Column「アグネスの5次元パーラー」


文・撮影 | アグネスパーラー

| 第5回: ゆず茶

 先日、うちの近所にケバブ屋さんができたんです。その前はタピオカ・ドリンクのお店で、1年ちょっとで閉店してしまいました。それもあって、ケバブは大丈夫かなと少し心配していたけど、タピオカより需要があるのか、我が家もすでに3回おつまみセットを持ち帰りでいただきました。お肉もお野菜もたっぷり、家ではなかなか食べられないソースの味が新鮮でとても気に入っています。

 その持ち帰りで注文後に待っているとき、なぜかお茶をくれるのです。とても小さなティーカップに入ったすごくおいしい温かいお茶。それを店先の路上でケバブを待っている人みんなで一緒にちびちびと飲むという、なんとも不思議な光景が突如生まれたその瞬間のびっくりと嬉しいが混在したあの気持ち、久しぶりでした。近所でこんなことが経験できるなんて、まさにどこか知らない国にいるような気分になって最高。日本じゃないみたいだなぁと海外のことを意識すると無性にどこか遠くへ行きたくなるというか、制限されると余計に焦がれてしまう気持ち、ありますよね。

アグネスの5次元パーラー 第5回: ゆず茶 | Photo ©アグネスパーラー

 今すぐ自由に行き来していいよ、と言われたらどこに行きたいですか。私は即答で「韓国」。なぜかというと、その世界を知ってしまったからです。韓国のドラマ、アイドル、ミュージシャン。今までほとんど興味を持ったことがなくて、20年ほど前に大流行した韓国ドラマに夢中になっていた両親のことも細目で見ていたくらい。祖母がDVDのセットまで購入したときにはさすがに目もパカッと開いたけど、それでも当時は全く惹かれずに終了。最近またまわりがザワザワし出したのは感じていたけど自分はハマらないだろうと思っていた、はずが、その世界を知ったら最後、韓国のカルチャーすごい、大絶賛、もっと韓国のドラマ観たい、韓国料理食べたい、韓国語覚えたい、韓国行きたい、たいたいオンパレード真っ盛り。思えば11才の時に母親に同行して行った初めての海外が韓国。そのときはあまり楽しめず終わってしまったけど、今なら五感フル稼働で楽しむ自信あり。今こそ行きたい韓国。早く自由に海外旅行できる日が来ますように。

 そんなこんなで今回のレシピは韓国の飲み物・ゆず茶です。基本はお湯やお水で割って飲むからお茶じゃないんだけどゆず“茶”。このゆず茶、騙されたと思って水出しのコーン茶で割って飲んでみてほしいです。香ばしさの中にほんのりゆずの香り、そこはまさしく夢見る韓国です。

ゆず茶

[材料]
| ゆず 4個
| 砂糖 ゆずの皮の重量に対して70%-80%
| オールスパイス 7粒ほど

[手順]
01 | ゆずを半分に切って果汁を搾る。種と内側に残った白いワタは取り除く。
02 | 皮のヘタを取る。皮を好きな大きさで細切りにする。このとき皮の分量を計って、砂糖を準備しておく。
03 | 鍋に皮と水をたっぷり入れて沸騰させる。皮をザルにあげてお湯を捨てる。これをもう一度繰り返す。苦味が苦手な人はもう一度繰り返す。
04 | 鍋に皮と砂糖を入れてよく絡ませる。果汁とオールスパイスを入れて沸騰したら弱火で10分煮る。煮詰めすぎると固めになるので好みのところで火を止める。
05 | 煮沸した清潔な瓶に入れて保存。

※ できたシロップは水、ソーダ水のほか、水出しのコーン茶で割って飲むのもおすすめです。ぜひ試してみてください。
※ ゆずを煮る鍋は金属以外の鍋が理想です。
※ 今回はオールスパイスを入れましたが、なくても大丈夫です。

アグネスパーラー agnesparlour

アグネスの5次元パーラー | illustration: あお木かな
illustration あお木かな
2010年よりオリジナルのシロップなどを使ってドリンクをメインにしたケータリングの活動を開始。ライヴ、展示、パーティ、蚤の市、商店街のお祭りなどに出店。執筆活動として鳥取のベーグル店「森の生活者」発行のジン『森と生活者』に寄稿中。

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