Interview | CONTENTION


独裁者たちは今も人類の喉元に存亡の危機を突きつけている

 かつてCULTURE、MORNING AGAIN、POSON THE WELL、SHAI HULUD、STRONGARMらが輩出し、メタリック・ハードコアの聖地とされたフロリダ州。その西岸に位置する街・タンパより登場し、1990年代ユーロ・エッジメタルの影響色濃いクラシックなサウンドで話題を呼んでいるバンド・CONTENTIONが間もなく来日。英「The Coming Strife Records」やメンバーが主宰する「Armageddon Records」などからのリリースを続け、一昨年は現行トップ・レーベルのひとつ「Daze」より目下最新作『Artillery From Heaven』を発表してさらに注目を浴びる絶好のタイミングでのジャパン・ツアーとなります。

 本稿では来日直前、東南アジア・ツアー中の彼らに、バンドの成り立ちについてメール・インタビュー。インドネシア・ジョグジャカルタからスラバヤへの道中、メンバーが寝静まった折にシンガーのCosmo Vidussiさんが答えてくださいました(起床したBayly Bransonさんも途中参加)。


 4月24日(金)大阪・西心斎橋 HOKAGE、25日(土)愛知・名古屋 Club Zion、26日(日)東京・新宿 ACB HALLの3公演。最終日の東京公演「Blood of Judas Vol.6」には、インドネシア・バンドンのエッジメタル + ビートダウン、BLEACHの合流も決定しています。BLEACHは4月29日(水)に東京・中野 MOONSTEPにてワンオフ・ショウも開催。


取材・文 | 久保田千史 | 2026年4月

Main Photo ©Pat Schmidt

――メンバーの紹介をお願い致します。私が持っているArmageddon RecordsからリリースされたCD-Rには「Contention is and always will be Cosmo, Josh, Bayly, and Lucas.」って書いてありますけど、結成時から不変のメンバーということ?
 「その4人は、結成当初からのメンバーだよ。最初のギタリストだったMitch(Mitchell Wilbush)が脱退したとき、Baylyがベースからギターになったんだ。そのあとベーシストが何人か入れ替わったけど、『Artillery From Heaven』が出る直前にD'Angelo(Casanas)が加入した。それからずっと彼が弾いているから、俺たちは彼もオリジナル・メンバーと同じくらい、バンドの核となるメンバーだと思っているよ」

――みなさんそれぞれ普段はどんなお仕事をしていらっしゃいますか?
 「僕らはできるだけプライベートを明かさないようにしているんだけど、Josh(Howell)がArmageddon Recordsを運営していて、D'Angeloが理髪師だっていうことは教えておくね」

CONTENTION

――大変失礼を致しました。ありがとうございます!CONTENTIONはどんなきっかけで結成されたのでしょうか。
 「僕らは全員、長年タンパのシーンでバンドをやっていたんだ。当時からJoshはPOINT OF CONTACTをやっていたし、僕もCONTROL SYSTEMっていうバンドでヴォーカルをやっていた。Lucas(Pereyra)とも一緒にバンドをいくつか組んでいたよ。でも当時のタンパにはストレートエッジのミュージシャンがあまりいなかったから、JoshがSxEバンドをやるためにLucasとBayly、それから最初のギタリストを集めたんだ。彼らがJoshのガレージで何回か練習したあと、“歌ってみないか?”って僕が誘われたのが始まりだよ」

――結成当初はどんな音楽を作ることを目標としていましたか?最新作『Artillery From Heaven』はFROM THE DYING SKY、MORNING AGAIN、STIGMATA、UNBROKENなどをリップオフしたカヴァー・アートが作られていますよね。そういったバンドの影響を受けてきたという認識で問題ないでしょうか。
 「FROM THE DYING SKY、REPRISAL、ARKANGELみたいなヨーロッパのメタリック・ハードコアと、THE SWARM、INDECISION、ALL OUT WARみたいなアメリカのバンド、両方から同じくらい影響を受けていると言えるかな。UNBROKENは僕らが若い頃に夢中になった大きな存在だから、直接的なスタイルではないかもしれないけど、彼らのエッセンスは自然と滲み出ていると思うよ」

――音楽的には、FROM THE DYING SKYや中期REPRISALの影響が色濃いように感じます。今この時代に、1990年代後半におけるイタリアのヴィーガン・ストレートエッジに注目した理由は?
 「僕らが活動を始めた頃、特にフロリダにはそういうサウンドのバンドがあまりいなかったからなんだ。当時はNYHCやビートダウンがハードコアの主流だったから、僕らのスタイルがみんなに受け入れられるまでには少し時間がかかったと思う」

――CONTENTIONは“ストレートエッジ・バンド”という認識で間違いないでしょうか。みなさんがストレートエッジになった理由、経緯などを教えてください。
 「うん、僕らは間違いなくストレートエッジ・バンドだよ。僕らが育った街では、若者の間でオピオイド濫用が大きな問題になっていて、小さい頃からドラッグがもたらす悲惨な影響を目の当たりにしてきたんだ。みんな、友人や家族が中毒になって、最終的には刑務所行きになるか、病気になるか、死んでしまうのを見てきた。そういう結末を一度でも見てしまうと、ドラッグや酒なんて、完全に魅力を失ってしまうんだよ」

CONTENTION

――そうですね……。ブレイクエッジについてはどう思われますか?例えば私は個人的に、ブレイクエッジ後のARKANGELは、ある意味とても誠実に感じられるので好感を持っています。あなたはどうですか?
 「ARKANGELが許されるのは、『I Hope You Die By Overdose』(2004)がとにかく名盤だから。それに尽きるね」

――なるほど……。『Laying Waste To The Kingdom Of Oblivion』にはTHE SWARMのリップオフ・カヴァーがありますよね。THE SWARMは私にとってベスト90sバンドのひとつなので、グッときました!彼らのネガティヴでアポカリプティックな歌詞やイメージは、CONTENTIONとかなり近しいと思います。そういう面での影響はありましたか?
 「僕らは全員、音楽的にもテーマ的にもTHE SWARMの大ファンなんだ。『The Parasitic Skies』(1999, No Idea Records)のカヴァー・アートは視覚的なインパクトがすごくて、まだ若かった頃にブログで見かけてすぐに音楽をチェックしたよ。GODSPEED YOU! BLACK EMPERORの『F♯ A♯ ∞』(1997, Constellation)を思い出した。僕は、レコードのカヴァー・アートがそのバンドのサウンドを象徴しているのが好きなんだ。僕らのアルバムのアートワークを手がけるときも、常にそれを意識しているよ」

――INDECISIONの「Blindfold」をカヴァーしていらっしゃったのも印象的です。INDECISIONはポリティカルな題材を極めて詩的に表現していますが、CONTENTIONもそういった形態の歌詞を目指しているのでしょうか。
 「最初に“Blindfold”を聴いたのは、地元のMERKITっていうバンドがカヴァーしていたときなんだ。リリック・シートを読むまでカヴァー曲だとは知らなかった。それでINDECISIONを知って、幸運なことに数年後、FOUNDATIONのラスト・ショウで彼らのステージを観ることができたんだ。最高のバンドだよ。僕の歌詞のアプローチはINDECISIONのTom(Sheehan)と比べるともっと遠回しでメタフォリカルだと思うけど、彼らの歌詞に込められた本物の怒りは本当に素晴らしいと思うよ」

――「I.C.B.M.」は、約40年前にAMEBIXが同じタイトルで同じ事柄について歌っていますよね。人間の所業は、40年前と変わっていないと思う?それとも良くなっている or より悪くなっていると思う?
 「僕らは今、まさに核の緊張が高まった時代を生きているよね。AMEBIXのレコードが出た頃の世界と同じ。同時期の曲、例えばCRO-MAGSの“World Peace”を思い出してみて。“エイズにやられなくても、核弾頭にやられる If AIDS don't get ya then the warheads will”っていう歌詞があるよね。終末的な不安が蔓延する時代には、それが常にその時々の芸術や文化に色濃く反映されるものだし、現在の状況は冷戦時代の人々が感じていたこととの共通点がたくさんあるんじゃないかな。独裁者たちは今も人類の喉元に存亡の危機を突きつけている。いろんなことが変わったけど、結局のところは何も変化していないんだ」

――そうですね……。では、少しでもベターに生きるために心がけていることがあれば教えてください。
 「心と身体を健康に保つこと。薬物を使わない、子供を持たない、刑務所に入らない」

――THE ARRIVAL NOTEやHOLY DOSEでの活動についても聞かせてください!どちらもCONTENTIONとはかなり異なる音楽性だと思うんですけど、それぞれどんなものを目指しているのでしょうか。
 「HOLY DOSEは、CONTENTIONのメンバー3人(Bayly、D'Angelo、僕)がやっているギター・オリエンテッドな90sオルトロック・ウォーシップなプロジェクトだよ。最近『Sharp Decline』(New Morality Zine)っていうレコードを出したばかり。CONTENTIONとは違っていて良い気分転換になるし、回し蹴りよりステージ・ダイヴ向けのサウンドだけど、エネルギーは変わらないよ。THE ARRIVAL NOTEは、Josh、Bayly、D'Angeloがやっているバンドで、TEXAS IS THE REASON、THE PROMISE RING、BRAIDみたいなタイプのエモだよ」

――AFTERTHOUGHTもクラシックなNYHCを彷彿とさせる渋いバンドですよね。他にもやっているバンドはありますか?
 「CONTENTIONのメンバーが他にどういうプロジェクトをやっているのか、複雑な相関図が必要かもね(笑)。BaylyはDOGMATICっていうパワーヴァイオレンス・バンドのフロントマンで、POLYESTERBLEEDING HEARTではギター、THE ARRIVAL NOTEとHOLY DOSEではベースを弾いているよ。JoshはTHE ARRIVAL NOTEのヴォーカリストで、BLEEDING HEART、INPRINT、POINT OF CONTACTではギタリスト。AFTERTHOUGHTはDogpound Mediaをやっている友達のDanny(Rivas)がヴォーカルのバンドなんだけど、D'Angeloはそこでドラムを叩いてる。HOLY DOSEではギターを担当。そして僕はCONTENTIONとHOLY DOSEのヴォーカルだよ」

――古今東西、おすすめしたいフロリダのバンドは?ハードコアじゃなくてもOK!
 「MORNING AGAIN、CULTURE、EXIT LIFE、NO TRUTH、AXIS、BLISTERED、STEP 2 THIS、DOMAIN、MERKIT、I HATE MYSELF。Baylyが起きたみたいだから、彼にも聞いてみるね」
Bayly 「ASSÜCK、INCARNATE、BE ALL END ALL、I HAVE DREAMS、A NEW KIND OF AMERICAN SAINT、EMACIATE、WASTED LIFE、REMOTE CONTROL、BLOCKADE、AWAY WITH WORDS、DAY BY DAY、THREE KNEE DEEP、BLACKSMITH、LYLAC、COLLATERAL、REMEMBERING NEVER、UNTIL THE END、それからREVERSAL OF MAN」

――わあ、フロリダだけでもたくさん出てきますね!私もI HATE MYSELF、REVERSAL OF MAN大好きです。Damien Moyalさん(ORNING AGAIN, CULTURE)にインタビューさせていただいたこともありますよ。では、今度は好きな日本のバンドがあれば教えてください!日本に来たら探したいレコードとかありますか?
 「envy、G.I.S.M.、BASTARD、FRAMTID, FUCK ON THE BEACH、もちろんKRUELTYも。あとは福居 良も好きだよ」
Bayly 「見つけるのは難しいのかもしれないけど、STATE CRAFTとかSTRAIGHT SAVAGE STYLEの音源がめっちゃ欲しいな」

――滞在中に見つけられるといいですね!来日に向けて楽しみにていることは?
 「典型的なアメリカ人っていう感じの答えになっちゃうけど……、間違いなく食べ物だね。限られた時間だけど、日本の食と文化をできる限り満喫したい。2週間のツアーが終わったら、温泉にも絶対行かないとね。CONTENTIONを始めるまで僕らは全員、アメリカを出で旅行するような機会がほとんどなかったんだ。だから日本に行けることを本当に感謝しているよ」

CONTENTION

Retribute Records presents CONTENTION Live in Japan Tour 2026Retribute Records presents
CONTENTION Live in Japan Tour 2026

Retribute Records presents CONTENTION Live in Japan Tour 2026| 2026年4月24日(金)
大阪 西心斎橋 HOKAGE

開場 18:30 / 開演 19:00
前売 5,000円 / 当日 6,000円(税込 / 別途ドリンク代)
e+

出演
CONTENTION / FALLEN GRACE / GATES OF HOPELESS / TEMPLE / withthesun

Retribute Records presents CONTENTION Live in Japan Tour 2026| 2026年4月25日(土)
愛知 名古屋 Club Zion

開場 17:00 / 開演 17:30
前売 5,000円 / 当日 6,000円(税込 / 別途ドリンク代)

出演
CONTENTION / GLOOMY MORNING / L2D / RECLUSE / underscreen / View From The Soyuz

Retribute Records presents CONTENTION Live in Japan Tour 2026| 2026年4月26日(日)
"Blood of Judas Vol.6Q"
東京 新宿 ACB HALL
開場 15:30 / 開演 16:00
前売 5,000円 / 当日 6,000円(税込 / 別途ドリンク代)
e+

出演
BLEACH / CONTENTION / DAYS OF OBLIVION / Failed Tales: END / GATES OF HOPELESS / STAINED / STUCK IN PAIN / TORTURE SMILE

Retribute Records presents BLEACH TO DEATH Live in Japan 2026Retribute Records presents
BLEACH TO DEATH Live in Japan 2026

2026年4月29日(水)
東京 中野 MOONSTEP

開場 18:00 / 開演 18:30
前売 3,500円 / 当日 4,000円(税込 / 別途ドリンク代)
https://retribution.ocnk.net/product/26036

出演
BLEACH TO DEATH / NINE PERCENT / 王蟲 / YENFOR