この時代に生まれて音楽をやっている時点で
なおLuby Sparksは、3月17日(金)より東海岸3都市(ニューヨーク / ボストン / フィラデルフィア)、西海岸3都市(サンフランシスコ / シアトル / ロサンゼルス)の全6都市を回るUSツアーの開催を控えています。
取材・文・撮影 | 久保田千史 | 2022年4月
取材協力 | WWW(東京・渋谷)
――まず、オリジナル作品としてはシングル『Somewhere』(2019)、フル・アルバムとしては1st『Luby Sparks』(2018)以来ということで、それまでのペースと比較するとけっこう間が空いた感じがしますが、差し支えなければ理由を聞かせてください。
N 「1stアルバムは結成してわりとすぐに作って、そこからいろいろ活動する予定だったのが、ヴォーカルが抜けて。でもすぐにErikaが入って、ErikaのLuby Sprksとして早く作りたかった作品が前のEP(『(I'm) Lost In Sadness』2018)で、その後にシングルも出しているんですけど、今度はコロナ禍になって。毎月のライヴがなくなったり、予定していた中国ツアーとかも全部なくなったり。僕たちは外国のアーティストと日本で共演するパターンがけっこう多かったんですけど、一気になくなって。バンドとしての動きがなくなって1年くらい空白になったときに、ちょっとさすがにアルバムとかを作ったほうがいいんじゃない?っていうところで。Erikaがヴォーカルになってから正式なフル・アルバムがなかったし。でも曲が少なかったから、これまで作り溜めていた曲とか、そこから急いで作ったものとかを、だいたい去年?一昨年かな?くらいからレコーディングをみっちりして、その後のプロダクションみたいな作業をがっつりやって、やっとできあがったという感じです」
――なんとなくタイミング的に、シングル『Birthday』(2020)のディストリビューションを手がけたBurger Recordsの一件もショックが大きかったんじゃないかな?と感じていました。
N 「たしかに……。僕らはそこまでがっつり絡んでいたわけでもなかったんですけど、BurgerのSean(Bohrman)っていう人は日本に来ているときに会って、仲良くなって。海外で知られるきっかけになればいいな、と思ってコンピレーションに入れてもらったりもしました。でも、あんなことになって。あと、コロナもそうだし、Burgerの一件もそうだけど、なんというか、インディ・ロック自体の盛り下がりみたいなのを一昨年くらいから感じていて。全体的に“新しいことをしよう”みたいな雰囲気ではなかったような気がしましたね」
――Luby Sparksも、その雰囲気の一部になりかけた。
N 「そうですね……。コロナになる直前までは海外インディ・ロック、洋楽アーティストの来日がすごく多くて、かなり日本の会社も力を入れているな、っていう感じの時期だったので、ライヴを観に行ったり、さっきも言ったように共演したり、そういうところから影響を受けて、指標みたいなものを得られていたんですけど、一気にそれがなくなって。海外のアーティストは来ないし、こちらからも行けない。僕らは最初からわりと国外に目を向けていて、1stをイギリスで録ったりしたので、2ndでもそういうチャレンジをしたかったんですけど、それが遮断されたときに指標をひとつ失ってしまって。いろいろ考えを変えて、国内にも目を向けるタイミングになったと思います」
――その変化が、楽曲のコンポーズに影響している部分ってありますか?
N 「今までのLuby Sparksのイメージを払拭するぞ、みたいな意気込みはありました。でも、実はその前から、変えたいとは思っていて。『Somewhere』までは、けっこう僕がデモを作り込んで、それを弾いてもらうような感じだったんですけど、それがあまり、みんなの士気的には良くないな、っていうのを前回のレコーディングのときに感じて」
――士気、下がっちゃった(笑)?
E 「あはは(笑)。下がってはいないけど……」
N 「言われた通りにやるだけ、みたいになっちゃっていて、それはすごく良くないと思って」
E 「そういうのって、ライヴとかにも絶対表れるし。なんやろ、自分がやれば気持ちの入れかたも違うだろうし、実際ヴォーカルとしては、今の曲と、前のNatsukiが曲を作っていたときではパフォーマンスが全然違う」
N 「歌詞とかね。僕が書いた歌詞を歌ってもらうよりは、Erikaが自分で書いた歌詞のほうが気持ちが入れ易いっていう」
E 「うん」
――逆に、そういう変化に対するプレッシャーはありませんでしたか?
E 「何のプレッシャーですか?」
――これからはがんばって歌詞を書かなきゃ!みたいな(笑)。
E 「ないです(笑)。好きなんで」
――もともと書きたかったんですね。
E 「そうですね。子供の頃から遊びとかでずっと書いてたんで、そんなに苦じゃないというか。なんならもっとやりたいです」
N 「そういうのもあって、曲作りのやりかたを変えたんですよね。例えばTamioがギターで作ってきて、それをアレンジして歌を乗せてもらうとか。スタジオではそういう割り振りでやってみたんです。今まで全然やっていなかったことなので、前よりもっとバンドっぽくなったような気がしますね」
――ギタリストとしては、新しいLuby Sparksにどういう感じを投入していこうっていうイメージでしたか?
T 「特に意図していることはなくて、本当にやりたいことをやる、っていう感じでしたね。そういう意味で新しい感じがあったし、アルバム全体としては、ある種カオスなのかもしれないっていう感じですね」
――曲単位でいろいろ考えているっていう感じですか?アルバムとしては。
T 「そうですね、今回は、さっきNatsukiくんが言ったみたいに、とりあえず作って、良い感じだったものを詰め合わせるっていう……良い意味で。これいいよね、これもいいよね、あれもいいよね、っていう曲のを詰め合わせ。だから、なんか福袋みたいな……」
E 「福袋(笑)」
――(笑)。福袋も昨今、いろんなタイプがあるじゃないですか。ニーズに特化したやつとか。『Search + Destroy』はどんなタイプ?
T 「全体的にヴァラエティ豊富なタイプですね」
E 「上の世代とかは、たぶんアルバムを通して聴く文化がけっこう根強いじゃないですか。わたしの世代も、音楽好きな人とかだとそういう人が多いと思うんですけど、わたしたちより下だとサブスクが主流になるから、“アルバム全体”っていうところにそこまで拘らなくてもいいんじゃないかな?って思ったんですよね」
――なるほど。ある種、シングル編集盤みたいな。
N 「10曲入っているんですけど、全曲、作った時期が全然違うんですよ。僕がだいぶ前にひとりで作った曲もあるし、わりと最近の、例えばTamioとErikaのエッセンスだけでできてる曲とかもあるし。それをなんとか10曲の中に収めて、なんかアルバムって、僕は10曲か11曲のイメージがあって。1stも11曲で、1曲目はイントロっていうことで実質10曲なんですよ。やっぱり、ヴァイナルを出したときにA面B面で5曲ずつ、みたいなのが気持ち良くて。そういうのが好きで10曲にしたんですけど、もともとあった曲と新しくできてきた曲を混ぜたから、曲順を決めるのはすごく大変でした。一応なんとか流れを作りたくて、ストーリーっぽくしたんですけど。でも、さっきErikaが言ったみたいに、曲単位でなんか聴く人がやっぱりすごく多いと思うから、、今回は僕らもリリースのやりかたとしては先にシングルをたくさん出すことにしました。Spotifyとかって、アーティスト・ページを見ると絶対最初に聴かれている曲順が出るじゃないですか。アルバムの流れと全く関係なく、人気順だから。そういう面では、頭から最後まで聴いてもらうというよりは、1曲1曲を聴いてほしい」
――そうなると、最初に「Depression」に出会ってしまった人は、他の曲との飛距離に戸惑っちゃったりしそうですけど、そのあたりはどう考えていらっしゃるんですか?
N 「そのあたりはマネージャーの関さんも含めたみんなで相談して、うまくこう、驚かせるんだけど、突き放さないような順番で、“One Last Girl”出して、“Depression”でアゲて、次はまた“Honey”でちょっとキャッチーな感じ、“Don't Own Me”でヘヴィな感じにして、交互に見せるようにしました」
――その順番を考えるのも大変ですよね。でもやっぱり、アルバムを通して聴いても、これまでのバンドのイメージを考えると「Depression」はかなりインパクトあるように感じます。
E 「うん」
――マシナリーなドラミングが特徴的だと思うんですけど、どんな感じを意識して叩きました?
S 「う~ん、特に……普通ですよ。でも、アルバム全体的にけっこう激しめの曲調が多かったので、スネアのヘッドを変えたんですよ。それで硬めの音が出るようにしました。“Depression”だと、スネアのロールみたいな音が後ろにずっと流れているんですけど、それはけっこう苦労しましたね」
――あれはどういうイメージで叩いているんですか?
S 「最初はNatsukiが全然違う感じのを持ってきて、“こんな感じでやって”的に言われたんですけど、これはちょっとムリだろ……っていう感じになって、その場でなんとか、こうしようみたいな感じで」
――どんな難題だったんですか?
N 「最終的にエフェクトをかけて仕上がっているんですけど、エフェクトをかける前はどうなるかあまりわからなかったんですよね。プロデューサーには、スネアのロールを渡しておくから、これをいい感じにループさせてほしい、みたいに伝えたんですけど、どう仕上がるかわからなかったから」
――ライヴのときは、そこをどう対応しているんですか?
S 「完全に無視してやってます」
――そっか(笑)。
N 「これまではなかったことなんですけど、“Depression”は先にライヴ版ができて、その後に音源版を作ったんですよ。この曲はブレイクのところのドラムがけっこう肝だと思っていて。彼が持っている、何て言うんだっけ?電子ドラムみたいな」
S 「Nord Pad」
N 「そうそう、その音がかっこよくて、彼がそれの中で作った音が、このブレイクのところにすごくハマっているんですよね。ライヴでやったときに、そこに合わせて照明さんがストロボを焚いてくれて、すごくかっこよかったから、音源版にするときにそれをイメージして。MVでも、ストロボのイメージそのままなんです」
――ライヴから得たイメージを、テクノロジーの介在を経て曲にフィードバックしてゆくのはおもしろいですね。
N 「今回はアルバム全体でも、こう、生ドラムとプログラミングをいい感じに混ぜるっていうのがけっこう、テーマとしてありました」
――プログラミングの音が増えてくると、ドラムの人が一番大変というイメージがあります。同期とかもありますもんね。
S 「同期は大変ですね……。後からライヴの映像を観たりすると、けっこうズレていたりするんですよ。まあ、うん……大変ですね……」
――「Depression」についてNatsukiさんはNINE INCH NEILSを引き合いに出してTwitterで言及されていましたけど、僕は完全にCURVEやん!って思いました。
N 「(笑)。今回、個人的には他の曲でもかなりCURVEの影響を受けているんですよ。2年前くらいに、たまたまCURVEにめっちゃハマっていた時期があって、その期間に“Crushing”とかも作りました」
――“CURVEにハマる”っていうの自体が珍しくないですか?CURVEもLuby Sparksみたいにシューゲイズの文脈で語られはするけど、なんというか、多少イナたいイメージあるじゃないですか。だからシューゲイズ・ファンの間でも直球でCURVEが好き!って言う人、あまりいないんじゃないですかね?僕は大好きなんですけど(笑)。
N 「そうですね。本当にシューゲイズが好きな人にも、逆にNINE INCH NEILSとかインダストリアルが好きな人にも、どっちにもハマらなそうですよね。どっちからもダサいっしょって言われそうな感じ」
――うん(笑)。
N 「僕の感覚としては、シューゲイズの枠なんかより、もっとかっこよくない?って思うんですよ。今聴いたら、世界観も完璧だし、MVとかもめちゃくちゃかっこいいし、ヴォーカルの人(Toni Halliday)も超かわいいし、全然アリだと思って」
――その路線を狙ってくるのが、なんかすごいと思って。
N 「最初の頃のLuby Sparksはドリーミーな感じだから、そこからいきなり激しくなるんじゃなくて、狭間みたいなところを考えるとああいうバンドになると思うんですよね」
――CURVEもそうだけど、もっと言うと“Alan MoulderとFlood(Mark Ellis)の仕事”っていうか。NINE INCH NAILSとかスマパンしかり、THE JESUS AND MARY CHAINしかり。例えば、たぶんポストパンクが大好きな人って、U2はそんなに好きじゃないじゃないですか。
N 「うんうん」
――そういう人でも『Achtung Baby』は意外と好きって言いそうじゃないですか。その感じ。エレクトロニクスの多用も含めて。そういう方向性になっていったのには、やっぱりさっきおっしゃっていたインディ・ロックの元気のなさが関係しているのでしょうか。
N 「僕的には、単純に飽きたっていうところがあったんですよ。女性ヴォーカルで、ギターポップで、っていうのに。海外でもめっちゃ多いし、今もそれなりには流行ってるし。そういうのがいっぱいいるから、新しいことをしようとしている人に目が行くというか。Sasamiとか。1st(『Sasami』2019, Domino)は女性ヴォーカルのギターロックっていう感じだったんですけど、最近のアルバム(『Squeeze』2022, Domino)はめちゃくちゃメタルみたいになっていて」
――そうですね、MARILYN MANSONみたいになっていましたよね。
N 「そうそう。あれを聴いて、自分たちのやっていることは合っているのかな、共鳴できるのかな、って思いました」
――以前Luby Sparksが共演したNOTHINGもシューゲイズ枠に入れられがちだけど、Hospital Productionsの面々とツルんだりとかね。
N 「そう、NOTHINGも、本人たちはハードコア上がりだし、最近のアルバム(『The Great Dismal』2020, Relapse Records)ではめちゃくちゃプログラミングを使っていたりしますよね。あと、90年代後半~00年代初頭の映画のサウンドトラックを聴くようになったのも大きいです。Erikaからの影響なんですけど、まあ『マトリックス』(1999, ラナ + リリー・ウォシャウスキー監督)とか、『スポーン』(1997, マーク・A.Z.ディッペ監督)とか」
――『スポーン』!
N 「あとなんだっけ、そのあたりの映画……『クロウ』(『クロウ / 飛翔伝説』1994, アレックス・プロヤス監督)とかもそうか」
E 「うん、まあ、そうだね」
N 「そのあたりのサウンドトラックがめちゃくちゃ良くて。デジロックっぽいやつと激しめのやつとシューゲイズっぽいのが一緒になって、共通してダーク。ちょっとゴスっぽかったり。MASSIVE ATTACKとか。僕も彼女もそういう世界観がすごく好きなので、取り入れたらかっこいいだろうな、って思って」
――Luby Sparksの過去イメージ的にシューゲイズっていうアレで言うと、『クロウ』のサントラはMEDICINEとかも入ってますもんね。
E 「そうそう」
――“ゴス”も、いまや女性誌でピックアップされるファッショナブルなワードだと思うんですけど、けっこう世代によって感覚が違いますよね。“ゴス”と聞いて思い浮かべるものが違う。年長者だったら普通にBAUHAUSとかSOUTHERN DEATH CULTとかだと思うんですけど。
N 「そうですよね、僕的にそういう意味ではやっぱりTHE CUREなんですけど、Erikaはまたちょっと違って」
――Erikaさんにとってのゴス”はどんな感じ?THE CUREの「Burn」は『クロウ』の中でも大事な曲だから、繋がっている感じもしますけどね。MARILYN MANSONみたいにニューメタルをゴスに染める感じもあるし。
E 「う~ん、時代に合わせて進化しているものだと思う。昔のゴスって、ちょっと真似できないじゃないですか。ゴスじゃない人とはつるめない感じというか。ファッションも気合いを入れすぎていて、興味はあっても歩み寄り辛いというか。それでわたしはハマれなかったんですよ。今はもっとキャッチーですよね。誰でもゴスになれるし」
H 「申し訳ないっす、遅くなりました……Sunaoです」
E 「インタビュー中に乱入してくる奴みたいな(笑)」
H 「すいません……。ここいい?」
E 「しかも真ん中に座るんや(笑)」
一同 「(笑)」
――こういうやり取りだけでも、バンド内の雰囲気が良いのが伝わりますね(笑)。
E 「それで、なんでしたっけ(笑)。ゴスか。わたしはダーク・ヒーローみたいな映画が好きで、そういうところからけっこう取り入れたりします」
――じゃあErikaさんの“ゴス”は90s以降のゴスっていう感じですかね。
E 「まあそうですね。『クロウ』を小中学生の頃に観て。現実世界にいてもおかしくない人というか、逆にその世界観に自分が紛れ込めるくらいの感じというか、そういうのがわたしの“ゴス”かもしれない。そういう世界観に、80年代のゴスの人って絶対紛れ込めないじゃないですか」
N 「あれでしょ、海外のドラマとか青春映画とかって、ひとりは必ず“ゴス枠”がいるじゃん。そういうところでしょ?ゴス / ナードみたいな」
E 「うんうん。あと『ザ・クラフト』(1996, アンドリュー・フレミング監督)っていう映画が好きなんですけど、あれとか理想のゴスかもしれない」
――『バッフィ ザ・バンパイア・キラー』(1992, フラン・ルーベル・クズイ監督)とか、『トワイライト』(『トワイライト~初恋~』2008, キャサリン・ハードウィック監督)とか?
E 「そうそう!そのへんがわたしの“ゴス”かもしれないです」
――実は、アルバムを聴いて『トワイライト』感あるなあ、って思っていたんです(笑)。
E 「うわ、本当ですか(笑)」
――甘酸っぱい青春あり、血あり、闇あり、みたいな。
N 「それで、そこからエモに流れていく感じなんですよね。今回はエモの影響もErikaやTamioから吸収して」
――エモ今やもいろいろだと思うんですけど、どのあたりのエモ?
T 「いや、う~ん、そんなに特別エモを聴いているわけではないんですよ。“エモ”って言われてもバンド名とかあまり浮かばないし。曲を作るときは、あまり何かを参考にしないで、自分の中から出すんですよ。一応メンバーには、わかりやすく伝えるために“リファレンスでこういうのがある”っていうのを後付けで説明はするんですけど。だから、エモから影響を受けていて、このエモのアーティストが好きだからこういう風に曲を作って、っていうのはあまりないんです。“エモ”の感じっていうのは、ある程度は知っているし、ギターの部分では考えればわかるから、それを基に作った感じです。でもTHE APPLESEED CASTとか、あのへんのやつは一時期聴いていました」
――Deep Elm系だ。
T 「はい。90年代のアメリカのエモみたいな。全然詳しくはないです」
――さっきはゴスのお話をしましたけど、なんかこう、言葉として“エモ”と“ゴス”(とメタルコア)がクロスオーヴァーしたタイミングってあったじゃないですか。アシンメトリックな髪型でゴスいアイメイクをしているのが“エモ”みたいな。00年代かな。MY CHEMICAL ROMANCEが出てきた頃とか。そういう雰囲気も取り入れてるのでしょうか。
N 「Erikaはドンズバなんだよね」
E 「わたしマイケミ世代だから。めちゃくちゃ好きで。それもゴスっぽいものが好きになったきっかけかもしれないです」
N 「『サウスパーク』(1997~, トレイ・パーカー + マット・ストーン監督)に“ゴスキッズ”っていうキャラクターがいるんですけど、その中の一部が“エモキッズ”になる、みたいなエピソード(『Goth Kids 3: Dawn of the Posers』)があって。“おまえらエモに魂売ったんか”みたいなゴスキッズとエモキッズのバトルがあって、なんだかんだで最後はゴスキッズに戻るんですけど。結局は、“傍から見たら一緒じゃん”みたいな話なんすですよ。たぶん」
――それおもしろそうですね。わかりやすい。みんな観たほうがいいね(笑)。
N 「(笑)。僕はストレートにがっつりその時期の音楽を通ってきたわけではないので、後からErikaに教わって、やっと良さがわかったような感じです。全然どっちもいけるじゃん、って。カルチャーとかファッションの違いはあるんですけど、ちょっと耽美的なところとかは結局全部繋がってるな、って思っちゃって。自分が好きな80年代のゴスとかも、わりと1本に繋がってるのかな、って」
――そういうところが柔軟で素敵ですね。 4AD原理主義みたいな人だったら、絶対そういうの受け入れないじゃないですか。そうやって考えてちゃんとミックスしているのがすごいと思います。さて、到着したところで、Sunaoさん視点からのアルバム作りについても聞かせていただきたいです。
H 「う~ん、なんだろうな……。デモはけっこう、今回Tamioも加わってるけど、基本はけっこうNatsukiが作っていて、ある程度は仕上がったもの送られてくるんですけど、ギター・リフの、なんだろ、弾きかたとか、リフ自体にけっこうNatsukiっぽさみたいなのがあるんですよ。それを活かしつつ、でもSunaoのギターだな、みたいに思ってもらえるようにはけっこう、工夫というか、考えたところはあります。例えば具体的に言うと、Luby Sparksってけっこうスライドを多用するんですけど、それをなくすとLuby Sparksっぽくなくなる。そういう、“ぽさ”を活かしつつ、うまくバランスを取りながら“ぽさ”に繋がる要素で試行錯誤してみました」
――引くところじゃなくて、足すところでは、どんなことをやってみました?
H 「うーん、今回はけっこう引きまくりました。足算的には考えていなくて、ほぼほぼ引算。元のデモはギター・トラックがけっこう多かったから、このフレーズを残すんだったら、こっちはちょっと邪魔するからいらないよ、っていう。例えばシンセのフレーズを残すためにギターを削るみたいな。自分はそういう感じでした」
N 「僕がLogicでデモを作るときになんでもかんでも足しすぎちゃうから、それをけっこう引いてもらって」
H 「デモだと最初の段階では歌が入っていないんですけど、それに歌とかも加わると、けっこう歌を邪魔する要素があったりするから。それで引きまくる作業をずっとしていた記憶がありますね」
N 「僕は曲を作るときにギターを使うんですけど、ギターのコードが何もわかっていなくて、なんかなんとなくで作ってるんですよ。そこをギターの2人にちゃんと直してもらったり」
――なんか、Sunaoさんはちょっとプロデューサー的な感じかもしれないですね。Alan Moulderですね、ポジションで言うと。
H 「(笑)」
――さて、またちょっとアルバムのムードについてお話したいです。これまでのLuby Sparksと比較して、“ダークになった”みたいな反応があるじゃないですか。ここまでお話いただいた中でもわかるように、実際そういうところも大いにあると思うんですけど、全体的にはけっこうアッパーっていうか、華やかな、“スター”的なイメージが加わってるように思うんですけど、そのあたりはいかがですか?“ロックスター”というか、“スタジアム”というか。
N 「あ~、そうですね。僕的には、自分の歌のパートを減らしてErikaを完全にメイン・ヴォーカルとして位置付けて、“Erikaをロックスター・アイコンとするバンド”とか、そういう曲みたいなイメージはあったかもしれない」
――なんかね、ネトフリの『ブラック・ミラー』っていうドラマあるじゃないですか。あれでMiley CyrusがNINE INCH NAILSを歌うエピソード(『アシュリー・トゥー』2019, アンネ・セウィツキー監督)があるんですよ。
H 「わかります、ロボットになっちゃうやつですよね?」
――そうそう!最初はすごくポップなアレンジの「Head Like A Hole」を全然違う歌詞で歌っているんですけど、Miley Cyrusが闇落ちしたことによって解放されて、最終的にNIN寄りのヴァージョンとオリジナルの歌詞で歌うっていう。
N 「へー!おもしろそう」
――それが闇落ちにもかかわらず前向きでけっこう楽しい話で、近い感じが『Search + Destroy』の“スター”っぽさにある気がしたんですよね。この2年間、明るいことばっかりじゃなかったと思うんですけど、その中で明るい話題を作ろうとする意志みたいなところも感じました。気持ち的にはどういう感じでアルバムには取り組んでいましたか?
H 「どちらかというと、むしろ暗いイメージがありましたけどね。最初は」
E 「あー、うん」
H 「たぶん“Depression”とかが先にできあがっていたと思うんで。 僕個人としては、あまり明るくやろうとは思っていなかったです」
N 「たしかに激しめの曲が最初にできて。“Crushing”とか。そのあたりはやっぱり、さっきも言ったように、今までのイメージを覆した気持ちもあって、わざと激しいのを作ったりしていたんですけど、 そこから“10曲にしなきゃ”っていう段階になったら、やっぱりキャッチーなポップ・ソングも必要になってきて。僕たちはバンド・サウンドだけで最初に作って、歌は一番最後に入れるんですけど、バンド・サウンドの段階では“明るめ”とか“激しい”みたいなのがなんとなくあっても、やっぱり最後に歌をメロディを乗せると、一気に華やかになる感じはありますね」
――激しめの曲のアッパー加減もある種の明るさに繋がるイメージがあったんですけど、気持ち的にはダークだったんですね。
E 「(笑)」
N 「うん、でもバランスは取りたかったので、特別ダークなアルバムを作ろうっていうわけでもなかったんですよ」
――今回のNatsukiさんのヴォーカルは、なんとなくDavid Gahanを感じさせて。そこもポップさとダークネスのバランスを感じる要因になっている気がしました。
N 「あ~、DEPECHE MODE」
――声質は全然違うから、印象でしかないんですけど。声の張りかたとか、語尾を伸ばすときの感じとか。
N 「今回は、さっきも言ったみたいにErikaをメインに立てて、ハモリとか徹するようにしたんですけど、1曲だけ自分が歌う曲あって」
――「Closer」ですね。
N 「そうです。バンドの音がわりとシューゲイズっぽい感じではなくなったんで、ウィスパーな感じというよりは、もうちょっとグランジみのある感じになりたくて、自分の低めの声を活かせないかな?って思って。個人的にはFAILUREとか、ああいう感じを意識しました」
――えっ!Ken Andrews!?
N 「そう(笑)」
――僕FAILURE超好きなんですよ……。めちゃくちゃいいですね!たしかに、全体的にポスト・グランジ時代の雰囲気もあるかもしれない。ストーナーみすらある「Don't Own Me」はまさに、っていう感じですよね。FAILUREっぽさもあるし、ALICE IN CHAINSとか。ブルーズ・ロック進行のギターはこれまでのLuby Sparksのイメージ的に珍しいですよね。
N 「あの曲はほぼ完全にTamioがほぼ完成形のデモを持ってきたんですよ」
T 「“Don't Own Me”ではジミヘンのコードを使っているんですよ。けっこうジミヘン・インスパイアみたいな曲なんで」
――へえ~!なんか意外ですね。
T 「自分はクラシック・ロックなんで。もともとは。全然シューゲイズとかのギタリストじゃないのに、かっこつけてる感じなんだと思います」
一同 「(笑)」
――かっこつけるの大事です。いいじゃないすか(笑)。
T 「(笑)。自分的にはグランジを意識したっていうのは全くなくて、LED ZEPPELINとか、ジミヘンとかなんです。できるだけ一発録りで、あまり音を重ねないようにして。まあ音は重ねているんですけど、フレーズとしてはシンプルにするみたいな部分とかは、Jimmy Pageの影響です」
N 「あとコードがないよね。僕が作る曲だと、けっこうバッキング・コードにリード・ギターみたいな感じなんですけど、Tamioが作る曲はリード・ギター兼バッキング・ギターみたいな。リフだけで後ろにコードなし。そういうの僕は初めて」
――そっか~。グランジどころかさらに先祖返りという……(笑)。LED ZEPPELINからのSOUNDGARDENみたいな。BLACK SABBATHとかね。
N 「そうですよね、グランジが影響を受けていたものですよね(笑)」
T 「自分もここでブルーズの話をするとは思っていなかったです(笑)」
――(笑)。でも僕は、ジミヘンだって元祖シューゲイズみたいなものだと思ってますよ。
T 「そうそう。使ってるのがディストーションじゃないしね。Jimmy Pageとかもファズだし。それこそシューゲイズみたいにすごい使いかたで」
――拡大解釈の大切さっていう面もありますよね。そうそう、Podcastを聴いてErikaさんはL'Arc-en-Cielがお好きだって知ったんですけど、Luby SparksにおいてV系インスパイアとかってあります?もしあるとしたら、どう解釈しているのでしょうか。さっきのゴスの話に戻っちゃう要素でもありますけど。
E 「そうですね、L'Arc-en-Cielというか、HYDEさんのファッションの感じとかがけっこう好きで。聴いていたのもどちらかというとHYDEさんのソロなんですよ。めちゃくちゃ聴いていて。それはけっこう影響あるかもしれないです。歌いかたとかではなくて、“たぶんDavid Sylvianとかが好きなんだろうな”とか、そういうところですね」
――楽器隊のみなさんはどうですか?
N 「僕は全く通っていなかったんですけど、やっぱりラルクは周りに好きな人が多くて、Erikaも好きだって言うし、CURVEの人(Toni Halliday)が当時ドラムのYukihiroさんのソロ(ACID ANDROID)で一緒にやっていたりするから、絶対なにかしら近しいものがあるんだろうと思って、最近聴いてみているんですけど、めっちゃ良いんですよ」
――Natsukiさんのその探求心、好きです。Sunaoさんはいかがですか?
H 「僕はBUCK-TICKが好きですね。高校生くらいから聴いています。V系という広い範囲では全然聴いていないんですけど、ラルクとBUCK-TICKはけっこう聴いてました」
――BUCK-TICKって時期によってスタイルいろいろだと思うんですけど、いつ頃のBUCK-TICK?今のLuby Sparksの感じだと、『COSMOS』(1996)あたりかな?と思ったんですけど。
H 「いや、もっと前のやつですね。『TABOO』(1989)とか。BUCK-TICKを聴くようになった頃はちょうど、それこそTHE CUREとか、XTCとかを聴いていたこともあって、ニューウェイヴな感じでハマりました」
N 「『Search + Destroy』のレコーディングのときも、参考で挙げてたもんね」
H 「そうそう。あとアニメ版『屍鬼』(2010)のオープニングに使われていた曲(“くちづけ”“月下麗人”『RAZZLE DAZZLE』収録)とかも好きでした」
E 「でもわたし、ラルクとかって、V系だと思ったことなくて」
――たしかに。BUCK-TICKしかり、ご本人たちもいわゆる“V系”とは認識していないですもんね。失礼致しました……。
E 「ただ美に対する気持ちが強いっていうところがすごく好きで。MVとかにも彼らのそういう部分が出ていると思うんですけど、そのちょっとゴスっぽい感じとかも、小学校の頃に出会ったから、今になってすごく反映されてるのかな、って思います」
N 「そうだよね、やっぱりラルクとBUCK-TICKは“V系”っていうのとはちょっと違うよね。僕が後追いで聴いてみても全然、めちゃめちゃ耽美じゃん、って思うし。Twitterを見ていたら、“Depression”のサビがHYDEっぽいって言っている人がいて、なんとなくリンクしてくれている人もいるみたいで。そういうの嬉しいです」
――そうですね、「Depression」に限らず、すごくたくさんの要素が詰まったアルバムだから、いろんな音楽遍歴の人が楽しめ内容になっていると思います。『トワイライト』感とリンクするんですけど、往年のPARAMOREみたいな雰囲気もあるし。
E 「うんうん」
N 「PARAMOREとかAvril Lavigneとか、やっぱりErikaからの影響があって。サビの感じとか。彼女が作ったメロディラインは、僕からは出てこない。僕はけっこうメロディラインが黒玉というか、細かい動きをしがちで、白玉みたいな大きいメロディは出てこないんですよ。PARAMOREとかAvrilって、サビでめっちゃ伸びるじゃないですか。“One Last Girl”とかはその感じが出ていると思いますね」
――あ~、Avrilがポップパンク回帰しているのも、Luby Sparksの変化と繋がっている感じがしますね。『Love Sux』(2022)めっちゃ良かったですもんね。
E 「良かったですよね」
N 「ここ数年、Avril再評価みたいな感じもけっこうあったと思うんですけど、アルバムを作り始めた頃、たしかに……と思ってTamioとErikaに言われて聴いたら、すごく良くて。僕やっぱりAvrilも全然通っていなかったから(笑)」
E 「Avrilもそうだし、ポップパンクの再評価っていうのもあったよね。そのタイミングでアルバムを作り始めていたっていうこともあって、ポップパンクにかなり寄せて作ったところはあるから」
――Erikaさんはやっぱりリアルタイムでポップパンクに触れていた感じなんですか?
E 「めちゃくちゃ聴いてましたし、ライヴも行ってました。PUNKSPRINGとか行ってましたし」
――そうなんですね。Erikaさん的なポップパンクってどのあたり?僕は好きなフィールド的にNEW FOUND GLORYとかSET YOUR GOALSとかになっちゃうんですけど。
E 「世代的にはTONIGHT ALIVEとか。PARAMOREもそうですし、あとはBLINK 182、SUM 41だったり、スクリーモとかも聴いてました。ATTACK ATTACK! とか」
――ATTACK ATTACK! まじすか(笑)。
E 「うん(笑)。なんかいろいろ聴いてました」
N 「アルバムにはそういうエッセンスもけっこう入っていると思います」
――うん、わかります。またそれがめちゃくちゃいい感じで混ざっているのがすごいですよね。もしですよ、Erikaさんの要望で、ギターをダウンチューンドでフルメタリックにして、ブレイクダウンを入れてくれって言われたら、ギターのお2人はどうします?
H + T 「全然やる……」
――まじすか(笑)。
H 「なんなら7弦でビロビロにして弾きたい(笑)」
T 「ダウンチューニングは今回も“Don't Own Me”でやってますしね」
N 「でも、リンクしていると思うんですよね。そういうハードなロックの楽しみかたと、シューゲイズの楽しみかたとかって、なんか近い気がする。その狭間にDEFTONESみたいなのがいたり」
――たしかにたしかに。そうですね。
N 「僕はうるさい音楽は全然ダメだったんですけど、けっこうみんなの影響で徐々にそういうのも聴けるようになって、なめちゃくちゃ良さがわかってきたんで、アルバムを出した後にいろんな新しい方向性にも挑戦したいと思っています」
――やっぱり、その柔軟さがすごく素敵ですね。それが今のLuby Sparksをかたち作っている感じがします。頑なになってしまわないところがかっこいいです。だから、アルバム自体も素晴らしいんですけど、その先がすごく気になる内容でもありました。
E 「そうですね、私はジャンルに囚われずに、 ボーダレスにやれるバンドでいたいですね」
N 「僕はけっこう、アルバム毎に全然違うじゃん、みたいなバンドが好きで。そういうのが嫌で、初期ばかり良いって言う人もいっぱいいますけど、そういうのは頭固いと思う」
E 「うん。この時代に生まれて音楽をやっている時点で、もっとボーダーを気にせずにやっていい気がします」
――たしかに。そういう気持ちが伝わるといいですね。最後に、Erikaさんの歌詞について聞かせてください。これはちょっと言いかたがヘンかもしれないけど、昨今はノンヴァイナリ / ジェンダーレスな表現で素敵な歌詞がたくさんあるじゃないですか。そういうのも大好きなんですけど、その中にあってErikaさんの歌詞は、けっこう直球でボーイ・ミーツ・ガールのイメージなのが鮮烈だったんですよね。
E 「わたしはもちろん、いろんなセクシャリティ / ジェンダー・アイデンティティの人たちと共に歩んでいますけど、わたし自身は対象が男性だから、シンプルに考えたときに一番イメージが湧きやすいんですよね。それもあってボーイ・ミーツ・ガールで、しかも今まで歌詞を書くタイミングがなかったので、もっと“自分が思うボーイ・ミーツ・ガール”を書きたかったんです。Natsukiもけっこうボーイ・ミーツ・ガールの歌詞を書くんですけど、全っ然女の子の気持ちがわかってないんですよ。Natsukiだけじゃなくてどの男性もそうなんですけど」
一同 「(泣)」
――なるほど(泣)。「One Last Girl」の「なんでもない日に伝えてほしい」っていうくだり、とっても好きなんですけど、あの感覚はどういうところに端をを発しているんですか?
E 「男性の歌詞って、曲とかを聴いてると、だいたい壮大なことを歌っている気がするんですよ。わたしはそうじゃなくて、もっと手前のことを歌いたくて。生活においてだったり、もっと見えている中で求めていることが、歌詞に出ているんだと思う。こういうことを言うとボーイズは傷ついちゃうのかな(笑)」
――(泣)。具体的に、ボーイズは女心のどのあたりがわかってない?
E 「う~ん、なんですかね……。例えば、わたし一昨日くらいに髪を切ったんですけど、今のところ誰にも“髪切ったね”って言われてないですね」
一同 「(笑)」
――そういうとこですか。
E 「そうそう。“いいじゃん”とかも言ってくれないし」
T 「でも俺、最近服褒めてるじゃん」
E 「アピールかい(笑)」
H 「俺もこないだ……」
E 「そうだね、ありがとありがと(笑)。そう、みんな優しいんですけど、やっぱり恋愛の話とかしていると、あ、なんか全然わかってないな……って思います」
――(笑)。いや、僕は「One Last Girl」の歌詞を読んで、普段からそういうこと言ってほしいっていう気持ちって、世界が終わりに近づいてる感覚の影響があるんじゃないかな?って思ったんですよ。デイリーな感じに見えて実はアポカリプティック、みたいな。
E 「えー、そんなことないですよ」
――これが“壮大”っていうところなのかな(笑)。今言っておかないと、明日は言えないかもよ、みたいな。
E 「あ~、たしかに……。でも、もっと日常に根差した感じかもしれないです。恋愛を長くやっていると、なんかこう、落ち着いちゃって、何事もあたりまえになるじゃないですか。新鮮さもなく。女の子って、常に我儘でいいと思うんですよ。我儘なところを外に出していなくても、心の中ではすごく我儘な妄想を繰り広げていて。本当はウザいくらいでも言ってほしい。常にロマンチックでありたいんですよ。ドラマチックというか。これはあくまで私の意見ですけど、それって、どの女の子にも共通する話なのかな、と思って。そういうのが書けた」
――バンド内での関係性もそうあってほしい?ドラマチックなバンド運営、みたいな(笑)。
E 「バンド内ではそういうのないですよ(笑)」
――そっか(笑)。でも、Erikaさんのそういう気持ちも、今のLuby Sparksの良いムードにけっこう影響を与えているんだろうな、って感じました。なんかたくさん喋っちゃってすいません。ありがとうございました!たのしかった。
一同 「ありがとうございました!」
Mar 17 Brooklyn, NY – The Sultan Room
Mar 18 Boston, MA – The Lilypad
Mar 19 Philadelphia, PA – PhilaMoca
Mar 21 San Francisco, CA – Bottom of the Hill
Mar 23 Seattle, WA – LO-FI Performance Gallery
Mar 27 Los Angeles, CA – Resident
■ 2022年5月11日(水)発売
Luby Sparks
『Search + Destroy』
DDCB-12117
https://ssm.lnk.to/SD_LS
[収録曲]
01. Start Again
02. Depression
03. Honey
04. Callin' You
05. Crushing
06. Lovebites
07. Don't Own Me
08. Closer
09. One Last Girl
10. Search + Destroy
■ 2023年3月1日(水)発売
Luby Sparks
『Depression (No Joy Remix)』
DDCB-12117_5
https://lubysparks.lnk.to/Depression_NJ