Feature | 地獄のコミュニケーション2020


文 | 地獄のコミュニケーション運営委員会

――“それ”は呼吸し、加熱し、食べる。

 また、“それ”はあらゆる対象に開いており、簡単な条件が整えば、連結を行う。

 殺し、差別、セックス、いきなりのブチギレなど、あらゆる異常行動。これらは全て異なる“それ”同士の連結の副産物だ。

 “これ”を利用していつものように国家・政府・国際企業・国際ゴロetc.がコントロール欲求を発揮して、細かな法の改竄をしたり、規律の定理を勝手に増やしたりする。

「マスク転売者は死刑」(イラン)
「この日時、この空間に居た人間集団は携帯電話のデータを閲覧されるものとする」(イスラエル)

 こんな次第だ。
 そして「やっぱり中東は“眼には眼を”を理解っている」という意味不明な発言で溜飲を下げる集団。これも日本の“自己責任マニアック”の言い分だろう。

 この度の災厄における流行は、個人同士の正義を巡るマウント争いではなく、“それ”を有する疑いのある生体の“ロット”ごとのゆるやかな隔離と監視・管理。そのデータ操作としての統計学 = 恣意的な検査へ、“民 – 官”で移行した。これは自己責任主義者たちの持つ“シビアな判断への憧憬”だろう。「犯罪者など死刑で良い」で勃起する奴らだ。

 あたかも、“排除から管理へ”という人間様どもの歩んできた歴史の、再上演を目の当たりにしているようだ。

 というわけで、私たちに残された“群れの作り方”はただ1つ、「同じ“ロット”に属してみよう」というメソッドだ。

 昨日あなたの親父が通勤電車内で嘔吐してる人間に「ザケンナ、コラ!」と詰め寄ったように、“それ”は保身し、攻撃し、情動に絆され、いっそう屹立を激しくする性質を持つ。
 あなたの親父と嘔吐者とシカトする同乗者。つまり、同じ時間と空間を共にする共同体、それが“ロット”だ。ロットは即時的に、その時々に発生しては潰えるインスタントな集団性だ。

 今更「俺には名前がある、番号で呼ぶな、チーム名で呼ぶな!」なんて憤るのは幸せ者だ。固有名の獲得ではなく、番号への登記から逃れるしか遣り口はない。

 だから、自分が“ロット”と共に生産したインスタントな“ロット”を記録させてはならず、すぐにその場から逃げなければならない。

 電子マネーの残高のように残りの寿命を数えるのではなく、匿名の“あれ”になり、データの残らない移動・運動を行い、日頃から死なない為の出勤を余儀なくされているユニフォーム野郎どもと行きずり濃厚接触を交わさなければ到着できないライヴハウスに群集してロットを生み出し、クソデカ音響の中で己をモブの中へと自失して、イワせてやろう。

 もちろん帰宅するときは酒etc.によって正体不明だ。

人間は社会性の束だ。
――マルクス

地獄とは、他者だ。
――サルトル

 これが、地獄のコミュニケーションだ。

地獄のコミュニケーション2020
https://twitter.com/JGK_CMNCTN

※ COVID-19の被害拡大に伴い、公演中止となりました。

2020年4月29日(水・祝) Canceled
東京 新大久保 EARTHDOM

開場 / 開演 TBA
前売 / 当日 1,500円(税込 / 別途ドリンク代)

出演者第1弾発表
Live: ALP$BOYS / Abort Mastication / cunts / ELEPHANT NOIZ KASHIMASHI / HAIZAI AUDIO / Inverted Clap / KAOGANAI / moreru / Napalm Death Is Dead + 西之カオティック + ゆれつずける / 黄倉未来 / プンクボイ / SAIGAN TERROR / TRIKORONA × scum / SOILED HATE / UNCIVILIZED GIRLS MEMORY + Yousuke Fuyama
DJ: ビリー・クルミラノ / 小川直人 / くるぴの・ゆきみ / 清家咲乃
Food: マサラ観音
Booth: CULTURE discs & tapes
ほか

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