Column「実録・KLONNS欧州紀行」


文 | SHV (KLONNS)
写真 | KLONNS

Day 5

 午前中に起床。ベルギー・アントワープから次の目的地であるオランダ・フローニンゲンまでは車で3時間半ほど。かなり時間に余裕があったので、ひとまずコインランドリーで洗濯をすることになりました。バッチリ洗剤も持参済み!しかし、ベルギーはオランダ語、フランス語、ドイツ語が入り混じっているので、コインランドリーの使用難易度高い(笑)。

 なんとか洗濯を終え、せっかくなので軽く観光してみることに。アントワープはとにかく、街が美しい!中世ヨーロッパ的な歴史ありそうな建造物のそばにレストランやらカフェやらが立ち並んでおり、街自体がアートと言っても過言ではないと思います。特に『フランダースの犬』で有名な「アントワープ聖母大聖堂」は荘厳すぎてヤバかったです。観ているだけでMALICE MIZERになれます。目の前の広場にネロとパトラッシュの亡骸の像とかもありました。ちなみに、Ryanにフランダースの犬ネタを振ってみるも、全然ピンとこない様子。アメリカではマイナーな話なのかな?筆者の英語が終わっていて伝わっていないだけかもですが……(笑)。ワッフルを食べるなどして昼過ぎくらいまでゆっくり過ごし、いよいよオランダはフローニンゲンへ出発!

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ブラボーの噴水にて。
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テンションアゲめなRyan。
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亡骸を...(ネロとパトラッシュです)。
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アントワープ、イイね。
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岡本さんが購入したリコリスグミ。タイヤの味がするので二度と買わないでください。

 車で移動中、昨日のアントワープが客入りイマイチだったこともあり、「月曜夜に客とか来るかなー?」と若干不安になってインスタを観ていたら、まさかのソールドアウトとのポストが……!何が起きているんだ……?昂まりました。

オランダ公演のフライヤー。

 この日の会場「VERA」は、個人的に最も楽しみにしていた場所でして、BAUHAUSやらNICK CAVE & THE BAD SEEDSやらDAFやらPIXIESやらTHE ONLY ONESやらNIRVANAやら……数えきれないレジェンドたちが演奏した歴史あるハコなのです!壁一面にプリントされた過去のフライヤーに身震いしまくりでした。まあ、普通にデカ箱なので、我々が演奏するのはサブ・ステージなのですが。

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VERA入口。
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伝説のフライヤーたち①
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伝説のフライヤーたち②
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これはヤバすぎる。
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これもヤバすぎる。
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完全に俺得ですね。

 ホスピタリティも素晴らしく、広くて快適な楽屋だけでなく、駐車スペース完備(車庫なので盗難の心配なし)、最上階は宿泊施設になっていてベッドはフカフカ、シャワールームも2つある……。束の間の大物ミュージシャン気分を味わいました(笑)。ディナーはどこかでテイクアウトしたインドカレーで、10種類くらいからお好みで盛り付けるスタイル。赤いチキンカレーがめちゃくちゃうまかった……。ちなみに自分は食べませんでしたが、ひとつだけ常軌を逸する辛さのカレーがあったらしく、食べた人は胃を破壊されていました(笑)。

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快適すぎる楽屋。
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インドカレーおいしすぎました。
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VERAのセカンド・ステージ。

 さて、フローニンゲンはどんな街なのかというと、10世紀頃から存在する歴史ある街で、現在は最新の文化施設と歴史的な建造物が混在しつつ、景観を壊していない感じで、すごく良い雰囲気。会場のすぐ近くに「Forum Groningen(フォーラム・フローニンゲン)」という映画館やら図書館やら、様々な施設が揃ったカルチャー・センターがあったので早速潜入!10階建ての六角形に近いかたちをした近未来的なデザインのビルで、全体的にガラス張り + 吹き抜けの造りで21世紀っていう感じでしたね(笑)。勉学に励む学生さんがたくさんいたので、騒ぎすぎないように注意しましょう。そのすぐ傍には「マルティニ塔」という15世紀くらいに建てられた教会があり、鐘の音がヨーロピアンすぎて良かったです。

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フローニンゲンの街並み。
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マルティニ教会。
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謎の輪っかが浮く裏路地。
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フォーラム・フローニンゲンにて。ただの観光です。
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ネオリベ投資家と化したZie。
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路上で日本語講座。そして全てを理解して笑みをこぼすRyan。

 本日の主催はFRONTSECTORというハードコア・パンク・バンドのメンバーHaico(Menger)が運営する「Rat Race」。この日の対バンは、「Neon Taste Records」(先日来日したBOOTLICKERのメンバーが運営するレーベル)からリリースしていて個人的に注目していたTRAUMATIZERのメンバーが多数所属するハードコア・パンク・バンドASBEST BOYS!オランダのパンクシーンではたぶんかなり人気があるバンドで、GAGあたりを髣髴とさせるサイコな雰囲気を纏いつつ爆走するレイジング・ハードコア・パンク。時折織り交ぜるシンセもミステリアス。今回のツアーでベスト・バンドのひとつでした。彼らはアムステルダム近くの街・ハールレム出身のバンドで、翌日普通に仕事なのに車でわざわざ来てくれたとのこと。感謝……。

ASBEST BOYS | Photo ©Studio Cashmyra

 我々のライヴも終始モッシュの嵐でツアー中1、2を争う盛り上がりだったと思います。ソールドは伊達ではなく、会場の入口にたくさんの人が並んでいて感動しました。あと、主催者が最前で一番ぶち上がってたのも最高でした。向こうの情熱を感じると、こっちも燃えますよね。また、デカ箱にもかかわらずアンダーグラウンドへの強いリスペクトを感じて、これは海外ならではだと思いました。残念ながら、日本にこういう姿勢を感じる規模大きめな会場は正直ほとんどないと思うので……。

Photo ©Studio Cashmyra

 終演後は、デッキを組めるのではという量のドリンク・チケットを貰っていたので、酔い過ぎない程度に乾杯!ちなみにツアー中、大量のドリンク・チケットを貰うか、勝手に飲んでいいドリンクが用意されているかのどちらかのパターンで、ほとんどバーカンでお金を使いませんでした。物販もこの日くらいですでにサイズが枯渇し始めていて、嬉しい悲鳴。翌日はドイツ・ライプツィヒへということで、サクッと搬出して就寝!会場に宿が付いていると本当に全てが楽すぎる……。しかも、適当なホテルより快適なベッドルーム……。毎年VERAに出演したいとガチで思いました。

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終演後も賑わう月曜の夜。
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意味深な壁紙の寝室。
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VERAのメイン・ステージ。次はこっちで、とありがたいお言葉をいただきました。

KLONNSの行脚はつづく!Day 6を待て!

Day 4 | Day 6

KLONNS presents VERSUSKLONNS presents
VERSUS

2024年7月6日(土)
東京 新大久保 EARTHDOM

開場 18:30 / 開演 19:00
前売 2,500円 / 当日 3,000円(税込 / 別途ドリンク代500円)
U25 2,000円(税込 / 別途ドリンク代500円 / ※ 要ID)
TIGET

[出演]
BELMADIGULA / KLONNS / moreru / TIVE

KLONNS 'Heaven'■ 2024年4月26日(金)発売
KLONNS
『Heaven』

LUNGS​-​270 | BHR039
https://ironlungrecords.bandcamp.com/album/heaven-lungs-270

[収録曲]
01. Plug-In prod. by Shine of Ugly Jewel
02. Heathen
03. Creep
04. Beherit feat. Arisa Katsu, Bl00dR4y, Golpe Mortal, Lil-D, O.Tatakau, SAGO & 1797071
05. Realm feat. セーラーかんな子
06. Another
07. Nemesis
08. Drown
09. Hill
10. Replica feat. O.Tatakau & 富烈
11. Heaven feat. Golpe Mortal
12. Un-Plug prod. by Shine of Ugly Jewel