Interview | Rachel (chelmico) x 多屋来夢


仲良くなるとけっこう早口

 3rdアルバム『maze』を8月26日にリリースしたchelmicoのRachel(以下 R)とフォト・ジン『多屋来夢 zine #1 “SPECTRUM”』を8月18日に刊行した多屋来夢(以下 T)。かねてから親交のあるおふたりに、出会いのきっかけから各々の活動や作品、アニメやゲーム、ペットの話まで、オンラインで語っていただきました。

 なお『多屋来夢 zine #1 “SPECTRUM”』の発売を記念して、CORNER PRINTING制作のオリジナル・トートバッグとのバンドルパックを20セット限定で販売します。ジンは多屋のサイン入り。トートバッグにあしらったデザイナー・くどうすみかによるオリジナル・ロゴは、本稿にも登場する多屋の愛猫・ゆずおをイメージしたものです。


進行・文 | 仁田さやか | 2020年8月
写真提供 | Rachel (chelmico) ・多屋来夢

――おふたりがお話するのは久しぶりですか?
R 「めちゃめちゃ久しぶりですね。Twitterとかでやりとりはしてるんですけど。実際動いている顔を見るのは4年ぶりくらいな気がするな」

――最初に出会ったのはいつ頃?
T 「2014年だと思う」
R 「そうだ。“ミスiD”っていうオーディションで、私が2013年に受けて、来夢が2014年で。出た年は違うんですけど、共通の友人がいたりして、みんなで仲がいいみたいな感じでした」

――お互いの第一印象は?
R 「ふふふ」
T 「ふふ」
R 「私は来夢がめっちゃかわいいって思って、私の周りでも、めっちゃかわいい子いるって話題になっていて。でもミステリアスだなって思ってた。あまりしゃべるタイプじゃなかったから」
T 「うん、あんましゃべってなかった」
R 「だから何考えてるんだ、この子!みたいな感じでした(笑)」

――今は印象、変わりましたか?
R 「今は……オタッキーな人、みたいなイメージですね(笑)。言うとき言う、刺すとこ刺す、みたいなイメージで接してますね(笑)」

――来夢さんから見たRachelさんの第一印象は?
R 「気になる!」
T 「えー。なんか、話しかけてくるお姉さん(笑)」
R 「親戚じゃん(笑)」
T 「自分から話しかけられないから」
R 「わかる」
T 「話しかけてくれるなって(笑)」
R 「来夢はけっこう気になって、話したくなっちゃって話しかけてた。別に全員に話しかけてたわけじゃないよ(笑)」
T 「あまり話しかけられないから、人から」
R 「そうなの(笑)」

――変わりました?印象。
T 「うん、どうだろう、最近会ってなかったから。でもDMしてくれたし」
R 「DMしてくれる人(笑)。でもInstagramとかで来夢が写真上げてると、かわいいからコメントしちゃう。私の中のテーマは、来夢のファン、来夢の強めのオタクっていう設定でコメントするのにハマってて(笑)。そういうコメントを毎回拾ってくれて、いいねとか押してくれてちょっとうれしいっていう(笑)。そういうやりとりしか最近してなかったね」

――DMやコメントを経て、『多屋来夢 zine #1 “SPECTRUM”』を観たRachelさんの感想を教えていただきたいのですが。
R 「まず、かわいい、ですよね。とりあえず、めちゃめちゃかわいいしか言えないですけど。なんでジン出すことになったのかなって気になってて」

『多屋来夢 zine #1 "SPECTRUM”』

T 「なんでだろ?わかんない(笑)」
R 「無意識(笑)?“FRED PERRY”めっちゃ似合ってる。来夢はもともと自分から発信、みたいなイメージがあんまりなくて。黙ってて、クールなイメージだったから、意外とこういう面もあるのね、っていう表情があって楽しめました。いやあ、本当になんでも似合うなあって。いろいろな表情ができるんだなって。めちゃくちゃいいです。来夢はどの写真が気に入っているとかあるの?」
T 「え?ふふっ」
R 「教えてくれよー(笑)」
T 「どうだろう。でも私的には表紙の写真が。ウサギ持ってるから」
R 「これめっちゃいい。この表紙と、寝そべってるシリーズの写真もいいね。このうさぎはどっから来たの?」
T 「なんか、落ちてた(笑)」
R 「落ちてたんだ(笑)。来夢らしくてかわいい。撮影とかモデルの仕事って好きなの?」
T 「うん」
R 「好きなんだね」

『多屋来夢 zine #1 "SPECTRUM”』

T 「他の仕事ができないから、っていうのもあるけど(笑)」
R 「確かに来夢働いてるイメージないもんな(笑)。来夢は怒ったりするの?これが嫌だとか、あるの?」
T 「人による(笑)。基本怒らない」
R 「基本怒らなくて、受け入れるけど、じゃあ来夢がされて嫌なことって何?」
T 「“おまえ”って言われるの」
R 「あー(笑)」
T 「男でも女でも嫌だ」
R 「“おまえ”嫌なんだ(笑)。“おまえ”とか言われなくない(笑)?」
T 「そういうことでしか嫌だと思わない」
R 「撮影の内容とかで嫌だとは思わないんだね」
T 「うん」
R 「どんな髪型させられても、どんなお洋服着させられても嫌じゃない?」
T 「まあ、いっかーってなる(笑)」
R 「へー。すごいなあ。“おまえ”はなかなか言われないと思うけどね(笑)。最近なにか好きなものある?ずっと変わってない?」
T 「うん」
R 「何が好きなの?」
T 「え、マジ変わってないよ。ハム太郎好き」
R 「ハム太郎ずっと好きだよね。めっちゃ好きだよね」
T 「うん、そうだよ(持っているポーチを見せる)」
R 「めっちゃかわいい、しかも最初のほうの絵のやつじゃん、かわいい!どのキャラが一番好きなの?」
T 「かぶるくん」
R 「かぶるくんが好きなんだ。グッズていっぱい出てるの?」
T 「今すごい出てる」
R 「ずっと好きだった?」
T 「うん。小さいときからずっと」
R 「1回も冷めないで?」
T 「冷めたけど」
R 「冷めたんだ(笑)」
T 「グッズがあまりなかったから」
R 「そのときは落ち着いてたけど」
T 「うん。でも見つけたら買ってたかな」
R 「そういうのって意外とばれてなくない?フィギアとかはSNSに載せてるけど、ハム太郎が意外と一番ばれてない気がする」
T 「そう」
R 「内緒にしてるの?」
T 「文章が苦手だから……。文章が書けない」
R 「SNSのプロフィール文がちょっと怖いもんね(笑)。エンって何(笑)」
T 「泣いてるの(笑)」
R 「どっから出てきたの(笑)」
T 「エンっていう言葉(笑)」
R 「半角だし。見づらいやつ(笑)。苦手なんだね。あんまり自分で、私、こういう感じです!みたいなこと言わないよね」
T 「言ったことないですね」
R 「でもハム太郎好きとかアピールしたら仕事とか来るかもよ?」
T 「でも……わかんない(笑)」
R 「わかんなくなっちゃったんだね(笑)。もし仕事来たらうれしい?」
T 「それはうれしい」
R 「うれしいよね。せっかくなら言えばいいのに。ちょっとずつ小出しにして。あんまりいきなりオタク感出すのはイメージと違うかもしれないけど。でも内緒にしてるんだね」
T 「うん、自分のこと言うの苦手だから」
R 「ずっと、小さい頃から?」
T 「うん」
R 「なんでだろうね?」
T 「しゃべるの苦手(笑)。小さい頃から苦手だった」
R 「ああ、そうなんだ。人見知りってこと?」
T 「そう」
R 「今も人見知りしてる?」
T 「してます」
R 「だと思ったわ(笑)。まあ久しぶりだもんね。私も久しぶりに見てかわいいって思ってドキドキしてるもん(笑)。毎回ドキドキしてるからね、私は」
T 「うそ」
R 「うん、普通に会うときも」
T 「なんか寿司食べたよね、Rachelの家で」
R 「食べたね。あのとき3人だったよね。モンハンして寿司食べたよね」

――それはいつ頃ですか?
R 「2016年だと思う。夏くらいだったかな」
T 「え、そんな前?」
R 「そうだよ。4年前だよ。こないだのように感じるけど」
T 「ヤバ!」
R 「ヤバいよね。経てるよ。どんどん来夢が会うたびにかわいくなっていくからね、毎回慣れずにびっくりするんだよ」
T 「いやいや、やめてくださいよ(笑)」
R 「今めっちゃ来夢のこと見てるよー」
T 「30分くらい前に起きた」
R 「あ、そうなの?ギリギリまで寝てたんだね(笑)。確かに来夢はあんまりしゃべらないから、みんなががんばってどうしたの?どうしたの?って聞きたくなる感じ」
T 「どの現場でもそうなんです」
R 「そうでしょ。大丈夫?お腹減ってない?暑くない?みたいな」
T 「プライベートでもそう(笑)」
R 「親戚の人見知りの子供みたいな感じ。大丈夫?って構いたくなる魅力がありますね」
T 「ありがとうございます」
R 「あはは(笑)。ところで私たちの曲って聴いたことあるの?」
T 「今回アルバム『maze』を聴かせてもらって。私はね、最初の曲が一番好き」

R 「“Easy Breezy”?」
T 「頭にすごい残った!」
R 「へー。アニメの主題歌だから?アニメは観ていないかな?『映像研には手を出すな!』っていう」
T 「あー知ってる!」
R 「本当?それがアニメ化してて、それのオープニングになってるんだよ」
T 「観よう。観る観る。普段あまり音楽聴かないから」
R 「確かに音楽の話あんまりしたことないね。ゲームの話ばっかりしてたね」
T 「アニメの曲しか聴かない」
R 「アニソンとか、ボカロとか?」
T 「そう」
R 「キャラソンとか?」
T 「そう。だから一番最初の曲が好きだったのかな(笑)」
R 「嗅覚が鋭いね。アニメの気配を感じたんだね(笑)。アニメ関係以外のジャンルは聴くの?マジでない?」
T 「マジでない」
R 「徹底してんなー(笑)。じゃあアニソン系の中で誰が好きなの?」
T 「えっ。キャラソンだと、声が変のキャラクターがいるんだけど」
R 「何のキャラ?」
T 「キャラクター名は覚えてない」
R 「作品名は?」
T 「『未確認で進行形』」
R 「知らないなー」
T 「めっちゃマイナーなアニメ」
R 「マイナーなんだ。そんなにいろんな人が観てないの?」
T 「私の友達で観てる人誰もいない」
R 「え、来夢だけが観てんの(笑)?」
T 「観てる人に会ったことない」
R 「ちょっと調べてみていい?やっぱり知らないなー。もともとはどうやって知ったの?」
T 「アニメ観て」
R 「アニメ全部観てるの?」
T 「うーん、あんま観られてないアニメが好き」
R 「キャラソンまで聴くってだいぶ好きじゃない?」
T 「これは声が特徴的過ぎて、おもしろくて」
R 「調べたら聴けるかな?あ、あるあるある。何ていう曲?」
T 「何だろ?いっぱいある」
R 「来夢しか観てる人いないって言うわりにはめちゃくちゃたくさんあるじゃん(笑)。“きっちんぱとろーる”?」
T 「そう(笑)」
R 「ちょっと聴いてみよう(携帯から音楽を流す)」

T 「声がね、赤ちゃんみたいな」
R 「確かに特徴的だわ(笑)」
T 「お気に入り。ないよね、なかなかない感じです」
R 「来夢おもしろいよねえ。隠してるよね。そこがギャップでいいけどね。いろいろ聴いてみるわ、『未確認で進行形』」
T 「うん」
R 「来夢って何歳だっけ?」
T 「23」
R 「23かあ」
T 「Rachel何歳?」
R 「27」
T 「あー」
R 「同窓会みたいなノリ(笑)。出会ったときから感覚的には止まってるからね。びっくりしちゃうね」
T 「だって私くらいの年齢だったよね?出会ったとき」
R 「2014年に出会ってるっていうことは、6年前だから21。来夢は17?」
T 「うん」
R 「大人じゃん!いつの間にか」
T 「大人になった」
R 「大人っぽいことしてんの?」
T 「お酒飲みます」
R 「すごーい!子供だったのに(笑)」
T 「今年から」
R 「飲みながらゲームやろうよ」
T 「楽しそう」
R 「楽しそうだよね。ゲームのID交換したからね」
T 「本当だよ!」
R 「1回もやってないけど(笑)。だって全然ログインしてないじゃん、来夢」
T 「『Dead by Daylight』以外にやってないの?」
R 「『Dead by Daylight』以外だったら、『Apex Legends』か、最近は『Fall Guys』」
T 「え?(調べる)」
R 「最近けっこう人気なんだけど」
T 「あー、はいはい。あ、これおもしろいって聞いたわ」
R 「来夢好きそう。わかんないけど、喜びそう(笑)。喜ぶ来夢の姿が見える」
T 「やってみる」
R 「全然ログインしてないからなー、来夢」
T 「今ね、箱に入ってる、PS4」
R 「出して!何でしまってるの」
T 「なんかね、箱に……」
R 「お願いだから出して」
T 「近々出すね」
R 「うん。やりたい」
T 「はい、やります。誘うから」

――来夢さんにも、Rachelさんへの質問を考えてきていただきました。お願いできますか?
R 「え、質問あるんだ?」
T 「っていうか、私が会ったとき、音楽やってなかったよね?」
R 「やってなかった」
T 「なんで始めたの?」
R 「それはWikipedia見てよ(笑)!」

T 「Wikipediaとか見ないから。Mamikoちゃんはたまに見かけた気がするんだよね」
R 「Mamikoは全然“ミスiD”とは関係ないんだけど、私と仲が良くて、よく一緒に遊んでて。だから“ミスiD”系のイベントで見かけたことがあるのかも。それこそ最初に私がMamikoとラップしたのが“ミスiD”主催の“シブカル祭。”のイベントで」
T 「あ、そうだった気がする!」
R 「そのイベントで初めてやったから」
T 「なんでラップやったの?」
R 「そのときラップにハマってて、“ラッパーなりてえ笑”ってTwitterに書いてて」
T 「(笑)」
R 「マジなめてんだけど(笑)。たまたまとそのとき“ミスiD”主催者の大林 司に“シブカル祭で何かやってよ”って言われて。でも私は特に特技とかないから出れないよ、どうしたらいい?って言ったら、“『ラッパーなりてえ笑』って書いてたからラップやればいいじゃん”って言われて。わかったーって言って。ひとりじゃ無理だからちょっと友達誘うねって言って誘ったのがマミちゃんで」
T 「えー、簡単に始めたんだね。じゃあ」
R 「けっこうそう。まあ1回だけのつもりだったし、最初はノリだった。5分くらいだったらいけるか、って思って」
R 「その時は、GOMESSっていうラッパーが友達だからGOMESSに作ってもらってやったのが、最初。そこからだんだんちゃんとやるようになったんだけど」
T 「ハマった?」
R 「うん。ハマった」
T 「自分で歌詞を考えたりするの?」
R 「うん、自分のラップの場所と、サビとか。“Easy Breezy”は私が書いてる」
T 「そうなんだ!」
R 「曲によるかな。マミちゃんと一緒に書くときもあるし。すごい?すごい?」
T 「はは(笑)。すごい。遊んでたときもやってなかったよね」
R 「やってなかったと思う。あ、でもギリやり始めたくらいかも」
T 「ここまでではなかったよね」
R 「うん、趣味くらいの感じだった。バイトしながらラップして、みたいな。ちゃんとアルバム出させてもらうようになって。意外だよね」

T 「私は絶対音楽無理だ」
R 「来夢は歌わないの?」
T 「無理です」
R 「しゃべるのは無理でも歌うのはアリとかじゃないんだ」
T 「声出すのが基本無理かも」
R 「声基本NGなんだ。じゃあ例えばすごい好きなアニメに、“ゲスト声優で出てください”って言われたらどうする?」
T 「え、それは考えるわ」
R 「あはは(笑)」
T 「今まではそういうことは考えないで無理って言ってたけど、それなら考えてみる」

――ずっと言い続けてたらやれそうな気がしますよね。
R 「うん、そしたらグッズとかもらえるかもよ」
T 「え、うそ!」
R 「可能性あるよ。言いまくれば(笑)。めっちゃ好きじゃん」
T 「ねえまだアニメ観てる?」
R 「最近観なくなっちゃった。それこそ主題歌やってたから『映像研には手を出すな!』見てたけど。昔のアニメはまた観てて、『デジモンアドベンチャー』とか観てるよ」
T 「(笑)」
R 「なんで笑うの(笑)。Netflixとかで観られるよ。あ、『ドロヘドロ』とかも観た。観た?」
T 「観た」
R 「最近のは知らないなー。『未確認で進行形』も知らなかったし」
T 「あれはけっこう前だよ」
R 「あ、そうなんだ。最新のは何が好きなの?」
T 「“俺ガイル”(『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』)とかじゃない?」
R 「あー最近話題だよね。私はゲーム配信が好きでよく観てるんだけど、出てる人が“今期は『俺ガイル』が熱いんじゃないすか”って話してて。ああ、そうなんだって」
T 「オタクの話し方(笑)」
R 「2期がどうのこうのって」
T 「今3期やってる」
R 「今3期か。じゃあ“俺ガイル”観ようじゃあ。“俺ガイル”観たら来夢と仲良くなれるの?」
T 「うん、でも私の友達で観てる人いない(笑)。意外とオタクの友達少ない」
R 「少ないんだ。なんで?知り合えないの?」
T 「その前にまず友達自体が……」
R 「まずそもそもね、友達がね。来夢は知り合う機会があるとしたら撮影の現場とか?」
T 「うん、でも撮影の現場で友達になったことあんまないかも」
R 「ないんだ」
T 「ほら自分からしゃべれないから」
R 「そっか(笑)。なりたいと思っている人はいっぱいいそうだけどね」
T 「そういう人たちと出会わないと」
R 「自分から友達になりたいと思った人とかいないの?」
T 「……いないかも」
R 「悲しい~(笑)。まあ、無理に作る必要はないけどな」
T 「うん、ないかも。自分からは本当にないかも」
R 「じゃあ今の友達はだいたい話しかけてくれた人?」
T 「だいたいそう」
R 「しず(水野しず)とかは?」
T 「しずも。話しかけてくれた。最近全然会ってないけど」
R 「今なかなか会えない状況だもんね。時代的にね。いつか会おうね」
T 「いつかって(笑)。うん」
R 「それまではリモートとか、ゲームで会おう」
T 「イベントもしてないの?」
R 「ライヴができない。配信とかしてるけど」
T 「配信してるんだね」
R 「うん。でもお客さんを入れてはイベントはできないから」
T 「ライヴってさ、楽しいの?」
R 「え(笑)?やってて楽しいかってこと?」
T 「うん」
R 「うーん、難しいな。楽しいよ。楽しい。緊張もするけど。めっちゃ」
T 「緊張するんだ!」
R 「するする」
T 「そういう人たちって緊張しないのかと思ってた」
R 「いやーするよ。怖いよ。最初が一番怖い」
T 「そうなんだ」
R 「助けてーって思いながら出てるよ(笑)」
T 「えーそうなんだ(笑)」
R 「そうだよー。でも来夢はやっても楽しくないだろうけどさ。声出したくないから」
T 「私は本当に嫌だからさ(笑)」
R 「じゃあダンスは?」
T 「絶対無理だよ(笑)」
R 「動くのが基本無理?」
T 「うん、動くの無理」
R 「じゃあさ、モデルの撮影の時にちょっと動いてって言われたりするのは大丈夫なの?」
T 「それは大丈夫」
R 「なんでだよ(笑)!本当にモデルの才能に恵まれているんだね、きっと」
T 「ライヴは本当に無理かも。イベントが苦手」

Rachel (chelmico) x 多屋来夢 ©Rachel ©多屋来夢

――ランウェイはどうですか?
T 「あー、それならまだ大丈夫かも。しゃべらないからかな。声出さないから」
R 「その基準デカイな~(笑)。声出さない基準あるな~。ちょっとイメージないもんな、声を張って“みんなー”って言ったりしてるの」
T 「絶対無理だよー」
R 「でもけっこう、モデルでもそういう元気いっぱいの人っているでしょ」
T 「うん、いる」
R 「そういう人見てどう思うの?」
T 「すごいなって思う」
R 「ははは(笑)」
T 「でもライヴとかそういうことする人もそっち側だから、私的には」
R 「やってんなーって(笑)?」
T 「緊張とかしないのかと思ってた」
R 「めっちゃするよ、するし、自分もライヴでイェーイとか言うけど、イェーイみたいな人は全然得意じゃない。友達できないもん、私も(笑)。めっちゃ明るい人とは仲良くなれないなって思うし。でもばれないようにしてるけどね」
T 「ばれてないよ」
R 「隠してる、ちゃんとそこは」

――今までのお話だとおふたりはタイプが違う印象なんですが、共通点はありますか?
R 「うーん、ないんじゃないか?どう?あるかな?」
T 「似てるところはないかもね(笑)」
R 「全然違うから来夢と話してて私はおもしろいし、いいなって思うんだと思う」
T 「たぶん私が、私と同じような人とは友達になれないんだと思う」
R 「たしかに。だって離れっぱなしだもんね、たぶん。来夢と友達になる人はみんな来夢とは違うタイプなんだろうね。そもそもあんまり来夢みたいなタイプの子はいないけどね」
T 「え、うそ」
R 「見たことないもん。来夢みたいな人。私は悪いと思いつつも“明るい人”とか“おしとやかな人”とか自分の中でカテゴライズして、その中で話しやすいところを探ってコミュニケーション取るんですけど、来夢は“来夢”というカテゴリーだから」
T 「ふふふ」
R 「だからおもしろい」
T 「仲良くなるとすごいしゃべる」
R 「仲良くなるとけっこう早口」
T 「そう、早口。オタクだから(笑)」
R 「早口が出てくる(笑)」

――来夢さんのお友達はどんなタイプの人が多いですか?
T 「だいたいお世話してくれる人が多いかも」
R 「なるほどね。確かに、そうかもね。みんなお世話するかも。私もお世話したいもん。お世話好き」
T 「お世話されるのがすごい好きだから」
R 「あ、お世話されるのが好きなんだ(笑)。別になんとも思ってないんだと思ってた! お世話されるのが好きっていうのは朗報だな」
T 「ふふ」
R 「いい情報を得たな」
T 「そう。だからそういう人の周りにいるんだと思う」
R 「佳苗さん(東 佳苗)とかもそうだもんね」

――お互いに今後こういうことをやってほしいな、って思うことはありますか?
R 「私は来夢のコアな部分が世の中に出ないかなって思ってますよ。今は本当にマジでかわいいけど、そのかわいさの奥にヤベーもの隠してるから、それが見えたら一気に来夢の人としての魅力が伝わるんじゃないかなっていうか。でもそしたら淋しいな(笑)」
T 「えー(笑)」
R 「私だけが知ってる秘密がいいな(笑)。まあそこはどっちにしても、来夢が来夢の好きな仕事できたらおもしろそうですよね。あとは、本当にスタイリングとかカメラマンとか全部バラバラの、俺が思う最強の来夢集みたいなのが見たい(笑)。それぞれどんな色でも来夢はできると思うから。今回はいい意味で統一感もあって、パーソナルな感じになってると思うんですけど、それとは違ってバラバラな来夢もみてみたいかも」

Rachel (chelmico) x 多屋来夢 ©Rachel ©多屋来夢

――来夢さんは?
T 「私がアニメが好きだっていうのもあるけど、声優やってほしい」
R 「えーやってみたい(笑)。一緒にやろ(笑)」
T 「一緒に(笑)?」
R 「一緒にって、予定ないけど(笑)」
T 「Rachelは主題歌をやっているなら、できそうな感じもする」
R 「確かに。ゲスト出演とか」
T 「ラップするキャラクターで、できそうじゃない?」
R 「お願いします!お仕事ください(笑)!」

――ふたりでお仕事できたらいいですよね。
R 「そんなトリッキーなキャスティングないと思いますけどね(笑)。でもやれるならめちゃくちゃ頑張ります。あ、『アメトーーク!』みたいに、来夢がひたすら私にアニメ作品教えてくれるのやってみたい」
T 「ふふ」
R 「そうなんだーってずっと言いたい(笑)。あ、ねこちゃんがきた。ゆずお?」
T 「うん、ゆずお」

――Rachelさんはペットを飼ったことは?
R 「前に猫を飼ってたんですけど、今はいろいろな事情があって友達が飼ってます。1匹私が飼ってて、一緒に住んでた友達が拾ってきて2匹飼ってて、その2匹がすごい仲良くなっちゃって。私がその家から引っ越すことになったときに、2匹を引き離すのがかわいそうになっちゃって。それでお世話お願いしますっていうことになって。たまに会いに行って。離婚した親みたいな感じ(笑)。たまに写真送ってもらったりしてる。仲がいいね、あなたとゆずおは」
T 「仲良しだね」
R 「かわいい。抱っこされても全然嫌がらないね。あ、その写真集も観てみたい!」
T 「この猫が私以外が無理だから、カメラマンが来ても難しいと思う」
R 「他の人がいると落ち着かなくなっちゃう?」
T 「うん」
R 「じゃ、自撮りだね。セルフ・ポートレートで」

――お互いに、おふたりが知り合った頃からは目標とか夢って変化していると思うんですけど、どんなふうに変わってきていますか?
R 「私はもともと夢とか目標とかはあんまりなくて、その時々で好きなことができていたらいいかなって思ってて」
T 「私は夢とかないんだよね(笑)。仕事に対して本当にされるがままだから、今までも自分がこれやりたいとかあんまり言ったことないかも。あ、でも自分のことはあんまりなんだけど、人形やろうって思って。自分のしたいことはみつかんないけど、人形でしたいことはマジ一生出てくるから」
R 「そうなんだ!」

――ご自身で作っているんですよね?
T 「作ってます」
R 「そうなんだ!」
T 「カスタム以外にも、服とかウィッグとか作ろうと思って」
R 「ウィッグってどうやって作るの」
T 「工場にお願いして、自分の作りたいスタイルを送って。今それをやってる」
R 「すご!」

――何作くらい今まで作っているんですか?
T 「自分の名前で出したのはまだ3つくらいで、ヤフオクで出品してるんですけど」

R 「え、商売してるんだ、すごっ!プロやん。えー、知らなかった!」
T 「その一式を自分でやりたくて」
R 「頭のてっぺんからつま先まで来夢がプロデュースしたドールを出品してるってこと?」
T 「いや、それをしたいから。今はメイクしかできてないんだけど」
R 「そういう塗装のがあるんだ」
T 「うん」

――一体あたりの制作時間はどのくらいですか?
T 「ずーっと集中してやったら1日で終わるけど、私はちょこちょこやってて、疲れたらすぐやめちゃう(笑)。1過程ずつやってる。作ってからもどんな洋服着せて写真撮ろうとかも考えるから」
R 「それもあるんだね。自分自身はされるがままだけど(笑)」
T 「そうなの(笑)」

――いつから始めたんですか?
T 「集めるのは3、4年くらい前から。カスタムし始めたのはここ1年くらい。服とかウィッグとか、人形のものを売る自分のブランド作れたらいいなって。きっとそれがみんなは自分が着たい服とかなんだろうけど」
R 「すごいね。でもドール作家としての道を歩み始めてたんだね。ドールを私にも見せてくれよ~。楽しそう!」
T 「実物見ると意外とでかいって感じると思う」
R 「へー!」

――いつかドールでchelmicoとコラボしてほしいです。
R 「それおもしろいですね」
T 「めっちゃいいじゃん(笑)」
R 「chelmicoドール!ヤバい!いいね」

chelmico Official Site | http://chelmico.com/
多屋来夢 Official Site | https://www.tayaraimu.com/

chelmico『maze』通常盤chelmico『maze』初回限定盤■ 2020年8月26日(水)発売
chelmico
『maze』

初回限定盤 CD + DVD WPZL-31762/3 3,500円 + 税
通常盤 CD WPCL-13220 2,800円 + 税

https://chelmico.lnk.to/maze

[収録曲]
01. Easy Breezy
02. Terminal 着、即 Dance
03. jiki
04. どうやら、私は
05. maze
06. Limit
07. いるよ
08. ごはんだよ
09. Premium・夏mansion
10. Disco (Bad dance doesn’t matter)
11. エネルギー
12. milk
13. GREEN

『多屋来夢 zine #1 "SPECTRUM”』■ 2020年8月18日(火)発売
多屋来夢
『多屋来夢 zine #1 “SPECTRUM”』
NICHT.inc | 16ページ | 1,819円 + 税