Interview | Risa


世界は広い、ここだけじゃない

 海外や日本のインディ・シーンを純粋に愛し発信するブロガー / ヘア・スタイリスト、Risa。彼女との出会いはTwitterだった。昨年、彼女がnever young beachのベーシスト・巽 啓伍のラジオ番組に出した質問がある。「今注目しているインディ・バンド」の答えとして筆者のバンド・Ms.Machineのことが紹介され、そのことを喜ぶツイートで彼女の存在を知った。その後Twitterを覗くと、トレンドをキャッチして同時に(最高にポジティヴな意味での)オタクな深掘りディグもしているブログ記事を書いているのを知って気になる存在になり、彼女の好きなカラフルでキラキラした世界と現実とのギャップに溜息をもらすようなツイートにも気付くようになった。今回はそうしたこともあり、彼女のTumblrのブログだけではなく、パーソナルなことも訊いてみたいと思った。国内外、様々なアーティストやライターに注目され始めているRisaにたくさんのことについて答えてもらった。何故ブログを書くようになったのか。地元鹿児島のこと。これからやりたいことの展望などなど。

取材・文・撮影 | SAI (Ms.Machine) | 2021年4月


――自己紹介をお願いいたします。

 「Risaです。Tumblrで記事を書いたり、好きなものを発信しています」

――何年生まれか教えてください。
 「1998年の10月20日生まれです」

――ということは今年23歳ですか?私より6歳年下の世代なんですね。なぜ年齢について質問したかったかといいますと、私の周りでTumblrが流行っていたのがちょうど10年前くらいで、一過性のブームだったように感じていたんです。でも、年下の世代で使っている子が現れて、なんだか嬉しく感じていたんですよね。今だとnoteとかに記事を書いたりする人が多いような気がしますが、あえてTumblrで発信しようと思ったきっかけはありますか?知ったきっかけも教えてください。
 「もともと海外のバンドとかアーティストが好きなんですけど、海外のファンガールってTwitterとかよりもTumblrを使っているイメージがあって。例えばアーティストがパパラッチに撮られた写真はTumblrで一気に出されるとか、ライヴのレポートはTumblrにけっこう書かれているとか。それをチェックしていたのもあって、ずっとTumblrを使っていました。ひとつのページで文字、画像、GIF、動画、SoundCloudなどの音源、いろんなものに対応していて、情報を共有するのに便利なツールなので、もっとみんな使えばいいのにな、と思います」

――海外のアーティストをリサーチしている流れでTumblrの存在を知ったんですね。
 「Twitterとかで見ていて、リンク飛んだらだいたいTumblrだったりして」

――海外のTwitterなども見ていましたか?
 「見てました」

――Tumblrって自分で作ったりすると設定が全部英語なので、そこでハードルが上がっている気がします。でも私は20歳くらいのときに使っていたので、10年以上廃れてないですよね。
 「私がTumblrはじめたのも9年前くらいです。そのとき、けっこうやっている人いたかもです」

――おお、12歳からやっていたってことですか。すごいです。
 「12歳だから、中学校入ってからですね」

――海外のTwitterを見ていたというお話もそうなんですが、12歳くらいから英語に苦手意識なく海外のページを見ていたことが、今のRisaさんが発信している手段の土台になっていると思いました。英語に苦手意識とかなかったですか?
 「英語はもともとできないんですけど、中学校2年生くらいから必死に勉強して、聞いたり、文字を読んだりはなんとなくできます。でも日本語を英語に翻訳できないので、喋るのはできないみたいな感じです」

――洋楽って、「何言ってるかわからない」で終わってしまう人いるじゃないですか。好きだと思っても、そこから意味を調べてみたりする人ってあまりいないと思うんです。
 「それは私も思っていて。中学校2年くらいでブログを始めたのもそれが理由です。英語だから聴かないっていう子が周りに多くて。なんで聴かないの?って思ったのがきっかけで。聴いてもらえるように和訳を自分でつけて、アーティストの人柄とか、こんな気強そうに見えるけど、こんなちょっと出来ない部分あるんだよ、とか書き足したり」

――周りの子って、そのとき何を聴いていましたか?
 「なんだろ、邦楽の流行りの音楽ですね」

――1998年生まれの世代で流行ってた音楽ってなんですかね。
 「なんでしょう……。私が、がっつり洋楽!とかバンド!みたいな感じで、周りが何が流行っていたか見えていなかったです(笑)」

――なるほど(笑)。TumblrのGIFやコラージュなどは、どうやって作っていますか?
 「あれは、Tumblrの記事をスクショして、白いところに1個1個コラージュというか、貼り付けていっただけです」

――コラージュは携帯のアプリで作ってるんですか?
 「はい。『合成スタジオ』っていう」

――あっ、知ってます、それ(笑)!これで作っていたんですね……!
 「はい(笑)。全部これでやっていました」

――Risaさんの記事の中にある、GIFっぽい、ちょっと動く動画とかって、あれも自分で作っていたんですか?
 「あれは、自分で作っていました。アプリではなくて、Tumblr自体がGIFにしてくれるので」

――えー!そうなんですね。そんな機能が。それは知らなかったです。
 「例えば……“GIF”って押して、“作成”って押したら、今まで撮った写真から……こう……これで、画像がもう。完成なんです」

――あっ!本当だ!簡単!
 「そうなんです、これで、GIFができてしまうので……!」

Photo ©SAI

――なるほどなるほど……!良い情報を教えてくださってありがとうございます。自分で発信をしていて、やりがいを感じたり、嬉しいなって思う時はありますか?
 「発信したツイートのリツイートが多かったときは、見られているっていうのが目に見えて数字でわかるので、発信したい内容について知ってもらえたり、興味持ってもらえたんだなと思えて、やりがいを感じます。結局はTwitterだな、って思います。リンクは載せつつも、日本で拡散能力あるのはTwitterだと思うので」

――そうですよね。Tumblrも実際、人の記事をシェアする日本のユーザーってどのくらいいるんだろう?って思ったりもします。それこそ英語で日本人の記事を書いたりしたらシェアの数伸びそうですよね。
 「Tumblr内には外国のかたのほうが圧倒的に多いと思います。私のTumblrのフォロワーの半分以上は外国人で、韓国とか、アジアのかたもいて。英語で日本のカルチャーのことを書いて、興味を持っている人たちにちゃんと届いて、その人たちがまた発信して、という循環ができればTumblrでやっている意味があるのかな?と思います」

――記事を作る上でこだわっていることや気付いたことはありますか?
 「Tumblrをどの時間帯に、何人が、何分そのページを見ているか、とかを集計しているやつをつけていて。その表を見ると、私の記事のあの長さで1分半見られているっていうのがわかったから、逆に1分半しかみんな集中力持たないのかな?1分半くらいに収まる、最低限の情報を詰め込んだものを書いたほう、ずらっと書くよりがいいのかな?って、ちょっと思ったりします。みんな忙しくて時間ないと思うので、読む人は読むけど読まない人は読まないかもな?っていうところは、ここは読んでほしい!みたいなところを“んっ?”ってなるくらい太字にしていて。要点だけ知ってもらえればいっか、っていうところだけ下に線を引いておく感じ」

――なるほど。YouTubeの「ニート東京」とか見ていても思うんですけど、さくっと見られるコンテンツのほうがいいのかな?っていうのは、私も思ったりします。普段どんなメディアを見て情報を集めていますか?
 「インスタとTwitterとYouTubeで、けっこう普通な感じです」

――「AVYSS」とか見たりしますか?
 「見てます見てます。AVYSSは去年のコロナ時期に知って、海外のネット音楽みたいな、シーンがどの国かわからないような刺激的な音楽を知れるのは良いな、って思って最近チェックするようになりました」

――特定のサイトを見ているとかはないんですね。
 「特定のサイトはないですね。ランダムに目に入ってきたものを、気になったら掘る、みたいな感じです」

――日本のシーンだとSPEED、2021surviveのことを記事で紹介していますが、知ったきっかけを教えてください。
 「SPEEDを知ったきっかけは、もともと鹿児島にいるときからSUPER SHANGHAI BANDのKen Truthを知っていて、Waaterとかもやっているのを知っていたから、TwitterでWaaterのファンとも繋がっていて。上京してライヴを観に行ったら、がっつり“これかあ……”みたいな感じになって、そこからけっこう通い始めた感じです」

――そうなんですね、Ken Truth君、やっぱり、シーンの核になってますね。ちなみに上京してきたのはいつ頃だったんですか?
 「美容師を始めてからなので、2年……。今年で3年目です」

――2年前ということは、20歳ですね。
 「そうですそうです」

Photo ©SAI

――出身地は鹿児島ってツイートで見かけたのですが、鹿児島の良さについて教えてください。
 「海が綺麗で自然豊かです。遊ぶ場所はあまりなかったからこそ、ひたすら自分で好きなものを掘るとか、自分でなんとか世界を広げようとしていたかもしれないです」

――東京の良さについてはどうですか?
 「すぐにコミュニティができて集まれるところとか、毎回毎回のライヴが一緒じゃないというか、ライヴをして、また新しく人が増えて、どんどん人が増えて、また違うところからイベントができて、みたいな感じで、どんどん新しいものが生まれているのがおもしろくて。追いかけたくなる感じがあります」

――鹿児島はどのくらいの数のライヴハウスがありますか?
 「小さい100人くらいの規模のライヴハウスがちらほらあって、鹿児島にバンドが来ることになったらだいたい出るような大きい場所がひとつドーンってあります。あまりバンドは栄えていない感じです」

――高校とか中学のときに、例えばこのアーティストのライヴ観たい、ってなったらどこに行っていましたか?
 「全国ツアーで回って来る、例えばnever young beachだったり、Suchmos、OKAMOTO’Sとかが、鹿児島の一番大きなライヴハウスに来てくれたので、それは全部行ってました」

――ちなみになんという名前のライヴハウスですか?
 「CAPARVO HALLっていう、5~600人くらい入る場所です」

――この間ネバヤンの巽 啓伍さんと撮影をしたのですが、そのときにRisaさんの話になって。「来週インタビューするんです」と言ったら、巽さんが「自分がJ-waveに出演したとき、流した曲でプレイリストをつくってくれていた子かな?」って。すごいなあって思ってました。そのときの話をききたいです。
 「ネバヤンが長い間J-WAVEでラジオをやっていて、メンバーが交代で出演していたんですけど、個人的に巽さんが流す音楽の選曲がめっちゃよくて。他のメンバーのかたの選曲めっちゃよかったんですけど、忘れないようにApple Musicでプレイリストを作りました。番組が終わるまで何年もプレイリストに曲を追加していて、終わってからも巽さんがSNSでシェアした曲を追加しています」

――そのプレイリストってまだ残っていたりしますか?
 「あります。巽さんが年前か前のゴールデンウィークに、プレイリストをストーリーに上げてくれて。“ファンのかたが僕がラジオで流した曲をプレイリストにしてくれたようです。僕らの楽曲だけでなく、普段聴いている曲に興味を持っていただけることは嬉しいですねー。ぜひGWのお供に~”って紹介してくださって、嬉しかったです!」

――それは嬉しいですね。良い話だ~!Risaさんのように、誰が評価しているとか、流行っているかどうかが基準ではなく、自分の好きなものは絶対いい!という考えかた、とても好きです。
 「ゲスの極み乙女。の川谷絵音さんのインタビューを読んで、これだー!って思うことがあったんですけど、“海外は自分が良いと思ったものを評価するところがあるけど、日本はみんなが良いと思ってるかどうかを気にする”、“ストリーミングが流行り始めたのは、海外の人たちはいろんな音楽が聴けるからという理由で使っているけど、日本では安いからという理由で使っているところがあるから、国によって聴きかたに違いがあるのを変えたい”みたいなことをおっしゃっていて、私もそれにすごく共感しました」

――Risaさんのブログの記事で、いつかジンをつくるならお笑いについても書きたい、というものがありましたが、そのお話を聞かせてください。
 「S亜TOHのLINNA FIGGさんとも曲を出したりしているlil beamzさんっていう関西のラッパーのかたが、インスタライブでネタを見せてくれたのがきっかけで蛙亭っていう男女コンビを知って。えっ、めっちゃ面白い!って思って調べて、ハマっていたんですけど、蛙亭のラジオを聴いていたら、“今ハマってるアーティスト、SACOYAN”って言っていたんですよ。SACOYANさんはSoundCloudでずっと聴いてたので、今一番好きな芸人さんがSACOYANのことを言ってる!やばい!ってなって」

――繋がった……!
 「そうなんです!そことそこが繋がるなんて!って思ったので。ちゃんと聴いてみたら、蛙亭の中野周平さんは10年来SACOYANさんが好きらしくて。私よりもずっと前からSACOYANさん好きだったので、好きな芸人さんと好きな音楽が繋がってめっちゃ嬉しかったです」

Photo ©SAI

――そういえば最近ネバヤンのスウェット着ている芸人さんがいて……。
 「ハナコの岡部 大さん!」

――音楽好きな芸人さん、けっこういらっしゃいますよね。
 「最近、お笑い好きのアーティストや、音楽が好きな芸人さんが多くて。私の知り合いにレクター博士さんっていう、音楽活動をやりながら偽東京っていうコンビでお笑い芸人をやっているかたがいるんですけど、バンドで曲をがんがんサブスクで出しながら、ちょっとお笑いのほうに専念しますって今は劇場に出ていたりして。お笑いも音楽も好きっていう芸人さんがいる中で、その人はもう、どっちもめっちゃ本気でやっていて」

――あっ、なんか知ってます。Risaさんの投稿で巽さんがMs.Machineの曲をラジオで流したあたりで、Ms.Machineのことをつぶやいてくださっていた気がします。
 「えっ、本当ですか!お笑い、ずっと好きで。なんなら、一度音楽を離れてがっつりお笑いハマっていた時期もあったくらい、お笑い芸人好きでしたね」

――コロナの時期になって気持ち沈むこと多かったので、けっこうジャルジャルには救われました。
 「コロナをきっかけに芸人さんがYouTubeを始めたりとか。劇場でしか観られなかったネタとか、どんどん上げてくれるようになったので」

――そういえばRisaさんがTwitterに上げていた、やさしいズの牛丼ネタ観ました。めっちゃおもしろかったです(笑)。
 「あれ(笑)、なんか納得しようとしてもできなくて。やさしいズはネタめっちゃおもしろいです」

――最近インタビューしたWBSBFKのRyota Tsuchiyaさんもすごいお笑い好きで、バンドの曲はクールなポストパンクなんですけど、Twitterとかでは告知とお笑いの話半々で。クールな音楽やる人もお笑い好きなんだなって思いました。
 「最近それは思います。なんか、Lil Soft Tenis君も歌詞の中に芸人さんの名前が入ってたり。lil beamzさんがM1で優勝したマヂカルラブリーについての曲を出したりとか」

――えー!すごい。タイムリーですね。
 「はい!しかも、それについてマヂカルラブリーも“聴いたよ!”って言っていて。そういうのを見ていると、アーティストが芸人さんからインスピレーションをもらったりしているのはおもしろいなあって思いますね」

――2021年の笑いとインディペンデント音楽の考察とかおもしろそうですね。lil beamzさんはフィジカルでその曲をリリースしてたんですか?
 「配信だけだと思います」

――配信って本当に、タイムリーにリリースできるからいいですよね。今時だなって思います。
 「今のことをすぐ曲にしてるアーティストはすごいなあって思います」

Photo ©SAI

――今注目のアーティストを教えてください。
 「SPEEDをきっかけに知ったアーティストがけっこう多くて。SPEEDから2021surviveを知って、そこから関西のLil Soft TenisとかLe Makeup、Doveさん、NTsKiさんとか、HEAVENとか。あのあたりが自分の中でめっちゃきていて。なんか東京とはまた違った雰囲気の魅力があるので、一度生で関西の音楽シーンを見てみたいって最近すごく思っています」

――関西のシーン、アツいですよね。海外で今推してるアーティストはいますか?
 「海外は、beabadoobeeさん。ファッションと音楽が他にはいない感じなので、見ていても聴いていても楽しい。そういうのやっぱり大事だなって思って。ヴィジュアルと連動して魅力が増すようなアーティストはワクワクさせられる。そういう人が好きです」

――さて、インタビューも終盤になってきたのですが、最後にこれは話しておきたいぞ!っということはあったりしますか?
 「話しておきたいというか、SAIさんと話したかったことがあって。けっこう前のインタビューでADHDグレイゾーンについて話していらっしゃるのを見たんですけど、私も明らかにそうで。診断はしたことがないんですけど、環境でミスしたり、馴染めないのとか。覚えが悪いのとか、数字が苦手とか。何度も同じこと言われてるなあ、とか。けっこうあって。インタビューを読んで、えっ、SAIさんが……!みたいな、勇気付けられました。東京に来てから、意外とTwitterとかにもそういう人が多くて、なんか、安心したというか。職場に出て普通に働いていると、なんで私だけ……みたいなことがけっこう多くて、全部嫌になっちゃったりするんですけど、“なんで私だけ”って思ったときに、同じかたががんがん活躍されてるのを見ると、勇気付けられますね。それはずっと話したかったです」

――わあ、それは……なんていうか、活動をしていて一番言われて嬉しい言葉かもです。ありがとうございます。最近特にそう思うんですけど、人を勇気付けるみたいな活動が一番やりがいあるなって。
 「ソロの日本詞、響くことが多くて。働いていると、この世界に何もできないクズみたいな自分がここに1人いる、みたいな気持ちになってすごくズーンとしちゃうんですけど、“日本だけじゃない、世界は広い”みたいな歌詞を聴いて、ここだけじゃない!って思った瞬間に広がるっていうか。苦しい気持ちから解放されることが多くて」

――自分のことをADHDかも?って思うのは、どんな瞬間が多いですか?
 「いつも思うんですけど、美容室だと“これをやって、次これをやって、あれをやってて”って何かを同時に指示されることが多いんですけど、3つ言われると、最後の“あれをやってて”だけ覚えていて、最初の2つを全く思い出せないとか。あと、カタカナも弱いのかもしれないです。ちゃんと確認したはずなのに、持って行った物が違うとか。それも一度じゃないので、“この間もその間違いしたよね?”みたいに言われたり……」

Photo ©SAI

――自分の苦手なことをリスト化して、なんで苦手なのかを分析したら、例えば転職するときに、“この作業をしなくていい”みたいなのが見つかるかもしれないですね。とか偉そうなこと言ってますけど、私も仕事迷子中なので、何かADHDの特性があっても生活し易くなる本とか記事があったらシェアしますね。ちなみにRisaさんのTwitterアカウントの“エイリアン”っていうのは、そういう、疎外感みたいな気持ちから選んだ単語なのかな?ってふと思いました。
 「エイリアンにはけっこう理由があって。物心ついたときから、自分は普通じゃないというか、馴染めていないっていうのは感じていて、人間じゃないんじゃないか?って思った時期もあったりしたのと、実家に“リトル・グレイ”っていう名前の音楽スタジオがあるんですけど、リトル・グレイって宇宙人の名前で、家のパソコンとかホームページもいろいろ“リトル・グレイ”で作られていることが多かったので、エイリアンというものに親しみを感じたのもあって。それでSNSを始めた頃からいろんなアカウントを“エイリアン”でやっていました」

――疎外感みたいなものや、人と違ってしんどかったことって、経験しないと痛みがわからないですよね。なので今後絶対Risaさんの強みになると思います。そういえばバンドを組みたいとツイートしていたことがありましたが、どんなバンドにしたいですか?
 「んん~……。強くてカッコいい……バンドに憧れます。Ms.Machineもけっこう理想的なかたちでカッコいい。統一感があるというか。雰囲気が定まっている感じがすごく好きです」

――TumblrでメキシコのMARGARITAS PODRIDASを紹介していましたよね。ダークめなテイストからポップなテイストまで好きなのって、もしRisaさんがバンドを始めるとしたら強みになるなあって思いました。バンド始めたらぜひ共演したいです。すごく楽しみです。今後したい活動とかはありますか?
 「イベント企画をしたり、ジンを作って、いろんなアーティストやDJを呼んで、そこでローンチパーティをしたりとか。あとは、ライヴハウスとかクラブはまだまだ苦しい状況なので、お客さんをそっちにもっと誘導できるものを作りたいと考えています。コロナによって音楽やアートを必要としている人と、そうでない人の線引きがはっきり出てしまったぶん、同じ熱量で音楽やアートに価値を感じている人たちと繋がることができたので、一緒に発信することでもっと音楽の価値を上げたり、経済を回して良い循環を与えられるようなことがしたいです」

Risa “i’d live in a hologram with you” | https://alien-melissa.tumblr.com/
Risa “ENCHANTED” | https://alien-melissa.tumblr.com/