Column「アグネスの5次元パーラー」


文・撮影 | アグネスパーラー

| 第24回: キュウリのシロップ

 私の大好きな野菜のひとつ、キュウリ。そのキュウリに向かって「栄養がない」って馬鹿にしたのは誰ですか?栄養がないのではなくて「野菜の中で一番カロリーが少ない」ということで、数年前にギネスに登録されました。おめでとうキュウリ。

 そんな大好きなキュウリの新たな顔に先日出会いました。それは、キュウリのシロップ。衝撃的な出会い!キュウリが甘くなるなんて想像したことありますか?まさかなできごと。そしてあまりキュウリを感じさせる味でもなく、さっぱりしていてとてもおいしかったです。

アグネスの5次元パーラー 第24回: キュウリのシロップ | Photo ©アグネスパーラー

 どうやらニューヨークでは数年前からキュウリのシロップが流行っているそうで、キューカンバー・シロップを販売しているメーカーもあります。それくらい普通のことだったみたいで、そのことにもびっくり。自分でも作ってみたくなって、まずは現地で作られているレシピを調べたところ、材料はキュウリとライムと様々なスパイスやハーブで、そのスパイス類がとにかく家にないものが多い。近所のスーパーになかったものは、専門的に取り扱いがあるお店で調達しました。材料からしてニューヨーカーたちの本気を垣間見られた気がします。恐るべし。

 材料を揃え、早速作って飲んでみたところ、すごくおいしい!スパイスが効いていて大人向けのシロップだな、という印象です。むしろキュウリの味はほぼなく、スパイスとハーブが強いというイメージ。これはこれで美味しいけど、スパイスがないとどうなるのか気になり、試しに作ってみることに。ニューヨーク式ではライムを使用するところ、買ってきたライムがなくなったので、家にあったカボスを使ってみることにしました。スパイスがないとキュウリの青臭さが強くなるかと思いきや、カボスがそれを消してくれて、さらにカボスだけのシロップとも違うなんとも言えない味に仕上がりました。本場のレシピで作るとなると材料を揃えるのも大変だし、まずはこのスパイスなしのシンプルなキュウリのシロップ、おすすめです。改良の余地ありのレシピだけど、季節の変わり目で疲れている身体にもってこい、ダルさを解消してください。

 そして最後になりましたが、「アグネスの5次元パーラー」は今回が最終回です。2年間、本当にありがとうございました。過去の記事を読み返してみて、私はいろんなことに対して不思議に感じることが多いと思いました。これからも世の中の不思議を見逃さず元気でいたいと思います。またどこかでお会いしましょう。みなさまもどうかお元気で。

アグネスの5次元パーラー 第24回: キュウリのシロップ | Photo ©アグネスパーラー

[材料]
| キュウリ 3本
| カボス 3個
| 砂糖 300g
| 水 300cc

[手順]
01 | キュウリとカボスをしっかり洗い、それぞれ皮ごとスライスする。
02 | 材料を全て鍋に入れて強火にかける。沸騰したら30分ほど中火で煮込む。ときどき混ぜながら、アクが出てきたら取り除く。
03 | 好みの濃さでソーダ水で割っていただく。ニューヨークではお酒で割るのも人気だそう。
※ カボスを好みの柑橘(スダチ、レモン、ライムなど)に変えてもよい。

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アグネスパーラー agnesparlour

アグネスの5次元パーラー | illustration: あお木かな
illustration あお木かな
2010年よりオリジナルのシロップなどを使ってドリンクをメインにしたケータリングの活動を開始。ライヴ、展示、パーティ、蚤の市、商店街のお祭りなどに出店。執筆活動として鳥取のベーグル店「森の生活者」発行のジン『森と生活者』に寄稿中。

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