文・撮影 | SAI
みなさまお元気でしょうか。東京は初夏の気温でTwitterもリラックスムードな人が増え、私もここ2、3日でやっと熟睡できるようになりました。
さて、今回の記事はセルフレビューです。またいつ第二波がくるかわからないですが……5月にリリースされたドネーション・アルバム 『Songs for Our Space』と『2021survive』にそれぞれ1曲ずつソロで参加し、配信番組「VIDEO SERVICE “AMUSEMENT”」に出演させていただきました。是非チェックしていただきたい & 自分の気持ちのまとめとして書き残しておきたいと思い。
それではちょっとのお時間お付き合いくださいませ。
| SAI「TYO COVID-19」
最初はStrip Jointのフロントマン岸岡とThe Cabinsのギタリストseven君のレーベル「露光」からリリースされたドネーション・アルバム『Songs for Our Space』に収録されている曲「TYO COVID-19」についてです。この売上は「#SaveOurSpace」に寄付(ドネート)されます。
イントロに語るような声を入れるのは、STRUGGLE FOR PRIDE「すべての価値はお前の前を通り過ぎる」とSFP × カヒミ・カリィさんの「Reflector」から着想を得たものです。街中で聴いてるときにイヤフォンから聴こえる声と雑踏が混ざり合って、日常の世界と曲の世界の境界線がなくなる感じがしたのが新鮮だったので、取り入れてみようと思いました。言葉(歌詞)はMs.Machineの「Black Sun」という曲の歌詞に使おうと思っていたものなのですが、コロナというより震災以降ずっと政府に対して思っていたことなので、使用できてよかったです。
サイレンの音はClara 3000がSoundCloudで公開している曲からインスパイアされて入れようと思いました。Clara 3000はファッション・ブランド「Vetements」のショー・ミュージックなども手がけているDJ。その界隈の人物で忘れないように書いておきたいのは、Vetementsのモデルを務めているPaul Hameline。フランス・パリのバンドRENDEZ-VOUSのEP『Distance』(2016, Avant!)ではカヴァー・フォトのモデルになっています。Hameline君のインスタはけっこう血とかの写真が多いので、早めにフォロー外した覚えがあります(笑)。
ちょっと脱線しますが、もやっとしてTwitterに書こうと思ったことも、服のブランドの話の流れで書いておきたいです。最近「Supreme」が期間限定で映画『KIDS / キッズ』(1995, ラリー・クラーク監督)を公式サイトで配信していて、まんまと見逃したのですが(その後TSUTAYAで借りたのですが、まあ最悪な気持ちにはなりました。クラークが何を意図して制作したかは調べていないので、一概には言えませんが、第一印象としては最悪って感じです)、Supremeを“好き”と公言していいのか、自分の中で葛藤があったり。Instagramやルックブックでの女性の扱い方がポルノチックなのと、水原希子さん × アラーキーの写真があって、私はあの一件以来アラーキー自体が好きではないので、そういうアーティストを起用しているブランドを好きと言っていいのかな?なんて思ったりもします。でもそんなこと言ったら息苦しいし、自分が好きなブランドやアーティストが実はそういう思想の持ち主だった場合も考えると身動き取れないよな的なことも同時に思ったり。
水原希子さん、凛とした発言をよくしていて魅力的ですが、妹の水原佑果さんも素敵ですよね。KOHHさんのMVがめっちゃ最高でした。高円寺のGRASSROOTSに遊びに行って店長と話していていたとき、佑果さんがDJしたことがあるらしく「すごい性格の良い子だった」とおっしゃっていて、見た目も中身も素敵なの最高だなあと思いながらインスタライヴでのDJを観たりしていました。
| SAI「Hej då」
さて、話戻りまして。2021suvirveクルー (中心人物はUsのKen Truth、S亜TOHのリンナ、SALICHANMODE)がリリースしたドネーション・アルバム『2021survive』に収録されている「Hej då」についてです。この売上は幡ヶ谷 Forestlimitに寄付(ドネート)されます。
この曲は、ビートメイカーとヴォーカリストがタッグを組み、ビートメイカーは45分でビートを制作、ヴォーカリストは翌日までに歌詞を考えて公開録音するという2021surviveのYouTube配信企画で制作しました。
私はなんと(!)、篠田ミルさん(yahyel)とタッグを組んでの制作でした。Ms.Machineは現在ギタリストのMAKOが楽曲を制作し、歌詞とヴォーカルのメロディは私が考えるというスタイルを採っているので、あまり苦はなかったですが、とにかく緊張しました(笑)。アーカイヴでビート制作 / ヴォーカル録音の様子が観られるので是非!
2021sueviveのクルーはヒップホップ / クラブ・シーンの人たちが多く、露光企画のドネーション・アルバムとはまた毛色が違っておもしろいです。私はこの企画きっかけでValkneeさんのことを知ったのですが、めちゃ癖になる声です。ずっと聴いてます。最近、Valkneeさんの呼びかけで田島ハルコさんやなみちえさんたちとコラボした新譜『ZOOM』がリリースされましたね。デンマーク映画『チーム・ハリケーン』ばりのヴィヴィッドな色使いに、キャラの濃いラッパーたちが登場して最高な気分になります。MV監督は大平彩華さん(BADHOPのVJ映像や、m-floのアニメーションを制作しているかただそう)。それぞれのアーティストの作品を6月は深掘りしようかと思います。
| 下北沢 SPREAD × FLATTOP「VIDEO SERVICE “AMUSEMENT”」
そして最後は下北沢 SPREAD × FLATTOPの配信番組「VIDEO SERVICE “AMUSEMENT”」についてです。SNSでこのフライヤーを見かけたことのあるかたも多いかと思うのですが、収録の日は過去に出演したライヴの中でも指折りに印象深かったです。
ライヴ配信は「8-ball TV」以来2回目だったのですが、私たちのためにライトセットを組んでくださって、もうそこから感激(涙)。映像も高画質で、カット割りもカッコよくて、本当に素晴らしい経験になりました。名前だけ見たことがあっても、なかなかライヴに行けなかったり、観る機会がないアーティストっていると思うのですが、Ms.Machineも現状いろんなイベントに出演できているわけではないので、そうなりがちだなって思っていて。今回の配信で普段の活動域だったら気付いてもらえなかったかもしれないDJやフォトグラファーのかたがSNSで反応してくださって、とても嬉しかったです。
下北沢 SPREADは下北沢 THREEなどのライヴハウスと同じ系列なのですが、2月末オープンだったらしく、オープン後すぐにコロナの影響で休業状態になってしまったようなのです。パーティ・レーベルのFLATTOPがブッキングをしているだけあって、かなり豪華な出演陣で、お誘いをいただいた後にフライヤーを見て「ひぇ~!」となりました(笑)。私たちは5月19日に出演させていただきましたが、憧れのA Virginさんとまさかの同じ回……。顔合わせで初めてご挨拶しましたが、カッコかわいすぎて直視できなかったです……。
5月8日から6月7日まで毎日配信というのもすごいですが(代官山 UNITでアルバイトをした経験があるのですが、毎日ライヴってなかなかないし、ブッキングがかなり大変だと思うのです)、アーカイヴ観放題というのも嬉しいですね。アーカイヴは7月7日までだそうです。個人的に観たい回がまだまだたくさんあるので、楽しみです!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
https://jaghetersai.tumblr.com/
https://twitter.com/jaghetersai
2015年にバンドMs.Machineを東京にて結成。近年ではTOTAL CONTROLやUBIKといったオーストラリアのポストパンク・バンドと共演。NYのメディア・コレクティヴ「8ball」のチャンネルにライブ出演するなどボーダーを越えて活動している。2020年4月には4thシングル『Lapin Kulta』をリリース。
ソロでの活動では『Dröm Sött』を2019年8月にリリース。同年にフィリピンのバンドTHE MALE GAZEと共演。中国の写真家Ren Hangの作品やインディペンデント・マガジン「CONTACT HIGH ZINE」にモデルとして参加。石原 海監督の映画『ガーデンアパート』に出演している。