Review | 『リラックマの「ごゆるり」セルフケア メンタルの不調とさようならする100の方法』


文・撮影 | SAI

 みなさま、お元気でしょうか。今回は『リラックマの「ごゆるり」セルフケア メンタルの不調とさようならする100の方法』(リベラル社)のレビューを。

 今月は本を読む時間が増え、いろいろ考え事をしています。そんな中で出会った一冊がこちら。心理学の本、断捨離の本などなどに書いてあった大切なことがシンプルに書いてあり、なによりリラックマが可愛い。何事も、リラックスして取り組んでもいいんだなあ~と肩の力を緩められます。

 ポジティヴな言葉を発すると良い、という当たり前~なことなのですが、人間の脳は主語を認識しづらいため、悪口やネガティヴなことを口に出すと、自分を攻撃しているように認識してしまうようです。そこから自己肯定感が下がっていく……というサイクルにも繋がるので、言霊のチカラって本当なんだなあと感じる日々です。

 私は最近、ネガティヴな考えになってしまったら、どうにかして「ありがとう」という気持ちに変換するようにしています。ちょっと嫌なことがあったとしても、「自分の気づきになったな、ありがたい」と心で唱えると気持ちが明るくもなります。

 好きな洋服、漫画、やりたかったこと。本当は選びたかったのに選ばなかったもの。したくないのにしていたことも、欲しくないのにもっているものも手放してみましょうというページがあり、わりとどの本にも書いてあること……なのでスルーしがちなのですが、立ち止まってその言葉をよく考えてみるとけっこう腑に落ちるんですよね。

 佐々木典士『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』(ワニブックス | 筑摩書房)にも通ずる、自分の意識を“今”にフォーカスして執着を取り除くみたいな作業だと思います。気がつくと過去のこととか思い出したりしますが、そんなときは過去は過去!今からつくる未来が過去を決める!という言葉を思い出すと、気持ちが振り回されずに穏やかになれます。

 それと、この本で印象的な窓の外から見た自分はどんなふうに見える?という言葉。(…) その人の姿に、「頑張ってるね」「無理しなくていいよ」「自信持っていいよ」そんな言葉をかけてあげましょうふとした時に、このページのことを思い出すことが多いです。自己肯定感を上げる方法……よく聞く言葉ですが、自分を大切にするのがなぜ大切か、というのを最近よく考えています。

 自分を大切にする……例えば自分に鞭を打たずに、きちんと寝る。誰かと比較して落ち込むのが無駄だということを知る。いつも綺麗な服を着させてあげる。ご飯に気を配ってあげる(最後の2点はあまりできていないので、「~してあげる」と言うとなんだかしっくり)。別の本で読んだのですが、自分を大切に扱っている人は、他人からもそういう扱いを受ける。逆も然り。確かに睡眠時間を自分できちんと確保して、気持ちが安定していて、いつもきちんとした格好をしている人を無下に扱うことってできないよなあ、と思います。自己中心的と履き違えてはいけないですが、他人に気を配るように自分に気を配るのは、大事なんだな、と思います。

Photo ©SAI
この本をご紹介するの、悩み深い自分を曝け出すようで、ちょっとお恥ずかしいのですが、本当にオススメの2冊です。

 『リラックマの「ごゆるり」セルフケア』を監修している根本裕幸さん、本当に心にスーッとはいることを書くな……と思って著書一覧をみていたら『いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本』(ディスカバー21)の著者でした。去年いろいろあったときに読んだ本の中に、自分の中に罪悪感があるから、自分で自分が幸福になることを阻止していると書いてあって思い当たる節があったので、この本を読んでみたのですが、いろいろと楽になったんですよね。

 大好きなドリアン・ロロブリジーダさんとリル・グランビッチさんの番組で、ドリアンさんが「人様の悩みで飯は食っていけない」と言っていて、本当にそうだな……と思うことがありました。大変そうな人を見かけると、心配しすぎてお節介になる節があるので、最近なるべくTwitterを見ないようにしてるんですけど、本当にそうだな、と思って……。同じようなことを考えているみなさん、ぜひ番組を観てみてください。

 最近ちょっと説教くさくなってきたな……と感じることがあったら、そういう心境の変化だと捉えてください(笑)。悩みごとがあるときはいつも本が助けになってくれますね。

 バンドMs.Machineは11月に1本ライヴがあります。ソロ・ライヴは12月に1本。とっても楽しみです。

 最後まで読んでくださって、ありがとうございました。心も体も元気に過ごしましょうね。

wolke vol.10wolke vol.10

2022年11月27日(日)
東京 下北沢 SPREAD
開場 18:30 / 開演 19:00
2,400円(税込 / 別途ドリンク代)
Teens 1,400円(税込 / 別途ドリンク代)

出演
Ms.Machine / yangdoe
ほか

YOONSEULYOONSEUL

2022年12月18日(日)
東京 下北沢 SPREAD
開場 18:00 / 開演 18:30
前売 3,500円 / 当日 3,800円(税込 / 別途ドリンク代)
TIGET

出演
inewa / SAI (Ms.Machine) / Uztama / YUP YUP

SAISAI
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現在東京を拠点に活動するヴォーカリスト / リリシスト / ライター。

2015年にバンドMs.Machineを東京にて結成。近年では坂本龍一 / 後藤正文主催イベント「D2021」に出演。また、アメリカのメディア・コレクティヴ「8ball」やシンガポール拠点のCNA制作番組「Deciphering Japan」が日本の女性にフォーカスした回に出演するなど、ワールドワイドに活動している。2020年末にUMMMI.監督のMV『Girls don’t cry, too』、2021年には待望の1stアルバム『Ms.Machine』を発表し、「FUJI ROCK FESTIVAL ’21」“ROOKIE-A GO-GO”に選出される。

ソロでの音楽活動は2019年夏にスタート。『音楽と人』誌への掲載や、InterFMのラジオ番組「sensor」への出演など、大きな話題となっている。2021年はシングル『記憶喪失』『Sonatine』や、ex-TAWINGSのヴォーカリスト・KANAEとの楽曲『Myway Highway』をリリース。9月には、野中モモ、奥浜レイラとの“私たちのシスターフッドミュージック”についての鼎談記事が『Numéro TOKYO』に掲載された。

また、音楽活動以外にライター/インタビュアーとしての側面も持つ。ウェブマガジン「AVE | CORNER PRINTING」では音楽や映画などについての記事を連載しており、これまでにICEAGE、野中モモ、Elle Teresa、そしてSAIが特に関心を寄せるスウェーデンの男女平等社会について友人のVeraとNellaにインタビューした記事もある。