文・撮影 | SAI
| Skarp V
Skarp Vは、2018年にアルバム『Eskapism』をリリースしている弱冠20歳のスウェディッシュ・ラッパー。FRiDLYSTというクルーにDJ / トラックメイカーとして参加しています。現在は、キルナというスウェーデン最北の地域からマルメに活動拠点を移して活動中。マルメはデンマークの首都コペンハーゲンやドイツに近く、アーティスト活動しやすいというのを耳にしたことがあります。
今年の冬にレコーディングでスウェーデンに行った時、タイミングが合って彼のライヴを観ることができました。ハードコア・バンドSETTLEMENTとのストレートエッジ・イベントだったのですが、地下ではなく普通の一軒家の1階でのライヴというのが衝撃でした。写真のSkarpと私の後ろにある建物がそれです。SETTLEMENTのメンバーに話を聞いたところ、そこはたまに借りてライヴをやっているヴェニュー(海外ではライブハウスのことを“venue”と言うのです)だそう。今年の夏にMILKとLOW VISIONのアメリカ・ツアーをインスタで見ていた時、キッチンみたいなところでのライヴがストーリーに上がっていて、ちょっと衝撃だったのを思い出しますが、海外では家でのライヴは結構普通なんでしょうか。いいなあ。
| Silvana Imam
DOLORES HAZEがあるインタビューで、ストックホルムの音楽シーンについての質問でスウェディッシュ・ラッパーSilvana Imam(シルヴァーナ・イマム)の名前を挙げていて、Spotifyで検索して聴いてみたのがきっかけで知りました。
Silvanaの作品はスウェーデン語。私のスウェーデン語力ではまだ全然聞き取れないので、レコードを買って歌詞を読んでみようと思ったのですが、日本のレコード・ショップにはまだ輸入されていないようです。去年、手伝ってもらいながら翻訳した記事がありますので、気になる方は読んでいただければと思います(そして、ここ間違ってるぞ〜!という箇所がございましたら、やんわり指摘していただければ……)。
Sirvanaに関する情報は日本語の記事では少なく、ドイツの映画祭で『SILVANA』というドキュメンタリー映画が公開されていたという記事を目にしたのが最後のような気がします。この映画の監督が3人のスウェーデン人女性、Mika Gustafson、Olivia Kastebring、Christina Tsiobanelis(それぞれの名前をGoogleで検索しただけなので、国籍やセクシャリティに関してはもっと複雑かもしれませんが)というのも面白い点だと思います。
Silvanaはリトアニアの移民(母はリトアニア人、父はシリア人)で、レズビアンであることを公表しています(本当はこの一行を初めに書こうとしていたのですが、書き手として少し気持ち悪いと思ったのでやめました。Silvanaのマイノリティである部分はSilvanaの一部でしかなく、そこを読者にとってのひっかかりにするのは、なんだか居心地が悪かったからです)。スウェーデンはヨーロッパの中でもドイツと同じくらい移民の受け入れに寛容な国という印象があります。今年の北欧映画祭「トーキョー ノーザンライツフェスティバル 2019」では、移民を題材にしたスウェーデン映画が上映されていました。
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Ms.Machineのヴォーカリスト / リリシスト。
硬質でノイジーなサウンドと“Riot Grrrl”のアティチュードを持ったバンドとして各方面から注目される。
Norr Records Music Studio(スウェーデン)にて制作した初ソロ作品『Dröm Sött』を2019年8月にリリース。
ラーメンとカレーと梅干しサワーが好き。