Review | 東京・西荻窪「JUHA」


文・撮影 | SAI

 みなさんお元気でしょうか。今月は、先月に引き続き喫茶店のご紹介です。個人経営のお店を応援したいという気持ちもあってシリーズ化しているこの企画、今月は東京・西荻窪にある「JUHA(ユハ)」というお店をご紹介します。フィンランドの映画監督アキ・カリスマウキの映画『白い花びら』(1999)の原題からお店の名前を名付けたようです。“ジュハ”じゃなくて“ユハ”です。私のTwitterアカウントはスウェーデン語で“My neme is Sai”という意味の“Jag heter sai(ヤー・へーテル・サイ)”なのですが、アルファベットのJをヤ行で発音……スウェーデン語とフィンランド語、似ているようで似ていないけれどそこは同じなのですかね~。興味深いです。

 都内のジャズ喫茶まとめサイトで見つけたお店なのですが、「ジャズ喫茶かつ北欧に関連した喫茶店とか最強でしかない……!行きたい……!」という気持ちが燃えたぎるも、営業時間が18:30まで(土日祝は18:00まで)なので、なかなか足を運べない喫茶店のひとつでした。最近Twitterで5000というバンドのEP『赤線』の歌詞をもう一度知りたい……。とつぶやいていたのですが、私の中では、西荻窪といえばFLATというライブハウスのイメージ。

Photo ©SAI
メニューが手書きで可愛い……!スウェーデンの家庭的なケーキ、ミュークペッパルカーカを注文しました。
Photo ©SAI
コーヒーカップがJUHAオリジナルなんですよね……。細部までこだわりを感じます。

 このお店で印象的だったのは、クラシックな雰囲気なのに店主が(良い意味で)とてもぶっきらぼうだったこと。なんだか、そのギャップがとても良かったです。重めボブにメガネのルックスで、墓場◯太郎さん風味だったのも良かった。ジャズ喫茶というと、会話が禁止されているところも多いのですが、JUHAはお話しても大丈夫だったので、友人とお茶するのにもぴったりだな~、と思いました。

Photo ©SAI
前回に続きお手洗いチェック……!アキ・カリスマウキ監督のポスターが飾られています。 お手洗いの作りが東京・恵比寿「ダイトカイ」を彷彿とさせました。

Photo ©SAI

 店内のBGMにヴァイナルが使われているのも良かったです。JUHAのInstagramにはレコードの写真がたくさん。友人に北欧の話題を熱弁してもなかなかみんなハマってくれませんが(笑)、JUHAは音楽好きの友人にもおすすめできそうです。オリジナルのトートバックもかわいかったな。

 私が伺ったときは店主がおひとりでお店をまわしていたので、注文をとったり、豆を挽いたり、レコードを裏返したり。豆を挽く音とレコードのノイズ、それとお客さんの談笑する声が何とも心地良い空間でした。

〒167-0053 東京都杉並区西荻南2-25-4

平日 10:30-18:30
土日祝 11:00-18:00

毎週月曜定休

※ 営業時間は変更となる場合があります。

SAI
https://jaghetersai.tumblr.com/
https://twitter.com/jaghetersai

SAI | Photo ©Matthew SommersMs.Machineのヴォーカリスト / リリシスト。

2015年にバンドMs.Machineを東京にて結成。近年ではTOTAL CONTROLやUBIKといったオーストラリアのポストパンク・バンドと共演。米NYのメディア・コレクティヴ「8ball」やオンライン・メディア「CVLT Nation」のチャンネルにライヴ出演するなど、ボーダーを越えて活動している。2020年4月にはシングル『Lapin Kulta』をリリース。

ソロでは『Dröm Sött』を2019年8月にリリース。同年にフィリピンのバンドTHE MALE GAZEと共演。2020年はシングル『LIER』『スミノフ』などを発表し、7月にEP『瑞典春氷』をリリース。同作は『音楽と人』誌に掲載されるなど、大きな話題となっている。音楽活動以外では、中国の写真家Ren Hangの作品やインディペンデント・マガジン「CONTACT HIGH ZINE」にモデルとして参加。石原 海監督の映画『ガーデンアパート』に出演している。