna(rap, dance | 以下 R)、Yuzuka(dance | 以下 Y)、C-K(synth | 以下 C)と石坂(以下 )に横山(以下 )、水江(以下 )も加わった座談形式でお話を伺いました。

取材 | 南波一海 | 2023年5月

文 | 久保田千史


――かつての同僚である横山さんと水江さんがグループを手掛けるという話は以前から聞いてはいたのですが、HiiT FACTORYの曲を聴いたときはわけのわからない衝撃が走りました。やはりサウンド・プロデュースが最大の肝になると思うのですが、石坂さんはどのタイミングでこのプロジェクトに関わることになったのでしょうか。

 「メンバーさんが決まった状態で、90年代のリヴァイヴァルみたいなことをやりたいということを聞いて。僕は小室哲哉さんのところでやっていたので、ちょうどいいんじゃないかということでお声掛けいただいて、ぜひぜひという感じでした」
 「コンセプトはおもしろいからやりたいんだけど、じゃあ誰が曲を作れるのかっていうことになったんです。いろいろ考えていたら、運良く僕が吉本のレーベルにいたのもあって、待てよ、いるじゃんと。それですぐに電話しました」
 「当時関わっていた人は大御所になっているか、もう引退しているんじゃないかって話していたんですよ。しかも僕らも微妙に世代じゃないので、改めて調べたりしていたんですよね。曲は誰にお願いすればいいんだと言っていたら……」
 「石坂さんがいた。この人しかいない、と」

――石坂さんは実際、小室さんに師事されてきて、間近で仕事を見てきたんですよね。
 「はい。ずっと横にいて実際に作業を見てきているので、このお話をいただいたときは、自分で言うのもなんですけど適任だと思ったし、ぜひやらせてくださいと即答でした」
 「僕らのやりたいこと自体は決まっていたので、石坂さんに話をして、曲を作ってもらいつつ並行してメンバーを集めなきゃな、という流れだったかも」
 「ええと、調べますね。2022年の2月に横山さんとメシを食ってるんですけど、その日にそういう話になったんですよ。最近のことを話しているときに、90年代のリヴァイヴァルがくるよね、みたいな話があって。そこからオーディションが3月、4月くらいにあって、5月に石坂さんとリモートで話しました。初めての打ち合わせがめちゃめちゃ早かったのを覚えてます。15分くらいで終わりました」
 「そうだったんだ。全然覚えてない」
 「小室さんのイメージでやりたいと伝えて、石坂さんが“それを現代風にアレンジして……”みたいなことを言ったときに、“いやいやそうじゃなくて、まんまやりたいんです”っていう話をしました」
 「そうしたら、“まんまでいいのね?それだったら片目つぶってもできるわ”みたいな(笑)」
 「90年代を今風にリヴァイヴァルというかリニューアルしてかっこよくするという発注はけっこうあるんですけど、この打ち合わせのときは“そんなことはしなくていいんです。そのままで”って言われたのは覚えてます。逆におもしろいと思いました」
 「“実機があるんで引っ張り出してきます!”って(笑)」
 「実機で作りましたね。打ち合わせの時間が短かかったのは、それだけ発注が明確でわかりやすかったということに集約されているのかな、と思います」
 「打ち合わせが終わって2時間後くらいにはざっくりしたデモが届いて。めちゃめちゃオケヒットとかが入っていて、もうバッチリでした」

――展開が早すぎる!
 「こういうのは盛り上がっているときにやらないと」
 「機材は小室さんのものなんですっけ?」

――え!
 「そうです。そのときは本人の機材が家にあったので、本人が当時使っていたやつをそのまま使わせてもらいました」

――すごい話ですね……。メンバーのみなさんはオーディションを受ける際にこういう音楽性になるというのは知っていたのでしょうか?
Y 「Reyuna以外の3人は知らなかったんです。じつは、この4人の中で、Reyunaだけ一度書類で落とされていて」
R 「落ちて、別のダンサー・オーディションがあったんですけど、その詳細を見たら90年代と書いてあったんです。私、ちょうどそのときSPEEDの動画を観ていて。それでオーディションを見たら90sと書いてあったので、受けるしかなかったです。そうしたら、それが一度落ちた事務所のオーディションでした(笑)」

――そんな偶然があるんですか!ともかく、ダンサーの募集のタイミングでグループのコンセプトを知ったということなんですね。最初のオーディションでReyunaさんが落ちたのはどんな経緯があったのか聞いていいですか?
 「最初はInstagramで告知してオーディションをやって、応募が何百人とあったんですけど、審査基準を考えると絶対に通っているはずで。だから、僕らの事務処理のミスで落ちたっぽいです。その後、今のメンバーを含めて何人か合格したんですけど、ダンサーの子がひとり辞退したので追加募集しなきゃということになり、もう一度募集したときに来たのがReyunaでした。踊りを見た瞬間に、“この子が合格でいいじゃん、なんで落ちたの?”というレベルだったんです」

――なんでというか、落としたのは自分ですよね(笑)。ReyunaさんはどうやってSPEEDの動画には辿り着いたのでしょうか。
R 「もともと母親が世代なので知ってはいたんですけど、パフォーマンスを観たことがなくて。そのときちょうど大学進学を考えていて、活動するなら日本がいいと思っていろいろ観ていたときにたまたまSPEEDが目に入ったんだと思います。PVが、私たちからしたら新しくて、素敵で。普通にいい曲だなってスッと入ってきました」

HiiT FACTORY

――他のお三方は最初のオーディション合格組で、90年代がキーワードというのは知らずに入ったわけですよね。
Y 「実技審査の後、会議室みたいなところに集まって、こういうグループを作りたいという大まかな説明はしていただきました。そこから個人面談の期間を設けてもらって、“こういう企画だけど率直にどう思う?”と聞かれたりはしました」

――この方向性でいくけどいいですか、という確認があったんですね。
Y 「はい。私の場合は、同じ事務所の別グループのメンバー候補にも挙がっていると言われたんです。もうちょっとかわいらしいグループと、こっちのHiiTとどっちのグループがいいと思うか聞かれて、正直、迷いました。90年代の音楽も詳しくないので。でも、小さい頃に見ていたアニメのエンディングでTRFさんの“BOY MEETS GIRL”が使われていて、当時はすごく好きで口ずさんだりしていたんですね。それでHiiTのほうが向いているのかなと直感で思って、こっちがいいですという話をしました」

――他のお2人はどうでしょう?
A 「みんなは親の世代が聴いていたという話をするんですけど、私は親がフィリピンの人なので日本の曲はあまりわからなくて。だから90年代と言われても、正直、全然聴いたことがなかったんです。だから、知らないけどやってみるしかないかなって(笑)」
C 「私はその説明を受けたときは、小室哲哉さんが好きなので“あれ?運命じゃね?”と思ったんです」

――C-Kさんは小室さんのファンだったんですね。すごい巡り合わせ。
 「それありきで受かってるんですよね?」
 「そうです。グループのコンセプトは4人組で、ヴォーカルがいて、シンセがいて、ダンサーが2人いてという、TRFみたいなスタイルでやると最初から決めていたんですね。だから最初の面談で200人弱に会ったんですけど、いい子を4人採用してからパートを割り振るのではなく、ヴォーカルはこの子、ダンサーはこの子という感じで、パートを決め打ちで考えていたんです。オーディションのグループ面接では、王道アイドルが大好きで自分もそうなりたい!という子が多かったんですけど、Aiちゃんはたしか洋楽を歌ったんですよね」
A 「オーディションはアイドルみたいな子しかいなかったので、私、間違ったかな、やめようかな、と思ってました(笑)」
 「ヴォーカルの候補はひとりしかいないと思いました。でも、もしかしたら王道アイドルをやるかもって勘違いをされていたら困ると思って、翌日すぐに連絡して説明しに行きました」

――もちろんシンセ担当に該当する人もひとりしかいなかった。
 「ひとりしかいなかったです(笑)。好きな音楽を全員に聞いていたんですけど、だいたいがアイドルを挙げていくんですね。でも、C-Kだけglobeって言ったんです」
 「こっちも“え?あのglobe?”って聞き返して(笑)」
 「しかもピアノも弾くということで、じゃあこれは決定だということで」
 「globe好きでピアノも弾くといったら、やることはひとつですから」

――C-Kさんはglobeを好きになるのは何がきっかけだったんですか?
C 「知ったのは……ネットの報道からで」

――ポジティヴではないニュースから?
C 「はい(笑)。そこから興味を持って、いろいろ聴くようになりました」

――そんな入りかたもあるんですね。
 「C-Kという名前も本名から採っているんですけど、グループ名が決まるまではC-K projectという仮の名称で進めてました」
C 「えー。それは知らなかった」

――最初にできた曲は「Wake Up!!」ですよね。聴いたときは、マジか!と驚きました。パクリやオマージュではなく、もう根っこから小室さんのそれじゃないですか。
 「そう言っていただけると嬉しいです。もう迷いは一切なくできました。それこそやることはひとつなので(笑)。ヘタにかっこよくしようとすると小寒くなってしまうので、リスペクトを込めて、なるべくそのままやるという」
 「歌入れのときに石坂さんがコーラスを入れてくれたんですけど、エンジニアさんと“これはもうロスト・テクノロジーでしょ”って話してました(笑)」

――男性コーラスの入れかたまで完璧ですよね。
 「“すげえ!(TK)っぽくなった!こんなのできる人いなくない?”ってエンジニアさんもめちゃ笑っていたのを覚えています」
 「2才から聴いているので、マネするというより、もう、降ろすみたいな感覚なんですよ」

――降ろす(笑)。最高すぎます!メンバーのみなさんは「Wake Up!!」をどう感じましたか?
R 「私はTRFさんの曲は“EZ DO DANCE”とか有名な曲しか知らなかったので、特にそこと一致しなかったというか、新しいものに感じました」
A 「たしかに新しかった」
R 「そこで私はラップをやることになるんですけど、どうすればいいんだろうという悩みはありました」
 「僕がレコーディングで感動したのは、(Reyunaが)ラップパートを自ら書いてきてくれたんです。それがすごく良くて、上手いし、元の(仮歌詞)より全然かっこよくなりました。それで、これからもラップを任せたいなと」

――Reyunaさんはそういう経験があったんですか?
R 「書いたことがなかったんですけど、いろいろ見て研究して、あとはフィーリングで書いちゃえと思って書きました」
 「彼女はダンスをずっとやっているんですね。僕と横山さんの仮説で、ダンスがうまい人はラップもできるというのがあって、実際にやってもらったらめちゃくちゃ上手だったんです。だからラップのパートは自由に書いてもらってます。しかも、もう1パターン作ってみました、みたいな感じで勝手にどんどんやってくれるので助かってます」

――C-Kさんはもちろん好きな曲ですよね。
C 「最高です。聴きながら泣きそうになりました」

――泣くほど良かった(笑)。僕はみなさんに会うまで、HiiT FACTORYをどういう気持ちでやっているのか全く見当がつかなかったんですよ。でも、想像以上に素直に取り組んでいるんだなと。
 「今はともかくですけど、当初は心配していたことがあって。最初のレコーディングは当然緊張でみんな静かじゃないですか。それを見て、俺たちがやっていることは90年代ハラスメントなのかなと思ったりしちゃって」
一同 「あははは!」
 「一度、横山さんに電話して“本当にみんなは大丈夫なんですか”って聞いたことあります(笑)。若い人に90年代を押し付けて、おじさんたちだけで機材の話で盛り上がったりしていていいのかなと」

――大丈夫じゃない可能性がなきにしもあらずという(笑)。メンバーのみなさんは楽しくやれていますか?
Y 「はい。特にライヴが始まってからはメンバー間でも楽しいねって話してます。“Wake Up!!”の入りって強烈じゃないですか。最初は本当にびっくりしたんです。でも、今はこれがあたりまえになっているんです。ライヴでは、お客さんがこの曲でどういうふうに乗ってくるかを4人で考えながら取り組んでいて、どんどん楽しくなってきました」
R 「でも最初は温度差あったよね」
Y 「ああ、C-Kと他3人で好きな曲がわかれてたんだよね。C-Kは絶対に“Wake Up!!”がいいという人で」
C 「最初はだいぶ前のめりだったんだと思います(笑)」
R 「知識がないから同じ熱量で話せてなかったんですけど、そこから約1年、準備をする中でちょっとずつわかるようになってきました」
Y 「歩み寄りながらね」
R 「熱量も近づいてきたのかなって」

――準備期間を含めるともう1年くらい経っているんですね。ライヴ・パフォーマンスがかなりしっかりしているのも納得です。C-Kさんはシンセを積み上げるライヴ形態はどう思っているのでしょうか?
C 「私はすんなりと受け入れられました(笑)。機材もこだわっていただいて(※ライヴでは実際に小室哲哉が使用していたシンセが何台も積まれている)」
 「(YAMAHAの)EOS積んでますからね(笑)」
 「時代考証と言いますか、ここに今のシンセを積んでも違うだろうとなるので、積むならこっちにしてくださいと監修をしていただいてます」
 「新しいシンセがあった途端に楽曲の説得力がなくなるので」

――こだわるところがやばすぎますね(笑)。ライヴ活動を始めて間もないですが、見ている人のリアクションはどうなんですか?
R 「私は着実にステップアップしていると思っています。初回のときはTwitterを見ても、触れてくれる人がひとりもいなかったんですよ。最近は反響を少しずついただいているので、もっとがんばろうと思ってます」

――YouTubeにもアップされているTimeOut Caféのライヴでは、フロアでエクササイズも行われていて。
 「察しのいい人が何人かいて、“Wake Up!!”が始まった瞬間に爆笑されたり、“これ『EZ DO DANCERCIZE』でしょ!”とか言われたりしていました」
 「もちろん若い人に好きになってもらうのが一番いいんですけど、30代40代の人に“ここのスタッフ、やってんね~”みたいに思われるのも正解ではあるんですよね。まずは90年代が青春だった人にバチっとハマるんじゃないかと思っていて、今のところの反応を見ていると目論見通りで嬉しいなと思っています。それと、実は楽曲を小室さんに送りまして」

――おお!
 「小室さん好きを公言していいですかと聞いたんですけど、“僕の名前どんどん使って”とお墨付きをいただきました」
 「すごい話だ」
 「これは公認ということでいいのかな、と(笑)。若い世代がこういうことをやるのをすごく好きな人なんですよね」

――メンバーのみなさんは言ってしまえばごく普通の若者で、戸惑いはありつつも素直に楽しんでいるというのがわかったのがよかったです。
 「90年代に歌っていた本人たちもきっとそうだったじゃないですか。やっていることは高度で最新のことなんだけど、本人たちはやらされている感がある。それが時代にバチっとハマったんだと思うんです。“Wake Up!!”のPVを見せていただいたときに、音や映像だけじゃなくて本人たちの雰囲気もまさにそれっぽいと思ったんです。ここからどんどん慣れてきて、かっこよくなって、自分のやりたい音楽をやると自覚していく。そのプロセスを一緒に見ていけたらいいのかなと。それもまた90年代っぽいと思いますね」

――たしかに納得です。メンバーのみなさんはプロモーション・ビデオをどう思っていますか?
Y 「ちょうど4人で一緒に見たんですけど、配線が多いなっていう話はしました」

――そこですか!
Y 「当時のPVはよくわからない映像を途中で挟んでくると聞いていて。自分たちのはどういう映像になるんだろうと思っていたら、テレビにいっぱい線を繋ぐシーンが出てきた(笑)。最初のヴァージョンはもっとそれが多かったんです。サビが全部そうだったので、これでいいのかなと思ってました」

――最終的にはサビが配線のシーンだらけになるのは避けられたわけですね(笑)。
Y 「撮影のときも、ダンスをやらされてる感がいいから、あまり力を入れないで踊ってと言われたんです。私たちの世代だとK-POPが流行っていて、ガチガチに固めた綺麗なダンスに見慣れていたから、こんなにラフでいいのかなと思っていて。でも、完成したものを見たら、他のグループにはないものが感じられて。私はけっこう好きで何回も見ました」
 「配線も減ったし?」
Y 「減りましたね。ああ、よかった……って」
 「そんなに配線がイヤだったんだ(笑)」
 「実際、miniDVで撮ってますしね」
 「ブラウン管でチェックもしましたし。TVスポットも当時のチャラさを研究して作ったりしました」

――当時っぽいというところで言うと、「Love the World」にも驚かされました。ジャングルですね。
 「打ち合わせで、“Wake Up!!”はど真ん中をやったので、他に90年代は何がありますかねっていう話をする中で、ジャングルが出てきました。こんな曲どうですかねって都度都度やりとりしている中で出てきたアイディアのひとつですね」
 「吉本と言えばジャングルでしょうっていうことで」

――ジャングルなんだけど、一度小室さんを通過したジャングルと言いますか。
 「あくまでポップスなんですよね」
 「ディストーション・ギターが入っていてサビで転調する、ジャングル歌謡って言うんですかね。これを今できる人いないですよ」
 「やろうと思う人もいないですしね(笑)。ドラムンベースはまた流行ってますけど、本気でJ-POPのジャングルをやるかたはいないと思うんですよ。だからいい場所を見つけたかなと。ちなみにこの曲でギターを弾いているのが松尾和博さんで、当時の小室さんの曲のほとんどで弾いているご本人です」

――そうなんですか!話を聞けば聞くほど大変なことになってますね。
 「いい意味で本気でふざけているんですよね。これはガチなのかボケなのかどっちなんだろうって思ってもらえれば嬉しいです。モノマネではなく、リスペクトを込めてガチでやってはいるんですけどね」
 「先日のイベントではエアコンぶんぶんお姉さんが一緒だったんですけど、ファンのかたも驚かれていたので、特定の層にはぶっ刺さるのかなと」

――大人がキャッキャして止まらなくなってきたら、メンバーのみなさんは「それ90年代ハラスメントです」と言っていいと思いますよ(笑)。
R 「私たちもだんだん慣れてきました(笑)。レコーディングのときもみなさん盛り上がっているんですけど、わからないから話に入っていけないんですよ」
 「ただ、これは僕らが当時ハマった音楽でもなくて、現在進行形で勉強しているんですよね。僕とか横山さんも世代ではないので」
 「今の音楽業界に足りないものを世に提供したい気持ちでやっているだけなので。自分が若い頃にノイズ・バンドをやってたから、今の若い子にノイズをやらせたい、みたいなことではないんですよ」
 「……俺は気をつけないといけないですね(笑)」
 「あはは(笑)。でも、こればかりだとなぁという気持ちもあるので、オーセンティックなハウスやテクノっぽいものもやっているんですよね」

――「Eclipse」や「Fantasy」のような曲も素晴らしいですよね。
 「ボケ100%ということでもないよと。trfは当時の海外のレイヴのサウンドをそのままやったりもしていたので、そこも含めて踏襲したいと思っています」
 「メリハリをつけてね」
 「ヴォーカルのAiちゃんが絶妙にどっちもハマるので」
 「ソウルスキルでディーヴァみたいにめっちゃ歌い上げるとかではないんですよね。ライヴでは当時の曲のカヴァーもやったりしているので、ライヴ音源用にハモをレコーディングしたんですけど、オケに声がバッチリ合うんですよ。当時いてもおかしくない声の持ち主なので、このプロジェクトに適任だと思ってます」

――このあたりでそろそろ〆の時間になるのですが、メンバーのみなさんは初インタビューにあたってこれを話そうと考えてきたことはありますか?
C 「アルバムで好きな曲をそれぞれ考えてきました」

――おお!大事なことを聞きそびれるところでした(笑)。ぜひ教えてください。
Y 「私は“Eclipse”が好きです。振り付けをReyunaがしてくれたんですけど、ロボット感のある雰囲気で、他の盛り上がる曲とは違ったミステリアスな感じで。今ある曲の中で一番異質な存在なので、それが自分でも気に入ってます」
R 「私は“Step by Step”と“Red Pill”です。“Step by Step”は最後の、いかにもエンディングに向かう感が好きです。“Red Pill”はレコーディングのとき、THE PRODIGYみたいにって言われて。それで動画を見てみら、フェスでやっている光景しか思い浮かばなくなったので、ダンスの振りを作るのをやめました。ライヴでは何も考えず、純粋に盛り上がろうという気持ちで楽しくできる曲です」
A 「私は“Fantasy”と“Red Pill”。“Red Pill”はAメロも、サビのぶち上っていく感じも好き。Reyunaのラップも好きですね。“Fantasy”は“Wake Up!!”と同じくらいの時期にレコーディングした初期の曲なんですけど、そのときからずっとメロディが頭の中に残っています。全部英語の歌詞なんですけど、それが逆に歌いやすかったです」

――個人的には「Fantasy」の“Catch the groove”という歌詞が聞こえてきたときは耳を疑いました(笑)。令和でこのフレーズを聴けるとは。
 「ラップも今時ああいうハメかたしないですしね」

――素晴らしいと思います。最後はC-Kさんですね。
C 「“Wake Up!!”と“Step by Step”です。“Wake Up!!”はキャッチーですし、“Step by Step”はまさに小室さんが作るような雰囲気がたまらないんです。最高です」

――C-Kさんが本当に好きなのは伝わります(笑)。
C 「本当に最高なのでアルバムをぜひ聴いてください」

HiiT FACTORY Official Site | https://www.hiitfactory.global/
Ai Twitter | https://twitter.com/hiit_ai
Reyuna Twitter | https://twitter.com/hiit_reyuna
Yuzuka Twitter | https://twitter.com/hiit_yuzuka
C-K Twitter | https://twitter.com/hiit_ck
石坂翔太 Official Site @よしもとミュージックパブリッシング | http://www.yoshimotomusicpublishing.co.jp/creator/ishizaka.html

HiiT FACTORY 'AZYL'■ 2023年5月17日(水)発売
HiiT FACTORY
『AZYL』

https://lpm.yoshimoto.co.jp/90922/

[収録曲]
01. Wake Up!!
作詞 TONEAYU | 作編曲 石坂翔太
02. Love the World
作詞 石坂翔太・Reyuna | 作編曲 石坂翔太
03. Step by Step
作詞 Show Chick Boy | 作編曲 石坂翔太
04. Fantasy
作詞 PellyColo・Reyuna | 作編曲 PellyColo
05. Red Pill
作詞 PellyColo・Reyuna | 作編曲 PellyColo
06. Eclipse
作詞 PellyColo・Reyuna | 作編曲 PellyColo

((SynSation))FANTAZIA Presents
((SynSation))

2023年6月9日(金)
東京 恵比寿 TimeOut Café & Diner (LIQUIDROOM 2F)
19:00-
入場無料(別途ドリンク代 1,200円)※ HiiT FACTORYのTwitterをフォロー & DMでドリンク代無料

Live
エアコンぶんぶんお姉さん / HiiT FACTORY

DJ
DJ Chang Mai (ベッド・イン) / DJ POW

HiiT FACTORY in イオンモール

2023年6月11日(日)
愛知 名古屋 イオンモール名古屋茶屋 イベント会場
13:00-

HiiT FACTORY 1st Work Out "GOING 2 DANCE"HiiT FACTORY 1st Work Out
GOING 2 DANCE

2023年6月25日(日)
東京 渋谷 ON AIR NEST (現Spotify O-nest)
開場 11:30 / 開演 12:00
入場無料(別途ドリンク代)