怪我して、汚れても、笑っていて | 前編
ハードコア・パンク、ヒップホップ、エモ、ポストロック……様々なジャンルがミックスされた音楽は、東京のシーンでもそうそう見かけないスタイルで、異彩を放っている。特にヴォーカリストであるiida reoの剥き出しのパフォーマンスや、リスナーを自身の世界観に惹き込むリリック、そしてSNSでの発言やミステリアスな存在から、いつの間にか目が離せない存在となっていた。5月に1st EP『箱庭』をリリースし、矢継早に2nd EPもリリース予定のkamiyama yohei(g | 以下 k)、iida reo(vo | 以下 r)、tado yuta(g | 以下 t)に話を訊いてみた。
取材・文・撮影 | SAI (Ms.Machine) | 2020年9月
前編 | 後編
――自己紹介をお願い致します。
r 「自己紹介……いまだにラッパーなのかなんなのか、よくわかってない……。なんか……ミュージシャンって言うのおこがましい……」
――謙虚ですね……!
r 「はい……山下達郎とは比べられねえ……ラッパーですかね。ラッパーでビートも作ったりします。 東京都八王子出身のラッパー、トラックメイカー」
t 「自分もギタリスト?って言っていいのか、なんとも微妙ですが、ギター、時々ベースを弾いたりします。他にも曲作りや、デモのレベルですが、ミックス的なことなどもします」
k 「sans visageっていうバンドでギター弾きながら叫んだりしています。reoくんのギター弾いたり曲作ったりしています」
――ラップと激情ハードコア、ポストロックのミクスチャーが新鮮だな、と感じています。このアーティストに影響を受けている、などあれば知りたいです。
r 「tadoさんと聴いてたのはJOY DIVISIONとMY BLOODY VALENTINEとか」
t 「2人で聴いてたのはJOY DIVISION、MY BLOODY VALENTINE……the cabs、TTNGとか。あとtoeとか」
r 「あと激情系ハードコアのheaven in her armsとかenvyとか聴いて、あと普通にSNOWINGやMIDWEST PEN PALS、八王子のエモ・バンドmalegoat。自分の住んでいる地域の八王子が所謂エモとかハードコアが有名な地域で、近くのSenseless Recordsっていうレコード屋さんが全部揃えてて。そこでいろんなのを買ったり聴いたり。それで、tadoさんと聴いて“これいいね”とか」
t 「そうですね、共有し合って。はっぴいえんどとかフジファブリックとか好きで、一緒に聴いたりしました。僕はくるりに強く影響を受けていると思います。他にも坂本慎太郎とか好きです。最近だと、KHRUANGBINやCHONとかを聴いてます」
r 「歌詞だったら、俳句を書く人。住宅顕信っていう人が書く俳句を引用したり。書き方を参考にしてます。俳句の人って、なんか端的じゃないですか。言いたいことだけ言っていて。くそヒップホップなんですよ。最近の人ですね。戦後とか」
――俳句……!俳人ってどういうきっかけで知るんですか?
r 「自分の父親はそういうカルチャーが好きで。もともと役者で、舞台とか歌舞伎とかやっていて。自分が生まれたときにはもうやってなかったんですけど。父親にそういう芸術文化や哲学を教えてもらって、それで覚えたっす。画家だったら鴨居 玲やエゴン・シーレとかが好きです」
t 「kamiyamaさんどうですか」
k 「一番というと、ENGINE DOWNっていう2000年代初頭くらいの本当に暗いバンド。なんだかんだ自分の根底はENGINE DOWNの影響がでかいなって思うんですよね。他にはスウェーデンのSUIS LA LUNEという綺麗かつものすごくサッドな音像のバンドだったり。ヨーロッパの激情ハードコアがすごく好きで、バンドをやりたいと思うきっかけになりました」
――貴重なお話ありがとうございました!知らないアーティストばかりで勉強になりました……。家に帰ったらディグってみようと思います。では活動のお話を伺いたいと思います。コロナ禍で1st EPをリリースされて、現在2ndを制作されていますが、メンバーやiidaさんのモチベーションやスケジュールのタイミングがよかったのでしょうか?現在精力的にリリースしているきっかけなどはありますか?
t 「そっか……リリースしたときコロナ渦だったんだ……」
r 「モチベーションか……」
――今年の1月にBATICAでご挨拶させていただいたんですけど、結構長い間活動されてると思い込んでいたんです。それで1st EPリリースって見て、意外に感じたというか。
r 「数年前とかそうだったんですけど、別に曲を出さなくていいや、ってずっと思っていて。なんだろ。わかる人がわかってくれれば……。儀式じゃないけど、人にいちいち見せなくていいというか。まあ……今はお金欲しいというか。あとは、意外とすぐ人って死んじゃうから。さっさと全部出しちゃったほうがいいって感じですかね」
――サブスクになくてYouTubeにある曲が結構ありますよね。アップし始めた2019年頃にきっかけなどがあったのでしょうか?
r 「たぶん父親の骨を燃やした日くらいからYouTubeで曲を出し始めました。なんかやってりゃいいでしょ、って感じでしたね。それからちょうど1年経ったから1st EPを出せるみたいな。やっと準備できたから出した感じでしたね」
――『箱庭』からギターのサウンドが加わっていますが、ギタリストのお2人が参加し始めたのはいつ頃からですか?また参加の経緯やライヴを始めたときのことを知りたいです。
r 「今のかたちというか、kamiyamaさんが入ったのはちょうど1年前ですかね。最初はtadoさんと2人でした。BATICAで初めてライヴをやって、そこからギター入ってる感じ。それ以前は遊び程度で独りでライヴに出てた感じですかね」
t 「reoは、もともとビートメイカーを目指してたんだよね」
r 「トラックメイカーとかエンジニアとか、裏方業になりたくて。だから最初はビートライヴで、たまに1、2曲ラップしたりとか。そのくらいですね」
k 「tadoくんとreoくんはずっと活動していて、自分が一緒にやりだしたのは1年ちょい前くらいですかね。 昔、フリースタイル・バトルの映像とかをよく観ていて、ラップおもしろいな、って思い始めたのを機に音源も聴き始めて。その時に観ていた映像で、当時“自(onozu)”っていう名義で活動していたラッパーがやばすぎて、ずっと頭の隅にいたんですけど、後に彼が“Kaine dot Co”っていう名義になって、音源を聴いたりしていたんですよ。最近彼はどうしてるんだろう?って去年の5月くらいに調べていたら、reoくんをフィーチャリングしている曲が出ていて。聴いてみたら、フィーチャリング相手やばすぎるだろ、って思って。動画の概要欄にTwitterのリンクがあったから見てみたら、Stiff Slackとかmalegoatとかheaven in her armsとかのアカウントをフォローしている中に、自分がやっているsans visageもフォローしてくれていて。マジか!と思ってフォロバしてみて、コンタクト取って、という感じで出会いました」
――kamiyamaさん加入はインターネットはじまりだったんですね。
k 「もうインターネットばっかりですね」
t 「聴いてる音楽ドンピシャだったもんね」
k 「reoくんのルーツがもう、これバンドやってたんだろうな、って思ったんです。それで、8月に渋谷のCIRCUS Tokyoでやっていたイベントに観に行って。人すごくて、そのときは話せなかったんですけど、1週間後、たまたま自分の誕生日だったんですけど、お互い暇だったので原宿を酒飲みながら散歩して“なんかやろうよ”って始まった感じですね」
――kamiyamaさんはハードコア・バンド“sans visage”のギター・ヴォーカルで、tadoさんも“ぼんさいクラブ”や“ボーボー”というバンドを組んでいらっしゃいますよね。tadoさんのバンドはtadoさんの柔らかいキャラクターがわかるような音で、“iida reo”の音とギャップがありますよね。
t 「実は、去年の5月にやった渋谷 WWWのライヴで、僕はバンドを辞めるって言っていて。他に組んでいるバンドの音源を聴いてもらったらわかると思いますが、もともとゆるい感じの音楽が好きで。シューゲイズとか激しい音楽も好きだったんですけど、自分で演奏するのには抵抗があったというか、なんというか……。音楽性的に精神がすり減っている気がして」
――なるほど。私もそういう時期があったのですごくわかります。
t 「あと、ギター1本だとできることの幅がないんで、やっぱり音を埋めることを考えなきゃいけない。それでけっこう腐っちゃって。それで一度辞めたんですけど、レコーディングをsans visageが手伝うことになって、そのときにreoが声かけてくれて。去年の秋くらいですね。そのときに、あ、やろっかな、バンドだったら絶対楽しいだろうな~って。案の定楽しくて。それで今も続いている感じ。それと、前よりももっとreoとの活動を楽しめるようになったのかな」
r 「あ、よかったっす」
t 「一番最初は、無理やり引き込まれたかたちでしたけどね」
――reoさんが発している言葉、ステージ上での剥き出しなパフォーマンスなども含めて、歌詞の内容が実体験なのか歌詞の中だけの世界なのか、物語の世界に引きずりこまれていく感覚があります。私は一時期ライヴをやるのがすごく辛かったことがあったのですが、ライヴをしているときに辛いなどの感覚はありますか?
r 「自分はないです。ライヴ……最低なんですけど、客が何人いようがあんま、どうでもよくて。緊張もしないし、辛くもなくて。ただライヴが終わった後にドーパミンがなくなったら身体中くそ痛くなるって感じですかね」
t 「肉体的なもの……かな?自分の場合は、指で激しくピッキングしすぎて流血したり」
k 「主に2人がめちゃくちゃ怪我してますね」
――1st EPの「青い咳をする」という曲のことを聞きたいです。鼻をすすったり、咳をする音が入っているのがとても好きです。レコーディングって、エンジニアのかたに声を聴かれているので緊張して、reoさんみたいにリラックスできないので、すごいなあって感じたのと、そのテイクを使うことにしたのがいいなあと思って。どこでレコーディングしたのでしょうか?
r 「レコーディングは……今は家ないんですけど、前にあった部屋で、パソコンでセルフ・レコーディング。歌詞書いたりしないで一発録りとか。フリースタイルで録るので。それで鼻すすったりとか、咳をする音が入ってますね」
――宅録だったんですね!それって、録るときに歌詞を即興で作るということですよね。
r 「そのパターンもありますし、書かないで頭に入ってる場合もある。“道徳”っていう曲は、サビ以外作ってなくて。LIQUIDROOMでライヴするときに、サビ以外は考えないで行ってラップして、映像もらってから“あ、こんなこと言ったんだ”みたいな。それで採用した感じです。tadoさんと2人のときもそういう場合が多くて。“最期”という曲も、歌詞を書かないでフリースタイル。 どうにかなるっしょ、みたいな感じです」
――そのアティテュード、ラッパーでもあるし、パンクスでもあるって感じですね。刺激になります。アートワークを描いている仲間只一さんとはもともと親交があったのでしょうか?漫画家のかたがアートワークを描いているのって少し珍しいですよね?
r 「もともとは、Twitterでフォローされたのか、フォロー返したのかわからないんですけど、前は全員フォロー返してたんで。それで、夜中かな、仲間さんがつぶやいてて。“俺、絵描くの辛い”みたいな。プロフィール見たら、絵、クソうまくて。だからリプライで“めっちゃすごいすね”みたいな。そこから仲良くなった感じです。『週刊少年ジャンプ』に描いたりしている漫画をちょくちょく読んでいて、表現すごいなって。アートワークは、DM送ってOKもらって描いてもらったすね。自分が想像したより数十倍も良いアートワークが来て。天使を描いてくださいってお願いした天使が、怪我してたり、汚れてるけど、笑ってて。めっちゃくちゃ良いなって。すっごい気に入ってるんすよね。本人にも言ったんすけど、人生の道標になりそう、みたいな」
――なるほど。聞きたかったことが聞けてよかったです。さて、現在2nd EPを制作中とのことですが、どんな制作過程ですか?特に楽しいことや辛いことを教えてください。
t 「一応ギターは録り終わって、ビートもほぼほぼできていて、歌録ってミックス / マスタリングするのと、あと僕がライヴでギターのフレーズを変えたので、それを録音し直して差し替える作業が残っている感じですかね」
r 「8割がた終わってる感じですかね。今回自分は一切ビートを作っていなくて。ATSUKIさんに“こういうビート作りたい”とか、“こういう流れにしてほしい”とか伝えて、一緒にああだこうだ言って作って、そこに2人のギターを乗せてもらって、っていう感じすね。逆に、今回はギターが入ってない曲もあって。ライヴでギター入ってる曲ずっと続くと死んじゃう……最近50分ライヴとか、わけわかんないこと言われ始めて……」
t 「50分とか、ちょっと死んじゃいますね..。でもkamiyamaさんは大丈夫なのか」
k 「いや、もう歳だから死ぬかも」
t 「ギター乗せるの大変じゃなかった?今回。辛くはないけど」
k 「けっこう考えたね。あまり自分のこと自分ではギタリストって思ってないんすけど、今回の制作は引き出しを広げてもらうきっかけになったな、ってすごく感じてますね。reoくんが先にATSUKIさんのスタジオに行ってビートを作ってたんですけど、聴かせてもらったら、どうやってギターを乗せるんだ?みたいな感じで。結局いっぱい聴いてかたちになったすね。この前ライヴでやった序盤の2曲とかがドロップB、その次にやった曲はドロップC#とかで、すごく下げましたね、チューニング。EPは重い曲と全然違う空気感の曲半々で、幅があるのではないでしょうか」
r 「天国と地獄みたいな感じっす」
k 「それ言ってたね」
――私のバンド、Ms.Machineからすると、制作のスピード感が早いな、と感じています。
r 「1st EPは、もともと自分でミキシングとかマスタリングをしてて。“最期”という曲は自分でマスタリングまでし終えたてたんですけど、他の曲は着地点が見えずに時間かかってて。それが、エンジニアのATUSKIさんと出会って、頼めるようになってから一気に楽になって。それで、2nd EPでは、ミキシング / マスタリングに加えてビート作成も任せることになって。MVもそうなんですけど、他の人に任せるほうが楽だな、って思って。だいたい投げたら楽。そこからけっこう動き易くなってます」
t 「逆に言うと、それまで信頼できて、かつ感性がマッチするエンジニアとかMVを撮る人に出会えなかったというか……。そこまでは言わないですけど。いろんな出会いがあったと思うから。でも、なんか自分たちと合うみたいな人がいなかったんだよね。マインドとか」
――そうですよね。なかなかマインドが合う人っていないですよね。すごくわかります。
r 「なんか……俺、感覚的に、人と話しているときは、そいつに嫌われてるな、って思いながら話すんですよ基本」
t 「ネガティヴだな~」
r 「嫌われてる前提で話してて。だからけっこう楽なんすよ。しゃべってて。今度MV手伝いたいとか、何々一緒にやりたい、って言われても、だいたいお世辞だって片付けるんすよ」
――期待しないですむってことですか?
r 「しつこくされたりとか、だいたいはスルーしちゃいます。でも、PAしたいって言ってくれる人とか、この前ライヴの映像を撮りたいって言ってくれたITARUさんみたいに、熱意が伝わってくる人がいると、あ、本当なんだ、ってなる」
――じゃあこのインタビューは幸運だったということで…よかったです。最後に、reoさんのパーソナルなことを聞きたいと思います。Ms.Machineの1stアルバムのリリパで共演予定だったのですが、延期になって「今後先 コロナ、若者支援、LGBTQ、チャリティーなどがあれば誘ってくださると嬉しいです」とLINEが来たのがとても印象的でした。それと、緊急事態宣言が発令されている時期にreoさんがInstagramのストーリーやTwitterで「もやもやがどうしようもないときどんなことでもいいから今月気軽にメッセージしてきて お喋りしよう」と発信したり、最近だと「病院でライヴしたい」とツイートしていましたよね。周りのラッパー、およびアーティストでもなかなかいないな、と思ってるのですが、そのような行動をしようと思ったきっかけなどはあるのでしょうか?
r 「これ……本当に意図はないんですよね。政治的意図もないし。思想もなにもない。本当なんもないですね。だから……なんだろうな……話すことない……」
t 「reoとここに来る途中の電車の中で話していたんですけど、もともと6月にLGBTのライヴに2本出る予定だったんですけど、それがなくなっちゃったから、なんかノリで。みたいな」
r 「そうですね。ちょうどMs.Machineのリリパとカブってたんですよ。カブって消えて……コロナでちょうど、知ってる子とか周りの子がお金なくなったりして。なんか……イラついて。あんま意図ないっすね。正直。ただ、いろんなDMが来ましたね」
――実際にDMが来たんですね。
r 「めっちゃ……」
t 「DM解放してたもんね」
r 「2~3週間で100件以上は来た。ツイッターTwitterも合わせたらもっとか。めっちゃくちゃ来た。いろんな人から。ただ、ムカつくやつもあって。ある子たちがコロナの影響で家がなくなっちゃって、泊まる場所がないみたいな。自分たちは男3人でルームシェアしてたんで、なんかよくないから、Twitterで募集したら、所謂そういうことをしたい出会い厨の男から連絡がたくさん来て。“僕の家泊まれますよ”みたいな。けっこうイラっときちゃって。あ、これダメだわ。こういうの、って思って。つぶやくとそういう目で見られちゃうじゃないですか、その子たちが。ムカつくけど抑えとこ、ってなって。結局、知り合いの女性に頼んで泊めさせたりとか」
――あの件はそういう流れがあったんですね。
r 「クソムカついたけど……なんか、ナメんなよ、ってなったすね」
――100件て、1件1件返してたんですか?
r 「まぁ、全部。だいたい」
t 「時間はあるもんね」
r 「朝起きると溜まってて、返して、飯食って、曲作って、溜まってて、返して……それをずっと1、2ヶ月くらいやってました」
――何月くらいからSNSに投稿していましたっけ?
t 「3~4月からやってたよね」
r 「でも最近減って。3~4月の段階で100」
t 「がんばったね」
r 「いや、何もしてない別に」
t 「そんなことないでしょ」
――返信するのって……そういう話を聞くと、自分のメンタルにきたりしませんか?話に引っ張られてしまうというか。
t 「昨日そういう話をして。今、reoは僕の部屋に一緒にいるんですけど。そういう人から聞いた悩みとかって、心に蓄積されていくんじゃないか?って」
r 「けっこう……そうすね。相談ていうか、話を聞くだけなんで。なんもないすけど。けっこうピンキリで。本当にしょうもないやつもあるっちゃある。“今日のご飯どうすればいいですか?”とか。“好きなアニメが終わっちゃって寂しい”とか。それはだいたい“筋トレしろ”って」
一同 「(笑)」
r 「でも重いやつは本当に重いっすね。笑えないくらいのレベル。コロナでホームレスになっちゃったりとか。風俗嬢の子が仕事なくなって、地方に飛ばされてすげー不安、集団で同じ部屋にいて、みたいな。本当にいろんな職業の人がいて。それでけっこう、なんか……ナメんなよ、ってなった。その人たちに対してではなくて」
t 「世の中とか?」
r 「世の中ではない……なんていうんだろ。ムカつくんだよ、みたいな。なんか、見えてるじゃないすか。みんな、ギリギリ。見えてるのに、しないっていうか。ずるくないですか?」
t 「助けられるのにってこと?」
r 「なんか……お前は助けないっしょ、ってなってる感じで。ナメんなよってなるんですよ。だから別に、その人たちに対して、“かわいそう”とか、“やってあげる”とか、何もなくて。ナメんなよって感じで。主人公だったり、ヒーローだったら絶対助けるみたいな感じで。俺をナメんなよみたいなかんじで……。まあ、ここはナシでいいです」
t 「文章に起こすの大変だよ……reoの言葉、主語ないもん」
前編 | 後編
iida reo Twitter | https://twitter.com/iida_reo
tado yuta Twitter | https://twitter.com/tado_yuta
■ 2020年5月16日(土)発売
iida reo
『箱庭』
https://linkco.re/R7NH8B6B
[収録曲]
01. 道徳
02. 棺桶
03. 最期
04. 青い咳をする